著者
張 翔 池松 香 加藤 邦拓 杉浦 裕太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.58-61, 2021-08-23

スマートフォンをユーザがどのように把持しているのかを測定することで,把持姿勢に合わせた画面表示や操作ボタン位置の自動切り替えが可能となり,ユーザに合わせたインタラクションが可能になる.本研究では,スマートフォンを操作する際に,角膜にスマートフォンの画面の光が反射して写る像を内蔵インカメラで撮影することで把持姿勢を推定する手法を提案する.角膜に反射したスマートフォンの像ではユーザが画面に指を置いている部分が影となって欠けるため,把持姿勢の推定が可能となる.本稿では,提案手法の精度を検証する実験を行った.
著者
堀 洋祐 湯村 翼
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.97-106, 2021-08-23

本研究では,相手の存在を感じる音声通話を実現する糸電話型デバイス“ミエナイトデンワ”を提案する.携帯電話などの音声通話では相手の存在をあまり意識せずに会話することが多い.本デバイスは「見えない糸で結ばれた糸電話」をコンセプトに,2対のコップが空間的に向かい合ったときのみ音声通話を可能とする。会話のために相手と向かい合っているという状況を必要とすることで,相手との繋がりを強く意識した「対話」を実現できる。
著者
中野内 涼也 宮下 芳明
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.375-378, 2021-08-23

一部の領域の輝度を変化させた画像を連続で表示することで,運動知覚が生じ,画像内の物体が移動していないにもかかわらず動いているように見える.この錯視現象を利用したアニメーション作品が SNS 上で注目を集めているが,その作成には知識やノウハウ,プログラミングの技能が必要であるため困難である.本研究では,画像内で選択した領域を,任意の方向・速度で動いているように知覚させられるツールを提案し,アニメーション作成を支援する.
著者
渡邊 拓人 兼松 祥央 三上 浩司
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.358-363, 2021-08-23

近年の自転車VRコンテンツでは,ペダル操作における回転数や力を数値として入力し、ゲームに反映するものが多い。しかし、ハンドルさばきは自動操作による省略や実競技と異なる操作の場合が多く、VR酔いや没入感の低下を招いている。本研究では体重移動を考慮したインタラクションを目指し、競技自転車のコーナリングの動きについて調査した。この調査をもとに傾斜感覚の提示装置とゲーム内のインタラクションを開発した。
著者
鍜治 慶亘 宮下 芳明
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.266-275, 2021-08-23

舌やその周辺,あるいは飲食物へ電気を流すことで,味細胞の刺激や,飲食物内のイオン泳動を引き起こし,味覚を変化させる手法を総称して電気味覚という.これまで,電気味覚の研究では多様な刺激波形が用いられており,その種類やパラメータによって味覚変化の効果が異なる.本稿では,先行研究約30本で利用された刺激波形を再現し,さらにそれらを編集した新規の刺激波形による効果を検証可能なシステム「TasteSynth」を提案する.本システムを用いることで,既知の刺激波形の追検証や未知の刺激波形の探索が容易になると考える.
著者
神野 満里奈 福原 義久
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.135-143, 2021-08-23

舞台照明の配色や配置、変更のタイミングなどは、専門の技術者の感性に依存している。本研究では、照明の調光・調色およびその配置を、曲調や歌詞の特徴を基に決定することで、曲のストーリーに沿った照明演出を自動生成することに成功した。具体的には、歌詞の特徴ベクトルから適切な照明色を選択し、曲調を用いて照明色の配置を決定する。また、極性値を用いて歌詞の内容から明度の設定などをおこなう。これにより個人の感性に依存しない安定した舞台照明演出が実現できる。
著者
稲垣 誠 川合 康央
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.81-83, 2021-08-23

本研究では,ユーザーの心拍数をリアルタイムに計測し,一定時間内の心拍数をノーツの落下速度に割り当てることで毎回異なる変化をするリズムゲームを開発しました.このシステムでは,同じ曲をプレイすることで生まれる「飽き」を軽減させるため,ユーザーの心拍数の変化に応じてリアルタイムで状況を変化させ続けるリズムゲームをプレイすることが出来ます.また,曲中での心拍数の変化をグラフにし,可視化させることで練習箇所を特定し,次回プレイ時の上達を助力します.
著者
寺島 樹 川合 康央
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.84-86, 2021-08-23

本研究は、ユーザが特定のアクションを起こすことによって、自動ドアの開閉を促すシステムを開発したものである。現在、一般的に普及している自動ドアでは、センサーの前に人が立つことによってドアの開閉を促しているものであるが、本システムでは、ユーザの姿勢推定によってドアを開閉するものである。ユーザが特定のポーズをとることによって、自動ドアが反応するため、そのポーズを知っているユーザのみが開閉可能なものとなる、遊び心を持たせた緩やかなセキュリティドアを提案する。
著者
高 友康 筧 康明
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.151-156, 2021-08-23

オーディオゲームとは視覚情報を用いずに音声のみでプレイするゲームジャンルである.今回筆者らは音のみを手がかりに遊ぶレーシングゲームを提案・実装する.これはゲーム内での音楽の連続的なパンニングをコース形状の手がかりとして用い,音の聞こえる方向へハンドルを操作することで走行が可能になる.さらに適切な難易度での体験のための走行補助などの設計を行った.本稿では,設計・実装の詳細と,オンライン展示および物理展示での様子について報告する.
著者
堀田 浩人 稲村 徳州
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.192-198, 2021-08-23

ビデオゲームUIの分類方法としてFagerholt, Lorentzonのdesign spaceがあり,この分類方法は複数のUIの研究で用いられている.本研究ではこの分類方法の例外を調査した.キャラクターとプレイヤーとの間で異なる感覚によって知覚される新たなUIの種類,alter-sensoryを定義し,それを分類するための新たなdesign spaceを提案する.
著者
田村 和也 川合 康央
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.28-30, 2021-08-23

現在コロナ禍において,実空間に観客が集まる形態でのライブイベントが,実現困難なものとなっている.そこで,生ライブ配信に対して,視聴者が音声という形でコメントを返し,共有することによって,新しい形のデジタルライブ空間を構築可能ではないかと考えた.本研究では,オンラインライブに音声コメントを追加することによって,ネット上であってもリアルな盛り上がりを共有可能かについて検証する.
著者
井手 康太 堀江 亮太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.221-226, 2021-08-23

近年,VR空間で開催されるイベントが注目を集めている.我々はジャグリングによるステージパフォーマンスに着目し,その一種であるディアボロの演技をVR空間で行うシステムを開発した.このシステムを用いたVR空間でのディアボロの演技1種類と,現実空間でのディアボロの演技2種類を,それぞれ平面動画として視聴させる主観評価実験を行ったところ,視聴者による演技の評価基準はVR空間で演じられた動画と現実空間で演じられた動画の間で変わらないという傾向が示唆された.
著者
辻野 雄大 山西 良典 山下 洋一
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.160-168, 2021-08-23

ダンスゲーム譜面は,プレイヤが行うべき入力デバイスの操作を指示するものである.操作に用いる体の部位や,操作時の姿勢は指定されておらず,あるゲーム譜面に対して行うプレイヤの身体動作は一意に定まらない. 本稿では,隠れマルコフモデルを用い,入力ゲーム譜面に対してプレイヤ動作を推定する手法を提案する.プレイヤのゲーム習熟度や動作の好みを表現するパラメータを導入し,1つの譜面に対して異なる動作を推定する複数のエージェントを生成した.
著者
岡 あゆみ 栗原 一貴
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.199-207, 2021-08-23

音はその性質上,肉眼で捉えたり触れたりすることが出来ないため,定量的に観測したり,直感的に操作を加えたりすることが難しい.そこで,聴覚と他の感覚を同期させることにより,音の扱いやすさを向上させることを検討する.近年,VRヘッドセットの普及により3D空間での表現が身近になったが,VRでの可視化手法とインタラクションの先行研究は限定的である.本研究ではVR内で見て触れながら音を調整することのできる,滝の形状をしたビジュアライザ「SoundDrop」を提案し,インタラクションについての妥当性と効果を調査する.
著者
福地 健太郎 伊藤 正佳
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.70-76, 2021-08-23

コンピュータゲーム開発において、キャラクターの見た目や動き、またその動かし方やカメラモーションなどのいわゆる3C (Character, Controls, Camera)にまつわるパラメタを初期段階で確定させることはゲーム体験の質を向上させるために重要とされている。しかしそれらパラメタの調整でゲーム体験が大きく変化することを簡単に体験できる教材は少ない。そこで2Dジャンプゲームを対象とパラメタ調整に主眼を置いた実験教材「JumpLab」を開発した。