著者
和田 和洋 森下 竜一
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.579-589, 2010 (Released:2011-02-25)
参考文献数
37

近年,核酸医薬品が次世代の分子標的薬として注目され,様々な疾患の分子レベルでの機構解明を目的とした研究に基づき,その有効性が検証され臨床応用への期待が高まっている.DDSを適用し,目的とする臓器・組織へ送達,標的分子に作用させることにより,治療できる対象疾患が拡大されうるが,核酸医薬品の開発には,安全性および品質の確保という観点で,低分子化学合成品にはない留意点があり克服しなければならない.本稿では,NFκBデコイオリゴヌクレオチドの開発を中心に,核酸医薬品の開発上の課題とDDS技術適用の試みを紹介する.
著者
中神 啓徳 森下 竜一
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.34-38, 2022-01-25 (Released:2022-03-08)
参考文献数
8
被引用文献数
1

COVID-19に対するmRNAワクチンの迅速開発の成功により,新興感染症に対するワクチンの重要性が改めて認識されている.開発されている多くのSARS-CoV-2のワクチン標的抗原はウイルス表面のスパイク蛋白であり,免疫応答を惹起して,中和抗体の誘導と細胞性免疫の活性化を誘導する.COVID-19ワクチンは,遺伝子治療の技術を用いたウイルスベクターワクチン,mRNA・DNAワクチンが行われたことが大きな特徴であるが,その中でmRNAワクチンは最も迅速な開発に成功した.
著者
森下 竜一 隅藏 康一 齋藤 裕美
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.68-73, 2015-08-31 (Released:2017-10-19)

The environment of business development on regenerative medicine in Japan was drastically changed by the Pharmaceuticals and Medical Devices, etc. Act and the Regenerative Medicine Act that were enforced on November 25th, 2014. In parallel, the situation surrounding health and medical innovation in Japan is also changing. In this article we interviewed Professor Ryuichi Morishita, a member of the Council for Regulatory Reform, to discuss the trend of medical regulatory reform in Japan.
著者
中神 啓徳 森下 竜一
出版者
一般社団法人 日本フットケア学会
雑誌
日本フットケア学会雑誌 (ISSN:21877505)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.55-60, 2017-06-30 (Released:2017-06-30)
参考文献数
14

【要旨】我々が同定した新規機能性ペプチド AG30 は,血管新生促進作用等による創傷治癒効果と膜透過性変化による抗菌作用を併せ持つユニークな特性を有する.近年ヒト由来の抗菌ペプチド LL-37 の皮膚潰瘍を標的とした治験が行われ,治療効果が期待できる結果も得られている.そこで我々はこの新規ペプチドの皮膚潰瘍外用治療薬の開発を目指し,改変型ペプチド AG30/5C を用いて臨床研究を計画した.臨床研究の目的は,これまで治療法に苦慮していた MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を保菌している難治性皮膚潰瘍を対象に,AG30/5C を創部に局所投与したときの安全性および有効性(創サイズ・抗菌活性)を探索的に検討することである.2 例の皮膚潰瘍患者に対して AG30/5C を投与した結果,安全性評価としては特に因果関係のある有害事象は認めなかった.有効性については潰瘍面積の縮小効果,投与期間中の菌量の減少効果が認められた.現在,さらなる改変型ペプチド SR-0379 を用いた医師主導治験に向けた準備を進めており,糖尿病性潰瘍・下腿潰瘍などの慢性皮膚潰瘍への適応を視野に入れて研究開発を進めている.
著者
青木 友浩 西村 真樹 片岡 大治 石橋 良太 森下 竜一 野崎 和彦 橋本 信夫 宮本 享
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.538-543, 2010-11-26 (Released:2010-12-03)
参考文献数
20

Cerebral aneurysm (CA) is a main cause of a lethal subarachnoid hemorrhage. Given the high incidence of CA in general population, the mechanisms of CA formation should be unlabelled and novel medical therapy for CA before rupture should be developed. The typical pathological feature of CA walls is the decrease of extracellular matrix (ECM). Decreased ECM results in the weakness of CA walls leading the enlargement and rupture of CA. In this article, we have reviewed the recent findings about the mechanisms of decreased ECM in CA walls mainly revealed by experiments using rodent CA models. ECM is the dynamic structure with the continuous synthesis and degeneration of matrix protein. In CA walls, the induced expressions of proteinases by chronic inflammation in arterial bifurcation are present and actively participated in the pathogenesis of CA. Further the synthesis of collagen is suppressed in CA wall through inflammatory stimulus in arterial walls. These results combined together indicate that both decreased synthesis and increased degeneration of ECM by chronic inflammation in CA walls contributes to CA formation. Further these results demonstrate the therapeutic potential of anti-inflammatory drugs for CA.
著者
森下 竜一
出版者
日経BP社
雑誌
日経バイオビジネス (ISSN:13464426)
巻号頁・発行日
no.18, pp.52-55, 2002-11

森下 生き残ること自体が課題ですから、ニューヨークに行くのはよほどのことがない限り無理ですよ(笑)。まあ、まず東証に上がる方が先であることは確かですね。 それに、上がるといっても具体的な商品が出ないと上がりようもありません。基本的に医薬品が出るかどうかがすべてです。