著者
村澤 昌崇 椿 美智子 松繁 寿和 清水 裕士 筒井 淳也 林 岳彦 宮田 弘一 中尾 走 樊 怡舟
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

本研究は,因果推論の勃興を契機とし,社会科学の半ば慣習的な統計分析が再考を迫られると認識した.そこで,従来は因果分析とされたが,厳密には因果推論ではない分析を仮に“説明”とし,その再定義,モデル評価,係数の解釈に関する新たな理論を構築する.この取組について、社会科学の方法論について深遠な議論を展開している専門家、心理学、経済学、統計科学、データサイエンスを代表する専門家と共同し議論を深めていく。併せて、新たな実験的調査を実施し、得られた情報に関して、新たな"解釈"の可能性を検討する。
著者
常田 将寛 椿 美智子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.259-270, 2016-03-31 (Released:2016-03-23)
参考文献数
24

本研究では,批判的思考力に関わる3つのスキルに基づき大学生を対象にタイプ分けを行い,タイプ毎に批判的思考に関する態度や行動と能力の関係を分析するとともに,能力を高めるために態度や行動を通して寄与している要因を分析した.その結果,3タイプに分類することができ,批判的思考力に関わるスキルが比較的高いタイプでは小中学生時からの経験の積み重ねが現在の行動に影響を与えており,能力が身に付いていることが分かった.また,スキルが全体的に高くないタイプでは,過去からの積み重ねと結びついておらず,現在の行動が能力に影響を与えていること,文章コミュニケーション力のみ高いタイプでは,態度がその能力に影響を与えていることが分かった.そして,条件付き確率分布を考察することにより,批判的思考力に関わるスキルが高いタイプと低いタイプで,必要な行動や態度の強さによる能力向上の変化に違いがあることが分かった.
著者
椿 美智子 小林 高広 久保田 一樹
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.15-27, 2010-03-25

品質を改善するために,様々な分野で伝統的にPDCAサイクルが用いられており,さらにスピードが要求される現代においては,チェックから始めるCAPDサイクルによって質・効率を上げる場合があることが示され始めている.一方で現在,教育問題においても学習の質・効率を非常に求めるようになってきている.本研究では,学習型PDCAあるいはCAPDサイクルを用いることによって,自分で学習テーマを決め,目標を決め,自分の実力を考慮した上で,目標にどのようにしたら近づくかの方法論を考えており,この構造が効率よく実力を伸ばすことに効果を上げている.本研究では,この効率よく伸びるサイクルとは,どのようなサイクルかを詳細に分析した成果を示している.
著者
椿 美智子 若林 咲
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.269-281, 2008-08-15

In the field of management system engineering, there is a management technique named Customer Relationship Management (CRM) for making the best use of management information. It is a management technique that maintains constructing the relationship needed by the customer, while accurately understanding the customer and keeping the values desired by the customer fulfilled. In this paper, we expand the idea, propose Student Relationship Management (SRM) to construct and maintain an excellent long-term mutual relationship between the university and students, and also propose a matrix of learning needs as a tool for achieving SRM. Finally, we show a method for segmenting students according to learning type, for study support based on the idea of SRM.
著者
椿 美智子
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

サービス・サイエンスの考え方に基づき,学生の学習の異質性(個人差)を考慮した上での教育効果を測るためのモデルや方法論を色々な角度から提案し,実際に先生方が教育効果を分析できるシステムを開発した。具体的には,タイプ別教育・学習効果分析システム開発,学生の学習の異質性に基づく1対多の教育・学習コミュニケーションの効果とトレードオフ,T法(1)の教育効果測定のモデルへの拡張,自己調整型問題解決力向上支援システム開発,理工系大学生の就職・生涯キャリア支援システム開発,及び有用性の検証を行った。
著者
椿 美智子 松田 洋平 土井 由希子 野口 裕貴
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.11-32, 2012 (Released:2012-10-02)
参考文献数
25
被引用文献数
2

In recent years, in addition to basic scholastic abilities and technical knowledge, it is thought that basic abilities required to function as a member of society are important to use them in society, then basic abilities required to function as a member of society have been trained in many educational institutions. Moreover, communicative abilities are regarded as important for social working. In this study, we measure abilities evaluated by short group work and related to communicative abilities in basic abilities required to function as a member of society, and we analyze the relations between the elements by graphical modeling for improving abilities. Based on the hypothesis that measurements by self-evaluations are higher than them by others evaluations, we measured abilities by self-evaluations and others evaluations. However, measurements by self-evaluation were not only higher than them by others evaluations, but also the models of the relations between elements were different. Therefore, we compared the models by TTA evaluations, student self-evaluations and student others evaluations, and examine what kinds of improvement are effective.
著者
渡部 裕晃 椿 美智子
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2015年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.1-4, 2015 (Released:2015-07-31)

サービス産業の発展に伴い,サービスの価値は顧客と企業(従業員)とが共創する「サービス・ドミナント・ロジック」や,従業員満足・顧客満足・企業利益の関係を示す「サービス・プロフィット・チェーン」という考え方が重要であると認識されて来ている。本研究では,タイプ別サービス効果分析システムを用いて顧客のタイプ分け,従業員のタイプ分けを行い,さらにサービス・ドミナント・ロジックやサービス・プロフィット・チェーンに基づき,従業員と顧客の双方がベネフィットを得られる関係を構築するために,顧客のロイヤリティや従業員のサービス品質,従業員満足の因果関係の構造を分析することで,価値を共創することができる顧客と従業員のマッチング方法を提案する。