著者
田村 隆雄 能田 慎也 武藤 裕則
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.I_469-I_474, 2012 (Released:2013-03-26)
参考文献数
8

A lot of slope failures were generated by Typhoon No.17 in 1976 and Typhoon No.10 in 2004 in the upstream of the Nakagawa River located in southern Tokushima Prefecture. Shallow slope failures were generated in Typhoon 200410 while deep slope failures were generated in Typhoon 197617. In this study, the maximum value and time series of subsurface water storage on forest slopes were estimated using a distributed runoff model, and the reason why the form of slope failure is different was discussed. We found that: (1) the collapsing forest slopes have large capacity of subsurface water storage. (2) the ratio of groundwater storage to soil water storage became large on the slope where a deep collapse was generated. (3) the ratio of soil water storage to groundwater became large on the slope where a shallow collapse is generated. (4) rain-fall intensity and its waveform are related to the generation form of slope failure, too.
著者
武藤 裕子 西山 晴彦 大久保 達真 斉藤 伸介 岡田 謙一 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.105-106, 1997-03-12

近年の情報機器の高性能化や低価格化, WWW(World Wide Web)の普及により, マルチメディア情報発信の機会が増加してきた. これにともない, 一般ユーザでも簡単にマルチメディア情報を創造できる環境の実現が期待されている. しかし, 現在のマルチメディア情報制作は, 複雑で時間のかかる退屈な作業であると報告されている. この問題を解決し, 誰でも簡単にマルチメディア情報を制作できる環境として, 扱いやすい検索キー, ユーザの感性を考慮した検索という特徴を持つ必要がある. そこで, ユーザの感性を考慮した検索を行なえるようなマルチメディア制作環境を実現するために,「山」「地面」などのように画像を部品ごとに管理し, ユーザのイメージを入力することにより, イメージに合った部品を検索して合成するシステムを提案する. これにより, 一般ユーザでも簡単に, マルチメディア情報を創り出すことができる.
著者
石垣 泰輔 武藤 裕則 竹尾 然生
出版者
京都大学防災研究所
雑誌
京都大学防災研究所年報 (ISSN:0386412X)
巻号頁・発行日
no.40, pp.361-369, 1997-04

複断面流れの構造は。水路の平面形状および横断面形状に支配されるとと童)に, 低水路水深によって孟)変化する。この流れ特有の構造は, 速度の異なる低水路流れと高水敷上流れが相互に干渉する低水路側岸近傍に見られる。ここでは, 水路側壁の形状(直線水路, 蛇行水路)と低水路形態(直線, 屈曲, 蛇行)の組合せで分類し、4種の複断面 水路(直線・直線, 直線・屈曲, 直線・蛇行, 蛇行・蛇行)における実験結果を用いて低水路側岸近傍の三次元流況の差異について検討した。その結果, 混合形態と二次流構造でそれぞれの流れが分類されること。いずれの流れにおいても低水路水深によって構造が変化するr構造の水深依存性」が見られることが指摘された、,
著者
中川 一 里深 好文 大石 哲 武藤 裕則 佐山 敬洋 寶 馨 シャルマ ラジハリ
出版者
京都大学防災研究所
雑誌
京都大学防災研究所年報 (ISSN:0386412X)
巻号頁・発行日
no.50, pp.623-634, 2006

本研究では,インドネシア国第2の河川であるブランタス川の支川レスティ川流域における土砂流出特性を明らかにするために,雨量観測,土壌侵食の観測,河川における濁度や流量等の水理量の観測を実施するとともに,衛星データを用いた植生指数の分析を行っている。さらに,植生指数と降雨に伴う土壌侵食との関係から土砂流出のモデル化を行い,観測データとの比較検討によりモデルの妥当性を検証した。その結果,本モデルにより降雨・土砂流出特性がある程度再現できることが確認された。そして,植生指数によって耕地の攪乱等の人的行為を把握し,これを降雨による土壌侵食量の評価に応用することで土砂流出に与える人為的インパクトを定量的に把握することが可能であると推察された。
著者
武藤 裕子
出版者
独立行政法人国立女性教育会館
雑誌
国立女性教育会館研究紀要
巻号頁・発行日
vol.9, pp.85-94, 2005-08
被引用文献数
2

本論は婦人保護施設利用者の変化を通して、施設の存在意義と今後のあり方を検討するものである。戦後成立した売春防止法において、婦人保護施設は「都道府県は、要保護女子を収容保護するための施設(以下「婦人保護施設」という。)を設置することができる」(第36条)と謳われ、公私の別なく各地に設置された。しかし高度経済成長期を過ぎると新規施設利用者数は減少し、平成に入るころには障害を持っているために社会復帰が困難とされる女性たちが施設に残り、利用者は高齢化していった。それゆえ、一時期には「婦人保護施設廃止論」が取りざたされたが、今日では「配偶者からの暴力の防止および被害者の保護に関する法律」の中で被害者の避難場所としての機能を併せ持つようになり、施設に対する関心は高まりつつある。利用者の変化に伴ってニーズは変化しつつあり、複雑な問題を抱えた利用者を援助するためには、ワーカーはより高い専門性が求められている。また男女共同参画社会が謳われる今日、女性だけを対象とした婦人保護施設の存在意義はもう一度確認される必要があると思われる。本稿では売春防止法制定以前に検挙された女性を対象に行われた調査、法制定後の婦人相談所と婦人保護施設の調査、そして平成7年から10年にかけて行われた調査結果をもとに、それぞれの時代の女性の特性をつかみ、どのように変化していったかを考察し、今後の婦人保護施設の在り方とサービスを考える一石としたい。