著者
荻原 和孝 小川 智久 浅木 信安 沼部 幸博 鴨井 久一
出版者
JAPANESE SOCIETY OF ORAL THERAPEUTICS AND PHARMACOLOGY
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.130-136, 1996-12-01 (Released:2010-06-08)
参考文献数
19

Aqua oxidized water (AOW) and Aqua alkalic water (AAW) are made by acidic electrolyzed water making equipment; OXILIZER (OXILIZER Co., Tokyo, Japan) . AOW is acidic water with a pH under 2.7 and is processed by electrolysis through a small NaCl mediated specific membrane. It was over 1, 100mV of oxidation-reduction potential and includes Cl2, OH⋅, O3, ClO. AAW is alkalic water with pH 11.AOW has a strong bactericidal effect on bacteria and virus but the effect is reduced by the large number of organisms. It has a metallic corrosive function as well as an organic matter action. There are few reports about AAW sterilizing without a metallic corrosive action. The bactericidal effect of AAW to periodontopathic bacteria [Actinobacillus actinomycetemcomitans (Aa), Porphyromonas gingivalis (Pg), Prevotella intermedia (Pi), Fusobacterium nucleatum (Fn) ] and Staphylococcus aureus (Sa) and Escherichia coli (Ec) was investigated. The bactericidal effect of AOW and AAW were compared.Bacterial strain Sa : 209-P, Ec : B, Aa : Y4 and ATCC 29522, Pg : 381 and ATCC 33277, Pi : 25611, Fn : 25586 were grown at 3TC in BHI (aerobic and anaerobic condition), GAM contained hemin, menadion and yeast (anaerobic condition), and GAM broth (anaerobic condition), respectively. After washing by centrifugation, each bacteria was suspended in PBS.Serum and saliva were obtained from one healthy volunteer.Bactericidal activity was measured by colony count seeding and grown on BHI or Anaero columbia blood agar or GAM medium after treatment with AAW or AOW.The results were as follows:1. Bactericidal effect and effective concentration of AAWAa, Pg, Pi were killed in one minute (Aa; 108 to 104 CFU/ml, Pg; 108 to 103 CFU/ml, Pi ; less than 108 to 103 CFU/ml) from original 100% AAW, while it took more than one minute to kill Fn, and Sa and Ec had survived after ten minutes. Further, sterilizing activity decreased with AAW' s dilution. AOW shows that a 25% concentration is most effective against periodontopathic bacteria.2. The effect of saliva and serum on bactericidal activity of AAWAs for Aa, Pg and Pi, the addition of saliva or serum in a concentration of 1% of AAW had decreased bactericidal activity slightly. However, the bactericidal activity was completely negated by the addition of 10% serum of AAW. As for Fn, the bactericidal activity was negated in 1% of serumor salivery addition.
著者
沼部 幸博 三浦 雅美 鴨井 久一
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.358-367, 2002-12-20 (Released:2012-08-27)
参考文献数
13

ラフイノースは,砂糖の原料となるビート(甜菜)からできるオリゴ糖の一種である。本研究では,ラフイノース連続投与の全身および口腔内環境に及ぼす影響を検索する目的で,ラフイノース摂取前後の末梢血および唾液中の成分変化を調べた。その結果,ラフイノースには正常値の範囲内ながら,末梢血および唾液のLDH(乳酸脱水素酵素)を上昇させるとともに,唾液中の歯周病原性微生物の増殖抑制効果があることが示された。
著者
倉治 竜太郎 橋本 修一 伊藤 弘 沼部 幸博
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.148-154, 2016-09-30 (Released:2016-11-03)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

歯周病学をはじめ口腔内の研究では,齧歯類を対象として実験を行うことが多い。こうした動物の口腔内に種々の処置を行う場合は,開口状態の保持や視野確保が実験手技を安定させる上で極めて重要な要素となる。しかし,マウスの開口を保持する専用器具は提案されていない。そこで我々は,既存のラット開口器を応用し,幅広い週齢のマウスに適合する規格化された開口器の作製を目的として,開発を行った。本考案は,1.5 mmステンレス線を用いた長方形の切歯係止フレームと,フレーム内側に対向して取り付けた左右口角鈎,フレーム基端部に取り付けた開口調節体から構成される開口器である。各週齢マウスへの本器の適合性を評価するため,4週齢,6週齢,10週齢BALB/cマウスを対象に,本器各部による開口保持状態を観察した。本器の開口調節体により,体重の異なる全週齢マウスの開口を安定して保持することができ,口腔内観察を良好に実施できた。また本器装着時の口腔内実験への応用例として,口蓋歯肉への薬液注射,および上顎臼歯への絹糸結紮による実験的歯周炎作成を行い,本器を用いた場合の処置時の視野確保と器具の到達性などを検討した。本器を用いた開口保持により,各種器具を挿入した口腔内実験を良好に実施できた。なお,総ステンレス製の本器は,オートクレーブ,乾熱滅菌も可能となっている。本器は実用新案登録済みである(公開番号2014-004789)。
著者
伊藤 弘 仲谷 寛 沼部 幸博 鴨井 久一 辰已 順一 栗原 徳善 渡辺 幸男 池田 克已
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.417-428, 1993-06-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
36
被引用文献数
2 1

本研究の目的は, 垂直性骨欠損においてコラーゲンより精製した吸収性膜を組織再生誘導法 (GTR法) に応用し, 臨床的な評価を検索することである。慢性辺縁性歯周炎と診断され, 歯周初期治療終了後, 外科処置の必要性がある垂直性骨欠損を有する31名の患者に対してGTR法を応用した。GTR法は通常のフラップ手術に準じて行った。すなわち, 粘膜骨膜弁にて剥離, 翻転した後, 骨欠損部にコラーゲン膜を完全に覆うように調整し, 歯肉弁を復位し縫合を行った。術後3カ月, 6カ月に各々臨床評価を行った。その結果, 術後3カ月では術前と比較して骨変化量は, 1.15mmの増加, 付着の獲得量は, 1.52±1.81mmの増加, また, ボケットの深さは2.75±1.54mmの減少を認めた。術後6カ月では術前と比較して骨変化量は, 1 . 26mmの増加, 付着の獲得量は, 1.68±1.75mmの増加, また, ポケットの深さは2.84±1.54mmの減少を認めた。以上の結果より, 歯周組織の再生を目的としたGTR法におけるコラーゲン膜の応用は有用な処置方法であることが示唆された。
著者
伊藤 弘 埴岡 隆 王 宝禮 山本 龍生 両角 俊哉 藤井 健男 森田 学 稲垣 幸司 沼部 幸博
出版者
日本歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

歯周治療の一環として禁煙治療が歯科保険に導入されるためには、禁煙治療の介入による歯周治療の成果が極めて良好となることが重要である。そこで、禁煙外来受診による改善を、一般的に行われている臨床パラメータと歯肉溝滲出液と血漿成分の生化学的成分解析、さらには禁煙達成マーカーである血漿中コチニンと呼気CO濃度の変化を検索した。その結果、禁煙外来受診により、禁煙達成マーカーが減少し、さらには自己申告による禁煙の達成から、禁煙外来受診は禁煙に対し有効な戦略である。しかしながら、生化学的変化は認められなかった。今後長期的な追跡が必要であると考えている。
著者
石黒 一美 沼部 幸博 村樫 悦子 大久保 美佐
出版者
日本歯科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

日常生活でも使用されているLED光を用いた安全で効果的な歯周疾患の予防方法を確立するために基礎的な研究を行った。歯周病原細菌に対しては青色LED単独照射や、白色LED光と光増感剤を組合わせた照射方法で殺菌効果が得られた。一方、ヒト歯肉線維芽細胞に対して波長の異なるLED光を単独照射したところ、赤色LEDは細胞増殖率に影響がなかったが、強い照射出力の青色LEDを照射すると細胞増殖率が減少した。これらのことから、LED光は歯周病原菌の殺菌作用を有するが、照射される周囲組織に対する安全性を配慮した照射条件を検討する必要があることが示唆された。
著者
沼部幸博著
出版者
学建書院
巻号頁・発行日
2010