著者
井庭 崇 深見 嘉明 斉藤優
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.128-136, 2007-03-15
被引用文献数
4

本論文の目的は,商品の売れ行きの背後にある隠れた法則性を探ることにある.書籍販売市場は,すべての商品が同じように売れるわけではなく一部の商品が爆発的に売れるという「ウィナー・テイク・オール市場」になっている.本論文では,商品販売市場に潜む隠れた法則性を明らかにするために,日本全国における書籍販売の実データを用いて実証的に分析する.その結果,販売冊数と順位の関係がべき乗則に従っていることが明らかになった.また,ジャンル別の分析においては,基本的にはべき乗分布に従っているものの,最上位の販売冊数がべき乗分布の近似線よりも下方になるというようなジャンル別の特徴があることが分かった.In this paper, we explore the hidden law in the book sale market in Japan. The book sale market is known as "Winner-Take-All market" in which a very small number of the books are extremely sold although the rest of them are hardly sold. In this paper, we analyze the empirical data of bookstores across Japan, in order to show the hidden law. The results show that the relation between sale and rank are based on power law. In addition, we observe the alienation between the empirical distribution and power law in some category.
著者
深見 嘉明 小林 巌生 嘉村 哲郎 加藤 文彦 大向 一輝 武田 英明 高橋 徹 上田 洋
雑誌
研究報告 デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2011-DD-79, no.1, pp.1-8, 2011-01-14

Web of Data というコンセプトのもと,ウェブ上で計算機処理可能なデータを分散的に生成し,それを互いにリンクさせることにより,共有財としてのデータベース資源を確立するという試み,それが Linked Open Data である.その特質を活用し,これまで行政が単独で担ってきた情報収集,分析とそれを生かした政策実現,住民サービス実施を分担するという試みが始まっている.本論文では,住民コミュニティと行政の連携を通じたボトムアップ型オープンガバメントの試みについて紹介し,ウェブ標準技術が共有財の創出と受益者の拡大にどのように貢献できるかについて検討する.
著者
深見 嘉明
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.486-491, 2013

2013年7月にGoogleはRSSリーダー,Googleリーダーのサービス提供を終了した。変わって情報収集ツールとして活用されているのが,TwitterやFacebookなどのタイムラインインターフェイスをもつサービスである。用いられるツールの変化により,情報収集はコミュニケーションと一体化して,論点の創造まで一気通貫になされるようになった。タイムラインインターフェイスは,コミュニティベースでの価値創造を一般化,ならびに迅速化したのである。本論文では,ソーシャルネットワーク上のタイムラインが実現した価値創造プロセスの変化と迅速化について,筆者の経験に基づいて分析するとともに,その対処について考察する。
著者
深見 嘉明
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.501-506, 2010-12-01

図書館情報の関係者においては以前から重要視されてきたメタデータ,しかしその存在は専門家の間だけで認識されてきたものであった。しかし,ウェブの普及がこの状況を一変させた。e-commerceにおける商品レビュー,ソーシャルブックマークや写真共有サイトにおけるタグの活用など,一般生活者が自覚的にメタデータを生成,共有,活用するようになったのだ。本論文ではウェブというインフラの進化によって,日常生活にいかにしてメタデータの利活用が広がったのか,そのプロセスを概観するとともに,この変化への対応について検討する。
著者
井庭 崇 深見 嘉明 吉田 真理子 山下 耕平 斉藤優
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.43, pp.45-48, 2007-05-17
被引用文献数
2

本論文では、書籍販売市場の実データを解析し、販売冊数-順位の関係が、月間・年間のどちらの場合も「べき乗分布」になっていることを示す。さらに、順位が上位 1.5%のタイトルに注目し、その区間におけるべき指数と市場シェアの時系列変化を調べる。その結果、本論文で対象とした 2005年度においては、べき指数も市場シェアも上昇傾向にあり、「売れるものがますます売れる」という傾向があることが示唆された。In this paper, we analyze the real sales data in the book sale market in Japan. As a result, the relation between sale and rank follows power law in both of monthly and annual data. In addition, we focus on the books in the top 1.5% of sales, and analyze the exponent and the market share on the time series. We find that the both of the exponent and the market share are increasing in the fiscal year 2005, which shows that the books in top sales are getting to be sold more and more.