- 著者
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清水 強志
- 出版者
- 創価大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2016-04-01
日本の大学IRの特徴の1つは教学データを重んじていることであり、多くの大学においてIR室を設置している一方で、分析手法イメージの欠如という大きな問題を抱えている。そこで、本研究は、日本の大学IR活動を促進し、日本の大学IRの実態と課題を把握する一方で、研究者の所属する大学を一事例にして「教学データの分析手法モデル」の構築および「成績に特化した学生アンケート」を開発することを目的としている。28年度、29年度においては、所属大学において、IR室への諸データの集積が進んでおり、個々のデータの分析を行うとともに、統合するためのデータ整理を中心に作業を進めている。具体的には、成績をはじめとする教務データ(入学時のプレイスメントテスト等含む)、学生アンケート、PROG(就業力テスト)、学修観テスト(新入生に対して行った精神的回復力、学習動機、協同作業等に関する調査)、3年生に大して行った「社会人として活躍する準備状況の自己点検票」などが挙げられる。30年度は諸データの統合を進め、分析を始めるが、集積されたデータにはすでに卒業生もいることから、固定値をもって当初予定していた「成績に関わる要因」の追求を始めている。他方、全国調査による実態把握に関しては、さまざまに活発化しているIR活動の動向把握を進め、他方、年末に別の研究者たちがIR全国調査を実施したことから連携体制を整え、現在、調査票の設計ならびに住所録の整理を始めている。