著者
飛龍 志津子 力丸 裕 渡辺 好章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.89, no.12, pp.1079-1084, 2006-12-01
被引用文献数
4

近年,生物が有する様々な生体アルゴリズムをテクノロジーヘ応用するバイオミメティックス(生態模擬技術)が提案されている.本研究は,次世代の音響センシング技術などへのブレークスルーを指向し,コウモリが超音波を利用して行う効率的な周囲環境情報収集システムを工学的に明らかにしていくことを目的としている.本稿では,生物ソナーと呼ばれる彼らのエコーロケーション能力を,実際の行動観測から得た結果を基に紹介する.
著者
岡本 学 三好 正人 渡辺 好章
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J86-A, no.8, pp.817-823, 2003-08-01

可聴音で振幅変調した超音波振動を耳珠等の耳周辺軟骨へ加えると,その可聴音が聴取される.この現象を用いるヘッドホンシステムについて,その音質(音圧・周波数特性)と可聴音伝達経路の検討を行った.ラウドネスバランスより推定された可聴音特性は被験者の外耳道内に発生する可聴音の特性によく一致しており,3~4 kHz以下の帯域においてはほぼ6~8 dB/oct.の傾きをもつ.耳珠から外耳道内へ至る超音波振動の伝達過程で,音響的非線形により復調される可聴音波を主に知覚していると思われる.
著者
桂 幸司 寺田 一樹 力丸 裕 横川 隆一 渡辺 好章 Lin Liang-kong
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.655, pp.25-30, 2003-02-14
被引用文献数
2

2台の高速度ビデオカメラを用いて飛行中のコウモリの軌跡を3次元で解析し,テレメーターマイクを用いて観測した超音波パルスの変化とコウモリと標的までの距離との関係について検討した.その結果,エコーロケーションシステムについて,特にCF,FM,パルス間隔,CF_2周波数,ドップラーシフト補償について,多くの情報を得ることができた.
著者
堀田 浩平 坂本 眞一 渡辺 好章
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.145-151, 2011-04-01

本稿では,熱音響冷却システムの小型化について検討を行った。熱音響冷却システムの一つであるループ管では,発振する音波の周波数と管全長との関係が逆比例であるため,小型化すると周波数が高くなる。本研究では,発振する音波の周波数が高くなるときの適切なヒートポンプの設置位置について無次元パラメータωτと音圧と粒子速度の位相差φに着目し検討を行った。実験結果から,スタックのωτによって冷却温度が最大となる設置位置が異なることが確認された。この結果から,小型化した場合においてもωτや管内の音場をヒートポンプの設計指針として適用できると考えられる。
著者
堀田 浩平 坂本 眞一 塚本 大地 渡辺 好章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.411, pp.85-90, 2009-01-22

本研究では,熱音響冷却システムの小型化について検討を行った.熱音響冷却システムの一つであるループ管では,管内に発生する音波の周波数が全長と逆比例の関係を成すため,小型化すると周波数が高くなる.周波数が高くなると,ヒートポンプで効率良く冷却を行うための最適条件が変わる.本研究では,ヒートポンプの冷却効率に関係するパラメータであるωτと設置位置に着目し,これらのパラメータに関する冷却温度特性の測定を行った.実験結果から,ヒートポンプスタックのωτや設置位置を調整することで,100mm程度まで小型化したとき,わずかではあるが温度低下が確認された.また,スタックのωτによって,冷却温度が最大となる設置位置が異なる結果が得られた.この結果から,ωτや管内の音場は,ヒートポンプの設計指針として適用できると考えられる.