著者
土橋 喜人 鈴木 克典 大森 宣暁
出版者
一般社団法人 日本福祉のまちづくり学会
雑誌
福祉のまちづくり研究 (ISSN:13458973)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-12, 2020-03-15 (Released:2020-12-28)
参考文献数
27

公共交通機関では1970 年代より優先席が導入されてきたが、その実効性に関しては十分に検証されていない。本研究では、札幌市営地下鉄の専用席(優先席に該当)における制度の浸透の背景についてのインタビュー調査、札幌市営地下鉄の専用席と関東圏地下鉄の優先席の利用者実態観測調査および両地区近郊在住者に対するアンケート調査を通して、実情の把握を試みた。インタビュー調査により、導入背景は確認できたが浸透背景までは明確にならなかった。また、観測調査により専用席の制度の実効性の高さが検証された。一方、アンケート調査より、制度(用語)の違い、意識の違い、意識と行動の差等が、札幌の専用席の実効性の高さの要因であることがわかった。市民性にもよるが、専用席の制度は他地域での導入の試行も検討に値する。
著者
鈴木 克典 湯川 高志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.414-422, 2013-01-15

企業が技術戦略を策定する際,技術動向を調査・視覚化してその方針決定に役立てる.このような調査に有益なツールの1つとして特許マップがあり,多くの場合,この作成には特許文書に付与されている国際特許分類(IPC)コードが利用される.この特許マップに学術論文の情報を追加することができれば,より有益なツールになると考えられるが,現在学術論文はIPCに基づいた分類が成されておらず特定分野の網羅的な調査には大きな負担がともなう.本稿では,学術論文に自動的にIPC分類コードを付与するシステムの精度向上を目指し,分類手法を構成する3つの要素について高度化とパラメータの最適化を図った.本稿が最適化した3つの要素とは,文書からのキーワード抽出,クエリ拡張,類似特許検索における適合度計算である.これらの要素について,いくつかの方法とパラメータを変化させて実験的に評価し,その最適値を見出した.結果,再現率をほとんど低下させることなく,MAP値を0.199から0.494に改善することができた.A patent map is a technical information map which was made by analyzed patents. It would become more useful if it includes information not only on patents but also research papers. To achieve this, automatic classification of research papers into the International Patent Classification System (IPC) is required, and some systems has been developed. In the present paper, the elemental functions which is consisted in an automatic technical paper classification system are improved and optimized for obtaining higher classification accuracy. The new method that focuses on keyword extraction is proposed and search query is expanded by concept base. In addition, patent document has a specific structure consisting sections represented in different granularity keywords. A method that weighing the score of similarity calculated between each structural element is proposed. Using the methods described above, the optimum value of precision is got by varying parameters. As a result, the MAP value was up to 0.494 from 0.199 in empirical assessment.
著者
鈴木 克典 齋藤 和義 中山田 真吾 田中 良哉
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会総会抄録集 第34回日本臨床免疫学会総会抄録集 (ISSN:18803296)
巻号頁・発行日
pp.62, 2006 (Released:2006-09-01)

全身性エリテマトーデス(SLE)はB細胞活性化と自己抗体過剰産生による臓器障害が特徴の自己免疫疾患である。免疫吸着療法による早期自己抗体除去が1年後の臨床的活動性、予後への関与を検討した。1999年から2005年までの6年間に腎生検で増殖性ループス腎炎と診断し、ステロイド大量療法、シクロホスファミド間欠大量静注療法に免疫吸着療法を施行したSLE患者群を免疫吸着群(IA;26)、血漿交換療法を併用した血漿交換群 (PE;6)、患者背景をマッチさせたコントロール群(C;24)と3群を治療開始時、1,3,6,12ヶ月目のSLEの疾患活動性、腎機能、自己抗体などの免疫異常などを評価した。PEもIAも治療開始初期に抗dsDNA抗体を速やかかつ自己抗体特異的に除去しえた。SLEDAIでのSLE疾患活動性改善度は、IA, PEにて3ヶ月後有意に改善しCと同等、さらに12ヶ月後にIAはCより活動性制御されPEは上昇傾向が見られた。血清補体価は治療開始後12ヵ月後C、PEに比して IAで有意な改善を認め、IAではCに比して平均観察期間中央値で3.8年間の再燃・死亡の危険性は有意に低かった。治療開始後3ヶ月、12ヵ月後の長期経過によりSLE全般的改善度や再燃率でIAの優位性が明らかとなり抗dsDNA抗体などの早期自己抗体除去による臓器沈着、補体活性化軽減が示唆され、活動性の高く、特に自己抗体が異常高値症例で積極的に免疫抑制療法に併用しIAを開始することを提唱する。
著者
木村 まり子 松田 徹 深瀬 和利 奥本 和夫 間部 克裕 鈴木 克典 青山 一郎 堺 順一 斉藤 博 佐藤 信一郎
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.99, no.2, pp.145-151, 2002-02-01
被引用文献数
20

上腸間膜動脈解離6症例につき検討した.高血圧を4例に認め,危険因子として考慮された.症状の特徴として,背部に放散する高度の腹痛,背部痛,食後の症状増悪,腸雑音の減弱が挙げられた.診断にはCTや腹部超音波検査が有用であった.抗血栓凝固薬で保存的に管理し,4例が改善した.改善しない2例については厳重に経過を観察し,増悪するようなら侵襲的治療を考慮する必要がある.本疾患として加療されていることもあり,腹痛の鑑別診断上忘れてはならない疾患であると考えられた.
著者
鈴木 克典 建部 修見
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.14, pp.49-54, 2009-02-19

本稿は我々が想定する並列ファイル転送システムにおける,ファイル転送タスクのスケジューリングアルゴリズムに関する提案である.想定システムはグリッド環境においてクラスタ間でファイル転送を行うものであり,各ノードに複数の複製が存在することを仮定する.このとき適切な複製選択,転送順序の決定,複製の動的作成を行うことで,最適な転送時間を求める.我々は,この問題を定式化し,リストアルゴリズムを基本とした手法として実装した.提案手法を評価した結果,特定のノードにのみにファイルが偏って分布している場合でも予想転送時間を短縮できることを確認した.We present a task scheduling algorithm of the parallel file transfer system. It is asuumed that the system does file transfer to and from clusters in grid environment, and two or more replicas exist in each cluster. In this situation, to optimize the transfer time, proper transfer scheduling including replica selection and dynamic replica creation should be investigated. We build a model to solve the problem and implement algorithms based on the list-algorithm. Performance evaluation shows that the proposed replica selection algorithm and the replica creation algorithm provide better result than a simple list scheduling in unevenly file distributed case.