著者
溝口 優司 中橋 孝博 安達 登 近藤 恵 米田 穣 松浦 秀治 馬場 悠男 篠田 謙一 諏訪 元 馬場 悠男 篠田 謙一 海部 陽介 河野 礼子 諏訪 元
出版者
独立行政法人国立科学博物館
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2005

旧石器時代から縄文~弥生移行期まで、日本列島住民の身体的特徴がいかに変化したか、という問題を形態とDNAデータに基づいて再検討し、日本人形成過程の新シナリオを構築しようと試みた。結果、北海道縄文時代人の北東アジア由来の可能性や、縄文時代人の祖先探索には広くオーストラリアまでも調査すべきこと、また、港川人と縄文時代人の系譜的連続性見直しの必要性などが指摘された。シナリオ再構築への新たな1歩である。
著者
溝口 優司
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.122, no.1, pp.29-50, 2014 (Released:2014-06-24)
参考文献数
57

2008年に富山市小竹貝塚から発見された縄文時代前期の女性頭蓋である小竹貝塚1号人骨と,東北,関東,東海,山陽地方の縄文時代中・後・晩期人集団,中国の安陽青銅器時代人集団,東南アジアの新石器―鉄器時代人集団,オーストラリアのCoobool Creek更新世後期人集団との類縁関係を,頭蓋計測値12,10,9,6項目に基づく典型性確率によって検討した。その結果,小竹貝塚1号人骨は,これらの集団の中では,東北地方の縄文時代中・後・晩期人女性集団に最も近いことが示された。他地方の縄文時代早・前期個体標本についても同様の分析を行なったところ,小竹貝塚1号人骨が似ていた東北地方縄文時代中・後・晩期人女性集団に最も類似しているのは北海道の北黄金K13個体であること,そして,この北黄金K13は東北地方の縄文時代中・後・晩期人よりも中国の安陽青銅器時代人や東南アジアの新石器―鉄器時代人にもっとよく似ていることが示された。このような事実に基づいて,縄文時代早・前期相当期におけるアジア人の移住・拡散過程について試行的な考察を行なった。
著者
溝口 優 桑野 紗子 鈴木 育子 重山 昌人
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.136, no.12, pp.1657-1666, 2016 (Released:2016-12-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1

Although the removal of bacteria in the oral cavity is regarded as an important preventive measure against pneumonia, the majority of elderly individuals are rarely provided with oral care-related information. This study examined the usefulness of oral care-related information provision for the elderly by pharmacists working at drugstores. A questionnaire survey was conducted, involving 387 pharmacists working at drugstores and 51 elderly individuals who visited such stores. Oral care-related information had been actively provided by 14.5% of the pharmacists, and 62.5% of all oral care products were being sold as care products. When focusing on the elderly, 70.6% showed interest in oral care, but the proportion of those who had performed self-care to promote such health was limited to 5.9%. After being provided with oral care-information, 97.6% answered “I wish to regularly perform oral self-care”, and 86.3% regarded oral care-related information provision by pharmacists as “very useful”. The results of this study demonstrate the usefulness of information provision by pharmacists at drugstores to promote oral self-care among the elderly.
著者
溝口 優司
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
pp.140418, (Released:2014-06-03)

2008 年に富山市小竹貝塚から発見された縄文時代前期の女性頭蓋である小竹貝塚1 号人骨と,東北,関東,東海,山陽地方の縄文時代中・後・晩期人集団,中国の安陽青銅器時代人集団,東南アジアの新石器―鉄器時代人集団,オーストラリアのCoobool Creek 更新世後期人集団との類縁関係を,頭蓋計測値12,10,9,6 項目に基づく典型性確率によって検討した。その結果,小竹貝塚1 号人骨は,これらの集団の中では,東北地方の縄文時代中・後・晩期人女性集団に最も近いことが示された。他地方の縄文時代早・前期個体標本についても同様の分析を行なったところ,小竹貝塚1 号人骨が似ていた東北地方縄文時代中・後・晩期人女性集団に最も類似しているのは北海道の北黄金K13 個体であること,そして,この北黄金K13 は東北地方の縄文時代中・後・晩期人よりも中国の安陽青銅器時代人や東南アジアの新石器―鉄器時代人にもっとよく似ていることが示された。このような事実に基づいて,縄文時代早・前期相当期におけるアジア人の移住・拡散過程について試行的な考察を行なった。
著者
溝口 優樹
出版者
大阪歴史学会
雑誌
ヒストリア (ISSN:04392787)
巻号頁・発行日
no.236, pp.102-130, 2013-02