著者
瀧本 彩加 堀 裕亮 藤田 和生
出版者
日本動物心理学会
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.141-153, 2011 (Released:2011-12-19)
参考文献数
72
被引用文献数
5 2

Horses (Equus caballus) have lived with humans for over 5500 years. Despite this, their cognitive abilities have not received much research attention compared with those of dogs (Canis familiaris), probably because horses are not as familiar to humans as dogs and have been considered to be difficult to test. Recent studies, however, have revealed their sophisticated social cognitive abilities with regard to both conspecifics and humans. In this paper we first describe fundamental characteristics of horse perception and horse sociality. Then, we review horses' learning and cognitive abilities, especially social cognitive abilities shown among conspecifics and in the horse-human relationship. Several studies have provided evidence that horses possess sensitivity to human-given cues and attentional states. Future studies should investigate ontogeny of horses' cognition and the influence of effects including training history and the exposure to humans, and possibly test how such cognition is supported by genetics.
著者
須山 巨基 山田 順子 瀧本 彩加
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
pp.si4-3, (Released:2018-11-07)
参考文献数
66

集団力学研究とは,実験・調査・モデリングを通じて,個体が集合的に作り出す複雑な社会現象を定量的に検証する研究群の総称である。社会心理学における集団力学研究は,1940年代から隆盛するも徐々に研究の主流から外れていった。一方,生物学では,近年の新しいデータ収集法や分析方法の発達により集団力学研究が盛んに行われるようになり,再び集団力学研究が脚光を浴び始めている。本稿ではまず,社会心理学と生物学のそれぞれにおける集団力学研究の歴史を概観する。続いて,社会心理学において高い関心が寄せられてきた同調と文化拡散に注目し,これらのトピックに関して生物学が新たな集団力学的な手法を用いてどのような知見を見出したのか紹介する。最後に,生物学における集団力学研究の社会心理学への援用可能性とその便益性を示し,社会心理学と生物学の融合による集団力学研究の展望を論じる。
著者
瀧本 彩加
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR ANIMAL PSYCHOLOGY
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
pp.65.1.4, (Released:2015-05-09)
参考文献数
48
被引用文献数
4

Prosocial behaviors have been considered a hallmark of humans in the past. However, accumulating experimental data in comparative cognitive science have revealed that nonhuman animals also show prosocial behaviors. Nevertheless, its evolutionary path has remained unclear despite a great deal of recent research effort. In this paper, I first review experimental studies on prosocial behaviors in nonhuman primates, by focusing on the influences of request behavior and social closeness. Then, I evaluate some factors that have been thought to play an important role in facilitating the convergent evolution of prosocial behaviors (inequity aversion, interdependence, tolerance) based on experimental data. I finally propose some possible future studies to explore the evolutionary path of prosocial behaviors, by referring to the previously discussed psychological mechanism that seems to support nonhuman primates’ prosocial behaviors (Yamamoto & Takimoto, 2012).
著者
瀧本 彩加
出版者
日本動物心理学会
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
pp.67.1.4, (Released:2017-05-17)

Recently, there have been more and more chances to talk about our study in English even in domestic conferences, symposiums or workshops in Japan. However, unfortunately, almost all of us have not received enough training for making English presentation yet. Therefore, I would like to introduce the very basics of pronunciation, making slides, way of talking and answering questions from the audience to help beginners through their first English oral presentation.
著者
瀧本 彩加
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR ANIMAL PSYCHOLOGY
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.41-43, 2017 (Released:2017-06-29)

Recently, there have been more and more chances to talk about our study in English even in domestic conferences, symposiums or workshops in Japan. However, unfortunately, almost all of us have not received enough training for making English presentation yet. Therefore, I would like to introduce the very basics of pronunciation, making slides, way of talking and answering questions from the audience to help beginners through their first English oral presentation.
著者
鮫島 和行 瀧本 彩加 澤 幸祐 永澤 美保 村井 千寿子
出版者
玉川大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2014-07-10

人と動物間の社会的シグナルの動態を、自然な状況で計測する技術を確立し、人と動物との相互行為とその学習を、心理実験やモデル化を通じてあきらかにする事を目的とする。これまでの研究実績をうけて、本年度の実績は具体的には、1)人=馬インタラクション研究において、調馬策実験課題おける音声指示と動作との間の関係を記述し、人の音声に応じて馬の行動変化までの時間の変化が、馬をどれだけ指示通り動かすことができたか、という「人馬一体間」の主観評定と比較し、人馬一体感に2つの種類が存在することを明らかにした。人=馬インタラクションの実験結果からの知見を応用した車両制御に関するアイデアを特許として共同で出願した。2)人どうしのコミュニケーションにおいて、自然な他者認知の指標としてもちいられている「あくびの伝染」が人=馬間で存在するかどうかの実験を行い、あくびの伝染が人=馬間でも存在する事を示した。3)人=サルインタラクション研究において、人がサルの行動を学習させる訓練において、訓練されるサルの行動だけでなく、人の行動も変化している事を示し、相互学習が人=サル間で起きていることを示唆した。4)人=サルインタラクション研究において、social reward としてのsocial-touchが指刺しかだいにおいての問題行動を減らすことを示した。5)人=イヌインターラクション研究において、保護犬と人との同期動作や視線、および人の指刺し行動の情報が、馴化前後で異なることをプレリミナリーな結果として示すことに成功した。
著者
瀧本 彩加
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、モラルの基盤となる高次感情の制御の柔軟性と、協力行動の発達レベルや家畜化との関連に着目し、モラルの系統発生的起源を解明することである。前年度までに実施した研究では、ウマが他個体よりも不利に扱われる状況に対して不公平感を示すことが明らかになった。具体的には、ウマはそのような状況では課題に取り組むモチベーションを低下させ、課題達成までに有意に長く時間をかけるようになった。しかし、そうした不公平感が他個体との何の違いによって生じているのかを究明するには至らなかった。そこで、本年度では、新たに実験条件を1つ追加し、その不公平感が他個体との何の違いに起因して生じているのかを区別することを目的とした検討をおこなった。参加個体は、ヒト実験者が手にもつ標的物体を鼻でつつき餌を得るという課題を訓練された。本実験では、並んだウマ2個体のうち、実験個体は課題をおこなって常に価値の低い餌を得た。他方、相手個体は条件によって、課題をおこなって価値の低い報酬を得たり(公平条件)、課題をおこなって価値の高い報酬を得たり(報酬不公平条件)、課題を行わずに価値の低い報酬を得たり(労力不公平条件)、課題を行わずにただで価値の高い報酬を得たりした(両方不公平条件)。また統制条件(相手なし条件)では、相手個体がその場におらず、価値の高い報酬を実験個体に見せるだけ見せ、実験個体に課題を課し、価値の低い報酬を与えた。10頭(5ペア)のデータ収集・分析したところ、実験個体の課題遂行にかかる反応時間は両方不公平条件と労力不公平条件において最も長くなり、それらの反応時間は公平条件や相手なし条件よりも有意に長い傾向を示した。この結果は、ウマは他個体との報酬の質よりも労力の量における不公平に敏感であることを示唆している。しかし、まだサンプルサイズが小さいので、今後、参加個体数を増やしていく必要がある。