著者
加藤 浩介 坂和 正敏 片桐 英樹 小川 篤
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.402-411, 2007-08-15

多目的確率計画問題に対して,従来,期待値最適化モデルや分散最小化モデルに基づいて意思決定者の満足解を導出するための方法が提案されてきている.しかし,これらのモデルに基づいて得られる解と,不確実な意思決定状況で意思決定者が目的関数に対する満足度を表す効用関数の期待値を最大化しようとするという期待効用最大化原則に基づいて得られる解の整合性は保証されていない.一方,確率変数の分布関数を積分した二次分布関数の大小関係により確率変数を順序付けする二次確率優越という概念があり,目的関数に対する意思決定者の効用関数がリスク回避的である場合には,二次確率優越は期待効用最大化原則と整合的であるという性質がある.そこで,本研究では,多目的確率計画問題に焦点をあて,二次確率優越の概念に基づくパレート最適性を定義し,期待効用最大化原則と整合的な満足解を導出するための対話型ファジィ満足化手法を提案する.
著者
加藤 浩介 坂和 正敏 片桐 英樹 稙田 公一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J85-A, no.9, pp.967-975, 2002-09-01

あいまい性や不確実性が含まれるシステム最適化に対するアプローチとしては,不確実性を確率論に基づいて取り入れた確率計画法やあいまい性をファジー理論に基づいて表現したファジー数理計画法が代表的であり,様々な形で発展してきている.本研究では,問題に含まれる係数が確率変数である多目的線形計画問題に焦点を当て,制約条件は常に満たされる必要はなく,ある確率以上で満たされればよいとする機会制約条件のもとで複数の目的関数がある値以下になるという確率を最大化するという確率最大化モデルを用いて定式化する.そして,多目的確率最大化モデルに対して意思決定者のファジー目標を導入するとともに,意思決定者との対話により意思決定者の満足解を導出する基準点法に基づく対話形アルゴリズムを適用するという,確率計画法とファジー計画法を融合した新しい意思決定手法を提案する.
著者
蓮池 隆 松本 慎平 片桐 英樹
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 (ISSN:18820212)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.673-678, 2012

本研究では,観光者が能動的に観光を楽しむために,Web情報を有効活用した観光経路決定システムをスマートフォンのアプリを提案する.特に市内公共交通機関であるバスと各観光地・各施設のイベント情報に対する満足度,各観光者の観光スタイルを取り込み,その情報を利用して観光経路策定問題を数理計画の枠組みで解くことによって最適経路を求め,スマートフォンを用いて視覚的かつ個々人にとって魅力的に映る表示システムを開発する.
著者
北川 源四郎 椿 広計 藤田 利治 津田 博史 西山 慶彦 川﨑 能典 佐藤 整尚 土屋 隆裕 久保田 貴文 藤田 晴啓 奥原 浩之 村上 政勝 片桐 英樹 宮本 道子 曽根原 登 冨田 誠 笛田 薫 蓮池 隆 宮原 孝夫 安藤 雅和
出版者
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では,科学的情報収集に基づく社会価値選択,価値を決定する構造モデル導出,価値のモデル上での最適化,最適化された価値の社会への還元からなる情報循環設計を科学的政策決定の統計数理科学的枠組みと位置づけ,政策の科学的決定に資する統計数理体系構築を目的とした.本研究を通じて,公的ミクロ情報分析統計基盤の確立,情報循環加速ツールの開発,時空間可視化ツールの開発を達成し,同成果を自殺予防対策研究,観光政策研究,産業環境政策研究に応用し,それぞれの政策立案に資する新たな知見を得るとともに,データに基づく政策を提言した.