著者
狐崎 知己
出版者
JAPANESE POLITICAL SCIENCE ASSOCIATION
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.2_87-2_107, 2009 (Released:2013-02-07)

The Commission on Historical Clarification in Guatemala (CEH) organized by the United Nations based on the Peace Agreement signed by the Guatemalan Government and the URNG, recognized that the Army and other agents of the Guatemalan State, inspired by the Doctrine of National Security, committed acts of genocide against the Maya people. The CEH named three mutually-dependent “structural” or “historical” causes of genocide: economic exploitation, racism and political authoritarianism. In this article, the analytical framework composed by the combination of four types of violence, (1) Direct political, (2) Structural, (3) Symbolic, and (4) Everyday forms of violence, is used to find out the continuing structure of the state violence which lead to genocide, as well as the changing forms and expressions of the political violence in the aftermath of genocide, focusing on the political impact of the act of “naming genocide” and the “privatization of the violence.”
著者
大串 和雄 月村 太郎 本名 純 SHANI Giorgiandr 狐崎 知己 千葉 眞 武内 進一 元田 結花 SHANI Giorgiandrea 酒井 啓子 竹中 千春
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、現代世界の武力紛争と犯罪について、グローバル化、アイデンティティ、デモクラシーという3つのテーマを軸にしてその実態を解明するとともに、実態に即した平和政策を検討した。武力紛争はアイデンティティとの絡みを中心に研究し、犯罪については東南アジアの人身取引をめぐる取り組みと、中央アメリカの暴力的犯罪を中心に取り上げた。平和政策では平和構築概念の軌跡、「多極共存型パワー・シェアリング」、移行期正義における加害者処罰の是非を中心に検討し、それぞれについて新たな知見を生み出した。
著者
村上 勇介 狐崎 知己 細谷 広美 安原 毅 柳原 透 重冨 恵子 遅野井 茂雄 新木 秀和 幡谷 則子 二村 久則 山崎 圭一 新木 秀和 小森 宏美 後藤 雄介 佐野 誠 幡谷 則子 二村 久則 箕輪 真理 山本 博之 山崎 圭一 山脇 千賀子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

発展途上地域で最も早い時期から「民主化」と市場経済化を経験したラテンアメリカにおいて、近年、政治が最も不安定化しているアンデス諸国(ボリビア、コロンビア、エクアドル、ペルー、ベネズエラの5ヶ国)に関し、現地調査を踏まえつつ、ポスト新自由主義の時代に突入したアンデス諸国の現代的位相を歴史経路や構造的条件を重視しながら解明したうえで、近年の動向や情勢を分析した。そして、5ヶ国を比較する研究を行い、対象国間の共通点と相違点を洗い出し、事例の相対化を図り比較分析の枠組を検討した。
著者
池田 光穂 太田 好信 狐崎 知己 小林 致広 滝 奈々子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

私たちの研究は、メキシコとグアテマラ両国における先住民(先住民族)について、先住民運動の中にみられる政治的アイデンティティについて現地に赴く民族誌調査を通して明らかにしてきた。具体的には、世界の他の地域での民主化要求運動、すなわち自治権獲得運動、言語使用の権利主張や言語復興、土地問題、国政への参加、地方自治などの研究を通して、(a)外部から見える社会的な政治文化としての「抵抗」の実践と(b)内部の構成員から現れてくる文化政治を実践する際の「アイデンティティ構築」という二つのモーメントと、その組み合わせのダイナミズムからなる資料を数多く得ることができた。
著者
大串 和雄 千葉 眞 本名 純 月村 太郎 根本 敬 狐崎 知己 木村 正俊 武内 進一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、複雑化を増す現代世界における政治的暴力の力学解明を試みた。取り上げた課題は主として以下の通りである。(1)グローバル化時代の暴力に関する政治理論的考察、(2)民族浄化の概念とメカニズム、(3)パレスチナ解放闘争におけるアラブ・ナショナリズムと個別国家利害の相克、(4)犯罪対策と治安セクター改革におけるインドネシア軍の利益の維持・拡大、(5)グアテマラにおける政治的暴力、(6)アフリカ諸国における民兵、(7)ビルマ難民の民主化闘争における非暴力の位置づけ、(8)ラテンアメリカの移行期正義。