著者
高橋 亜希子
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.293-303, 2003-03-10

In the revised version of the course of the study, "the student's capability to set up their own tasks" has become the central subject of discussion, This study examines the student's theme setting and discusses its educational implications for thematic learning. The purpose of this study is on how students seek their own interests at the initial stage of their thematic learning. The data was collected in a high school, using questionnaire distributed among 110 students, the observation of the teacher-student discussions, and the interviews with students.
著者
根本 彰 白石 さや 高橋 亜希子
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

探究型学習は学習指導要領上はきわめて重要な位置づけになっているが,現実的にそれを実施する方法はきわめて多様である。本研究では,東京大学教育学部附属中等教育学校で行われている卒業研究に焦点をあてて,探究型学習の進め方について,研究のテーマ設定,研究の方法の選別と実施,研究の執筆と口頭発表の3つのプロセスを解明することを行い,そのなかでとくに,テーマ選定と図書館を利用した研究支援を中心とした。3年間の研究期間中の毎年度終わりに,執筆者への質問紙調査を行い,これらの支援がなかったときと支援が行われたときとを比較して,執筆者に一定の効果があったことを明らかにしている。
著者
高橋 亜希子 村山 航
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.371-383, 2006-09-30
被引用文献数
1 6

総合的な学習(総合学習)の時間の導入から3年が経過し,成果の一方さまざまな困難も指摘されている。総合学習で生徒への適切な支援やカリキュラム編成を考えていくためには,総合学習の達成を促進する要因を検討する必要がある。本研究では,先行研究ではあまり検討されてこなかった総合学習に特徴的な学習様式に着目し,総合学習を達成するために必要な要因を検討した。特に,量的検討と質的検討を組み合わせた手法を用いて,探索的な検討を行った。調査1では,総合的な学習に参加した高校生106人に対して質問紙調査を行った。その結果,教科の成績のみならず,テーマ決定や学習者の意欲・作業の進捗状況などが,総合学習の成績と相関を持つことが示された。調査2では,調査1において残差が大きかった生徒を抽出してインタビューを行い,事例を通した質的な検討を行った。その結果,「生徒の自我関与の深い領域とテーマとの結びつき」「研究の枠組み・計画の明確性」「情報収集や支援・資源へ向かう能動性」「教師からの適切な支援の有無」の4つの主要な要因が得られた。それぞれの要因に関して,総合学習独自の学習様式との関連から考察を行った。
著者
菊地 栄治 池田 賢市 亀田 温子 栗原 真孝 白川 優治 高田 研 高橋 亜希子 永田 佳之 仁平 典宏 丸山 英樹 宮古 紀宏 椋本 洋 吉田 敦彦 吉本 圭一 和井田 清司 平塚 眞樹
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究を通じて、私たちは現代日本の若者たちが力を奪われている実態について共通認識を得た。とはいえ、具体的な事例の協働的研究を通して、さまざまな難題に直面しつつも多くの若者たちがエンパワーされていく可能性が明らかになった。総じて、〈一元的操作モデル〉にもとづく施策と実践はかれらの力を奪い取りがちである。これに対して、〈多元的生成モデル〉はかれらをエンパワーできる。多くの事例において、かれらを〈若年市民層〉へと育む実践に共通するのは、相互的主体変容を促しているという特徴であった。〈多元的生成モデル〉は、エンパワメントの実践に共通する本質的特徴であり、今後の教育改革のあり方を示唆している。