- 著者
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竹中 千春
白石 さや
村田 雄二郎
西崎 文子
吉村 真子
合場 敬子
- 出版者
- 明治学院大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2005
5つのキーワード(「ジェンダー」「政治」「戦争」「民主主義」「国際比較」)に基づき、国際政治学・政治学・国際関係論を中心に、アジア・太平洋地域の現代的・歴史的な事例を取り上げ、地域研究を比較・統合する努力をしつつ、学際的に研究を進めた。この共同研究の目的は、(1)国際政治学・政治学・国際関係論におけるジェンダー研究を進めること、(2)「戦争」と「民主主義」のジェンダー化を分析すること、(3)ジェンダー研究の中に国際政治学・政治学・国際関係論の視点から新しい視角や概念を提起していくこと、であった。平成17・18年度の2年間で、地域と問題別に立てたサブ・グループを基盤に、資料収集・現地調査を行い、事例分析と理論構築を試みた。平成18・19年度は、中間的な研究成果をまとめ、公表する作業に精力を注いだ。平成18年度7月には、イギリス・インド・韓国から専門家を招き、国際学術交流として世界政治学会(IPSA)研究集会で「War and Democracy from Gender Pespective(戦争と民主主義のジェンダー分析)」というセッションを開催した。同年10月の日本国際政治学会では、「グローバリゼーションの中の市民・女性・移民」をテーマに第1回ジェンダー分科会を開催し、同時に「グローバル・ガヴァナンスへの胎動:人権・環境・地雷」という部会も開催した。平成19年度も同学会にて人権侵害をテーマに第2回ジェンダー分科会を開催した。現在、総括的な単行書の準備を進めているが、学際的に編成した本科研の研究分担者は各専門領域で個別に成果を公表し、それぞれ高い評価を得ている。総括すれば、本共同研究は、共同研究と研究成果発表の過程を通して、国際政治学・政治学・国際関係論の分野でジェンダー研究の裾野を広げるという点で初期の目的を十分な程度達成したと考えている。