著者
石黒 大樹 尾関 智子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3F3GS901, 2022 (Released:2022-07-11)

本研究では,単眼RGBカメラより得られた入力画像からハンドジェスチャを認識しWebアプリケーションの操作を可能とする非接触ユーザインタフェースを実現する.操作デバイスに触れずに対象を操作するUIの先行事例として赤外線センサやモーションセンサを活用したものがあるが,単眼RGBカメラのみを利用することで汎用的なモバイルデバイスでも簡易に操作可能なジェスチャ操作システムの実現を目指す.研究の手法として,まず機械学習ライブラリであるMediaPipeによって検出した手の各関節の座標点を学習データとして収集し,深層学習によっていくつかのジェスチャへと分類する.さらに,認識したハンドジェスチャを反映させる形でアプリ上に表示された地図を操作する.また,MLP,CNN,LSTMといった異なるネットワークを用いて学習をおこない,それぞれの精度の検証および最も適したネットワークを選定した.最終的に,LSTMによる94%の精度でのジェスチャ分類を可能としモバイルデバイスで利用可能なNUIシステムを構築した.
著者
石黒 大岳
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
中東レビュー (ISSN:21884595)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.76-91, 2014 (Released:2019-12-21)
参考文献数
18

In this paper, first we look back at the activities of the JMSDF in the Indian Ocean and the Gulf for the past 10-20 years from the view-point of contributions to security in the regions, and Japan's defence and diplomatic policies. In addition we would like to consider the situation that Japan has currently been placed in, or the primary factors of the change of power balance caused by China's foreign expansion and US gradual troop reductions, and economic conditions and energy supply problems after the earthquake disaster, as well as the returning of the LDP Administration. Each of these affects Japan's defence and diplomatic policies, and Japanese approach to Gulf countries is to be precisely understood in this context.For Japan, the importance of relationships with Gulf countries will surely increase in the foreseeable future. However the immediate addition of the JMSDF's force in the Indian Ocean and the Gulf Region is difficult. So Japan's role in regional security will probably be depending on the licensing of technology to India and Gulf countries, plus the construction of collaborative systems devoted to the training and support of highly proficient personnel . China will have a competitive relationship with Japan over access to the energy supply sources and the markets in Gulf countries, and it will be necessary to employ such systems for the purpose of international trust building and preventing of any free-ride.
著者
石黒 大洋
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第67回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.250, 2020 (Released:2020-08-27)

今日、世界の有力企業では、デザインを活用した経営手法への関心が高まっているが、多くの企業では、いまだにデザインの考え方や手法を自社の戦略に十分に活用できていない。大企業よりも経営資源に劣る中小企業では尚更である。中小企業においても、多様化・高度化する社会や顧客のニーズに応えるためには、デザインの戦略的な活用が重要なテーマとなっていることに変わりはない。行政や商工会議所などにおいても、中小企業が経営にデザインを活用できるよう、関連研究・技術支援や支援ツール開発、各種の研修事業など、デザイン振興に関わる様々な取り組みを展開しているが、期待される程の効果は出ていない。経営資源が限られ、多くの経営課題を抱える中小企業では、デザインの活用を特定領域における施策として推進するのではなく、経営戦略の一環としてデザインマネジメントを取り入れた戦略を推進することが有効であると考える。本稿では、企業の経営戦略の形成と実行においてデザインが果たす役割を整理し、中小企業事業者の実践知を経営戦略におけるデザインの役割に当てはめることで、戦略的デザインマネジメントの方法論について考察したので、その概要を報告する。
著者
長澤 榮治 鈴木 恵美 松本 弘 岩崎 えり奈 臼杵 陽 飯塚 正人 泉 淳 辻上 奈美江 ダルウィッシュ ホサム 錦田 愛子 横田 貴之 石黒 大岳
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

2011年1月に始まるアラブ革命の各国ごとの多様な展開を、憲法改正などの政治改革に成功した事例から、軍事クーデターや運動弾圧による内戦の勃発とその長期化による大量の難民発生の事例まで、実証的に検討し、その背景となるイスラーム運動など地域の基軸的な諸問題との関係を考察した。また、パレスチナ問題の展開や域内の非アラブ国や域外大国の介入など中東域内政治の構造変容についても分析を進めた。以上の研究の成果を社会に向けて公開・発信した。今後の研究発展の基盤整備のために、アラビア語など関連文献資料の収集を行い、政治動向の情報の系統的な収集・蓄積とアーカイブ化に向けた試作的なデータベースの作成も行った。
著者
石黒 大岳
出版者
独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

クウェートとバーレーンを対象に、議会における野党勢力の政府に対する説明責任要求と、それに対する政府の対応を中心に、議事録や各種報告書、報道等のテキスト分析と関係者への聞き取り調査を行い、成果として、権威主義体制下であっても、議会での野党勢力の要求を通じて、汚職対策政策を中心に、政府の対応としてガバナンス向上への取り組みを引き出しうることが確認された。しかしながら、政府の対応の程度については、議会の権限、政府の政策にどの程度拒否権を行使しうるか、制度的な制約に加え、政治の司法化によって、司法の独立性にも左右さつつある点について留意する必要があり、引き続き、今後の課題としたい。