著者
神谷 明男 小瀬 洋喜
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気汚染学会誌 (ISSN:03867064)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.453-463, 1983

食品の腐敗による悪臭成分を知るために, 各種食品を腐敗させ, 経時的にヘッドスベースガスを同定定量した。食品としては魚, 馬鈴しょ, きゃべつ, 米飯, りんごを選んだ。これらを別々に20<I>l</I>のポリエチレンビンに入れ, 3日目と1週間ごとに2ヵ月間, そのヘヅドスペース中の成分の機器分析を行い臭気濃度, 不快度も調べた。その結果, 食品の種類は異なっても発生してくる化合物は類似している.しかし濃度的には食品間に大きな差がみられた。<BR>魚は硫化物が高く, 他の成分はひくい。きゃべつは硫化物とアルコールが同程度の濃度であり, 馬鈴しょ, 米飯, りんごはアルコールが高濃度であった。硫化物濃度の高いものほど悪臭が強く, アルコールと悪臭は相関がみられなかった。腐敗後, 2週間は, 発生する化合物の濃度は急上昇するが, 以後平衡状態であった。醗酵によって生じたアルコールと脂肪酸が反応してェステルを生じる現象がどの食品についてもみられた。
著者
石橋 みゆき 吉田 千文 樋口 キエ子 丸谷 美紀 伊藤 隆子 雨宮 有子 諏訪部 高江 神谷 明美 平野 和恵 林 弥生 木暮 みどり
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は、療養の場の移行支援の構築を目指し、退院支援に係る看護技術を体系化することである。計26病院に勤務する協働して退院支援を実施している関係にある看護師ら計48名へ半構成インタビューを実施し、先行研究の枠組みを基盤に内容を分類・統合し計21の退院支援技術が明らかとなった。退院支援に係る21の看護技術は、#0本人の意向を見極めセルフケア能力を高める、#1家族への支援と家族との協働、#2医療福祉専門職との連携と協働、#3退院支援体制発展に向けたシステム構築という4段階で体系化でき、個への支援(ミクロ)から地域への貢献を意図した支援(マクロ)に向かって拡大する方向であると考えられた。
著者
檀上 和美 神谷 明良 池田 栄司 鳥居 佐紀子 砂田 久一 大塚 昭信
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.2505-2509, 1992-09-25

In the present study, a water/isopropyl alcohol system was selected as the solvent in a hydroxypropylcellulose (HPC) binder solution for the preparation of lactose granules.With a fluidized bed granulation method, the mean granule diameter increased as the adhesion tension (γcosθ) and lactose solubility increased. With an agitating granulation method, the mean granule diameter was independent of the adhesion tension and lactose solubility, but it increased as the viscosity of the binder solution increased.With both granulating methods, greanule hardness increased as the adhesion tension and lactose solubility increased, while the pore volume of the granules decreased as the adhesion tension and lactose solubility increased.The quantitative relationship between the physical properties of the granules and several properties of the solvent solution was investigated by the application of multiple regression analysis.
著者
神谷 明男
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
衛生化学 (ISSN:0013273X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.267-270, 1975-10-31

A method for determination of vanadium in air by flameless atomic absorption spectrophotometry was studied. Atomospheric particulates were collected on a Gelman filter by a high-volume air sampler, and extracted with 5% hydrochloric acid. Cupferron, a chelating agent, reacts with vanadium to form a complex, which can be extracted with methyl isobutyl ketone. The solvent was dried, ashed, and atomized by passing through a high electric current of the atomizer. The concentration of vanadium was calculated directly from the calibration curve by measuring the absorbance of vanadium at 318.5 nm. Cations, except tin, did not interfere the determination of vanadium seriously. Analytical results were in good agreement with those obtained by a nitrous oxide-acetylene flame atomic absorption spectrophotometry. The coefficient of variation was from 4.4% to 9.4%, and the limit of detection was 0.03 ppm of vanadium, when the signal/noise ratio was 2.
著者
木村 伊佐美 永濱 忍 川崎 真規 神谷 明美 片岡 美紀子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.105, no.3, pp.145-152, 1995-03-01
被引用文献数
3 9

われわれはこれまで,ラットに3%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を自由飲水させることにより,体重の増加抑制,血便および貧血などの症状並びに大腸におけるびらんの形成,さらに小腸病変を欠くことなどの点でヒト潰瘍性大腸炎に類似した実験的潰瘍性大腸炎モデルが作製できることを確認した.また潰瘍性大腸炎発症動物のホルマリン固定大腸標本は,1%アルシアンブルーにより濃淡のある特徴的な青色に染色され,その濃青色領域は組織学的にびらんであることを明らかにした.今回,薬物の治療効果を評価する上で病態の程度が均等で,かつバラツキの小さい大腸炎モデルを作製するための実験条件について種々検討し,以下の結果を得た.1)ラットに3%DSSを連日自由飲水させ,飲水開始後に90%以上の個体に血便が観察された時点で選別した.2)選別基準は,(1)選別日を含めて少なくとも2日以上連続して血便が観察されること,(2)ヘモグロビン濃度が10g/d1以上であることおよび(3)選別当日の体重が,前日の体重に比べ20g以上減少していないこととした.3)選別基準を満足するラットを用い,選別日より1%DSSの自由飲水に切り替えることにより,血便の発現びらんの形成並びに赤血球数,ヘモグロビン濃度およびヘマトクリット値の低下,さらに生存率および体重などの面からみて,薬物の治療効果を判定できる適度な病態の維持が可能となった.4)選別日より1%DSSの自由飲水下でサラゾスルファピリジン(1日1回14日間経ロ投与)およびプレドニゾロン(1日1回7日間直腸内投与)を反復投与した場合,両薬物は潰瘍性大腸炎モデルに対して有意な治療効果を示した.以上の結果,本モデルを用いて1%DSSの自由飲水に切り替えた日より薬物投与を開始することにより,有用な潰瘍性大腸炎治療薬の評価が可能と考える.
著者
鈴木 雅雄 綿引 元 河合 隆 百々 修司 山本 英明 竹内 鉄郎 樋口 哲也 白石 勉 日置 弥之 近藤 真弘 都宮 伸 木村 恵理子 神谷 明江 小川 博 家本 陽一 下川 邦泰
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.2191-2192, 1999-08-01

従来より食道表在癌のX線学的深達度指標として, 病変正面像での陰影斑の濃度, 病巣内隆起の大きさ, 辺縁隆起の程度の3因子と各々の組み合わせ, 病変側面像で壁不整像, 陰影欠損像, 伸展障害の程度の3因子と組み合わせにより深達度推定を行い, 高い精度を得ている。表在癌m_1 35, m_2 20, m_3 22, sm_1 6で再検討を行った。陥凹型では陰影斑の濃度と顆粒像の組み合わせが最も有用であり, m_3の顆粒像は5mm以下であった。不整な顆粒像では4mmでもsm_1があった。隆起はm2bから欠損像を呈し, 腫瘍量を表している。伸展障害はsm以深の線維化の程度を反映した。