著者
森田 健夫 山口 満 田所 嘉昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.2271-2279, 2004-12-01
被引用文献数
19

自動採譜の実現において,音楽信号の音高を推定する処理は最も重要であり,リアルタイムでの処 理が望まれている.本論文では,多重唱を対象とした計算量の少ない音高推定法を提案する.提案法は,1オクターブ12音名に対応するくし形フィルタを並列接続したシステムと,その出力値を利用することで音高を推定する.これは,くし形フィルタが対応する音の全周波成分を除去可能であること,更に,上述のシステムの最小出力を検出することで,入力中の1音を推定できることに基づいており,加減算主体の処理で簡単に実現される.実際の多重音を用いた評価実験を行った結果,従来法(トリー法,SVD法)より,約1/5から1/30の処理時間でほぼ同等の音高推定結果が得られた.
著者
山口 満 Yamaguchi Mitsuru
出版者
筑波大学大学院博士課程教育学研究科
雑誌
教育学研究集録 (ISSN:03867927)
巻号頁・発行日
no.24, pp.7-14, 2000-10

1. 「フレッツェルのテーゼ」とは フレッツェル(Fretwell, Elbert, K. 1978〜1963)は、マッコーン(McKown, Harry, C. 1892〜1963)やジョーンズ(Jones, Arthur, J. 1871〜1963)とともに、20世紀前半の時期のアメリカを代表する教科外活動の研究者である。
著者
長尾 彰夫 木下 繁彌 村川 雅弘 浅沼 茂 安彦 忠彦 山口 満 西川 信広 田中 統治 的場 正美 今野 善清 柴田 義松 長尾 彰夫
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究の最終年度は、これまでインタビューや授業観察および研究資料の内容分析などによって明らかになった各学校での新教育課程の開発状況について、インターネットのWEBページとして発信するための研究に重点をおいた。本研究で開発したインターネットサイト(http://jcultra.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/〜sougo/)に掲載した学校は、大阪教育大学附属池田中学校、高槻市立上牧小学校、緒川町立緒川小学校などである。それぞれの学校の研究状況を、「地域の特色」、「学校の沿革」、「カリキュラムの概要」、「総合的な学習の位置づけ」、「授業実践事例の紹介」を基本とする項目で整理した。また、授業分析によって得られた研究知見を、文章表記によってのみ記述するのではなく、子どもの個人情報の保護に十分留意しつつ、写真等を用いて、より具体的な研究情報として閲覧することができるようにした。このインターネットサイトの活用目的は、上記の情報を公開することによって、全国の小・中学校の教師がそこから新教育課程に対応した新しいカリキュラムの開発を行うための実践的な知見を得られるようにすることである。この目的を達成するために、たんに学校の実践事例を並列的に掲載するだけでなく、すでに作成されている教師のための教育用インターネットサイトにリンクを貼ったり、本研究の分担者として各学校で訪問調査を行った研究者に直接掲示板を通して質問を寄せたり、あるいは閲覧者同士が意見交換できる掲示板システムを付随させたりしたいる。以上のように、本研究は、当初の計画通りに、新教育課程を先端的に実施している学校を訪問調査することによって、カリキュラム開発の手続きやデザインに関する経験知を集約するとともに、それをインターネットサイトを通して発信することによって、オンラインでの新しい教師教育、ないし教師の自己研修に貢献するという所期の目的を達成することができた。
著者
山口 満 安井 一郎
出版者
筑波大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

戦後初期の中学校における日常生活課程の実践事例として、(1)甲府北中プラン、(2)福井三国中プラン、(3)岩手黒沢尻プランの3つ取り上げ、資料収集、当時の関係者からの聞き取り調査、卒業生を対象にしたアンケート調査などを実施した。(1)については、既に前年度中に調査を行い、それに基づく研究論文を発表しているので今年後は(2)と(3)の研究を中心にして進めた。その研究の成果を平成4年10月に文教大学で行われた日本特別活動学会第一回大会で「戦後初期における教科外活動の教育課程化に関する一考察ー日常生活課程の成立と展開に着目してー」と題して発表するとともに、筑波大学教育学系論集および名古屋学院大学論集に発表した。このような研究活動を通して、およそ次のような知見が得られている。1.日常生活課程の実践は、「個性豊かな民主的実践人」の育成をはかるという戦後の教育の課題に応える学校づくりの過程で生まれてきている。2.小学校の日常生活課程と比較したばあい、中学校の実践では、(ア)教科学習との正別が明瞭である、(イ)生徒会活動との結びつきがつよい、(ウ)個別的なガイダンスとの関係が問題になっている、(エ)職業教育との関連がつよいなどの特色がある。実践的な活動の分野として取り上げやすいものと取り上げにくいものがはっきりとしており、すっきりとする反面、内容のバラエティに欠けるという問題がみられた。3.甲府北中、福井三国中、黒沢尻中のいずれにおいても、地域の中学校におけるカリキュラム改造運動に一定の影響を与えるとともに、今日に至るまで特別活動の指導の分野でその影響が残っている。4.戦後の教科外活動の教育課程化の論理や実践形態を明らかにする上で、日常生活課程に注目することの重要性が改めて確認された。
著者
山口 満 長 善規 伊藤 嘉記
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.69, no.582, pp.25-31, 2004
被引用文献数
1

The sequence of approach spaces to Buddhist temples was studied, from the point of leading peoples to. Attractions of 51 photographs, representing elements (entrance, stone pavement, stone steps, gate, main hall, bridge, bend), taken in 6 temples approach spaces in Nagano prefecture liyama city, were evaluated in 7 stages by 35 peoples. As results, 1:Attractions of entrance, stone pavement, stone steps and bridge were different in go and back. 2:Attractions were changing stronger gradually according to the approaching the main hall. 3:The space attraction between the gate and the main hall was developed by the existence of the gate.
著者
松尾 剛 山口 満 田所 嘉昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.719, pp.1-6, 2004-03-09

本稿では,実際に演奏された実楽器音を対象とした,楽器音のスペクトル構造に基づいた楽器推定法を提案する.その原理は,和音の楽器音をくし形フィルタで単音に分離する.そして,このくし形フィルタの特性を考慮して,くし形フィルタの出力スペクトル構造と各楽器音ごとに用意されたテンプレートのスペクトル構造とのマッチングをとることで楽器を推定する.実際の演奏楽器音に対応するため,音の立ち上がり付近(音長の短い音に対応)のスペクトル構造を使用する.また,ある程度の周波数変動にも対応できるように,二重くし形フィルタ(H^d(z) = (1-z^<-N>)^2:零点付近の減衰大)を使用した.さらに,音源分離に使用したくし形フィルタの影響を補正するとき,くし形フィルタの出力スペクトルでなくテンプレートのスペクトルに二重くし形フィルタの利得を乗ずることで,二重くし形フィルタの零点付近の誤差の増大を抑えた.計算機シミュレーションは,ビオラ,バイオリン,ホルン,クラリネット,アルトサックスの5楽器を使用し,音域3-5オクターブの2和音すべての組合せ(重複音は除く)について行なった.その結果,平均推定誤り率10%以下で推定できた.