著者
小林 のぞみ 乾 健太郎 松本 裕治 立石 健二 福島 俊一
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.203-222, 2005
被引用文献数
57

近年, web上に多数存在する掲示板などの文書から, 意見を自動的に収集・解析する技術への関心が高まっている.このような意見情報の抽出には, 評価を表す表現が重要な手がかりとなるが, それらの表現には「燃費がよい」「CGがきれい」といった領域依存の表現が多数存在するため, 人手で書き尽くすことは困難である.そこで, 我々は, 評価対象表現, 属性表現, 評価表現の共起情報を利用して, これら領域依存の表現を効率的に収集することを試みた.本稿では, 共起パタンに基づく属性・評価値表現の半自動的収集方法を提案し, 「コンピュータ」と「ゲーム」の2つの領域を対象に, 人手と提案手法で行なった収集効率実験の結果について報告する.
著者
田中 貴大 周藤 高 末永 潤 高瀬 創 佐藤 充 大竹 誠 立石 健祐 上野 龍 宮崎 良平 村田 英俊
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.58-64, 2018 (Released:2018-02-14)
参考文献数
17

We report herein five cases of symptomatic brainstem cavernous malformations (CM). Specific surgical approaches were designed to directly access each lesion. Neuronavigation and intraoperative monitoring were used. Four lesions underwent gross total resection, and one was subtotally partially removed. None of the patients developed new neurological deficits and all cases showed an improvement based on the modified Rankin Scale and the Karnofsky Performance Status. Although brainstem CM have a relatively high rate of re-bleeding, thus adversely affecting the neurological status of the patient, recent reports have demonstrated favorable outcomes after their resection. Hence, surgical removal can be recommended for cases of symptomatic brainstem CM, particularly those with re-bleeding. An optimal surgical approach, providing direct access to the lesion, is critical for successfully resecting brainstem CM.
著者
立石 健二 宮崎 林太郎 長田 誠也 増山 毅司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.211, pp.53-57, 2014-09-11

本稿では、「結婚」「子育て」等のライフイベントに関するユーザ属性をYahoo!知恵袋の書込みとYahoo! Japan上の行動ログを用いて推定する方法を提案する。ユーザ属性は詳細に得られる程、ピンポイントなパーソナライズが可能になる一方、取得方法が課題となる。提案方式は2ステップで構成され、まずYahoo!知恵袋の「3歳の子供がいる」といった書き込みから「子育て」といった特定のライフイベント属性を持つ質問者をパターンマッチングにより抽出する。次に、得られた質問者を学習データとして、質問者のYahoo! Japan上の行動ログ(例.クエリ、閲覧ページ)を元に、知恵袋に投稿しないユーザがライフイベント属性を持つかを推定する。評価実験により、1ステップ目が、2ステップ目で正例として用いるに十分な数の質問者を高精度に抽出できることを確認した。
著者
高瀬 香奈 三島 弘之 綾部 純一 渡辺 正英 土屋 雄介 丸山 拓実 益子 悠 立石 健祐 田中 良英
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.305-311, 2021 (Released:2021-04-25)
参考文献数
24

放射線治療の晩期障害として放射線誘発性腫瘍があるが, 組織型の異なる放射線誘発性脳腫瘍が併発した症例の報告は稀少である. 症例は49歳男性. 8歳時に右前頭葉腫瘍の摘出術を受け, 当初星芽腫の診断で51Gy/37frの拡大局所照射を施行された. 照射後41年, 初発のてんかん発作で救急搬送され, 右前頭葉脳実質の不整形腫瘍と周辺の円蓋部に硬膜付着腫瘤を認めた. 両病変に対して摘出術を施行し, それぞれ膠芽腫, 髄膜腫と診断された. 再検討の結果, 初発腫瘍は退形成上衣腫と診断された. 小児期に放射線治療を受けた患者では長期間経過しても放射線誘発性腫瘍のリスクが存在するため, 長期にわたる慎重な経過観察が重要である.
著者
浜野 龍夫 近藤 正和 大橋 裕 立石 健 藤村 治夫 末吉 隆
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.249-254, 1996-09-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
10
被引用文献数
1

マナマコ種苗が放流地点から急速に見られなくなる原因を究明するため, 水槽とタイドプールを使って実験を行った。その結果, 主因は, 食害による減耗ではなく, 「観察者による見落とし」と「種苗の移動」と推察された。
著者
立石 健 井手尾 寛 岸岡 正伸
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.219-224, 1997-03-01
参考文献数
11
被引用文献数
1

アサリは、山口県瀬戸内海側の重要な水産物の一つで、昭和62年頃までは一時期を除き、5000トン以上の安定した漁獲量があった。最高は昭和58年で8557トン(海面漁業の)10.0%、21.1億円)を示したが、近年の資源の枯渇から漁獲量は激減し、平成6年には965トン(同4.4%、5.9億円)まで低下した。一方、山口県ではアサリ資源が安定していた時期から、増殖場造成事業、漁業保全事業、資源管理事業等を実施してきたが、アサリ資源の維持増大にはまだ効果が見られず、昭和60年前後から全国的に続いているアサリの漁獲量減少は山口県でも同様である。アサリ資源減少の原因究明と対策が全国的に講じられているが資源減少を加速している要因の一つに、山口県では県外からのアサリ移植量の減少も考えられる。以前は主生産地であった熊本、福岡、大分の九州3県が軒並み資源減少したことにより、山口県への搬入が激減したうえ、種苗の質もかなり低下している。当県が必要とする移植長量(資源安定時十数億個、現在数億個)の大部分を人工種苗で補完しようという考えはないが、アサリ資源の回復を図る事業の一つとして、平成6年から5年間の県単独事業の「アサリ放流技術開発研究事業」に入った。まだ2年間実施したところで、放流技術の開発までは進んでいないが、種苗の量産や中間育成については、若干の知見が得られたのでここで報告する。
著者
立石 健二 福島 俊一 小林 のぞみ 高橋 哲朗 藤田 篤 乾 健太郎 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.93, pp.1-8, 2004-09-16
被引用文献数
14

本稿では、Web文書から意見を抽出し、それらをレーダーチャートの形式で要約/視覚化する意見抽出分類システムを提案する。Webの意見は、商品購入の際の情報収集、市場調査等のマーケティング、企業のリスク管理等、さまざまな目的での利用が考えられる。Webの意見の収集/分析に関する研究には2つの課題がある、対象とするWeb文書から意見に該当する箇所を抽出すること、抽出した意見を要約/視覚化することである。本システムは、この2つの課題を3つ組{対象物 属性 評価}のモデルと情報抽出の手法を用いて解決する。本システムを車に関するレビューサイトの100記事を対象として評価したところ抽出精度が適合率82% 再現率52%であり、システムが出力したレーダーチャートと人手で作成したレーダーチャートが類似することを確認した。This paper proposes an opinion extraction and classification system, which extracts people's opinions from Web documents and summarize/visualizes them in the form of "radar charts". People's opinions on the Internet are available for many purposes such as surveys before purchasing products, market research and risk management for enterprises. There are two issues on this area. One is to locate opinion sentences from Web documents, and the other is to summarize/visualize the extracted opinions. The proposed system solves them by employing an opinion model {object name, attribute expression, evaluative expression} and information extraction techniques. The experimental result conducted with 100 articles on the car domain showed that the system performed 82% on precision and 52% on recall, and that both radar charts created by the system and by the hand are similar to each other.
著者
小林 のぞみ 乾 健太郎 松本 裕治 立石 健二 福島 俊一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.23, pp.77-84, 2003-03-06
被引用文献数
26

近年,Web上に多数存在する掲示板などの文書から,意見情報を自動的に収集・解析する技術への関心が高まっている.このような意見情報の抽出には,評価を表す表現が重要な手がかりとなるが,評価表現には「コクがある」「液晶がきれい」といった領域依存の表現が多数存在するため,人手で書き尽くすことは困難である.そこで,我々は,テキストマイニングの技術を応用し,評価対象表現,属性表現,評価表現の共起パタンを利用して,これら領域依存表現を効率的に収集することを試みた.本稿では,共起パタンに基づく属性・評価表現の半自動的収集方法を提案し,「コンピュータ」と「ビール」の2つの領域を対象に行った経験的評価を報告する.It has been receiving increasing interest how to extract opinions from tremendous piles of Web documents. To automate the process of opinion extraction, a collection of evaluative expressions like "the monitor is fine" would be useful. However, it can be prohibitively costly to manually create an exhaustive list of evaluative expressions for each domain since they tend to be domain-dependent. Motivated by this background, we have been exploring how to accelerate the process of collecting evaluative expressions by applying a text mining technique. This paper proposes a semi-automatic method where we use particular patterns of cooccurrences between an evaluated subject, focused attribute and orientation expression, and reports the results of our empirical evaluation on the computer and beer domains.
著者
飯田 龍 小林 のぞみ 乾 健太郎 松本 裕治 立石 健二 福島 俊一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.1, pp.21-28, 2005-01-11
被引用文献数
12

本稿では,文章に記述されている意見を抽出するタスクについて述べる.我々は,意見を<対象,属性,評価値>の3つ組として定義し,文章からその3つ組を抽出する手法を提案する.具体的には,意見抽出の問題を,(a)辞書に存在する属性候補集合と評価値候補集合から評価値候補と対となる属性を同定する問題と,(b)同定した対が意見性を持つか否かを判定する問題の2つの問題に分解し,それぞれ機械学習に基づく手法を用いて解析することにより,属性-評価値対を同定する.提案手法を用いて評価実験を行った結果を報告するとともに,今後の展望についても議論する.This paper addresses the task of extracting opinions described in a given document collection. Assuming that an opinion can be represented as a tuple < Subject, Attribute, Value>, we propose a computational method to extract such tuples from texts. In this method, the major task is decomposed into (a) the process of extracting Attribute-Value pairs from given texts and (b) the process of judging whether each extracted pair is expressed as an opinion of the author, to both of which we apply machine-learning techniques. We also report on the present results of our experiments discussing future directions.
著者
立石 健二 石黒 義英 福島 俊一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.69, pp.75-82, 2001-07-16
被引用文献数
39

本稿では,インターネットに分散して存在する人の意見を一括して検索する手法を提案し,試作したシステム概要と,その検索精度を報告する.インターネットはすべての人が情報発信できる場であり,さまざまな人の意見が存在する.しかし,従来これらの意見を効率的に入手する方法は存在しなかった.提案手法では,ユーザが入力した商品名とあらかじめ辞書として用意した評価表現を近接演算する方法を用いて,インターネットのWebページから意見を抽出する.また,抽出した意見の意見らしさ(適性値)を構文的な特徴を利用して判定する.試作システムの精度を評価したところ,従来のキーワードと比較して検索結果を15%程度に絞りこめること,検索結果の上位17.1%で86.6%という高い適合率を得られることがわかった.This paper proposes a method for retrieving people's opinions from www pages, and describes its implementation as well as the evaluation results of this system. Many people are exchanging or expressing their opinions with the Internet. However no traditional system can efficiently retrieve people's opinions from the Internet. With the proposed method, our system can extract people's opinions by utiltzing word distance calculation and opinion-likeness evaluation. The averge number of the search result of this system is 85% of smaller than the result of traditional keyword-based search. The precision of this system is 86.6% within the top 17.1% of the search result.