著者
米田 健一 井上 雅央 一ノ瀬 浩史 高藤 晃雄
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.245-250, 2005 (Released:2006-02-25)
参考文献数
11
被引用文献数
4 4

In mountainous regions of Japan, some people grow grapes for personal consumption. Damage to grapes caused by birds is serious in many such areas. At present, the only effective method against bird damage is to install physical barriers, such as nets, around or over vineyards. To install nets easily and safely, we designed a new grape cultivation method: the trellis height is equal to the width of a simple commercially available net (1×50 m, 12 g/m2). Using the new cultivation method, we evaluated its bird damage prevention effect and working efficiency. Results showed that: 1) net installation was easy and safe; 2) nets installed only on the lower edges of the trellis reduced bird damage effectively because brown-eared bulbuls (Hypsipetes amaurotis), a main bird that damages grapes, tended to invade the vineyard from under the trellis; 3) nets installed both on upper and lower sides of the trellis perfectly prevented bird damage. These results suggest that this is applicable as an effective method against bird damage to grapes in these areas.
著者
米田 健 林正薫 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.36, pp.59-65, 1993-05-14

さまざまな分散マルチメディアアプリケーションの共通基盤となるマルチメディア論理デバイスモデルの設計と実装について報告する.そのモデルでは,マイク,スピーカ,カメラ,ウインドウ,ファイル,ネットワークチャネル,オーディオミキサをすべて統一的に論理的なデバイスとして扱い,各デバイスを容易に生成,削除,結合することができる.デバイス同士は1対1,1対多,多対1,多対多と柔軟に結合することができる.またデバイス間の結合の際に必要となるマルチメディアネゴシエーションについても述べる.提案されるモデルを用いてプロトタイプ会議システムを構築し,マルチメディア論理デバイスモデルの有用性を確認した.To develop distributed multimedia applications easily and efficiently, a multimedia logical device model is proposed in which not only cameras, microphones and speakers but also files, windows and network channels are uniformly treated as logical devices. According to the model, a MMC (Multimedia Control) server which runs as a user-level process on a UNIX system is implemented. The MMC server provides logical device operation services such as creating, destroying, connecting, disconnecting, and using such device operation services, a prototype multimedia teleconferencing system is developed and it is proved that MMC can supports a wide range of distributed multimedia applications.
著者
新山 馨 米田 健 奥田 敏統 山下 多聞
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

東南アジアの熱帯多雨林で、地下部の相対成長式を実測により作成し、正確な地下部現存量をはじめて明らかした。半島マレーシア、パソ森林保護区の熱帯多雨林で、最大幹直径、116cmの個体を含む121個体(78種類)の地下部を掘り取り調査した。細根と調査中に失われた根の量も補正し、精度の高い地下部現存量推定式を作成した。地下部、地上部のバイオマスは95.9 Mg ha-1と536 Mg ha-1、地下部・地上部の比は0.18と推定された。
著者
織田 顕祐 米田 健志
出版者
大谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究の目的は、仏教の中国伝来をインド文化圏と中国文化圏との東西交流と見たときに、一体どのようなことが見えてくるのかその実態に迫ることである。従来、仏教の東漸は篤信の外国三蔵によって行われたと簡単に考えられてきたのであるが、そうした面が否定できないにしても、より大きな働きは文化圏同士の交流にあったのではないかと考えるべき点がいくつもある。中国に仏教が伝来したのは、ほぼ紀元1世紀頃であり、2世紀中旬以降になると経典翻訳も次第に数を増してくるが、この時代は中央アジアにおいて大月氏国が隆盛となる時代と重なっている。この時代の中国における仏教受容を伝える中国側の歴史資料は、伝説的な要素が多くて信用することができないと一般的には考えられているが、こうした点を今回改めて検討した結果、いくつかの理由によって記述に信愚性が高いことが明らかになった。こうした点から考えるに、インドと中国を結ぶ大月氏国の存在は想像以上に大きかったはずであり、こうした点の研究がますます重要であることが明らかとなった。また、漢代の牟融撰述の「理惑論」にはある程度詳細な仏伝や、仏経は万巻に及ぶといった言及があり、後漢当時の訳経のみによっては到底知ることのできなかったはずの記述がなされている。こうした事実は牟融が後漢の都であった洛陽を離れて、交趾(現在のハノイ)に至って初めて知ったことであった可能性が高い。こうした点から考えるに、当時交趾には相当量の仏典が齎されていたことが想像され、仏教の東漸が中央アジアの陸路経由ばかりでなく、インドシナを経た海路によっても盛んに行われたことを窺わせる重要な事実であると言うことができる。言うまでもなく、物流という面から見れば、海路によるほうが圧倒的に有利であり、「物」としての経典の将来はこうした面を見逃すことができないと考えられ、こうした視点に立った研究が一層重要である。