著者
細川 聖二 平田 義郎 齊藤 泰雄 内藤 裕美子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.442-447, 2008-09-01

国立情報学研究所では,目録所在情報サービス(NACSIS-CAT/ILL)の今後の在り方について,中長期的な視点で検討することを使命として,「学術コンテンツ運営・連携本部図書館連携作業部会」の下に「次世代目録ワーキンググループ」を設置した。ワーキンググループでの検討結果を「次世代目録所在情報サービスの在り方について(中間報告)」として取りまとめ,2008年3月末に公開した。本稿では,「中間報告」に至る検討の経緯および「中間報告」についてその概要を紹介する。
著者
ラナトゥンガ ヴィジタ 細川 晃 木下 和彦 山井 成良 村上 孝三
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J90-B, no.6, pp.555-565, 2007-06-01

マルチエージェントシステムでは,クローンエージェントを並列に動作させることで,ネットワーク上の複数のノードでの処理を効率良く実行することができる.そのようなシステムにおいて,ユーザが指定したすべてのノードにクローンエージェントを動作させ,所望の処理を行わせるようなアプリケーションでは,最後のクローンエージェントが処理を完了するまでの時間を短くすることが重要である.しかし,このようなアプリーションにはクラスタコンピューティングやグリッドシステムのような分散システムスケジューリングをそのまま適用することはできないため,一般のOSのスケジューリングを利用することが多い.そこで本論文では,処理中のエージェント数・各ノードの処理能力・エージェントのワークデマンドを考慮した上で,ネットワーク全体で処理中のクローンエージェント数の少ないエージェントに優先的にCPUを割り当てることで,平均応答時間を短縮し,同時に,同一のユーザに生成されたエージェント群に対して与えられるCPU資源の総量を一定にすることで,応答時間の分散を小さくし,公平性を保つアルゴリズムを提案する.最後に計算機シミュレーションによる性能評価を行い,提案方式の有効性を示す.
著者
石橋 直樹 細川 宜秀 清木 康
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.128-145, 2002-03-15
被引用文献数
3

膨大な既存のデータベース群を連結する機構の実現により,それらの既存データベース群の価値は飛躍的に増大する.同一性,同義性,類似性,包含性などの多様な関連性を用いて異種データベース間を連結する場合,それらの関連性を明示的,かつ,静的に記述することにより,異種データベース間でのデータ結合を行う方法が用いられる.しかしながら,多くのデータベースが接続された広域ネットワーク環境では,この明示的記述のオーバヘッドはきわめて大きいものとなる.また,ローカルデータベース内のデータ間の多様な関連性を計量する方式は多く提案されているが,これらはそれぞれが固有の適用範囲を持っており,それらを統合する環境は実現されていない.本論文では,データ間の多様な関連性を動的に計量し,異種のデータベース群を連結するメタレベルシステムのデータ統合方式を提案する.提案方式は,時空間を対象とした多様な計量機能をメタレベルに設定することにより,応用に応じた多様な時空間的計量を実現し,マルチデータベースシステムから適切な情報を検索・結合する.具体的には,時間的な計量空間,および,空間的な計量空間の設定,さらに,その機構における関連性の計量に要する文脈の定式化,および,実現を行った.また,提案方式はメタレベルシステムにおいて異種の計量システム群を統合することにより,それら計量システム固有の適用範囲を拡大する.提案方式の有効性を示すために時間的,および,空間的なデータ間の計量機構群を例示し,それらを用いた異種データベース間連結実験,および,その結果を示す.By creating an interconnection mechanism among a lot of legacy databases, the importance of those databases is enhanced significantly. To interconnect heterogeneous legacy databases, with conventional methods, as computing various inter-relationships like equality, synonymity, similarity or topological relationships, it is necessary to implement static and explicit pattern descriptions which represent various inter-relationships. However, the creation overhead of the static description is not ignorable specially in the global area network where many legacy databases are connected. There are many methods for computing various relationships among local data items. Those methods have their own applicative scopes, and an integration frame-work for those methods is not available. In this paper, we present a data integration method for the meta-level system which interconnects heterogeneous legacy databases by dynamically computing various inter-relationships. Our method has a capability to implement multiple computational mechanisms in the meta-level, so the method provides abilities to compute spatial and temporal relationships according to various applications. This method integrates these heterogeneous computational systems in the meta-level system. The applicative scopes of the computational methods are expanded through hybridization with others. The method provides data integration among heterogeneous databases by evaluating spatial and temporal relationships in context-dependent and independent ways.