著者
嶋田 義弘 緒方 正名 藤井 俊子 堀家 徳士 道辻 広美 細川 幹夫 田口 豊郁
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.67-73, 1995

外部精度管理の実情に近い条件のもとで, 有機溶剤の尿中代謝産物である馬尿酸, メチル馬尿酸, マンデル酸を人工尿, ヒト尿に加えた試料について, 郵送した後の濃度を, 東京都, 大阪市, 岡山市に存在する3検査機関で測定した上述の3種類の尿中代謝産物の郵送後の値の, 郵送前の研究室の値に対する比率(回収率)を求めた.その成績として, 液性試料で冷蔵保存(0〜4℃), 冷凍保存(-20℃)下の郵送では, 人工尿は郵送前のほぼ100%の値を示した.ヒト尿中の馬尿酸, メチル馬尿酸, クレアチニンは凍結保存では98%を示したが, 冷蔵保存では郵送前よりやや低い値を示した.凍結乾燥した人工尿, ヒト尿の冷蔵保存下の郵送では, 3種の代謝産物はほぼ98%以上の値を示し, 実用可能な事が推定された.
著者
嶋田 義弘 緒方 正名 藤井 俊子 堀家 徳士 道辻 広美 細川 幹夫 田口 豊郁
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.67-73, 1995

外部精度管理の実情に近い条件のもとで, 有機溶剤の尿中代謝産物である馬尿酸, メチル馬尿酸, マンデル酸を人工尿, ヒト尿に加えた試料について, 郵送した後の濃度を, 東京都, 大阪市, 岡山市に存在する3検査機関で測定した上述の3種類の尿中代謝産物の郵送後の値の, 郵送前の研究室の値に対する比率(回収率)を求めた.その成績として, 液性試料で冷蔵保存(0~4℃), 冷凍保存(-20℃)下の郵送では, 人工尿は郵送前のほぼ100%の値を示した.ヒト尿中の馬尿酸, メチル馬尿酸, クレアチニンは凍結保存では98%を示したが, 冷蔵保存では郵送前よりやや低い値を示した.凍結乾燥した人工尿, ヒト尿の冷蔵保存下の郵送では, 3種の代謝産物はほぼ98%以上の値を示し, 実用可能な事が推定された.The hippuric acid, methylhippuric acid and mandelic acid were spiked into artificial prepared urine and human urine, and used as specimens for external quality controls. These specimens were sent to the three laboratories located in Tokyo metropolis, Osaka city and Okayama city. Then concentrations of three acids and creatinine were measured in the laboratories. The ratio of the concentrations of three acids in artificial prepared urine measure in the three laboratories tested to those in the laboratory, where specimens were prepared and sent, was about 100 percent under the mailing condition at 0~4℃ and at -20℃. The ratios of three acids in human urine was about 98 per cent under the condition at -20℃ and slightly lower ratio was obtained at 0~4℃ in human urine. The three acids were spiked in artificial prepared urine and in human urine, and then these specimens were freeze-dried and mailed to three laboratories at 0~4℃. The ratios of three acids in artificial prepared urine and those in human urine were above 98 percent. The results indicate that the three acids in artificial urine and human urine are useful under mailing condition at 0~4℃ and at -20℃, though slight lower values are shown in human urine at 0~4℃ and can be useful under sending condition at -20℃. The freezedried artificial and human urines are useful under mailing condition at 0~4℃.
著者
細川隆元 著
出版者
中央公論社
巻号頁・発行日
1958
著者
細川 大二郎
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

近年、多くの植物ウイルスについて、ゲノムの構造や機能が明らかにされてきている。しかし、ウイルスのゲノムの宿主細胞における発現や複製、あるいはウイルスの増殖機構については不明の点が多く残されている。本研究では、電子顕微鏡(電顕)レベルのin situハイブリダイゼーション法を用いて、ウイルス核酸の動態を宿主細胞の微細構造と関連させて詳細に調べ、ウイルスの増殖機構を主に細胞生物学的な面から明にしようとした。現在、まだ電顕レベルのin situハイブリダイゼーション法は十分に確立されたものがないため、固定や包埋法(前包埋法、後包埋法)、核酸プローブや標識マーカーの種類、ハイブリダイゼーション反応やその可視化などについて検討した。供試ウイルスにはタバコモザイクウイルス(TMV)及びジャガイモXウイルス(PVX)を用いた。これらのウイルスを接種したタバコプロトプラストを4%パラホルムアルデヒドと0.5%グルタルアルデヒド混合液で、4℃で、2時間固定し、アルコールで脱水後、Lowicryl K4Mに包埋り、超薄切片を作製したのち、ジゴキシゲニン標識RNAプローブでin situハイブリダイゼーションを行い、抗ジゴキシゲニン抗体と反応後、金コロイド標識抗ヒツジIgG抗体で可視化する方法によりシグナルを検出することができた。そこで、この方法を用いて、TMV及びPVXのRNAのタバコプロトプラスト内における局在を調べ、次ぎの結果を得た。すなわち、TMVでは、プロトプラストの細胞質の一部にやや電子密度の高い部位が生じ、そこに金粒子の標識が認められた。このプロトプラスト内におけるウイルスRNAの局在部位とその合成部位の関連を明らかにするため、[II]-ウリジンの取り込みによる電顕オートラジオグラフィー法を用いて、プロトプラスト内におけるTMV-RNAの合成部位を検討した。その結果、[II]-ウリジンの取り込みによる現像銀がプロトプラストの細胞質のウイルス粒子の集塊の近傍に認められた。PVXではウイルス接種4時間後からプロトプラストの細胞質の一部に金粒子の標識が認められ、金粒子は数個から10個位が集合して観察され、接種後の時間が経過するにつれて金粒子の標識部位はやや大きくなり、数も多くなつた。この金粒子の標識部位は細胞質基質であり、特別の細胞構造は認められなつた。
著者
大村 浩王 遠峰 菊郎 細川 尚
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.365-375, 1999-06-30
被引用文献数
2

1997年8月4日および8月9日の2日間,群馬県の榛名山山麓においてオメガゾンデによる高層気象観測を行い,状態曲線の日変化と雷雲の発生・発達との関係を調べた.その結果,雷雲が観測された8月4日には,朝から日中にかけて,接地混合層の上端高度は上昇し,自由対流高度(LFC)は下降した.その結果,雷雲が発生した時刻にはCIN (convective inhibition)の値も小さくなり,対流が発生しやすい状態であった.さらに,LFCから大気上層の間には顕著な安定層が見られず,背が高い対流が発達可能な状態にあったことが示された. これに対し,雷雲が発達しなかった8月9日には,日中は接地混合層の上端高度は上昇した.しかし大気中層への暖気移流により顕著な安定層が形成され,上空の気温が高かったためにLFCは存在していなかった.このため,対流雲は存在していたが,背は低いままで発達しなかった.また,雷雲発生の有無にかかわらず,2日間とも日中から夕方にかけて大気安定度は同程度減少する日変化が認められた.
著者
細川 道夫
出版者
岐阜工業高等専門学校
雑誌
岐阜工業高等専門学校紀要 (ISSN:03864332)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.72-81, 1967-03-20

Azukarisho (預所) in Mino (美濃) province accounted for 10 percent of all. But the study on them is not enough at present. Therefore, I studied on Azukarisho of the Ogaki (大垣) clan which had the widest territory among them. The government of the peasantry had two aspects: one was by organizing them as regional groups (Kumi 組) under the management of the office (Oazukariyakusho 御預役所), and the other by controling the peasant life by a number of the statutes. The system of tax burdens was composed of the rice paid as rent (Nengumai 年貢米), Komononari (小物成), Takagakarisanyaku (高掛三役) and the other miscellaneous taxes. They were sent to Edo (江戸) by sea and paid to the Syogunate in rice or gold.
著者
米田 佐紀子 西村 洋一 細川 真衣 物井 尚子 ヒューズ ジェイソン
出版者
北陸学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は小学生から大学生までを対象に、CEFRに基づくポートフォリオの使用により英語学習に目標を持たせることができるか、また、英語力に影響があるか検証することを目的として実施された。使用した材料はEuropean Language Portfolioに基づくポートフォリオ、ケンブリッジ英検、英語学習および動機づけ等に関する質問紙である。合計4,479名の調査参加者のうち3年間の追跡調査データが得られた869名のデータ分析の結果、ポートフォリオ評価高群は低群に比べて、動機づけ、異文化友好オリエンテーションの得点が高いことが確認された。一方、導入には制度的枠組みが必要であることが分かった。
著者
高木 修作 細川 秀毅 示野 貞夫 宇川 正治
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.417-427, 2000-05-15
被引用文献数
6 11

マダイ飼料におけるコーングルテンミール(CGM)の配合許容量を, 0歳魚(初期平均体重53g)および1歳魚(初期平均体重280g)を用いて調べた。0歳魚では15%の, 1歳魚では36%以下のCGM配合区は, 無配合区と同等の平均増重量および飼料効率であった。しかし, 0歳魚では26%以上の, 1歳魚では47%以上のCGM高配合区の平均増重量および飼料効率は劣った。試験飼料の見かけのタンパク質消化率はCGM配合率と無関係に90∿95%と優れていた。マダイ飼料におけるCGM配合許容量は0歳魚で15%, 1歳魚で36%, 魚粉代替率としてそれぞれ30%および70%と判断された。
著者
浅見 敏彦 桃瀬 一成 細川 〓延
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.59, no.566, pp.p2962-2967, 1993-10
被引用文献数
3

This paper proposes an expression for design of optimal dynamic absorbers attached to damped linear systems. The classical expressions were derived from the assumption that the primary system has no damping. There are two optimization criteria in the design of the dynamic absorber : the fixed-points theory and the minimum variance criterion. In the fixed points theory, the dynamic absorber is optimally tuned and damped with respect to the primary system so that the two resonant amplitudes of the main mass are equal. In the latter criterion, however, the area under the power spectrum density curve of the main mass is adjusted to take the minimum value. The new expression proposed in this paper is based on the minimum variance criterion. A perturbation method is used to obtain the expression, and the accuracy of the perturbation solution is discussed.
著者
浅見 敏彦 細川 〓延
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.61, no.583, pp.915-921, 1995-03-25
参考文献数
15
被引用文献数
5

This paper proposes an expression for design of optimal dynamic absorbers attached to damped linear systems. The classical expressions were derived from the assumption that the primary system has no damping. There are two optimization criteria in the design of the dynamic absorber : the fixed-points theory and the minimum variance criterion. In the fixed-points theory, the dynamic absorber is optimally tuned and damped with respect to the primary system so that the two resonant amplitudes of the main mass are equal. On the other hand, in the latter criterion the area under the power spectrum density curve of the main mass is adjusted to take the minimum value. The new expression proposed in this paper is based on the fixed-points theory. However, there are no fixed points in the resonance curves of the damped linear systems, so the analytic procedure becomes impossible. Therefore a perturbation method is used to obtain the expression, and the accuracy of the solution is discussed.
著者
小林 桂子 森田 明理 磯村 巌 細川 裕子 辻 卓夫
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.515-517, 2000-08-01
被引用文献数
5 1

難治性尋常性乾癬に対しPUVAバス療法を行い,外用PUVA療法より優れていることを以前明らかにした。しかし,今までのPUVAバス療法では0.3%メトキサレン液であれば1回の治療につき50ml(150 lの浴槽の場合)必要で費用がかかること,同じ浴槽を他の患者と共有することなどの問題があった。新しいPUVAバスインバス療法は,0.0001%メトキサレン温水の入ったビニール製浴槽(家庭で温泉を楽しむために考案されたもので20 l)を風呂に浮かべ,15分入浴後,直ちにUVAを週に4回照射する(初期量=0.2J/cm<SUP>2</SUP>,増量幅:0.2~0.3J/cm<SUP>2</SUP>)。今回,他施設からの紹介もしくは今までの外来治療で難治性であった尋常性乾癬患者14人にPUVAバスインバス療法を行った。平均年齢48.1歳(27~73歳),平均罹病期間12.9年(1~24年)。14人中13人に皮疹の寛解がみられた。13人の寛解までのPUVAバスインバス療法は平均27.0回(7~51回),総照射量73.9J/cm<SUP>2</SUP>(7.7~166.8J/cm<SUP>2</SUP>)。1症例で,照射量増量に伴う紅斑反応がみられたが,増量幅を少なくすること(0.1J/cm<SUP>2</SUP>)でみられなくなった。このほか照射に問題はなかった。PUVAバスインバス療法は難治性尋常性乾癬に有効であると思われる。
著者
三輪 のり子 大橋 達子 岩城 直子 河相 てる美 滝原 香 吉澤 環 福井 則子 石川 今日子 寺嶋 順子 山本 美千代 梅田 加洋子 堅田 智香子 高木 妙子 細川 佳子 山田 真由美 楠 早苗 若林 理恵子 安田 智美 泉野 潔 永山 くに子 田中 三千雄
出版者
富山大学
雑誌
富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.101-110, 2005-07
被引用文献数
1

本研究では,欧米における内視鏡看護研究の歩みと現状を明らかにすることを目的に文献的考察を行った. MEDLINE (1951〜2003年)とCINAHL(1982〜2003年)のOvidのWeb版(2004年5月7日現在)を使用し, Key wordを"Nursing and Endoscopy"とする全種類の文献のうち,看護系雑誌に掲載されていた109篇を対象に分析を行った.その結果, 1966〜1980年代までは解説が中心であったが, 1990年代に入ると研究報告や症例報告もみられるようになり,文献数は増加傾向を示していた.しかし約50年間において,解説に準ずるものが全体の86%を占め,研究報告8.3%,症例報告4.6%であり,未だに内視鏡看護に関する研究が乏しい現状が明らかとなった.文献は活用目的により,『患者の安全・安楽への援助(48.7%)』『医学知識の習得(22.9%)』『看護業務の質の向上や円滑化(28.4%)』の3カテゴリーに大別された. 1960年代後半は医学知識の習得のための報告が主であったが, 1980年代中頃から患者の安全・安楽への援助に関するものが急増していた.さらに1990年代になると,再び医学知識の習得のための報告があり,看護業務の質の向上や円滑化を図るための報告も次第に定着してみられるようになっていた.これらは報告内容によりさらに12サブカテゴリーに分類された.とくに患者の成長段階・理解力・疾患や病期・心理面など患者の特性に視点を置いた看護の報告や,スタッフの教育や健康管理,関連部門や他職種との連携などの実践に繋がる報告が少なく,この方面への研究の蓄積が今後の課題として考えられた.
著者
細川 武稔
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

北野天満宮の神仏習合については、神宮寺だった東向観音寺(京都市上京区)について、引き続き所蔵史料の分析をおこなった。その結果、この寺が一条家の祈願寺となるきっかけを作った一条輝子について、詳しく調べることが必要になった。輝子は岡山池田氏の出身であることから、岡山県立図書館(岡山市)・林原美術館(岡山市)などで情報を収集した。中世の北野天満宮に関連して、足利義満が京都の北山で構築した空間について分析し、中世都市研究会大会において発表した。そこでは、義満が北山を選んだのは、足利氏が深く信仰する北野天満宮と、足利氏の墓所等持院に挟まれた地域だったからであると述べた。また、北山天神森の天神社(現在の敷地神社)が北野天満宮との関係で語られていた事実を指摘した。発表の準備段階では、京都市歴史資料館・京都府立総合資料館などで文献を読み込んだり、現地でのフィールドワークをおこなったりした。京都における三十三所観音については、中世の成立・近世の復興について分析を進めた。中世については、室町幕府の奉行人である飯尾氏の関与について調べた。当時の貴族の日記や五山禅僧の漢詩を分析することによって、飯尾氏が積極的に三十三所の確定に関わり、一族の菩提寺を三十三所に組み入れていったことなどがわかってきた。近世については、京都市歴史資料館・京都府立総合資料館で文献・史料を渉猟するなどして、巡礼順序が変更された事情などを考える材料を集めた。また、文政11年刊の『恵方巡京図』に、三十三所観音巡礼が記されていること、人吉藩の歴史書『嗣誠独集覧』に、近世の復興に真如堂の僧が関わったという重要な記事があることなどを見出した。
著者
岡野 寛 細川 敏弘
出版者
香川高等専門学校
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

グラファイトシートを用いて弱光時には化学電池として動作し光励起によりパワーアップするソーラーアシストバッテリーを開発する。空気電池正極のグラファイトシート中もしくは表面に酸化物半導体が分散した構造を有する。グラファイトシート中への酸化物半導体の分散方法としては,アルコキシドを利用した湿式法とスパッタ法による表面への形成が有効である。またスパッタ法では,可視光域にバンドギャップを有するNbOの作製に成功した。正極にアルミニウム,負極に銅を用い,正極表面に酸化チタンを形成した構造で光照射により約18%光電流が増加した。しかし,実用的な空気電池に適用したところ,増加率は1%に満たない結果となった。
著者
迫 悟 山根 乙彦 浜本 國治 渡辺 大直 林 隆敏 細川 大 石川 啓作 坂口 啓
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.186-190, 1983-04-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
26
被引用文献数
1 3

黒毛和種牛3頭が同一農家で同時期に尋常性白斑を発症する珍しい症例を認めた. 家畜における本症の報告はわが国では初めてである. 白斑の分布は鼻鏡, 下唇, 舌裏, 眼瞼, 乳頭および外陰部の無毛部皮膚に認められた. 白斑の病型はヒトにおける伊藤の分類に従うと限局型皮膚障害であり, 井村らの分類に従うと自己免疫型の皮膚障害であった. 白斑の持続期間は2年以上の今日も持続している. 臨床病理所見ではヒトの自己免疫型にみられる甲状腺機能亢進が全例に, 2/3例にγ-globulin値の高値を認めた.