著者
加藤 由樹 加藤 尚吾 赤堀 侃司 Yuuki KATO Shogo KATO Kanji AKAHORI 東京工業大学 東京工業大学 東京工業大学 Tokyo Institute of Technology Tokyo Institute of Technology Tokyo Institute of Technology
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 = Journal of social informatics (ISSN:13440896)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.17-33, 2007-09-30

本研究では,電子メールに注目し,電子メールの書き手の性別が読み手の感情面に及ぼす影響について検討した。本研究では,実験Iと実験IIを実施し,それぞれで得られた結果を考察した。実験Iでは,電子メールの書き手の性別がわかっているときの読み手の感情面について分析した。また,実験IIでは,電子メールの書き手の性別がわからないときの読み手による書き手の性別判断と,読み手の感情面について分析した。両実験で得られた主な結果は,顔文字の使用が,性別の差の指標になっている可能性が示唆されたことである。そのため,提示されたメール文の書き手の性別とそのメール文の内容が,合っている場合に快感情を生じ,合っていない場合に不快感情を生じた。また,男性,女性の両被験者において,性別判断の結果に最も影響を及ぼしたのは,メール文における顔文字の有無であった。This study examined the influence of e-mail senders' gender on recipients' emotional aspects using university students, and it is twofold consisting of Experiments I and II. In Experiment I, the authors analyzed the emotional elements related to the e-mail readers with revealing the gender of writers. In Experiment II, the subjects were asked to identify the gender of e-mail writers; here further analysis was done on the ways the readers identified the gender of writers and the emotional elements related to the readers under such a condition. The major finding from the two experiments is the possibility of emoticons serving as index for gender identification. Actually, the existence of emoticons in the e-mails affected the subjects' gender identification most significantly regardless of the subjects' gender. In addition, when the subjects felt that the "assumed" gender of a writer suited the content of corresponding e-mail, pleasant/favorable emotions were generated, whereas when they didn't match, unpleasant/unfavorable emotions were caused.
著者
加藤 由樹 加藤 尚吾 赤堀 侃司
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.35-43, 2006
被引用文献数
2

本論文では,携帯メールにおけるコミュニケーションで喚起する感情の中で,特に「怒り」の感情に注目した.「怒り」の感情は,コミュニケーションで生じる感情的なトラブルに密接に関連する.従って,この感情について分析することで,感情的なトラブルを回避するための示唆を得ることが期待できる.本研究では,三つの調査を行った.調査Iでは,普段の携帯メールの使用における「怒り」の感情に関する経験を調査した.次に,調査IIでは,調査Iで得られた結果から,携帯メールにおける返信時間と「怒り」の感情について調べるために,携帯メールとパソコンによる電子メールとを比較する調査を行った.そして,調査IIIでは,携帯メールにおいて,顔文字の不使用および短いメール文が「怒り」の感情へ及ぼす影響を調べるために,これら二つの要因を操作したメール文を被験者に提示し,生じる感情を調査した.全体的な結果として,顔文字の有無以上に,短文で書かれた携帯メールの場合に,被験者は,「悲しみ」や「怒り」をより感じ,「嬉しさ」をより抑える傾向があり,短文かどうかの要因が,感情により影響を持つことが示唆された.
著者
赤堀 侃司 藤谷 哲 松田 岳士 中山 実 加藤 浩 福本 徹 加藤 浩 福本 徹
出版者
白鴎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的は、教員や研究者が場所、時間、専門分野などの制約を越えて教育実践知を可視化・共有し、再構築できる"場"としての電子ネットワーク基盤を開発し、実践的評価を通してその有効性を検証することであった。具体的には次のような研究課題に取り組んだ。(1)教育実践知の可視化・共有を支援する電子ネットワーク基盤の要件や支援方法に関する調査・分析。(2)場所・時間・専門分野などの制約を超えて参加者の結びつきを促進するSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の開発。(3)教育実践知を自動的に可視化し、関連知識を結びつけて強化する機能の開発。実践評価の結果、分散した実践知の共有には、知識の自動的な可視化と、関連する分散知を集合知へ変化させることが有効であることを明らかにし、本研究課題で開発したネットワーク基盤が、さらなる知の再構成、創造を促進する可能性を示した。
著者
赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.57-71, 1991-09-20
被引用文献数
9

本論文は,数学の教科を事例として,教授方略を数理モデルで表現し,その教授方略を反映する学習課題系列を生成し,かつ学習課題系列が与えられたときにその教授方略が何であるかを推定する方法を提案している.その教授方略のモデルとは,学習課題の下位性,基礎性,関連性の組合せで表現されるが,これを数量化することにより,学習課題系列の自動生成や,教授方略の推定をすることができる.中学校数学の学習課題に適用した結果,教授方略の中でも関連性の要因が大きいことがわかった.また本手法は,教育現場で広く利用されている論理分析のコースアウトラインの決定法の考え方を基礎にしており,その拡張になっている.
著者
小山 泰弘 横山 節雄 赤堀 侃司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.71, pp.109-116, 2000-05-12
被引用文献数
1

現在、小学校でもインターネットを使った調べ学習が盛んに行われている。学習者がWebページの情報を整理・統合するときには、その一覧性に問題点があり、利用したい情報を見つけにくい。そこで本研究では、Webページをイメージ画像として取り込みそれをさらにサムネイル化することで一覧性を向上させ、整理・統合する活動を支援するツールを開発した。サムネイル化されたWebページは、順序変更、コメントの追加等が可能であり、Web元イメージの再現及び、オリジナルのWebページへのアクセスが容易になっている。それにより、Webページを用いたプレゼンテーションを支援する。本ツールの評価において、内容を思い出しやすい、子供の利用に有効であるなどの結果を得た。