著者
宮堀 真澄 澤井 セイ子 佐藤 怜 鈴木 圭子 三浦 正樹 Masumi MIYAHORI Seiko SAWAI Satoru SATO Keiko SUZUKI Masaki MIURA 介護福祉学科 秋田大学教育文化学部 秋田大学 介護福祉学科 介護福祉学科
出版者
日本赤十字秋田短期大学紀要編集委員会
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.8, pp.31-39, 2003

本研究は、特別養護老人ホームに働く介護職員を対象に行った社会的スキルの結果から、今後の介護福祉士現任教育のあり方を考察したものである。調査の結果、(1)介護職員は総体的に利用者の表出行動などから、感情や態度を判断するスキルを高く評価していた。しかし、自分から表現をすることは総体的にできていないといえる。(2)若い世代の介護職員は比較的、社会的スキルの評価は低い結果であった。(3)資格では、訪問介護員が「感情コントロール」において介護福祉士より高く評価していた。(4)介護職員の社会的スキルの構造を明らかにするため因子分析をした結果、『伝達因子』・『解読因子』・『表出因子』・『感情統制因子』の4因子が抽出された。これらのことから、人間関係の学習は、継続して教育され、実践の場において活用されてこそ意義があると考える。したがって、介護福祉士の専門性を高める意味でも社会的スキル・アップの研修の場が必要であると考える。
著者
鈴木 圭 小川 博 天野 卓 安藤 元一
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.13-18, 2008-06-15
被引用文献数
3

ニホンモモンガPteromys momongaの巣箱利用率から本種の環境嗜好性を評価した。丹沢山地に548個の巣箱を設置し樹上性哺乳類全般の利用状況を調べた。巣箱利用率の高まる8月から10月における巣箱内の痕跡から,林相,水場の遠近および標高が本種の巣箱利用度に及ぼす影響を検討した。本種の巣箱痕跡率は広葉樹・モミの天然林において0.4%,スギ・ヒノキ人工林で0%,および天然林と人工林がパッチ状に混在する林で3.9%であった。一般線形モデルによる解析を行ったところ,本種は天然林と人工林の混在する環境を好んで生息し,水場の遠近や標高による影響は見られなかった。他方,山地林に普遍的に生息する樹上性ノネズミであるヒメネズミApodemus argenteusはこれらの環境要素に対して嗜好性を示さなかったことから,上記の嗜好性がニホンモモンガの特徴であることが推察された。
著者
黒田 日出男 林 譲 久留島 典子 田中 博美 宮崎 勝美 保立 道久 鈴木 圭吾 加藤 秀幸
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1992

本研究は,日本史の主要な画像史料の一つである肖像画に関する基礎的な調査と研究を行ってきた。その成果は、以下の通りである。第一点。東京大学史料編纂所は、明治時代以来、肖像画を模本の作成という手段によって蒐集してきた。現在までの蒐集点数は約900点に及んでおり,それらの紹介は急務であった。本研究では,全点を4×5判白黒フィルムで撮影し,四切りの大きさに引き伸したうえで、それらについての基礎的調査を行い、新たな目録を作成した。これによって,史料編纂所の所蔵する肖像画模本は多くの研究者の関心を集めよう。第二点。この引伸写真を光ファイリング・システムに取り込んで,簡単なデータベースとし,身分・職業・性別・老若・時代によって検索できるようにした。これによって,史料編纂所々蔵の肖像画模本から,日本の肖像画の特徴の幾つかを把握できるであろう。第三点。本研究では,各種の日本史叙述や自治体史叙述を悉皆的に点検し、肖像画情報に関する調査カードを合計約27000枚作成することができた。予算の制約によって、そのデータベース化までは実現できなかったが、このカードを検索することによって、日本史叙述における肖像画情報の全体を把握することができる。そして第四点。肖像画の個別研究によって、幾つかの新説を提出することができた。たとえば,文化庁保管の「守屋家本騎馬武者像」の像主名についてであり,高師直像とする通説に対し,新たに師直の子息師詮像であるとの新説を提出した。肖像画研究の方法論についても,幾つかのシンポジウムや研究会において発表し,今後の研究の発展のための基本的な論点を提出することができた。また,1996年3月には,史料編纂所主催で「肖像画と歴史学」と題するシンポジウムを開催し,当日は257名もの出席者と討論を行うことができた。
著者
原田 和典 大宮 喜文 松山 賢 鈴木 圭一 土橋 常登 長岡 勉
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

建築物の性能的火災安全設計を行うためには、「設計火源(設計用入力火災)」を設定することから始まる。しかし、建築物内の可燃物の燃焼は、種々の要因により大きなばらつきがあって、告示式で与えられるように一義的なものではない。設計火源は、どのような可燃物を建築設計上考慮すべきか(用途区分別の特性的可燃物配置)という建築計画学としての整理を行った上で、特定された可燃物の燃焼性状を工学的にモデル化することが必要である。本研究においては、建築空間内に存在する可燃物の代表寸法と可燃物間の配置、壁面や柱等の建築要素との位置関係に注目して、建物用途、室用途の組み合わせ毎に、典型的な可燃物の配置パターンを作成すべきことを提案し、例題として事務所の廊下、教育施設の玄関ロビー、鉄道駅などの配置パターンを抽出してモデル化を行った。また、可燃物の燃焼性状に関しては、既往の文献資料を整理して、可燃物の一般的呼称毎に発熱速度曲線を集積して統計処理を行った結果、椅子、ソファ、クリスマスツリーなどの設計火源を提案した。これらを用いて、鉄道駅のプラットホーム構造物の耐火設計ケーススタディを行い、調査結果に基づき可燃物を想定し、燃焼性状の予測を行う標準的方法を提案すると同時に、現時点での知見で不足している点を指摘した。以上の成果は、(社)日本建築学会・防火委員会・火災安全設計小委員会の傘下に設置された「局所火災に対する耐火設計ワーキンググループ」との連携の下に行われ、シンポジウムを開催して成果を公表するとともに、建築設計者の意見を収集した。