著者
井関 洋平 川西 康友 椋木 雅之 美濃 導彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J98-D, no.1, pp.236-249, 2015-01-01

様々な環境に設置された防犯カメラで観測された人物画像の特徴量は被写体の姿勢,照明などの撮影条件によって大きく変化する.そのため,特定人物画像検索における人物画像の特徴量比較には,撮影条件が異なれば(1)本来外見が類似している同一人物の人物画像の特徴量間の距離が大きくなる,(2)本来外見が類似していない別人同士の人物画像の特徴量間の距離が小さくなる,という二つの問題がある.従来提案されてきた適合性フィードバックでは,問題(1)には対応できるが問題(2)には対処できない.我々が提案する条件分割型適合性フィードバックでは,撮影条件を分類してフィードバックすることで,各撮影条件の画像特徴量が混合されることを回避し,問題(1)(2)の両方に対処できる.複数の防犯カメラ映像に対して人物画像を検索し,通常の適合性フィードバックと比較することで本手法の有効性を確認した.
著者
大塚 淳史 関 洋平 神門 典子 佐藤 哲司
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.1-11, 2011-10-03

コミュニティ QA サイトでは,ユーザの疑問や知りたいことが自然言語で記述された質問記事として投稿されている.本論文では,Web 検索で必須な言語化された検索クエリの想起を,質問記事を提示することで支援する,クエリ拡張型 Web 検索システムを提案する.提案システムでは,検索者から入力されたキーワードと関連する質問記事を複数のカテゴリから抽出し,拡張するキーワードとともに提示するクエリ拡張を実現する.検索者は,提示された質問記事を閲覧することで,自身の情報要求を拡張の根拠として言語化された検索クエリとして確認することができる.潜在的意味インデキシングを用いてシステムを実装し,実運用されたコミュニティ QA サイトの質問記事を用いて評価を行い,提案システムによって多様なクエリ拡張と,根拠となる質問記事を提示できることを確認した.In community QA websites,huge number of questions written in natural language are posted by users. We propose a new query expansion system to support Web search users by using community QA resources. In our system, users can get diversified query candidates from questions in multiple Yahoo! chiebukuro (Yahoo! Answers) categories relevant to the search query, and will find queries relevant to their information needs by browsing question articles. We also report experimental results to extract diversified question articles with latent semantic indexing.
著者
前川 喜久雄 山崎 誠 松本 裕治 傳 康晴 田野村 忠温 砂川 有里子 田中 牧郎 荻野 綱男 奥村 学 斎藤 博昭 柴崎 秀子 新納 浩幸 仁科 喜久子 宇津呂 武仁 関 洋平 小原 京子 木戸 冬子
出版者
大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

当初の予定どおりに、5000万語規模の現代日本語書籍均衡コーパスを構築して2011年に公開した。同時に構築途上のコーパスを利用しながら、コーパス日本語学の確立にむけた研究を多方面で推進し、若手研究所の育成にも努めた。現在、約200名規模の研究コミュニティーが成立しており、本領域終了後も定期的にワークショップを開催するなど活発に活動を続けている。
著者
江村 優花 関 洋平
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.401-418, 2012-12-14 (Released:2013-03-19)
参考文献数
21
被引用文献数
1 2

現在,電子メール,チャット,マイクロブログなどのメディアで,顔文字は日常的に使用されている.顔文字は,言語コミュニケーションで表現できない,ユーザの感情やコミュニケーションの意図を表すのに便利であるが,反面,その種類は膨大であり,場面に合った顔文字を選ぶことは難しい.本研究では,ユーザの顔文字選択支援を目的として,ユーザが入力したテキストに現れる感情,コミュニケーション,動作のタイプ推定を行い,顔文字を推薦する方法を提案する.感情,コミュニケーション,動作のタイプは,Twitter から収集したコーパスを用いてカテゴリを定義し,推定システムは,k-NN に基づき実現した.また,システムが推薦する顔文字がユーザの意図にどの程度適合しているか,5名の被験者により評価した結果,91件のつぶやきに対して66.6%の顔文字が適切に推定されており,感情カテゴリのみを用いて推薦された結果と比べて,提案手法の顔文字推薦の精度が有意に向上していることがわかった.
著者
関 洋平
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:若手研究(B)2009-2011
著者
石川 大介 酒井 哲也 関 洋平 栗山 和子 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
pp.1109070033, (Released:2011-09-10)
参考文献数
24
被引用文献数
1

コミュニティ型質問応答サイト(CQA)は,ユーザが自身の状況に応じた情報を得ることができる新たな手段である.しかし投稿された回答の質は様々であるため,その中から良質な回答を選択する方法が求められている.そこで本研究は,まず Yahoo!知恵袋データにおける良質回答を人手で分析し,その結果に基づいて良質回答自動予測システムを構築した.具体的には,「恋愛相談」「パソコン」「一般教養」「政治」の4つのカテゴリからそれぞれ無作為に50問の質問を抽出し,判定者2名によって手作業で良質回答を決定した.次に,その結果を分析し,良質回答の特徴として「詳しさ」「根拠」「丁寧さ」に基づく機械学習システムを構築した.機械学習システムの評価結果は,「パソコン」と「一般教養」カテゴリでは判定者らを上回った.「恋愛相談」と「政治」カテゴリでは,機械学習システムの評価結果は判定者らとほぼ同じであった.以上の結果から,CQAアーカイブから自動的に良質回答を発見するシステムの可能性が示唆される.