- 著者
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江村 優花
関 洋平
- 出版者
- 一般社団法人 言語処理学会
- 雑誌
- 自然言語処理 (ISSN:13407619)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.5, pp.401-418, 2012-12-14 (Released:2013-03-19)
- 参考文献数
- 21
- 被引用文献数
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現在,電子メール,チャット,マイクロブログなどのメディアで,顔文字は日常的に使用されている.顔文字は,言語コミュニケーションで表現できない,ユーザの感情やコミュニケーションの意図を表すのに便利であるが,反面,その種類は膨大であり,場面に合った顔文字を選ぶことは難しい.本研究では,ユーザの顔文字選択支援を目的として,ユーザが入力したテキストに現れる感情,コミュニケーション,動作のタイプ推定を行い,顔文字を推薦する方法を提案する.感情,コミュニケーション,動作のタイプは,Twitter から収集したコーパスを用いてカテゴリを定義し,推定システムは,k-NN に基づき実現した.また,システムが推薦する顔文字がユーザの意図にどの程度適合しているか,5名の被験者により評価した結果,91件のつぶやきに対して66.6%の顔文字が適切に推定されており,感情カテゴリのみを用いて推薦された結果と比べて,提案手法の顔文字推薦の精度が有意に向上していることがわかった.