著者
椋木 雅之 森田 裕士 馬場 雅志 浅田 尚紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.234, pp.43-48, 2006-09-05
参考文献数
13
被引用文献数
3

本研究では,シーン構成グラフを用いてドラマ映像の構造を表現する手法を提案する.シーン構成グラフでは,ショット,シーン,シークエンス,シチュエーションという概念を用いる.連続した映像区間をショット,意味的に一致するショットの集合をシーンと呼ぶ.同一シーン内におけるショットは同じ状況下で同じ対象群を撮影しており,この状況をシチュエーションと呼ぶ.さらに,ストーリー的に一致するシーンの集合をシークエンスと呼ぶ.このドラマ映像の構成を利用することで,映像を構造化することが可能と考え,これらの概念に基づく階層を画像特徴,音声特徴を利用することで抽出し,シーン構成グラフを作成することで,映像の構造を表現する.本稿では,シーン構成グラフを半自動生成する手法について述べるとともに,生成されたシーン構成グラフについて検討する.
著者
美濃 導彦 橋本 敦史 森 信介 飯山 将晃 椋木 雅之 舩冨 卓哉 山肩 洋子 中村 和晃
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2013-05-15)

本研究では,道具の使用,および論理や推論による問題解決能力を利用して行う「知的行動」の認識を目指してきた.この題材として調理を対象に,レシピ等の言語で表現される「概念的行動」と調理者を観測して得られる「表出動作」の関係を明らかにしてきた.このうち,「概念的行動」に関しては,H25年度までにレシピテキストから自然言語処理によって,作業の流れの構造を抽出したフローグラフのコーパスを整備した.「表出動作」についてはH26年度において,半自動でのタグの付与を行うことでデータセットの大規模化を図った.H27年度はこれまでに作成した上記データセットを元に機械学習を行い,手に取られり,置かれたりした物体を画像処理により自動的に認識する識別器を作成し,その性能評価を行なった.また,これをH25年度に構築した「概念的行動」の予測を行うシステムに識別器を組み込むことで,「表出動作」に基づく「概念的行動」の認識システムを構築した.H25年度に構築した概念的行動の認識システムでは入力として,フローグラフと,直前までに行われた「表出動作」の履歴を用いた.この段階では「表出動作」の入力は手動で行なっており,認識アルゴリズムも「表出動作」の認識結果が決定的に与えられることを前提としていた.このため,識別器の誤りに対する頑健性には改善の余地があった.今回「表出動作」の入力を識別器により自動化したのと平行して,「表出動作」の認識結果が非決定的に与えられた場合を想定して,「概念的行動」の認識アルゴリズムの改良について検討を行い,対外発表を行なった.自然言語処理としては手法や語彙ラベルの見直しによるレシピテキストに対する解析精度の向上を図った.この他,本研究課題に関連する応用システムを構築し,論文として発表するなど,積極的な対外発表を行なった.
著者
井関 洋平 川西 康友 椋木 雅之 美濃 導彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J98-D, no.1, pp.236-249, 2015-01-01

様々な環境に設置された防犯カメラで観測された人物画像の特徴量は被写体の姿勢,照明などの撮影条件によって大きく変化する.そのため,特定人物画像検索における人物画像の特徴量比較には,撮影条件が異なれば(1)本来外見が類似している同一人物の人物画像の特徴量間の距離が大きくなる,(2)本来外見が類似していない別人同士の人物画像の特徴量間の距離が小さくなる,という二つの問題がある.従来提案されてきた適合性フィードバックでは,問題(1)には対応できるが問題(2)には対処できない.我々が提案する条件分割型適合性フィードバックでは,撮影条件を分類してフィードバックすることで,各撮影条件の画像特徴量が混合されることを回避し,問題(1)(2)の両方に対処できる.複数の防犯カメラ映像に対して人物画像を検索し,通常の適合性フィードバックと比較することで本手法の有効性を確認した.
著者
椋木 雅之
出版者
広島市立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003 (Released:2003-04-01)

本年度は,スポーツシーンに意味づけし,その結果を利用する技術を開発した.対象として,実際に放送された野球映像を用いた.野球における1シーンは1投球に対応する映像区間である.1投球区間に現れる映像ショットの種類,構成について検討したところ,・1投球から次の投球までの間が短いシーンは,見送りやファウルである・打球が飛んだ場合,その打球を追うカメラワークを含んだショットが現れる.・1シーンの中で,実際にプレイに関係するのは,投球開始から,打者や走者,投手をアップで写したショットまでの間であり,その後は,リプレイなど,ゲームの流れに無関係な映像が含まれる.などの特徴があることが分かった.これらの知識を導入するために,ショットの種類として,1.投球開始時に現れる「プレイ開始ショット」2.打球を追ってカメラワークが起こる「ボールを追うショット」3.打者,走者,投手をアップで撮影する「プレイヤショット」の3種類を取り上げ,自動的に識別する処理を実現した.これらのショット種別を利用して,3種類のダイジェスト生成を行った.1つ目は,3ショット以下で構成されるプレイを除去し,残りのショットのうち,1投球区間で「プレイ開始ショット」から最初に現れる「プレイヤショット」のみを集めたダイジェストである.このダイジェストは,試合の重要な流れを網羅しつつ,60分の映像を20分に短縮することができた.2つ目は,「ボールを追うショット」を含むプレイ区間を集めたもので,打球の飛んだプレイからなる5分間のダイジェストを生成した.3つ目は,「ボールを追うショット」を含むプレイが多く現れたイニングを抜き出したもので,実際に得点の入ったイニングからなる5分間のダイジェストを生成した.このように,ショットの種別を元にして,各種のダイジェストを生成することができた.
著者
先山 卓朗 大野 直樹 椋木 雅之 池田 克夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.248-257, 2001-02-01
参考文献数
12
被引用文献数
41

複数台のカメラにより撮影される遠隔講義において, 遠隔地に送信すべき映像を選択するという作業は, 現在主に講義を行う講師自身により行われており, 講師にとって大きな負担となっている.そこで, 本論文ではこの作業を自動化する手法を提案する.まず, あらかじめ定義した講義状態の遷移系列により講義状況を表し, その講義状況とそれに応じた送信映像との関係をルール化する.講義状態は, 実際の講義の情景から容易に観測可能な情報を組み合わせて構成するため, 抽出された講義状態系列と作成したルールをマッチングさせることにより, 講義の内容理解にまで踏み込むことなく, 適切な映像を選択することが可能となる.黒板, OHPを利用した模擬講義に対して実験を行い, 本手法により実時間での送信映像選択が可能であることを示した.
著者
青山 正人 楠 卓也 椋木 雅之 浅田 尚紀 米田 洋介 沖川 隆志 浦田 譲治
出版者
社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.139-147, 2010-02-01
被引用文献数
1

従来の脳動脈瘤検出支援に関する研究では,動脈瘤を球状の領域とモデル化し,形状特徴を利用するものがほとんどであったが,実際には様々な形状のものが見られるため,多様な形状の動脈瘤を検出できる手法が必要である.そこで本論文では,脳血管の輝度分布から計算した方向ベクトル情報を用いて,動脈瘤が血管から瘤状に突出した終端をもつという構造特徴を用いた脳動脈瘤の検出手法を提案する.2 mm以上の動脈瘤32個を含む24症例と動脈瘤なし26症例の計50症例に本手法を適用した結果,動脈瘤の検出感度100%のとき症例当りの平均偽陽性数 4.5個,3特徴を用いた線形判別法による偽陽性除去の結果,97%のとき1.5個という結果が得られた.
著者
椋木 雅之 美濃 導彦
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

講義改善等のために,講義を分析・評価する研究が多く行われている.我々は,センサ情報処理技術の適用により,講義室内の活動を十分な詳細さで記録し,講義の分析・評価の基礎となるデータを収集する研究に取り組んでいる.本発表では,我々の取り組み全体について紹介すると共に,特に,講義中の受講者の振る舞いに注目し,観測される振る舞いと小テストにより評価した理解度との関係性を調査した研究事例について述べる.
著者
椋木 雅之 田中 大典 池田 克夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.1914-1921, 2001-07-15
参考文献数
11
被引用文献数
5

対義関係にあるいくつかの代表的な感性語対(基本感性語)の組合せで他の感性語を表現して,その感性語にあてはまる画像を検索するシステムを提案する.まず,対義関係を利用すると,基本感性語について画像との適合度を対義語対ごとに独立に評価しても,適切な評価が行えることを実験により示した.次に,各対義語対における画像との適合度を結合して対義語対からなる特徴空間(対義語空間)を構築し,検索に利用した.対義語空間における表現を感性語ごとに独立に学習することにより,新たな感性語を追加することが容易になった.また,1つの感性語が複数の異なるイメージを表す場合を考慮して,対義語空間における教師画像群のクラスタリングを導入し,検索結果を改善した.さらに,ユーザによる検索要求の違いに対応するため,システムにフィードバック機構を設け,ユーザの希望する画像を効率的に検索できるようにした.本研究で提案した手法に基づく画像検索システムを構築し,実験によって提案手法の有効性を確かめた.We propose a system for image retrieval using emotional adjectives.The system employs adjectives to represent emotionalfeelings as a combination of basic adjectives, so that the systemis able to accept various kind of adjectives.We adopt pairs of antonym as basic adjectives, and build the feature space consisting of antonymous pairs of adjectives.The system has high extensibility of adjectives since the system can learn each adjective independently.The system also detects clusterscorresponding to each idea at the time of retrieval since oneadjective may express several different ideas. Furthermore, thesystem has feedback mechanism in order to retrieve wanted imagesefficiently. Experimental results show the effectiveness of theproposed system.
著者
椋木 雅之 寺尾 元宏 池田 克夫'
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.1016-1024, 2002-06-01
被引用文献数
14

1本のスポーツ映像全体を通して見られる映像構成の規則性を利用することにより,個々のスポーツのドメイン知識を用いずに映像をプレイ単位に分割する方法を提案する.多くのスポーツには,ルールに従った繰返し構造があり,それを反映して,スポーツ映像にも規則的な繰返し構造が見られる.本研究では,この規則性に着目した.提案する映像分割手法では,フレーム単位の色とオプティカルフロー特徴量のカット内の平均と分散によってカットを記述し,それらを分類して識別子を付与する.識別子系列の出現回数をn-gramを用いて調べることによってカット間の連続性を表す結合度を算出する.結合度の谷で映像を区切ることによって,映像を,そのスポーツにおける1プレイに対応する部分映像に分割する.提案手法を様々なスポーツ映像に対して適用し,ドメイン知識を導入せずに1プレイに対応する区間に映像を分割できることを確かめた.
著者
前田 茂則 椋木 雅之 美濃 導彦 池田 克夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1617-1625, 1999-10-25
被引用文献数
8

画像検索システムでは,利用者が頭にイメージした検索したい画像の内容をいかに的確に引き出せるかが重要である.そのため最近,概略画,類似画像等の画像を検索キーに採用し,利用者のイメージの表現の自由度を高める試みが多くなされているが,画像は多義性が大きいため,従来のキーワード等の言語を検索キーに用いる方式に比べて検索キー自体の示す内容のあいまいさが増大し,利用者の意図が適切にシステムに伝わらない場合がある.そこで本研究では,画像検索をシステムと利用者とのイメージコミュニケーションという観点から見直して問題点を検討し,これをもとに,画像を検索キーに用いながらもそのあいまいさの増大を抑える対話機構を提案する.この対話機構では,検索結果が得られた理由等を示す釈明情報をシステムから利用者に提示し,それに基づいて利用者が検索キーの修正をして再検索を行う.実際にこの対話機構を画像検索システムに実現し,実験によりその有効性を確認した.