著者
尾方 壮行 井上 莉沙 竹内 悠香 秋山 雄一 都築 和代 田辺 新一
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成30年度大会(名古屋)学術講演論文集 第6巻 温熱環境評価 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.89-92, 2018 (Released:2019-10-30)

Field surveys were conducted in bedrooms to investigate the relationship between the environment and sleep quality. Sleep efficiency was relatively low when the average CO2 gas concentration at sleep was low which may be due to the high noise level. The percentage of wake-after-sleep-onset was the lowest under thermally neutral.
著者
井上 莉沙 都築 和代 竹内 悠香 秋山 雄一 尾方 壮行 田辺 新一
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成30年度大会(名古屋)学術講演論文集 第6巻 温熱環境評価 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.93-96, 2018 (Released:2019-10-30)

寝室内環境が睡眠に及ぼす影響の調査のため、窓の開閉条件を設定した自宅寝室における睡眠実測調査を行った。睡眠の評価は脳波計を用い、睡眠前後のアンケート調査も行った。結果として、窓開け条件で睡眠の質が向上し、良い寝室内空気質が睡眠を改善する可能性が示された。さらに、音環境、温熱環境、空気質が睡眠に与える複合影響を調査するため、マルチレベル分析を行った。
著者
吉田 郁美 竹森 利和 山崎 政人 道広 和美 都築 和代 裏出 良博 吉田 政樹
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.101-106, 2012-11

ミストサウナ入浴が睡眠に与える影響を把握することを目的に、冬季の実生活において被験者実験を実施した。実験は、被験者の自宅において就寝約1.5時間前に40℃10分間の通常入浴とミストサウナ入浴をそれぞれ10日間ずつ連続して実施した。浴室の設定温度、寝室の温湿度ならびに入浴前後の舌下温を10日間測定・記録した。また、1日の活動量(活動量計)、夜間就寝時の脳波(携帯型1チャンネル脳波計)を計測し、睡眠後の眠気(KSS調査票)や温冷感、目覚めの感覚等を記録した。睡眠効率、入眠潜時、および覚醒指数については条件間に有意な差はなかったが、第一周期デルタパワーについてはミストサウナ入浴の方が通常入浴よりも有意に高かった。入浴による舌下温の上昇度についても通常入浴よりミストサウナ入浴の方が有意に高かった。寝室温・湿度に両条件間の差は無かったが、被験者の申告結果からは、ミストサウナ入浴の場合、就床前はより暖かく感じ、起床時には目覚めの爽央感が得られるとの評価が有意に高かった。
著者
都築 和代 水野 一枝
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.212, 2004 (Released:2005-04-02)

目的自分で温度制御して快適な環境を作るという実験においては,高齢者と青年の快適だと感じる温度には差を認めていない。そこで安全面を考慮した温熱環境設計を行うには,高齢者の心理反応のみならず,生理的な加齢の変化に関してのデータ集積を行い検討していくことが必要である。そこで,中等度温熱環境においては,欧米人データが示すように日本人高齢者と青年で温冷感に差がないのかどうか,そして,体温調節反応についても同等とみなして良いのかどうかを検討する。方法60歳以上の健康な高齢者と若年者を対象として,冬期に人工気候室において,気温23℃,25℃,27℃,29℃,31℃の5条件を設定し,相対湿度60%,気流は0.15m/s,壁面はカーテンで蔽い,床にはカーペットをひいたので,平均放射温度=空気温とした。着衣はスエット上下と靴下を用意し,被験者はパンツ(青年女子はブラジャーも)の上に着用した(0.63clo)。被験者は椅子座で約180分間,ほぼ安静状態を保った。高齢者100名,青年100名(男女は同数)が参加し,各気温条件につき,各群10名ずつのデータを収集した。結果中立近傍では温冷感に年齢差を認めていないが,高齢者の方が青年に比べ23℃・31℃では中立側に申告していた。また,皮膚温や口腔温は,31℃では高齢者の方が高く,23℃では高齢者の方が低くかったが,体重減少量には差がなかった。年齢による温冷感の変化は,高齢者の皮膚温反応の変化と一致しており,温熱環境の影響を受けやすいことが示唆された。また,夏期データと比較したところ,青年に比べて高齢者は、冬期においては温感受性を低下させ、夏期においては冷感受性を低下させていることを示唆している。
著者
森 郁惠 都築 和代
出版者
産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、人体と環境変化に対して体温調節を補う役割を果たす寝具を1つの系とした寝具-人体熱収支モデルを構築することにより、睡眠時の人体周りに形成される寝床内温熱環境を予測・評価する手法を開発することを目的としている。平成23年度は、寝具の使用量が少なく変数が単純な夏季を対象として、サーマルマネキンを用いた測定を実施した。実験条件は、実生活に即した環境温度、空調制御の方法および寝具と着衣を用いた既往の睡眠に関する被験者実験を参考に、寝具としてベッドの上に敷布団とタオルケット、着衣は夏用のパジャマ、空調制御はエアコンとパネル冷房および冷房なしの組み合わせで設定した。測定項目は、マネキンの皮膚表面温度および発熱量、寝具や着衣の表面温度と表面熱流とした。マネキンによる計測データと、先に行われた被験者実験の結果と比較して用いることにより、モデル構築の一段階において、皮膚温や深部温のセットポイントや代謝量、寝具の総合的な断熱性能等の変数や係数をチューニングすることが可能である。本研究は、事業機関の初年度早期に廃止となったため、サーマルマネキンを用いた基礎的データの測定実験を行うに止まったが、得られた計測データは、寝具-人体熱収支モデル構築の基礎資料として有用である。今後、設定する条件を拡大して測定を行うことで、モデルの適用範囲を拡大するとともに、被験者実験の結果と比較検討することにより再現性を確認し、精度の高い有用なシミュレーションモデルを構築し、健康で快適な睡眠環境の形成に資することが出来ると考える。
著者
大中 忠勝 都築 和代 栃原 裕
出版者
国立公衆衛生院
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

本研究は高齢者において、1)生理・心理機能の変動を指標とした寒冷暴露後の暖房や暑熱暴露後の冷房の快適条件を求める研究と2)生理・心理反応から寝室の快適な温熱条件を求める研究の2つから成り立っている。1)寒冷暴露後の暖房や暑熱暴露後の冷房の快適温度条件63〜73歳の女子高齢者8名(高齢群)と19〜27女子若年者9名(若年群)を対象に、寒冷および暑熱曝露後の快適温度を被検者が快適となるように室温を制御する方法で調査した。高齢者の暑熱および常温暴露後の快適温度条件は若年者と異ならないものの(24〜25℃)、寒冷暴露後では高齢者はやや高い温度を好む傾向にあり、時間経過に伴っても変化が無かった。また、高齢者では快適とする範囲は大きく、温熱環境を正確に把握できない場合も見られた。これらの結果は、高齢者の居住温熱環境の設定、改善には高齢者以外の関与が不可欠である場合があることを示唆するものである。2)生理・心理反応に基づく寝室の快適な温熱条件高齢者の睡眠に及ぼす室温の影響を調べるため、年齢67〜82歳の高齢者20名の睡眠中の体動を冬季(1〜2月)と夏期(7〜8月)において、各被検者の住居で測定した。同事に室温、寝床内温度を測定した。夏季においては、年齢20〜21歳の若年者20名についても同様の測定を行った。睡眠中の体動と室温との関係について検討し、以下の結果を得た。1)測定期間中の室温は冬季8℃、夏季28℃前後であり、両季節ともは睡眠に好適とされる温度範囲外であった。2)寝床内温度は、夏季は室温と正の相関関係にあり、室温よりやや高い値であった。一方、冬季は電気毛布等の使用により、10〜40℃の間の広い範囲に分布していた。3)夏季での体動数は高齢者において若年者より有意に高い値であった。4)高齢者の冬季での体動数は夏季より有意に低い値であった。5)夏季での体動数は室温と有意な正の相関関係にあり、特に高齢者では室温26℃付近で体動数が増加する傾向にあった。一方、若年者では高齢者よりやや高い室温で体動数は増加した。以上より、高齢者では睡眠は快適とされる環境温度域においても、若年者と比較し体動が多く、さらに夏季の睡眠において体動数が増加する環境温度は高齢者で低く、高温環境は高齢者の睡眠により強い影響を与えていることが示唆された。
著者
都築 和代 Budiawan Wiwik
出版者
人間‐生活環境系学会
雑誌
人間‐生活環境系シンポジウム報告集 第45回人間-生活環境系シンポジウム報告集 (ISSN:24348007)
巻号頁・発行日
pp.159-162, 2021 (Released:2022-12-03)
参考文献数
8

睡眠環境の実態を調べるために,年間を通して大学生の寝室で睡眠環境の測定を実施した。この研究では,室内環境,日中の行動,食事,入浴時間などに制限を設けず,被験者は自宅の自室で睡眠するように依頼された。1年間を通しての平均睡眠効率は95.2%で,春94.5%,夏93.6%,秋95%,冬96.4%であった。睡眠時間は370分で,もっとも秋が長く394分で,春が最も短く342分であった。入眠潜時は平均11分で,最も早い秋で9分,最も遅い春で14分であった。室内温熱環境は,春は21.7℃69%,夏は26.5℃66%, 秋は24.6℃67%,冬は13.4℃57%であった。温冷感,快適感申告は,有意な季節差が認められ,冬に他の季節よりも寒くなり,不快側申告となった。OSA睡眠調査票による睡眠感調査の結果は,起床時眠気が44,入眠と睡眠維持が45,夢みが48,疲労回復が43,睡眠時間が45となり,大学生の睡眠評価は一般的な評価やアクチグラフによる睡眠効率よりも悪かった。
著者
竹内 悠香 秋山 雄一 井上 莉沙 尾方 壮行 都築 和代 田辺 新一
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成29年度大会(高知)学術講演論文集 第6巻 温熱環境評価 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.153-156, 2017 (Released:2018-10-20)

午前と午後の知的生産性に影響を及ぼす、睡眠の質の評価方法の検討を目的とし、夏季及び中間期に各対象者の自宅寝室にて実測調査を実施した。睡眠環境の実態及び脳波計を用いた睡眠の詳細な評価を行った。午前と午後に生産性評価試験を実施し、睡眠の質が知的生産性に及ぼす影響を検討した。従来の睡眠の質の評価方法を基に、睡眠段階を考慮した睡眠の質の評価方法を検討した。
著者
森戸 直美 西宮 肇 都築 和代
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.161, pp.19-27, 2010-08-05 (Released:2017-09-05)
参考文献数
13
被引用文献数
2

冷房の気流が睡眠に及ぼす影響について明らかにする目的で,被験者実験を実施した。比較したのは、エアコンの風を感じにくくするために開発した天井設置型冷房システム(天井冷房)と一般的な壁取り付け型エアコン(エアコン冷房)の2条件である。いずれの条件とも、実験室内の平均温度が26℃になるように制御した。実験用戸建住宅内の2実験室を使って10名の健康な青年男子を被験者とした。被験者近傍における実測の平均値は、天井冷房条件は温度26.4℃、相対湿度53%、平均放射温度26.1℃、風速0.04m/s、PMV-0.25、エアコン冷房条件は同じく26.4℃、58%、26.3℃、0.14m/s、-0.30であった。天井冷房の方が、風速は小さく(躯幹部位置で最大風速0.3m/s、エアコン冷房では1.1m/s)、かつ、送風頻度(冷風が吹き出す頻度)も少なくなった(8時間あたり11回、エアコン冷房では28回)。平均皮膚温や快適感、睡眠段階毎の総時間には2条件間で有意な差は認められなかったが、エアコン冷房の方で風を感じており、温冷感でやや寒いという申告であった。送風時においての比較では、エアコン冷房の方で皮膚温低下度が額や腕など露出部位において有意に大きくなり、覚醒、心拍数の上昇、ならびに、体動の回数が有意に多くなった。これらの結果は、エアコン冷房の方が冷刺激となり睡眠を阻害する可能性があり、天井冷房の方が睡眠に適していたことを示唆している。
著者
都築 和代 飯塚 幸子 光辻 佐枝子 池田 麻子 富田 純子 栃原 裕 大中 忠勝
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.429-438, 2001-05-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
18
被引用文献数
3

A questionnaire survey was conducted to investigate the thermal environment experienced by young children in both summer and winter. The questionnaire consisted of two parts; the basic and the fact-finding questionnaires. The first part was designed to reveal the detailed characteristics of environmental preferences for both young children and their mothers as well as mothers' behavior regarding thermoregulation and their living environments. The second part sought information regarding the measurement of room temperatures, the activities, clothing and mothers' thermal sensations at home. The second part including the measurement of room temperature was conducted four times (9-10 AM, 1-2 PM, 5-6 PM, 8-10 PM) on a chosen day in winter as well as in summer.The results are as follows.1) Over 90% of the case, use of the heating and cooling equipment depended on the mother's thermal sensation in winter, while, 50% of the case, mother's thermal sensation led the behavioral thermal regulation at home in summer. The choice of children's clothing depended on weather (80%), mother' s thermal sensation (40%), and room temperature (20%).2) The field survey showed that the average ambient air temperatures in the dwelling where mothers and their children lived were 18°C in winter and 28°C in summer.3) The young children's clothing was one or two pieces fewer than mothers' both in summer and winter. The average clothing insulation for mothers was estimated to be 0.35 clo and 1.05 clo in summer and winter respectively, while the clothing insulation for children was estimated to be 0.1 clo and 0.3 clo less than that for mothers in summer and winter respectively.4) The relationship between ambient air temperatures and the mothers' thermal sensations was good in both winter and summer. The neutral temperatures for mothers that were determined from respective liner regression were 16°C and 26°C in winter and summer respectively. The other neutral temperatures determined by mothers' clothing insulation were 21°C and 27 °C in winter and summer respectively.
著者
吉田 郁美 竹森 利和 山崎 政人 道広 和美 都築 和代 裏出 良博 吉田 政樹
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.101-106, 2012 (Released:2018-03-22)
参考文献数
22

ミストサウナ入浴が睡眠に与える影響を把握することを目的に、冬季の実生活において被験者実験を実施した。実験は、被験者の自宅において就寝約1.5時間前に40℃10分間の通常入浴とミストサウナ入浴をそれぞれ10日間ずつ連続して実施した。浴室の設定温度、寝室の温湿度ならびに入浴前後の舌下温を10日間測定・記録した。また、1日の活動量(活動量計)、夜間就寝時の脳波(携帯型1チャンネル脳波計)を計測し、睡眠後の眠気(KSS調査票)や温冷感、目覚めの感覚等を記録した。睡眠効率、入眠潜時、および覚醒指数については条件間に有意な差はなかったが、第一周期デルタパワーについてはミストサウナ入浴の方が通常入浴よりも有意に高かった。入浴による舌下温の上昇度についても通常入浴よりミストサウナ入浴の方が有意に高かった。寝室温・湿度に両条件間の差は無かったが、被験者の申告結果からは、ミストサウナ入浴の場合、就床前はより暖かく感じ、起床時には目覚めの爽央感が得られるとの評価が有意に高かった。
著者
井上 莉沙 高橋 好斗 尾方 壮行 都築 和代 田辺 新一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.84, no.764, pp.919-926, 2019 (Released:2019-10-30)
参考文献数
19
被引用文献数
1 6

In this study, field surveys in actual bedrooms in summer and winter were conducted with the purpose of verifying that the evaluation of the thermal environment in bedrooms by calculating the human heat load on the human body is effective in different seasons. The measurements were undertaken in two seasons; the summer period was July, August and September of 2017 and 2018, the winter period was December of 2017, and January and February of 2018. In the calculation of the human heat load, the actual basal metabolic rate of the subjects was substituted for the metabolic rate in formula proposed by Akiyama et al. during sleep. The quality of sleep was evaluated based on the physiological parameter during the sleeping period, including sleep stage, by measuring the electroencephalogram, electrooculogram, and electromyogram and the subjective sleeping feeling at the time of waking up. We evaluated that sleep quality was good as there were more appearances of deep sleep and less appearances of wake time. Also, OSA sleep inventory was used for subjective evaluation of the sleeping feeling. Since the relation between human heat load and percentage of sleep stages in winter was similar to that in summer, it was shown that the evaluation of the thermal environment in bedrooms due to human heat load may be effective even in different seasons. In both seasons, the colder environment when the human body thermal load is smaller than 0 W / m2 decreased the quality of sleeping, but it tended to be different in warm environments when the human heat load was greater than 0 W / m2 ; especially around 45 minutes after turning over, there was a tendency that the percentages of stage wake, REM sleep, and shallow sleep are the smallest and the percentage of deeper sleep is the largest in the vicinity of the steady state where the heat loss to the bedding from the human body is nearly 0 W / m2. The value after sleep onset immediately was taken as the initial value, and the heat radiation amount or endotherm amount added every 30 seconds was calculated as ΣLm. The closer the ΣLm is to 0 kJ/m2 the higher the percentage of deep sleep. That is, the quality of sleep tended to be improved in the state where the heat radiation amount and the endotherm amount were about the same. It is known that deep sleep appears longer during the initial part of 90 minutes after sleep onset, and the sleep becomes shallow in the latter part of sleep. In this study, the deep sleep time overnight tended to be longer when a longer deep sleep time was obtained within 90 minutes after sleep onset. In addition, the longer the deep sleeping time in one night, the more the subjective feeling of sleep when waking up tended to be improved. Therefore, in this study, it was shown that, in order to improve the quality of sleep, it is important to keep the body posture in the bed long in a low-humidity and warm environment because the heat flow to the bedding from the human body continues in the steady state quantitatively. Finally, it was shown that it is important to get a longer deep sleeping time from both viewpoints of physiological evaluation and psychological evaluation for sleep.
著者
都築 和代 佐古井 智紀 水野 一枝
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.30, pp.225-228, 2006-12-01

季節における温熱環境が日常生活での睡眠や体温調節反応に及ぼす影響を調べる目的で研究を行った。それに先立ち,睡眠実験で睡眠ポリグラフ計測により得られた睡眠段階データと同時に測定したアクチグラフデータを比較した。被験者は8人の高齢男性であった。アクチグラフとポリグラフ測定には高い相関関係が得られたが,アクチグラフによる睡眠効率はポリグラフよりも高い値になった。冬期,夏期,秋期の3季節について睡眠と体温調節反応を13人の被験者について調べた。その結果,夜間の寝室の温度は夏期で有意に高く,湿度は冬期で有意に低かった。就寝中の掛け布団の枚数と寝衣のクロー値は夏期で冬期・秋期に比べて有意に少なかった。睡眠に関しては,就寝時刻に差はみられなかったが,起床時刻は夏期で冬期よりも早かった。その結果,夏期の就床時間は冬期や秋期よりも短い傾向にあった。夏期では冬期,秋期よりも有意に入眠潜時,覚醒時間が延長し,睡眠効率が低下していた。
著者
磯田 則生 久保 博子 都築 和代 東 実千代 光田 恵 佐々 尚美 萬羽 郁子
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

省エネルギーと個人の適応能力に着目し、住居の最適空調環境を明らかにするため、一連の温熱環境実測調査と空気環境調査、人工気候室での環境適応実験と空気質実験を行った。その結果、冬期のトイレや浴室環境の劣悪さ、環境共生住宅や半地室の快適性や断熱改修の高齢者の健康生活への効果を示した。又、空気環境の悪化の懸念と臭気環境の制御の重要性が明らかになった。さらに、省エネルギーを意識すると、夏期の快適温度が1℃上昇することや、寒さに弱い被験者や高齢者の温熱的特性について示した。
著者
森戸 直美 西宮 肇 都築 和代
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.161, pp.19-27, 2010-08-05
被引用文献数
1

冷房の気流が睡眠に及ぼす影響について明らかにする目的で,被験者実験を実施した。比較したのは、エアコンの風を感じにくくするために開発した天井設置型冷房システム(天井冷房)と一般的な壁取り付け型エアコン(エアコン冷房)の2条件である。いずれの条件とも、実験室内の平均温度が26℃になるように制御した。実験用戸建住宅内の2実験室を使って10名の健康な青年男子を被験者とした。被験者近傍における実測の平均値は、天井冷房条件は温度26.4℃、相対湿度53%、平均放射温度26.1℃、風速0.04m/s、PMV-0.25、エアコン冷房条件は同じく26.4℃、58%、26.3℃、0.14m/s、-0.30であった。天井冷房の方が、風速は小さく(躯幹部位置で最大風速0.3m/s、エアコン冷房では1.1m/s)、かつ、送風頻度(冷風が吹き出す頻度)も少なくなった(8時間あたり11回、エアコン冷房では28回)。平均皮膚温や快適感、睡眠段階毎の総時間には2条件間で有意な差は認められなかったが、エアコン冷房の方で風を感じており、温冷感でやや寒いという申告であった。送風時においての比較では、エアコン冷房の方で皮膚温低下度が額や腕など露出部位において有意に大きくなり、覚醒、心拍数の上昇、ならびに、体動の回数が有意に多くなった。これらの結果は、エアコン冷房の方が冷刺激となり睡眠を阻害する可能性があり、天井冷房の方が睡眠に適していたことを示唆している。
著者
佐古井 智紀 都築 和代 加藤 信介 大岡 龍三 宋 斗三 朱 晟偉
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.126, pp.1-10, 2007-09-05
参考文献数
11

本報では,第1報,第2報の前後,左右,上下に不均一な温熱環境下で得たデータを基に,椅座,定常人体の全身快適感,頭および全身の暑さに伴う不快感,膝先(下腿と足)および全身の寒さに伴う不快感を,局所皮膚温と局所乾性放熱量で表す実験式を提案した.全身快適感の式では,均一に近い条件で快適性が高く,左右,前後の不均一性が強くなると快適性が低くなる.頭および全身の暑さに伴う不快感,膝先および全身の寒さに伴う不快感の式では,「暑さ」または「寒さ」に伴う頭,膝先の不快感が,全身としてはその逆の状態である「寒さ」または「暑さ」によって緩和される.基礎実験と異なる着衣,上下に不均一な条件において検証実験を行った.全身快適感の実験式は,被験者全体の平均値を予測したものの,より詳細に見ると,上下の不均一性を適切に評価できていない点も認められた.頭および全身の暑さに伴う不快感は検証実験においてほとんど見られず,実験式もそれを再現できた.膝先および全身の寒さに伴う不快感は,女性の予測値が高過ぎ,男性の予測値が低過ぎたものの,被験者全体の平均値,および男性,女性,被験者全体,それぞれにおける不快感の順を予測できた.