著者
斉藤 耕太 高辻 寛之 高倉 健 飯田 直樹 川口 正彦
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集 第26回エレクトロニクス実装学術講演大会
巻号頁・発行日
pp.84-87, 2012 (Released:2014-07-17)

近年、携帯電話やデジタルカメラの記録メディアとして広く普及しているメモリーカードは大容量化に伴うデータ転送速度の高速化が進んでおり、EMIノイズの問題はより深刻になると予想される。そこで本研究では、高速メモリーカード回路のEMIノイズ発生メカニズムや対策方法を調査し、これを搭載した機器を用いて放射ノイズや自家中毒(無線通信回路への回り込み)に対する対策効果の確認を行った。
著者
飯田 直樹
出版者
(財)大阪市文化財協会
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、現代人にとってもっぱら相撲興行というスポーツ娯楽を提供する存在としてしか認識されていない相撲集団が、歴史的には様々な社会的役割を果たしていたことを、大阪相撲という相撲渡世集団に即して明らかにした研究である。天満青物市場など市場社会や蔵屋敷(各藩が大坂に年貢米などを販売するために設けた施設)、さらにはそこで荷役労働に従事した仲仕と呼ばれる肉体労働者、賤民身分(穢多・非人)などと大阪相撲との関係を具体的に明らかにした。
著者
飯田 直樹
出版者
地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2023-04-01

本研究は、小河滋次郎の児童保護に関する主張に光を当て、それが小河の社会事業思想の中核にあることを示す。その上で、その思想が具体化されたのは、小河が立案した方面委員制度よりも、むしろほとんど小河とは無関係と考えられていたセツルメントであること、また、小河の思想の影響を受けて、幼児保育がセツルメントの中心事業になることを明らかにする。さらに、小河の影響が、セツルメントを介して都市での露天託児実践や農村での農繁期託児所という領域にまで及ぶ事を示し、小河の思想に新たな意義を見出す。日本における福祉国家化が、児童保護の分野を軸に進行することを明らかにし、医療偏重の福祉国家史の刷新を目指したい。
著者
山田 真知子 大坪 繭子 多田 邦尚 中野 義勝 松原 賢 飯田 直樹 遠藤 宜成 門谷 茂
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.25-33, 2017
被引用文献数
6

<p> 我が国5海域における珪藻<i>Skeletonema</i>属の種組成を,遺伝子解析(LSU rDNA D1-D3)と微細形態の特徴から種を同定し,明らかにした。亜熱帯域の沖縄海域では<i>S. grevillei</i>,温帯域の有明海,富山湾,女川湾および亜寒帯域の噴火湾では<i>S. dohrnii</i>が優占し,<i>S. japonicum</i>が混在した。高水温期に塩分の低かった有明海や富山湾では<i>S. costatum</i>が,塩分30以上の女川湾や噴火湾では順に<i>S. grevillei</i>と<i>S. pseudocostatum</i>が出現した。</p>
著者
山田 真知子 大坪 繭子 多田 邦尚 中野 義勝 松原 賢 飯田 直樹 遠藤 宜成 門谷 茂
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.16-00040, (Released:2016-12-22)
参考文献数
36
被引用文献数
6

我が国5海域における珪藻Skeletonema属の種組成を,遺伝子解析(LSU rDNA D1-D3)と微細形態の特徴から種を同定し,明らかにした。亜熱帯域の沖縄海域ではS. grevillei,温帯域の有明海,富山湾,女川湾および亜寒帯域の噴火湾ではS. dohrniiが優占し,S. japonicumが混在した。高水温期に塩分の低かった有明海や富山湾ではS. costatumが,塩分30以上の女川湾や噴火湾では順にS. grevilleiとS. pseudocostatumが出現した。
著者
飯田 直樹
出版者
公益財団法人大阪市博物館協会(大阪文化財研究所、大阪歴史博物館、大阪市立美術館、大阪市立東洋陶磁美術
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

2017年度は、まず大阪府方面委員創設前に設立された社会事業施設(大阪養老院など)や方面活動を契機に設立された社会事業施設(四恩学園など)における事業内容について、方面活動との連携などに留意しながら検討した。特に警察主導で設立された社会事業については、徳風・有隣の両夜学校(いずれも1911年開校)での事業を念頭において、事業対象者に対して画一的・強制的・取締り的な限界を持っていたと評価したことあったが、感化矯正施設である大阪府立修徳館(1908年開館)の事業を検討することを通じて、警察事業にはそのような評価では収まらない性格(例えば家族主義や普通教育重視など)があることを確認した。また各施設には、これまでの方面委員研究ではほとんど利用されていない資料、例えば各方面が月番に当たった際に過去一年間の活動内容をまとめた方面委員事業概況(概要とも)などが所蔵されていることが判明し、施設所蔵資料が方面委員研究にとっても重要な意味を持っていることを確認した。次いで、方面委員がいわゆる「行き倒れ」に対して、どのように対応したのかを具体的に検討し、以下の知見を得た。(1)方面委員によって救護された行旅病人には、警察や区役所から引き渡された者が多く、また他の行旅病人同様に、財団法人弘済会大阪慈恵病院に収容された。(2)行旅病人が複数の警察署や区役所、方面委員間で往復させられ、その扱いが「たらい回し」にされる場合があった。(3)他府県でも行旅病人の救護を方面委員が担っており(長野県)、他府県の委員から行旅病人の情報について大阪府委員に寄せられることがあった。(4)行旅病人をめぐる方面委員の活動についても、他の活動同様に「個別性」が確認されたこと。(5)行旅病人の中には、「定住性」(寺の境内に長期間居住する)や「常習性」(毎年のように来阪して救護を受ける)が認められる者がいたこと。以上である。
著者
飯田 直樹
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.135-146, 2012-06-10

近年の社会事業史研究の特徴の一つは,社会事業をめぐる言説があたかも社会事業を創出する直接の要因であるかのような前提のもとに,言説分析に力点が置かれてしまっているところにある。この論文は,言説分析よりも社会事業そのものの実態分析を重視するという立場から,大阪府方面委員制度創設の歴史的意義を検討したものである。この論文では,同制度創設以前に実施された大阪府警察による社会事業に注目し,警察社会事業と方面委員制度との比較分析を行った。警察社会事業は,事業対象者に対して一律に貯金強制を行うなど,貧困事情の個別性に対応できないという限界を有していた。大阪府方面委員制度は,この限界を克服するという面を持っていた。官僚的・画一的・強制的な取締を本質とする警察社会事業と対比して表現するならば,この制度は,「不定形・情緒的・個別的な働きかけ」と特徴づけられる,新しい社会事業なのであった。
著者
飯田 直樹
出版者
(財)大阪市文化財協会
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

この研究の目的は、主として近代において、大阪周辺の在地社会で相撲興行が開催される際に、どのような集団が関係し、それぞれの集団はどのような役割を果たし、それらの集団はお互いにどのような関係を取り結んでいるのか、ということを明らかにすることである。対象とする地域の範囲は、旧摂津、河内、和泉の三ヶ国とし、特にこれらの地域におけるプロの相撲渡世集団と素人の草相撲集団との関係に注目する。最終年度の今年度は、大阪周辺で開催された相撲興行に関する資料のうち、大阪城天守閣や大阪府立中之島図書館等に所蔵されている相撲番付類、中之島図書館、関西大学図書館などに所蔵されている新聞・錦絵類、大阪相撲行司木村玉之助関係文書、力士山獅子戸兵衛関係文書などの文書類を調査した。その結果、大阪相撲と大阪市中の市場社会との密接な関係、特に仲仕と呼ばれる労働者と大阪相撲との関係性、相撲社会における部屋の構成単位としての重要性、大阪天満宮(天神祭)と大阪相撲との密接な関係などを明らかにすることができた。また、江戸時代において、摂津・河内両国において大阪相撲が相撲興行権を独占していた時期があったことや、在地の草相撲集団の組織の実態についても、対象地域の一部において部分的に解明することができた。以上の研究成果にもとついて、2004年9月18日に大阪市立大学で開催された、大阪市立大学大学院文学研究科COE/重点研究共催シンポジウム「近代大阪の都市文化」において、「大阪の都市社会と大阪相撲」と題する研究報告を行った。また、広く市民に研究成果を公開するため、研究代表者が主担となり、大阪歴史博物館において特集展示「大阪相撲の歴史」を2005年3月9日から4月4日まで開催した。また、関連行事として3月12日に同館において研究代表者が、なにわ歴博講座「大阪相撲の歴史」と題する講演を行った。