著者
高桑 いづみ
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2001

制度:新 ; 文部省報告番号:乙1587号 ; 学位の種類:博士(文学) ; 授与年月日:2001/2/15 ; 早大学位記番号:新3103
著者
高桑 いづみ
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.166, pp.131-152, 2011-03-31

紀州徳川家伝来楽器の内,国立歴史民俗博物館が所蔵する龍笛・能管あわせて27点について,熟覧及びX線透過撮影を通して調査を行った。その結果,高精度の電子顕微鏡によって従来「平樺巻」とされてきた青柳(H‒46‒39)が,樺ではなく籐ないしカラムシのような蔓を巻いていたことが判明し,仏像の姿に成形した錘を頭部に挿入した龍笛があることが判明するなど,従来の調査では得られない成果が多々あった。一方,付属文書と笛本体が一致しない例もあり,笛が入れ替わった虞れも考えられる。たとえば能管の賀松(H‒46‒53)は,付属品や頭部の頭金の文様から,『銘管録』に載る「古郷ノ錦」ではないかと推測される。いつの時期か不明だが,コレクションの実態が混乱したようである。時期は不明だが,紀州徳川家のコレクションは少しづつ散逸してきた。その事実と照らし合わせながら,今後さらなる調査が必要になるであろう。
著者
蒲生 郷昭 石川 陸郎 加藤 寛 樋口 昭 中里 寿克 高桑 いづみ 久保 智康 阪田 宗彦 浅井 和春 上参郷 祐康
出版者
東京国立文化財研究所
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1993

1.実地調査初年度に調査できなかった石上神宮(天理市)蔵の鼓胴5点と鞨鼓、厳島神社(広島県宮島町)蔵の鶏婁鼓と振鼓、朝護孫子寺(奈良県平群町)蔵の二ノ鼓と三ノ鼓と鶏婁鼓、丹生都比売神社蔵和歌山県立博物館(和歌山市)寄託の鼓胴3点、東京国立博物館蔵の壱鼓と二ノ鼓、神谷神社(坂出市)蔵の鼓胴、福岡市美術館蔵の鼓胴、紀州徳川家旧蔵国立歴史民俗博物館現蔵の壱鼓と鞨鼓、国立音楽大学楽器学資料館蔵の三ノ鼓、鞨鼓の調査を行った。調査内容は初年度と同じで、熟覧、計測、写真撮影、X線写真撮影などである。2.研究初年度の調査と併せて、合計21機関が所蔵する57点の雅楽打楽器を調査することができた。その結果と文献資料にもとづき、音楽学の側面からは、楽器ごとに歴史、名称、用法などを考察した。そして、とくに壱鼓、二ノ鼓、三ノ鼓をめぐっては、その名称と規格の関係についての定説に問題があることが分かった。美術史学の側面からは、品質、形状・製作技法、保存状態、などを明らかにし、製作時期を推定した。3.研究成果報告書の編集と刊行報告書刊行のために、計測結果を法量表としてまとめ、楽器1点ごとのセクション図または見取り図を作成した。さらに美術的所見と、楽器の種類ごとの音楽的考察をまとめた。その結果は、B5判164ページの報告書となった。
著者
高桑 いづみ
雑誌
無形文化遺産研究報告 = Research and Reports on Intangible Cultural Heritage
巻号頁・発行日
no.10, pp.76-90, 2016-03-31

The theme of the 10th Open Lecture of the Department of Intangible Cultural Heritage was the relationship between the accent of the lyrics and the melody of traditional Japanese songs. In the lecture, the present author reproduced the melody of a noh chant in the Momoyama era and requested a noh player to sing the old melody in order to verify to what extent the melody of the chant reflects the accent of the Muromachi era. There are many music scores of "Matsukaze" dating to the Momoyama era that remain today. In Jinkaisho , a writing of the Momoyama era that was used as reference in making the reproduction, the melody of a noh chant is expressed by means of scale terminology used in gagaku in addition to the usual goma (sesame)-shaped marks placed on the side of the lyrics. A study of this example indicated that the direction of the goma and the transition in the scale correspond, that when the goma mark falls to the right the melody also falls. So, in order to reproduce "Matsukaze," the marks found in music scores of noh chants were studied. As a result, it was found that in comparatively many cases the melody follows the accent to a great extent. It was also found that in the case of homonyms, the melody is changed according to the accent so that it is possible to distinguish the meaning. For example, the word for "night" and that for "to approach" both have the same sound "yoru," but their accents differ. This difference in meaning was expressed by following the difference in accent. Such distinction, however, is not made today. The progression of notes in noh chant of the Momoyama era is also different from that of today. According to HIROSE Masaji, the supplementary mark イ attached to the goma mark indicates intermediary notes on a scale which were chanted then but are not today. But that theory, too, has been proven not correct in the process of reproducing "Matsukaze." The progression of notes in the reproduced melody became more detailed than that of noh chant today which do not necessarily follow the accent of spoken Japanese. However, the author thinks that by being released from the restrictions of the accent of a given time, noh has become a more universally accepted genre of performing arts.
著者
高桑 いづみ 勝木 言一郎 加藤 寛 樋口 昭 竹内 奈美子
出版者
東京国立文化財研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

三年間にわたって、地方の寺社や博物館が所蔵する雅楽・能楽の鼓胴を中心に調査をおこない、多くの収穫を得た。特筆すべきことは、雅楽から能楽へ至る過渡期の鼓胴を発見したことである。先回、科学研究費の交付を得て実施した「雅楽古楽器の総合的調査研究」でも石上神宮を神谷神社で発見したが、それとほぼ同形態のものを京都府日吉町、飛騨古川の荒城神社でも発見した。この四カ所の鼓胴は法相華文のかわりに黒漆を施し、雅楽鼓特有の鬘(乳袋上に突起した環)の代わりに線を彫り込んだ特異な形態で、線刻がなければ能の鼓胴、と言えるほど能の鼓胴に近い。荒城神社蔵の一筒を除くと規格もほぼ一定で、過渡期の段階である程度形態の規格化が進んでいたことがうかがえる。さらに福山市沼名前神社では、能への転用を意図してこの線刻の鼓胴に蒔絵を施したものを発見した。雅楽・中世芸能から能の囃子へ、鼓胴の流れを示す貴重な作例である。次に大きな発見は、平成10年に五島美術館で行われた「益田鈍翁展」に出品された「伎楽鼓胴」である。かつてない大きな法量の鼓胴で、「四ノ鼓」の遺品であろうと考えられる。今まで各称のみで実態が知られていなかっただけに、その発見意義は大きい。今回は能楽鼓胴、その他の雅楽鼓胴や鞨鼓、坐太鼓の調査も行ったが、新たな発見が多かった。
著者
高桑 いづみ
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.166, pp.131-152,図巻頭1p, 2011-03

紀州徳川家伝来楽器の内,国立歴史民俗博物館が所蔵する龍笛・能管あわせて27点について,熟覧及びX線透過撮影を通して調査を行った。その結果,高精度の電子顕微鏡によって従来「平樺巻」とされてきた青柳(H‒46‒39)が,樺ではなく籐ないしカラムシのような蔓を巻いていたことが判明し,仏像の姿に成形した錘を頭部に挿入した龍笛があることが判明するなど,従来の調査では得られない成果が多々あった。一方,付属文書と笛本体が一致しない例もあり,笛が入れ替わった虞れも考えられる。たとえば能管の賀松(H‒46‒53)は,付属品や頭部の頭金の文様から,『銘管録』に載る「古郷ノ錦」ではないかと推測される。いつの時期か不明だが,コレクションの実態が混乱したようである。時期は不明だが,紀州徳川家のコレクションは少しづつ散逸してきた。その事実と照らし合わせながら,今後さらなる調査が必要になるであろう。Among the musical instruments of the heirloom of Kishu-Tokugawa Family, 27 pieces of Ryuteki/ Nokan in total owned by the National Museum of Japanese History were investigated through close observation and radiography.Observation by a high precision electron microscope revealed that vine such as cane or calamus instead of birch was wound around Aoyagi (H46-39) , which had been considered to be "Hira kabamaki," and that some Ryuteki had a weight formed into a Buddha statue inserted into its head. This investigation produced many such new findings that had not been revealed by past research. There was a case where the pipe body did not agree with the accompanying document, and there is a possibility that the pipes changed places. As an example, it is inferred that the Nokan called Gasho (H46-53) is the "Kokyo no Nishiki" mentioned in Meikanroku, judging from the accessories and the pattern of Kashiragane ( decorative end cap) at the head. The specific time is not known, but there seems to have been confusion over the actual status of the collection. Since some point in time, Kishu Tokugawa Family's collection has been scattered and lost gradually. Further investigation is needed to check against the facts.
著者
松岡 心平 天野 文雄 磯田 道史 小川 剛生 落合 博志 高桑 いづみ 高橋 悠介 竹本 幹生 橋本 朝生 姫野 敦子 宮本 圭造 山中 玲子 横山 太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、観世文庫が所蔵する貴重な能楽関係文献資料の調査・整理・保存・公開によって、今後の能楽研究の発展の基礎を築いた。資料はマイクロフィルムに撮影・保存したうえで、これをデジタル画像化し、文献調査に基づく書誌情報と統合してデータベース化した。これはデジタルアーカイブとしてWeb上に公開され、資料が世界中から検索・閲覧可能になった。さらに「観世家のアーカイブ展」の開催を通じて、研究によって得られた知見の普及をはかった。
著者
松岡 心平 天野 文雄 磯田 道史 小川 剛生 落合 博志 小林 健二 高桑 いづみ 高橋 悠介 橋本 朝生 宮本 圭造 山中 玲子 横山 太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

観世文庫の能楽関係資料は、質・量ともに能楽に関する最重要の資料群である。本研究では、これらの資料の調査・研究に基づき、インターネット上で画像と解題を公開するデジタル・アーカイブ「観世アーカイブ」を拡充させると共に、これを活用して、近世能楽史の研究を大きく進めた。特に、15世観世大夫元章(1722~74)の能楽改革に関する研究に重点を置き、観世元章に関する用語集と関係書目、年譜をまとめ、刊行した他、元章による注釈の書入れが顕著な謡本『爐雪集』の翻刻と検討を行った。さらに、観世文庫に世阿弥自筆能本が残る「阿古屋松」の復曲を行い、観世文庫資料の展覧会でも研究成果を公開した。