著者
斉藤 雅也 高橋 達 宿谷 昌則
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.63, no.505, pp.51-58, 1998
被引用文献数
2 7

This paper describes a method to calculate exergy and entropy balances of a leaf with an emphasis on photosynthesis and secretion. The purpose of investigating such balances is to have a better understanding of the exergy-entropy process of a leaf, which is a fundamental member of trees as a shading device with evaporative cooling capability for passive cooling of a building, together with the exergy-entropy process of various building environmental control systems such as lighting, cooling, and heating systems. We have derived the exergy balance equations for a leaf, taking into consideration not only the dispersion of energy due to the absorption of solar radiation and heat transfer, but also the dispersion of carbon dioxides, water vapor, and oxygen. Example calculation showed the following: exergy consumption within the leaf is 94% of the supplied exergy, which is the sum of the exergies of solar radiation, effective sky longwave radiation, and water; a half of the rest, namely 3%, is stored within the glucose, and the other is discharged with water vapor into the environment of the leaf and then consumed totally until the water vapor reaches the environment.
著者
高橋 達 宿谷 昌則
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.61, no.482, pp.43-50, 1996
被引用文献数
1 2

We developed a method to calculate entropy values associated with mutual diffusion of substances and to articulate an exergy-entropy process of human body in terms of water and other inorganic substances. The purpose is to have a better understanding of the consumption process of freshwater resource of human body. It was found that human body consumes 95% of the supplied exergy of inorganic matter and disposes of the rest, namely 5%, with urine. The amount of water, 1.0〜1.6kg/day, which is required by human body, was confirmed to be optimum for maintaining actively the state of exergy in terms of inorganic matters in human body, while consuming the least exergy of freshwater. The disposal of entropy generated within human body by urination makes room for consuming exergy contained by freshwater.
著者
橋本 遼 高田 善規 新熊 亮一 田仲 理恵 板谷 聡子 土井 伸一 山田 敬嗣 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.40, pp.81-86, 2010-05-13
被引用文献数
1

情報発信者が人々に情報を受信させるための手法として,人をノード,友人関係のつながりをリンクとしたソーシャルグラフを経路とするクチコミ情報伝播が注目されている.クチコミ情報伝播では,人に必要な情報や信頼できる情報が届きやすいことが報告されている.しかし,人の送信行動に関わる心理的負担(コスト)が問題となり,情報の伝播が止まったり,情報の広がりが遅くなることがある.この問題を解決するために,送信行動に伴うコストを補償するためのインセンティブ報酬付与が提案されている.本稿では,送信者に対して付与する報酬に条件を与え,受信者が情報に対して反応行動を起こしたときのみ報酬付与を行う方式を提案する.この方式は,支払う報酬の総和を増やすことなく,受信者の反応行動を促進させることができる.これを示すために行った社会実験について報告する.
著者
中河 隆仁 森 友則 朝香 卓也 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.230-241, 2010-02-01

Unstructured型P2Pネットワークにおいて,ユーザの嗜好性を考慮し,嗜好の近いピアをオーバレイネットワーク上で近くに配置するセマンティックP2Pネットワークの研究が盛んに行われている.しかし,従来のセマンティックP2Pネットワークでは,同じ内容のクエリを何度も同じピアに転送するクリッピング現象が生じるため,ヒット率の点において課題が残されている.そこで,本論文では,クリッピングの影響を抑える新たなセマンティックP2Pネットワークの構築法を提案する.本方式では,各ピアが保持しているコンテンツのジャンルの比率とピアが保持しているコンテンツ数を用いて,他ピアとの嗜好の近さを計算し,検索の際に嗜好の近いピアだけでなく嗜好の異なるピアにもクエリを転送することにより,クリッピングの影響を抑える.これにより,検索範囲を広くできヒット率を高めることができる.また,本論文では,シミュレーションによる評価を行い,提案方式の有効性を示す.更に,より実際のネットワークに近い条件下での評価を行うためにmixiの解析を行い,これにより得られたデータをシミュレーションモデルに組み込んで提案方式の評価を行う.
著者
小関 純一 高橋 達児
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.308-316, 1975-12-25

寒地型牧草6草種を6年間にわたって,一応放牧条件を想定した刈取管理のもとで多・少肥の2段階の施肥処理を設けて栽培した。その結果について草生の変化を,主として夏がれ現象の点から解析し,つぎの知見が得られた。1)夏期前回再生期間中の平均気温上昇および梅雨期雨量の増大と夏がれ発生との間に密接な関係が認められた。2)多肥区の場合に各草種とも,上記の関係はとくに明らかであり,これら二つの要因の影響の度合は,オーチャードグラス>ペレニアルライグラス>レッドトップ>トールフエスク>ケンタッキーブルーグラスの順に小さくなった。少肥区では,夏がれに弱いペレニァルライグラスとオーチャードグラスのみ同様な関係はみられたが,その影響度合は多肥区に比して,著しく小さかった。3)これら気温と雨量の各要因別の影響度合はそれぞれ草種により異なる。たとえば,ペレニァルライグラスは両者とも大きく影響するが,レッドトップは気温により大きい影響をうけ,雨量の多少はあまり関係しない。4)以上のように,従来から夏がれ発生の原因として挙げられていた気温,干ばつ,病虫害などに,本邦においてはモンスーン地帯の特徴である梅雨の影響を加える必要が認められた。
著者
橋本 遼 新熊 亮一 小西 琢 田仲 理恵 板谷 聡子 土井 伸一 山田 敬嗣 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.122, pp.77-82, 2009-07-02
被引用文献数
2

情報通信技術の発達により,情報発信のコストは小さくなった一方で,受信者には多くの不要な情報も届くようになり,発信者側が情報をそれを必要とする人に到達させ,かつ,活用されるようにすることは非常に難しくなった.従来,情報受信者側の嗜好情報を取得し,それにあわせて情報を発信する方法が提案されてきたが,この方法は情報フィルタリングのために多大なコストを要する.そこで本稿では,知人や友人をHop-by-Hopに経由する口コミでの情報伝播に着目する.このように伝播された情報の魅力や信憑性は,一方的に届けられた情報と比べ高いと考えられる.また,情報は伝播させる人の嗜好に基づいてフィルタリングされるため,その情報を必要とする人のみに伝播させられる可能性がある.しかし,Hop-by-Hopの情報伝播には,情報を積極的に伝えない・受け取らない参加者が存在する,ある情報を必要とする参加者が必ずしも単一の(切れ目の無い)ネットワークを構成しているとは限らないといった問題がある.そこで,インセンティブ報酬付与による情報伝播の促進を提案する.モバイル端末を用いたFace-to-Face(F2F)での実証実験を行い,報酬付与による情報伝播制御の可能性を検証する.
著者
森 友則 朝香 卓也 高橋 達郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J92-B, no.1, pp.54-68, 2009-01-01

Unstructured型P2Pネットワークでは,オーバレイネットワークの隣接ピア数(次数)分布やコンテンツのリクエスト数分布がべき乗則に近い性質をもつことが報告されている.このUnstructured型P2Pネットワークでは,高次数ピアに負荷が著しくかかってしまうこと,低人気コンテンツがネットワーク上から消滅してしまうため,ネットワーク全体のヒット率が低下してしまうといった問題がある.これらの問題に対し,キャッシュ置換えや複製配置の観点から解決を図った方式等が提案されている.しかし,キャッシュ置換えでは素早くコンテンツを広めることができない,複製配置では高負荷がかかるといった問題がある.本論文では,このような問題点を解決するためキャッシュ置換えと複製配置を組み合わせた,新たな複製配置の方式を提案する.本方式では隣接ピア数に応じて各ピアがそれぞれ異なる複製配置を行うことで,P2Pネットワーク全体としてヒット率を向上させながら隣接ピア数の多いピアにかかる過剰な負荷を隣接ピア数の少ないピアへ分散させることができる.また,本論文ではシミュレーションによる評価を行い,提案方式の有効性を示す.