著者
清田 貴茂 高田 彰子 松本 陽 大塚 誠 糸谷 真保 足立 徹 大木 玲子 木許 賢一 小副川 敦 杉尾 賢二 西川 和男 西田 陽登 駄阿 勉 浅山 良樹
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.17-22, 2022 (Released:2022-02-14)
参考文献数
12

眼症状を有する脈絡膜転移に放射線照射を行い,症状緩和の得られた3例を報告する.症例1は71歳女性.右乳がん術後7年目に多発転移を認め化学療法が行われていた.術後16年目に右眼痛と視力障害を伴う右脈絡膜転移が出現し,同部への緩和照射により,右眼痛の軽減と腫瘍の縮小を認めた.症例2は54歳男性.右眼痛および視野異常を自覚し,精査にて右下葉肺がんおよび右脈絡膜を含む全身多発転移と診断された.右脈絡膜転移巣への緩和照射により,眼痛の改善と腫瘍の縮小を認めた.症例3は71歳女性.右上葉肺がん術後1年5カ月で左眼痛が出現し,精査にて左脈絡膜転移の診断となった.同部に対して緩和照射を施行し,照射後は腫瘍の縮小と左眼痛の一時的な消失を認めた.脈絡膜転移に対する緩和的放射線治療は,眼症状の軽減に有効と思われた.
著者
相馬 洋紀 高田 彰 斉藤 雅彦 石川 健 千田 勝一
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.101-104, 2005-11-15 (Released:2007-11-06)
参考文献数
9

急性腎不全のため高カリウム血症をきたした2歳から10歳の小児4例と,成人1例に対してβ2抹刺激薬,サルブタモールの吸入療法を行い,その効果を検討した。サルブタモール吸入前の血清カリウム値は5.5~7.4mEq/Lで,サルブタモールは100μg/kg(体重25kg以上には5mg)を使用した。この30分~2時間後に4例で陽イオン交換樹脂を,1例でグルコース・インスリン療法を併用した。この併用前の吸入30分後に評価できた2例の血清カリウム値は,1例が6.3mEq/Lから6.0mEq/Lへ,もう1例が6.9mEq/Lから6.0mEq/Lへ低下した。全症例の吸入前と吸入4時間後の血清カリウム値は,中央値で6.3mEq/L(範囲5.5~7.4)から5.2mEq/L(範囲4.6~7.0)へと有意に低下し,この間に動悸,頻脈,振戦などの副作用は認めなかった。サルブタモール吸入は高カリウム血症の初期治療として有効であり,簡便かつ安全な治療法と考えられた。
著者
朴聖俊 高田 彰二 山村 雅幸
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.898-910, 2005-03-15

爆発的に増加するタンパク質立体構造を比較することは構造ム機能相関の解析にきわめて重要である.既存の立体構造比較手法はタンパク質全体を剛体として扱う.しかし,進化的に新しい機能を獲得する際にタンパク質構造は部分的特異的に変形を受けるため,剛体としての取扱いには限界がある.本論文では機能進化過程において,構造変形を受けにくいビルディングブロックと構造変形が顕著なループ部分が存在することを考慮に入れた立体構造比較手法を開発する.提案手法は部分構造比較と全体構造比較を2層で並列探索し,遺伝的アルゴリズムの集団探索性能を活用してタンパク質の機能進化における構造変形の柔軟性を可視化する.2層比較の基本的なアイデアと実装について説明したうえで探索アルゴリズムと評価関数の特徴と性能について述べ,構造-機能相関の解析ツールとしての有効性を示す.
著者
高田 彰二
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.158-159, 2010 (Released:2010-07-25)
被引用文献数
1 1
著者
高田 彰人 杉浦 史郎 豊岡 毅 岡本 弦 西川 悟
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.F-124-F-124, 2019

<p>【はじめに,目的】</p><p> 不安定な面での体幹トレーニングは体幹筋の筋活動を上昇させるという報告は散見するが,実際に腰痛の予防効果を示した報告は少ない。そこで,不安定面を含むTrunk Instability Training(以下TIT)による腰痛予防効果を前向きに調査することを目的とした。</p><p>【方法】</p><p> 対象は腰痛既往のない高校男子バスケットボール選手40例とした。2017シーズンから腰痛予防を目的として毎回の練習後にTITを導入した。2017シーズンの22例(平均年齢15.9±0.8歳)はTIT介入群とし,2016シーズンの18例(平均年齢15.6±0.5歳)は対照群として,1シーズン7ヶ月間での腰痛発生状況を比較した。TITは①バランスディスク上での臀部バランス,②ストレッチポールEX(LPN 社製)上でのSit-up,③四肢伸展位でのサイドブリッジで構成した。統計処理にはカイ二乗検定を用いて,有意水準は5%とした。</p><p>【倫理的配慮】</p><p> 本研究は当院倫理委員会の承認を得て(承認番号:2430番),対象者に説明と同意を得た上で行った。</p><p>【結果】</p><p> 腰痛発生は対照群で5/18例,TIT介入群で0/22例となり,有意差を認めた(p<0.05)。</p><p>【考察】</p><p> TITは腰痛既往のない選手に対して,腰痛の発生予防を期待できる可能性が示唆された。今後は対象毎の負荷設定を含めたトレーニング内容の検討を行いたい。さらに,TITによって改善が得られる身体機能因子についても検証していきたい。</p>
著者
高田 彰
出版者
筑波大学図書館課
雑誌
つくばね : 筑波大学図書館報 (ISSN:02850117)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.1-3, 1998-10-01

医学図書館は昭和53年に開館しているが、その設計の段階から日本で最も先進的な医学図書館をめざしていたものと推察される。例えばその特徴として、当時としては画期的な210平方メートルもの広い視聴覚室を設置すると共に ...
著者
高田 彰二
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.144-151, 2021 (Released:2021-05-28)
参考文献数
27

Towards cellular-scale structural modeling, multiscale biomolecular simulation is gaining much attention. Here, I review methodological aspects of coarse-grained (CG) biomolecular simulations. I begin with conceptual argument of coarse graining for proteins where the idea behind Gō models is discussed. Then, statistical physics and theories of coarse graining are described. I then exemplify a class of CG models for proteins, nucleic acids, and lipids, where about 10 non-hydrogen atoms are grouped into one CG particles. Finally, I discuss three sources of speeding up by coarse graining.
著者
高田 彰二
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.779-784, 2001-01-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
高田 彰二
出版者
京都大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009

リガンド結合に伴って大きく構造変化するアロステリック蛋白質のレアな大振幅ゆらぎについて、全原子モデルと粗視化モデルを併合したマルチスケールシミュレーションによって研究した。まず、リガンド非結合のアポ状態と結合したホロ状態の立体構造が既知のアロステリック蛋白質71個について、両構造におけるアミノ酸対相互作用を、全原子モデルにより計算した。その結果、両構造で保存されたアミノ酸対相互作用は、強いものから弱いものまで普遍則に従う指数分布をするのに対して、片方の構造でだけ見出されるアミノ酸対相互作用は、ほぼすべて弱いものでり、明確に異なる分布をもつことを発見した。この規則は対象とした41蛋白質すべてにおいて成立していた。次に、全原子モデルによるアミノ酸対相互作用エネルギーを用いて、これに比例するエネルギーをもつ粗視化モデルを構築した。さらに、この比例係数およびほかのパラメータは、23個のテスト蛋白質について、全原子モデルで計算したゆらぎと粗視化モデルで計算したゆらぎをマッチさせることによって求めた。このようにして得られたモデル、原子相互作用に基づく粗視化モデル(AICGモデル)のテストとして、天然状態での平均ゆらぎ、アロステリック蛋白質の構造変化方向を計算したところ、従来の粗視化モデルに比べてかなり優れた予測能力をもつことが分かった。ACIGモデルを用いて、アデニル酸キナーゼの大振幅ゆらぎを調べたところ、ホロ状態にいる蛋白質が10^<-6>程度の確率でアポ状態に近い(RMSD3.5A程度)にまでゆらぐことが明らかとなった。大振幅なゆらぎは、調和的なモデルでは記述できない。さらに、原子相互作用に基づかない従来の粗視化モデルでは、AICGに比べて、大きすぎるエネルギー障壁をもつことを示した。