著者
林 愛明 趙 国春 趙 国澤 徐 錫偉
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.104, no.2, pp.III-IV, 1998 (Released:2010-12-14)
参考文献数
1

1998年1月10日11時50分頃, 中国河北省張家口市北西部(北緯41.1°,東経114.3°, 第1図)で Ms6.2 (表面波マグニチュード) 地震が発生し, 河北省北西部の広い範囲に甚大な被害をもたらした. 中国国家地震局は今回の地震を張北-尚義地震と命名した. 1月17日までの集計で死者が50人, 重傷者が 11,439人,倒壊家屋が13.6万棟に達する大惨事となった. 筆者の一人(林)は1月15日から19日まで中国側の研究者と被災地の調査をしてきたので, ここに今回の地震の被害状況を報告する. 被害状況と地質構造・地盤・地形との関連などについては現在継続して調査・資料整理中である.
著者
井上 厚行 小竹 信宏 坂庭 康友 今井 亮
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.108, no.7, pp.465-473, 2002-07-15
参考文献数
48
被引用文献数
2 2

千葉県房総半島南端に分布する千倉層群白浜層中の白色細脈は,従来付加体堆積物から報告されている鉱物脈とは異なり,カルサイトの外にアポフィライトやヒューランダイト,エリオナイト,アナルサイム,ナトロライト,トムソナイト,チャバサイトなどのゼオライトを主体とする鉱物脈である.随伴するカルサイトのδ<SUP>13</SUP>C<SUB>PDB</SUB>(-39‰~-5‰)とδ<SUP>18</SUP>O<SUB>SMOW</SUB>(+24‰~+29‰)値から,脈の生成に関与した溶液中のHCO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>は堆積物中のメタンの酸化あるいは熱分解に由来したものであると推定される.また,脈の生成温度は1℃~48℃と推算された.ゼオライトやアポフィライトを含む鉱物脈に対して推定された生成温度は従来報告されていた冷湧水に伴う炭酸塩鉱物の生成温度よりも高い.この白浜層の鉱物はプレートの沈み込み帯に伴う冷湧水の組成や起源,さらに流動機構に関する多様性を示す一例である.
著者
疋田 吉織
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.102, no.10, pp.847-865, 1996-10-15 (Released:2008-04-11)
参考文献数
31
被引用文献数
10 10
著者
寒河江 健一 ハンブレ マーク 小田原 啓 千代延 俊 佐藤 時幸 樺元 淳一 高柳 栄子 井龍 康文
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.2, pp.117-136, 2012
被引用文献数
10

沖縄本島南部には,主に第四紀更新世のサンゴ礁複合体堆積物からなる琉球層群が広く分布する.本地域の琉球層群は,糸満層,那覇層,港川層よりなる.糸満層は本地域内に散点的に分布し,主に溶解・侵食を受け赤色化した現地性の皮殻状無節サンゴモに富む石灰岩からなり,層厚は2 mを超える.那覇層は糸満層と不整合ないし同時異相の関係にあり,その分布高度は約170 m,層厚は50 mに達する.本層は4つのユニットの累重体であり,ユニット1~3は浅海相であるサンゴ石灰岩から沖合相である石灰藻球・<i>Cycloclypeus-Operculina</i>・砕屑性石灰岩へと上方深海化する整合一連のシーケンスよりなり,ユニット4は沖合相のみから構成される.石灰質ナンノ化石生層序は,那覇層の堆積は1.392~1.706 Maに始まり,0.853 Ma以降まで継続したことを示す.港川層は港川と喜屋武岬西方に分布し,層厚は約20 mに及ぶが,分布標高は50mを超えない.本層の地質年代は不明である.
著者
山下 大輔 安田 知佳 石橋 毅 Rossana Martini 尾上 哲治
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.122, no.9, pp.477-493, 2016-09-15 (Released:2016-12-15)
参考文献数
72

本研究では,沖縄本島最北端の辺戸岬に分布する上部三畳系今帰仁層の岩相層序とコノドントおよびアンモナイト化石年代を明らかにするとともに,堆積環境について検討した.本研究の結果,今帰仁層は主に放散虫や薄殻二枚貝を含むミクライト質石灰岩からなる下部層,砕屑性石灰岩が頻繁に挟まれる中部層,数層準にスランプ堆積物が挟まれる上部層に区分される.薄片観察の結果から,今帰仁層は大陸から遠く離れた大洋域の海山などの斜面において,ミクライト質石灰岩の堆積中に浅海域起源の砕屑性石灰岩がタービダイトやスランプ堆積物として流入して形成されたと考えられる.またコノドントとアンモナイトの化石年代より,辺戸岬に分布する今帰仁層の堆積年代は三畳紀後期のカーニアン前期からノーリアン中期と考えられる.
著者
小澤 一仁 前川 寛和 石渡 明
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.119, no.Supplement, pp.S134-S153, 2013-08-15 (Released:2014-03-21)
参考文献数
79
被引用文献数
3 6

南部北上山地は,シルル紀の酸性火山岩類を含む地層が分布し,シルル紀前期の花崗岩も確認されており,大陸性の地殻がシルル紀-デボン紀に存在していたと考えられる古い地塊である.この地塊の北縁と西縁には,オルドビス紀の島弧オフィオライト(早池峰(はやちね)・宮守(みやもり)オフィオライト)とオルドビス紀~デボン紀の間に形成された高圧変成岩類(母体(もたい)変成岩類)が分布し,これらは,オルドビス紀以降のおよそ数千万年で成熟した島弧地殻へと進化していった沈み込み帯の発達過程を記録している.本見学旅行では,早池峰・宮守オフィオライトのマントルセクションとほぼ同時~1億年後の沈み込み帯である母体変成岩を対象として,これまでの地質学・岩石学・地球化学的研究に基づいてオルドビス紀の島弧を復元し,当時の島弧マントルの進化過程について議論したい.
著者
久野 久
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.45, no.537, 1938-06-20
著者
久野 久
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.43, no.513, pp.392-393, 1936-06
著者
久野 久
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.41, no.494, pp.698-699, 1934-09-11
著者
久野 久
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.41, no.489, pp.347-348, 1934-09-06
被引用文献数
1
著者
池辺 展生 久野 久
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.67, no.790, pp.381-382, 1961-07-25