著者
細谷 治夫
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, 1996-04-05
被引用文献数
2
著者
今井 功
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.787-794, 1996-11-05
被引用文献数
2
著者
山崎 正勝
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.584-590, 2001-08-05
参考文献数
19

日本は第二次世界大戦期に核兵器を開発しようとした国の一つだったが,その正確な実態は,これまでほとんど知られてこなかった.計画に参加した物理学者たちの研究資料を分析することで,最近,彼らが行った研究の内容が次第に明らかになりつつある.ここでは,特に理化学研究所の人々が構想していた「ウラニウム爆弾」が,原子炉暴走型の爆弾構造であったことが示されている.
著者
吉岡 大二郎
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.71, no.9, pp.650, 2016-09-05 (Released:2017-01-09)
参考文献数
1

会員の声「「蜘蛛の糸」仕事をしたのはカンダタの筋力か?」へのコメント
著者
藤坂 博一
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.423-430, 1999-06-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
20

粗視化は統計力学のもっとも基本的な考え方であり, 複雑な現象から粗視化によって簡明な法則を抜き出すことができる. 対象とする1023個もの大自由度系から圧力, 温度, 体積などの少数個の統計量の間の関係を与える熱力学はその典型的な例である. 熱平衡系に限らず, さまざまな分野で観測されるフラクタルや発達した乱流で観測される相似性は, 粗視化スケールの変化に伴ってみられる統計法則である. このように, 粗視化は熱平衡系に限らず, 非平衡系においても基本的で重要な概念である. また, 非平衡系では間欠性のような平均値からの大きな揺らぎが観測される例が多い. 本稿では, このような揺らぎを扱うための, 時間的粗視化に基づく大偏差統計を用いた新しい解析法について紹介したい
著者
夏梅 誠
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.178-186, 1999-03-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
36
被引用文献数
1

ブラックホールの半古典的な法則と熱力学の法則の間には, 密接な対応がある. たとえば, ブラックホールはエントロピーのように振舞う量を持つ. この関係が偶然ではないならば, この「エントロピー」は微視的状態の縮退度として導出できるはずである. 最近, D-braneと呼ばれる非摂動的物体(ソリトン)を使うことにより, 弦理論でこのエントロピーの微視的な解釈に成功した. エントロピーを数係数まで正しく微視的に導出できたのは, 史上初めてである. 特に, この結果はブラックホールに対しても, 通常の量子力学の法則が成り立っていることを示唆している.
著者
大久保 毅 川村 光
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.500-504, 2012-07-05 (Released:2018-03-02)
参考文献数
27

相互作用に競合が存在するフラストレート磁性体では,しばしば,新奇な磁気構造が実現する.我々は,フラストレート系の典型例である三角格子上の古典ハイゼンベルグ反強磁性体の磁場中秩序化を理論的に解析し,次近接以降の相互作用が強い状況では,複数の波数秩序が共存する多重Q秩序状態が有限温度・有限磁場で安定化されることを明らかにした.特に,中程度の磁場で出現するtriple-q状態では,立体的な構造を持ったハイゼンベルグ・スピン系がスピン空間で織りなすトポロジカル励起である"スカーミオン"が三角格子を形成した"スカーミオン格子"が実現している.
著者
佐野 幸恵
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.512-515, 2018-07-05 (Released:2019-03-12)
参考文献数
10

男女共同参画推進委員会だより物理学会における無意識のバイアス問題(大規模アンケート調査から)
著者
植松 英穂 竹田 辰興 西尾 成子
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.395-402, 2001-06-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
6

日本において,制御核融合の研究が開始されて約50年経った.当時,天体,原子核,素粒子,宇宙線,放電,溶接などの分野の研究者たちによって核融合を志向する研究が始まった.そのとき,まず研究体制が議論され,さしあたって基礎研究を進めることで合意が得られた.その後,実験装置の大型化が進められるようになり,特に,この十数年で国際協力としての研究開発が盛んになった.本稿では,研究開発の巨費化がはじまる前の時代に焦点を当て,日本の制御核融合研究の跡をたどる.
著者
田中 純一
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.83-92, 2014-02

欧州原子核研究機構(CERN)においてATLAS実験とCMS実験は2012年7月4日に「ヒッグス粒子らしい新粒子を発見した」として合同セミナー及び記者会見を行った.その粒子の性質については十分理解できていないことから学術的な正確さを期すため「らしい」という言葉を補ったが,この研究に携わった多くの研究者にとって約50年にわたって探し続けてきた「ヒッグス粒子」発見の歴史的な発表であった.素粒子の標準理論には12種類のフェルミオン(クォークとレプトン),4種類のゲージボソン,そして1種類のヒッグス粒子,合計17種類の素粒子が存在する.この17個の素粒子によりこの世界の物質とその間の相互作用が非常に上手く記述できることがこれまでの数々の実験から示されてきた.しかしながら,この17個の素粒子の中でヒッグス粒子は唯一その存在が実験で確認されていなかった粒子で,他の素粒子に「質量を与える」メカニズムの証拠となる素粒子である.そもそもゲージ不変性を基本原理としている標準理論では素粒子は一般に質量を持つことができない.そのためW/Zボソンや電子等の素粒子が質量を持っているという観測事実は標準理論では説明できないように思えるが,1964年にピーター・ヒッグスらは,標準理論に自発的対称性の破れを応用することでローカルゲージ不変性を保ちつつ,素粒子に質量を与えることに成功した.これがヒッグス機構であり,その副産物としてヒッグス粒子と呼ばれるスカラー粒子が予言された.したがって,素粒子の質量の起源であるヒッグス粒子を発見することは標準理論を完成させる上で必要不可欠であり,ある意味標準理論において残された最後の,そして最重要研究テーマであった.2012年7月,標準理論のヒッグス粒子探索の研究においてATLAS実験は統計的有意度5.9σ,CMS実験は5.0σの事象超過を質量126GeV付近に発見した.先に述べたようにこの時点では「らしい」という言葉を補っていたが,2012年12月まで取得したすべてのデータを使って研究を進めた結果,2013年3月に結合定数の強さが標準理論と無矛盾であることやスピン・パリティが0^+であるという強い示唆を得たため,この新粒子は「らしい」がとれて晴れて"a Higgs boson"となった.その根拠となる様々な結果は本文に譲って,ここでは3つの結果を挙げる.標準理論のインプットパラメータの一つであるヒッグス粒子の質量はATLAS実験125.5±0.2(stat.)^<+0.5>_<-0.6>(syst.)GeV,CMS実験125.7±0.3(stat.)±0.3(syst.)GeVである.標準理論のヒッグス粒子に対する信号の強さ(標準理論であれば1となるパラメータ)はATLAS実験1.33^<+0.21>_<-0.18>(125.5GeV),CMS実験0.80±0.14(125.7GeV)で標準理論のヒッグス粒子の信号と無矛盾である.また,この粒子のスピン・パリティについては0^+に対して0^-,1^±,2^+のモデルは97.8%CL(以上)で排除した.このヒッグス粒子が標準理論のヒッグス粒子かどうかをより精度良く見極めるためには更にデータが必要である.標準理論の素晴らしさをより一層実感するか,それとも標準理論を超えた物理を垣間見るか,LHC実験の再開が非常に楽しみである.
著者
土浦 宏紀 小形 正男 田仲 由喜夫 柏谷 聡
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.254-257, 2003-04-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
18

銅酸化物超伝導体中に不純物原子をドープすると,そのまわりに準粒子の束縛状態が形成される.走査型トンネル顕微鏡技術の進歩と相俟って,この生活状態の理解がここ数年で飛躍的に進んだ.本稿では,もっとも理解の進んでいるZn不純物近傍の束縛状態について,実験結果とその理論的解釈を紹介する.
著者
伊藤 憲二
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.558-562, 2016-08-05 (Released:2016-11-16)
参考文献数
59

変わりゆく物理学研究の諸相―日本物理学会設立70 年の機会に日本における物理学研究の転換点をふりかえる―(歴史の小径)量子力学が導いた新しい風