著者
高橋 陽一郎
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.149-161, 1980-02-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
21

微分方程式は, 古典力学と共に誕生した. その対象はケプラーの法則のような「秩序」であると信じられてきた. しかし, 微分方程式は自然現象を忠実に描写する, 極めて良い道具であり, 例えば, 乱流をも記述してしまっていた. さらに, 差分方程式は複雑で微分方程式は単純であるという神話も, 自由度1, 2の世界のものであり, 統計力学のレジームに入る, 乱流のようなカオティックな現象も自由度有限の世界で既に現れている自然な現象である. ここでは, 最も簡単な一次元変換について, 統計力学的な定式化に向けての, 数学的, 即ち, 愚直な試みを述べる.
著者
牧野 淳一郎
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.330-336, 2002-05-05 (Released:2011-02-09)
参考文献数
15

最近になってM82銀河の中心近くに太陽質量の1,000倍程度の「中間質量」ブラックホールが見つかった. これまでは太陽質量の100から100万倍の間のブラックホールは全く見つかっていなかった. M82での発見はブラックホール, 特に多くの銀河の中心にあると思われる太陽質量の100万倍を超える大質量ブラックホールの形成過程に対する我々の理解を大きく変えるものである. この解説では, 大質量ブラックホールの形成過程に対する, 上の発見をふまえた新しいシナリオを紹介する. 我々はこれがブラックホール形成シナリオの「決定版」になる可能性は十分にあると考えている.
著者
田崎 晴明 会誌編集委員会
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.5, 2017-01-05 (Released:2017-12-28)

物理学70の不思議熱平衡状態とはなにか?
著者
金子 哲 木口 学
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.328-333, 2017

<p>単一分子の状態を調べ,動かし,利用することはナノテクノロジーの究極の目的である.現在までにSTMをはじめとする様々な単分子計測,操作技術が開発されてきた.しかし,室温で物性・機能が発現している単分子をそのまま観測することは今でも困難である.我々は,室温で単分子を計測できる手法として表面増強ラマン散乱(SERS)に注目している.SERSは金属ナノ構造体に形成される光増強場を利用した高感度の振動分光である.波長より小さなサイズの金属ナノ構造体に光を照射すると,電子の集団励起であるプラズモンが励起される.ここで金属ナノ構造体の間隔を狭めると,プラズモン同士が相互作用するようになり,構造体の間に極めて強い電場が増強されるようになる.ラマン散乱は光の入射と出射が関わる過程で,いずれの過程でも光が強められ,また光の強度は電場強度の2乗に比例するので,SERSの信号強度は電場増強率の4乗に比例する.SERSではこの電場増強効果に加え,金属と分子の相互作用に由来する化学効果により,最終的にラマン信号は10<sup>14</sup>倍も増強されることになる.ここまで増強率が大きくなると単分子のSERSが計測可能である.1997年に実際に単一色素分子のSERS計測が報告された.最近では単分子の光化学反応などの研究にも単分子のSERSが用いられている.またSERSは単分子に限らず高感度センサとして,医療分野などでも応用されるなど幅広く利用されている.このようにSERSによる分子検出は実用段階に達しているが,未だ大きな課題がある.SERSにより分子の存在,そして分子構造は知ることが可能になった.しかし,SERSを計測している分子の電子状態,そして金属表面への吸着状態を知ることはできていない.関連して金属と分子の相互作用の大きさを定量的に評価することが難しく,化学効果については不明な点が多い.</p><p>本研究ではこれら単分子SERSの課題解決にむけ,単分子の構造,電子状態,吸着状態など単分子の情報すべてを同時に与える計測法に関する我々の研究成果について紹介する.これまで観測することができなかった単分子の電子状態,吸着状態を明らかにするため,我々は金属電極に単分子を架橋させた単分子接合について,SERSと電気計測の同時計測を行った.単分子接合の電流–電圧( <i>I</i>–<i>V</i>)特性は,金属と分子の波動関数の重なり,エネルギー差など,界面構造に依存する情報を与える.これらの情報をもとに分子の吸着状態,電子状態を決定した.さらにSERSと電気特性から得られる電子状態,界面状態を組み合わせることで新たな知見も得た.具体的には,特定の分子の吸着状態でのみSERSが観測されること,そして金属と分子の波動関数の重なりのべき乗に比例してSERS強度が増大することである.特定の吸着構造でSERSが検出されたことは,逆に言えばSERSが観測された分子の吸着構造は一意に決まり,特定の吸着構造を選び出すことができることを意味する.そして,電気計測から求めた金属と分子の波動関数の重なりと光学計測から求めたSERS強度に相関が観測されたことは,電気物性と光学物性を実験的に結び付けたことになる.</p>
著者
高林 武彦
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.662-675, 1985-09-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
39

Niels Bohr は今世紀物理学の巨人として Einstein と並べられまた対比される. 彼は原子物理学の父であると同時に対応原理と相補性の提唱者でもある. これらの原理は Einstein の相対性原理の場合のようなスッパリとした明快さはなくいくらか曖昧さを許さねばならないようなものであるが, ミクロの物理学の方法論・認識論において指導的な役割を果たしてきた. Bohr の生涯の研究はその人間を刻印するような独自の連続性と coherence と深さをもっており, みだりに分断できない. 以下ではその径路をたどりながらその業績の意義と方法の特徴を具体的に考察し, その全体像にせまりたい. そこでは彼が幾多の英才たちとのきびしい討論の中で物理をおし進めていった経緯や, また彼の方法が成功しなかった局面などにもおのずからたち入ることになる. Bohr の論文はとかく長くなりがちであったが, この拙文もいきおい長くなる惧れがある. しかしなるべく簡単に書くよう心掛けよう.
著者
小澤 正直
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.945-951, 1988-12-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
5

現代論理学とも, 数理論理学とも呼ばれる数学基礎論は, 19世紀末に現れた数学の危機を救うために生まれた数学理論であり, 計算機科学がこの数学基礎論から派生したことはよく知られているが, 近年になって, 科学のもっとも基本的な問題にいくつかの応用が発見されるようになった. ノンスタンダード・アナリシスは, 数学基礎論のモデル論の応用として生まれ, 無限小概念の合理化というライプニッツ以来の問題を解決することに成功した. 無限小の合理化は, 単に微分積分学の書き直しにとどまらない, 奥行きの深いものであって, 新しい自然記述の方法を我々に解放したように思われる. 論理学と物理学の間に生まれつつある, この新しい接点を探ってみたい.
著者
槌田 敦
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.31, no.12, pp.938-941, 1976-12-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
1
被引用文献数
1
著者
クイン ヘレン 坂東 昌子
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.881-885, 2005-11-05

ヘレン・クイン(Helen Quinn)さんは, 2004年の米国物理学会の会長だった方である.その前年も女性(Myriam Sarachik)が会長だったので, 米国物理学会では2年連続して女性が会長だった.ヘレンさんは, 昨年10月7日東大駒場で開かれた男女共同参画学協会連絡会設立2周年記念シンポジウムで講演されるはずだったが, 折悪しくお父上を亡くされ, 来日が不可能になってしまった.そのため当日は急遽, 筆者が講演内容を紹介することになった.ここに紹介するのはそのときの予稿ともいうもので, シンポジウム当日参加者に配布された資料集(品切)に原文とその訳が並べて収録されていたものである.今回, 男女共同参画学協会連絡会(http://annex.jsap.or.jp/renrakukai/)の許可を得て, ここに再録することにした.日本語訳は坂東が担当したが, 男女共同参画推進委員会の委員の方々や, コメンテーターの方に, わからないことを教えてもらった.ここでお礼申し上げる.なお, 彼女は本年京大基研に来られる予定があり10月17日には京大女性教員懇話会も協力して公開講演会が開かれる.昨年の男女共同参画学協会連絡会設立2周年記念シンポジウムでのヘレンの講演原稿に勇気づけられた人は多い.物理学がより豊かな発展に向けて羽ばたくために, 女性がどのように活躍するのか, そしてそれがどのようにして可能になるのか, その一端を知ることができるのではないだろうか.世界物理年を迎えた今年, この機会に, 講演内容を学会誌に再録するのも意義深いのではないか, そう考えて, このたび紹介することとした.(坂東昌子)
著者
後藤 英一
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.12, no.8, pp.387-389, 1957-08-05
著者
山本 明
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.167-177, 2017

<p>超伝導技術は高エネルギー粒子加速器・素粒子物理実験フロンティアを支える基盤技術の役割を担っている.高性能・高精度な電磁場を,限りあるエネルギー資源・環境のもとで提供し,エネルギーフロンティア粒子加速器,物理実験の実現に本質的な役割を果たしている.粒子加速器における磁場利用では,超伝導技術によってコイルの電流密度を高め,高磁場磁石を実現する.高周波電場による加速では,電力効率を高めつつ高輝度化を実現する.物理実験における磁場利用では,超伝導化によりコイルの電流密度を高め,少ない物質量(壁)で大規模・磁場空間を実現する.</p><p>質量の起源を紐解くヒッグス粒子の発見をもたらした欧州原子核機構(CERN)・ラージハドロンコライダー(LHC)では,超伝導磁石技術が陽子・陽子衝突型加速器でのビーム軌道の制御,超伝導加速空洞がビーム加速の基盤技術となり,粒子検出器での二次粒子運動量分析の基盤技術となっている.</p><p>宇宙における物質 /反物質非対称性を検証したKEKB電子・陽電子コライダーにおいては,ビーム加速および高輝度化に超伝導技術が本質的な役割を果たしている.</p><p>国際協力計画として実現が期待されているエネルギーフロンティア電子・陽電子コライダー「国際リニアコライダー(ILC)」計画では,超伝導加速空洞技術が直線連続ビーム加速を支える基盤技術となる.</p><p>ニュートリノ振動の発見・検証をもたらしたSuper-Kamiokande実験は,粒子加速器と連携したT2K実験へと発展し,J-PARC加速器・陽子ビームによって生成されたニュートリノによって,ニュートリノ振動のさらなる精密観測・探索を推進している.超伝導磁石技術は,J-PARC加速器から取り出された陽子ビームを90度偏向し,神岡方向に照準を合わせニュートリノを打ち出すためのビームライン基盤技術となっている.J-PARCでは,さらにミューオンをプローブとし,「標準理論」を超える物理を探る実験が進行中であり,ミューオン生成,ビームトランスポート,崩壊過程観測用精密磁場空間のいずれにおいても,超伝導磁石が不可欠な基盤技術となっている.</p><p>衝突型加速器実験・粒子検出器における磁場利用では,超伝導コイルの外側に配置される測定器で観測される粒子は,超伝導コイルの壁を通り抜けなければならず,その際の相互作用によりエネルギー損失,散乱等を引き起こす.超伝導技術は物質を低減(薄肉化)し,コイル物質と通過粒子の相互作用を最小化することに大きく貢献する.このように,薄肉超伝導磁石技術は,「透明な磁場空間」という物理実験からの究極的な目標・要請に応える基盤技術となる.この技術は,飛翔体を用いた宇宙線観測にも新たな磁場利用の道を拓いた.さらに,これらの過程で必然的に培われた,少ない物質での効率的な伝導冷却技術は,必須な基盤技術として重力波探索・低温重力波望遠鏡(KAGRA)計画を支えている.</p><p>これら超伝導技術の発展を支える超伝導材料は,加速器超伝導磁石応用においては,NbTi合金による8 Tレベルでの実用実績を踏まえ,Nb<sub>3</sub>Sn化合物による12~16 T領域を実用視野に入れた技術開発へと発展している.超伝導加速空洞応用では,高周波応用に適した純Nb材料およびその表面技術が成熟し,30 MV/mレベルでの高電場応用が飛躍的に発展している.物理実験・粒子検出器用超伝導磁石応用においては,NbTi超伝導線を高強度・軽金属(アルミニウム)によって安定化する技術が発展し,物質的に透明な大規模磁場空間生成技術の進展を支えている.</p>
著者
水落 憲和
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.910-918, 2009
参考文献数
45
被引用文献数
1

ダイヤモンド中の単一窒素-空孔複合体中心(NV中心)の観測とその単一電子スピンの操作が実現してから,量子情報処理に関する多くの重要な動作実証実験が室温で行われ,NV中心に潜在していた優れた特性が示されてきている.NV中心の特徴は,室温において量子ビットとして優れた操作性と長いコヒーレンス時間を持つ単一スピンを,伝送に適する光により検出することが可能な点である.本稿では単一NV中心の特徴やこれまでの研究について,最近の筆者らの研究を含め解説する.
著者
伊藤 創祐 沙川 貴大
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.72, no.9, pp.658-662, 2017-09-05 (Released:2018-07-25)
参考文献数
11

情報は生物にとって欠かせないものである.生物たる我々は日々情報を取得し,様々な状況でそれを利用している.その意味で情報は身近なものである一方,情報が科学的に広く研究され始めるのは物理学の歴史と比較すると最近のことであり,C. E. Shannonの1948年の論文に端を発する情報理論の成立まで待たなければならない.しかしながら,Shannonが情報理論を創始する20年以上前,物理学の文脈で情報について考え,Shannonにも影響を与えた研究があった.熱力学におけるMaxwellのデーモンのパラドックスの本質を描き出したL. Szilardによる1922年の研究である.そして1960年代以降,R. Landauerらによって,情報と熱力学の関係は本格的に研究されるようになった.現在では情報理論と物理学の融合は熱力学に留まらず様々な分野で盛んに行われており,「情報は物理的な実在である(Information is a physical entity)」というLandauerの主張に深く広い意味づけがなされるようになってきている.とくに情報理論と熱力学の融合分野である「情報熱力学」は,この10年で理論実験ともに急速に発展した.その背景の一つは,1990年代後半から盛んに研究が行われてきた「ゆらぎの熱力学(stochastic thermodynamics)」である.Szilardがその萌芽を見出しShannonが創始した情報理論は,ゆらぎの熱力学と深い関係があることが明らかになってきた.また近年の実験技術の進歩により,単一分子のような微小な系の熱ゆらぎを精密に測定できるようになり,実際にMaxwellのデーモンが実現されるようになってきた.たとえば単一コロイド粒子系の電場制御によって,定量的なMaxwellのデーモンが2010年に世界で初めて実現された.その後デーモンは単一電子箱や核磁気共鳴(NMR)など多彩な系で実現されるようになっている.我々は生体システムへの応用を目標の一つとし,情報熱力学の理論を発展させてきた.複雑な確率過程を記述可能なベイジアンネットワークという概念を活用し,ゆらぎの熱力学を拡張することで,情報熱力学の適用範囲を広げることに成功した.その結果として,生体内部における化学反応の熱力学と,生体システムが受容体などのセンサーで感じる「情報」の関係を,定量的に議論することが可能になった.たとえば大腸菌(E. coli)が餌を探すための仕組みである走化性は,生体情報処理の代表例の一つとしてよく研究されている.我々は,この大腸菌の化学反応ネットワークに情報熱力学を適用した.その結果として,生体系の情報伝達のロバストさ(頑健性)を熱力学の観点から定量化し,それと移動エントロピー(transfer entropy)と呼ばれる情報量の関係を明らかにすることに成功した.さらに大腸菌においては,通常の熱力学的な効率は低いが,情報熱力学的な効率は高いことが,現実的な実験パラメータを用いたシミュレーションによって明らかになった.
著者
斉尾 英行
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.213-215, 1995-03-05
参考文献数
8

ハッブル宇宙望遠鏡の優れた解像度によって,乙女座銀河団内の渦巻銀河M100の中にある12個のセファイド型変光星(以後セファイドと記す)が発見された.それらの周期と明るさとの関係からM100までの距離が17.1±1.8Mpc(1Mpc &sime; 3.26×10<SUP>6</SUP>光年)と決定された.宇宙膨張による乙女座銀河団の後退速度と,求められた距離とからハッブル定数がH<SUB>0</SUB>=80±17kms<SUP>-1</SUP>Mpc<SUP>-1</SUP>((8.2±1.7)×10<SUP>-11</SUP>yr<SUP>-1</SUP>)と決められた.ハッブル定数は,遠方の銀河の後退速度(V)とその銀河までの距離(D)との比を与え(V=H<SUB>0</SUB>D),現在の宇宙膨張の速さの指標である.仮に,宇宙の膨張が現在まで減速されなかったとした場合,宇宙が現在の大きさになるまでに要した時間はH<SUP>-1</SUP><SUB>0</SUB>~1.2×10<SUP>10</SUP>年となる.現実の宇宙には物質が存在しているので,仮想的な斥力を考えない限り,宇宙膨張は減速され続けてきていると考えられる.このような場合,宇宙が現在の大きさにまで膨張するのに要する時間はH<SUP>-1</SUP><SUB>0</SUB>よりも短いはずである.このことは,我々の銀河内で最も古い天体である球状星団の年齢が~1.7×10<SUP>10</SUP>年であると評価されていることと矛盾する.