著者
豊田 恵聖 岡部 史郎
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-9, 1967
被引用文献数
10

The contents of iron, aluminum, silicon and phosphorus contained in particulate matters separated with millipore filter from sea waters sampled in the Western North Pacific, Indian, and Antarctic Oceans have been analyzed. The results indicated that these chemical elements are different in concentration from region to region. In waters of Sagami Bay and Antarctic Ocean near Scott Island and George V Land, which are influenced by the terrestrial waters, the concentration of iron, aluminum, and silicon ranged from 0.5 to 2.0&mu;g at/<I>l</I>. In the Western North Pacific Ocean, Indian Ocean, and Antarctic Ocean far off George V Land concentrations of these elements were below 0.5 &mu;g at/<I>l</I>.<BR>The concentration of phosphorus decreased with depth to about 0.02 &mu;g at/<I>l</I> in all regions.<BR>When the Fe-Al-Si weight percentage for each region was plotted on a triangular diagram, the samples from the Western North Pacific, Indian, and Antarctic Oceans do not resemble clay minerals and pelagic sediments. Only the Fe-Al-Si weight percentage of the sample from Sagami Bay was similar to that in vermiculite and glauconite and pelagic sediments.
著者
關 重雄
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.13-17, 1943-08-15 (Released:2011-06-17)
著者
松川 康夫 鈴木 輝明
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.407-426, 1985
被引用文献数
15

渥美湾の窟栄養化の機構を解明するために塩分と各態チッソ, リンの濃度分布を毎月1回1年間にわたって観測し, 若干変形したボックスモデルを用いてそれらのバランスを調べた.陸からの供給は既往資料から算出した.計算で得られた湾の水理とこれらの栄養物質の循環や光合成, 分解, 沈降, 堆積の速度を観測や実験で得られたものと比較し, 考察した.この結果, このボックスモデルが内湾の水理と物質循環に関する概括的な理解を得るうえで有効であることが確認されると共に, 内湾の富栄養現象の出現にとって重要な要因は栄養物質の流入負荷の一般的増大だけでなく, 夏の直前の雨期における集中的負荷, 植物プランクトンの取込みに適した負荷のN: P比, 夏期における内湾の成層と海水の鉛直循環と結びついた栄養物質の半閉鎖循環の形成, および恐らくは好気的条件と嫌気的条件の中におけるりンの無機的回転であることが見出された.
著者
轡田 邦夫
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.68-80, 1988
被引用文献数
4

吐葛喇海峡における黒潮の流量の指標と考えられる名瀬・西之表間の水位差および遠州灘沖の黒潮流路の指標と考えられる串本・浦神間の水位差の経年変動と北太平洋上の海上風変動との間の関係を調べた.<BR>串本・浦神の水位差には直進流路と大蛇行流路の間の流路変動に対応する約7年周期の変動と3~4年周期の変動が卓越する. 約7年周期の変動は, 紀伊半島の約2, 400km東方の海域における海上風応力の回転 (curl) と相関が高く, 黒潮の大蛇行流路の発生時期に対応する水位差の低下は, この海域の応力の負の回転が弱まってから約2年後に起きる. また, 3~4年周期の変動は赤道域東部を含む広域の海上風変動と相関が高く, 大規模な大気変動と関係あることが示唆された.<BR>名瀬・西之表の水位差の経年変動は, 串本・浦神の水位差との間に有意な相関を示さず, 遠州灘沖の黒潮流路の変動と関係ないことが示唆された. また, 北緯30度付近におけるスヴェルドラップ輸送の東西積分値との間に高い相関を示し, 海上風に対する順圧的な応答によって, 吐臈劇海峡における黒潮流量の経年変動が説明されることが示唆された.
著者
村上 虞裕美
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.224-239, 1986
被引用文献数
1

定常な鉛直2次元エスチャリーの力学的構造に関する研究を解析的に行なった.水深, 幅が一定の矩形エスチャリーで, 渦動粘性係数, 渦動拡散係数が空間的に一様な場合を取り扱った.エスチャリーの代表的な水平スケールが内部状態に依存すること, およびプラントル数が鉛直成層強度に依存することを考慮すれば, かなり広範なパラメタレンジで運動量のバランスが線型になることが示された.「線型状態」を, 運動量のバランスが線型な状態と定義すると, 線型状態は塩分輸送のバランスからさらに拡散段階, 中間段階, 移流段階に分けられる.上流向き塩分輸送は, 拡散段階では主に水平拡散に担われるが, 移流段階では鉛直循環流による移流に担われる.線型状態はいわゆる強混合および緩混合状態に対応するが, 線型状態の移流段階は, 緩混合状態の中でもかなり弱混合状態に近い状態であると考えられる.また鉛直平均塩分の縦 (主軸) 方向の分布は, 拡散段階ではexponential, 移流段階ではほぼlinearになることが明らかになった.
著者
南日 俊夫
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.171-177, 1955-12-25 (Released:2011-06-17)
参考文献数
6

On July 28th 1955, while 200 schoolboys and 188 schoolgirls were training in swimming at Nakagawara beach, Tu city, about 76 girls were drowned, and 36 girls of them died.At that place, it is expected that if the seaconditions were normal, the speed of the tidal current would be only 5.0cm/sec or less. On the other hand, the speed of the current which caused the tragic case was estimated at about 15-30cm/sec or more.This abnormal current can be explained as the longshore current, having the speed of 23-32 cm/sec, produced by the swell coming from the Typhoon No. 13.
著者
南日 俊夫
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.171-177, 1955

On July 28th 1955, while 200 schoolboys and 188 schoolgirls were training in swimming at Nakagawara beach, Tu city, about 76 girls were drowned, and 36 girls of them died.<BR>At that place, it is expected that if the seaconditions were normal, the speed of the tidal current would be only 5.0cm/sec or less. On the other hand, the speed of the current which caused the tragic case was estimated at about 15-30cm/sec or more.<BR>This abnormal current can be explained as the longshore current, having the speed of 23-32 cm/sec, produced by the swell coming from the Typhoon No. 13.
著者
秦 克己
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.6-15, 1963-04-30 (Released:2011-06-17)
参考文献数
6
被引用文献数
1 3

1) 北西太平洋において投入した海流瓶は1932年以降, 北米に漂着したものは22本 (太平洋上4本を含む) であって, 1958, 59年に投入した海流瓶の拾得率は約2%となっている。 (北東太平洋では3%となっている)2) C海域 (黒潮域) で投入した海流瓶は僅か4本だけより拾得されておらず, そのうち2本がハワイ周辺で拾得された。 (北東太平洋におけるHOLLISTERの報告では拾得された816本の海流瓶のうち1本だけがハワイに漂着している)3) 亜寒帯海流の中心部における平均表面流速 (150°E~150°W間) は1日に4海里で, 一方この海流にのって北米に漂着した海流瓶17本の平均速度は1日に4.7海里となっており, 両者の差は約20%前後であった。4) 親潮沖合域に投入した海流瓶は50°N以北のカナダ・アラスカ沿岸に,混合水塊に投入したものはの40~50°N北米沿岸に, 黒潮域に投入したものは40°N以南の太平洋上に, 親潮接岸分枝域に投入したものは北日本沿岸へと水塊別に漂流先が決定付けられていたのは注目される。5) AとB海域, BとC海域の境はそれぞれ親潮前線,黒潮前線に相当している。6) 投入結果から春夏季三陸沖に南下する親潮表層水の北限は北得撫水道と考えられる。7) 日本海で投入した海流瓶はそれぞれA・B・C区に分散して拾得されている。
著者
Shizuwo ISHIGURO Akimitsu FUJIKI
出版者
The Oceanographic Society of Japan
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.191-197, 1955-12-25 (Released:2011-06-17)
参考文献数
6
被引用文献数
1 4

A new method has been described for the analysis of transient phenomena of a hydrodynamic system having a free surface, taking the case of the Bay of Nagasaki as an example. The main operation of the analysis was carried out by an electric network being analogous to the hydrodynamic system and by an electric analogue computer designed for this purpose. In this method, some newly designed techniques for the hydraulic experi-ments have been used to determined the constants of the above network, and these techni-ques themselves may be applied independently to the general hydraulic experiments.
著者
大久保 隆
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.279-286, 1981
被引用文献数
3

瀬戸内海の表面水中の<SUP>228</SUP>Raの濃度を測定した. 瀬戸内海中央部の燧灘や備後灘で採水した表面海水は655-811 dpm/1000 lの<SUP>228</SUP>Raを含んでおり, 太平洋の表面水と比べて100倍も高濃度であった. この高い<SUP>228</SUP>Ra濃度は, 0.16dpmcm<SUP>-2</SUP>y<SUP>-1</SUP>以上と見積もられる堆積物からの<SUP>228</SUP>Raフラックスに支えられているものと考えられる. 海水中の<SUP>228</SUP>Ra濃度は, 塩分の増加及び瀬戸内海中央部からの距離の増加と共に著しく減少していた. 紀伊水道や豊後水道では, <SUP>228</SUP>Ra濃度は約18dpm/1000であった. <SUP>228</SUP>Raを使って瀬戸内海に単純な箱モデルを適用した結果, 瀬戸内海の海水の平均滞留時間は少くとも10年以下, おそらく数年程度と推定された.
著者
池田 勉
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.261-272, 1990
被引用文献数
21

ニホンウミノミを1°, 5°, 8°, 12℃で飼育し, 脱皮間隔 (<I>IP</I>) と脱皮毎の体長増加 (△<I>BL</I>) を測定した. その結果, <I>IP</I>はニホンウミノミの体長が大きくなるほど, 水温が低いほど長くなった. △<I>BL</I>は体長によって変化したが水温による影響は見られなかった. 飼育実験で得られた同一個体についての連続した脱皮殻の観察から, 脱皮によって腹肢内・外葉の節数が脱皮によって1節ずつ増加することが分かり, 従って野外標本にもとつく△<I>BL</I>の推定が可能となった. このようにして, 飼育実験によるIPと, 野外標本による△BLから水温を変数とするニホンウミノミの成長モデルを提出した. この成長モデルから, 雌の育児嚢より放出された仔虫 (体長31.31mm) が仔虫を放出する雌 (体長: 10-17mm) に成長するのに要する日数は1℃で333-593日, 5℃で195-347日, 10℃で118-210日, 15℃で82446日となる. またこの成長モデルから計算される体重ベースの成長速度は同水温において同体重を有するオキアミのそれに匹敵する. 日本海におけるニホンウミノミの摂餌状態について若干の論議をした.
著者
市栄 誉
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.105-120, 1980-05-30 (Released:2011-06-17)
参考文献数
30
被引用文献数
1

海底摩擦および水平渦粘性を考慮した順圧モードの南極周極流 (以下A. C. C. と略す) に対する無次元方程式を導いた. 流線に沿って渦度方程式を積分すると, 水深をコリオリパラメーターで割った量の値にのみ依存する0次の流線が得られる. 流線に沿って運動方程式を積分すると, 風の応力による運動量の入力と海底摩擦および水平渦粘性による運動量の消散との間の関係式が得られる.この関係式により得たA. C. C. の全流量はKAMENKOVICH (1962) が鉛直粘性102cm2s-1を用いて得た値の1/3であるが, この式からBRYAN and Cox (1972) が求めた全流量がモデルによって異っている原因を説明できる.彼らは水深が一定であるモデルと変化するモデルを用いて, 鉛直粘性係数1cm2s-1の場合, それぞれ650×106m3s-1と32×106m3s-1の流量を得ている. 高い流量は主にA.C.C.の幅が大きくなることによって生じる. 一方, 低い流量は流れの幅が細くなって蛇行することにより (A. C. C. の両側で生じる摩擦による) 水平渦粘性が増加し, さらに風による応力の入力が一定水深に対するほとんど帯状流の流れの場合より小さくなることによって生じる.付記では地衡流を与えて海底の摩擦応力の大きさを正しく推定するための海底境界層の力学を考察した. さらにその理論をフロリダおよびサン・ディエゴ沖の海峡における海底境界層内の流れの最近の観測結果と比較した.
著者
MURRAY C.N. RENFRO W.
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.249-252, 1976

海産多毛類<I>Nereis diversicolor</I>による堆積物からのプルトニウムー239のとりこみの研究結果を報告する. <I>Nereis</I>のプルトニウム負荷量に対する, 堆積物と海水からの経路の相対的な重要度の比較を行なった. この比較研究に用いた実験条件下では, <I>Nereis</I>は, 体内の放射能の98%以上を海水からとりこむようにみられる.
著者
金子 薪 本地 弘之 川建 和雄 水野 信二郎 増田 章 三井田 恒博
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.75-79,81, 1986

対馬暖流に重なる潮流により誘起されたと思われる内部波列が, 超音波探知機を用いることによって七里ケ曽根 (日本海対馬海峡東水道) の上流側で観測された. 同時に, 内部波列上の海面も内部波の波長の間隔で波立っているのが観測された.
著者
MURTY T.S. TAYLOR J.D.
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.203-214, 1970

風によるセント. ローレンス湾の定常的な表面循環を, 地形を考慮に入れて, 1940-49及び1951-60の各10年間の平均各月について数値的に計算した. このモデルは海面の氷層を考えていないので, 冬の月に対してはあてはまらないが, ガスプでの流れを除いて, ほぼ観測された循環の模様を満足に再現している.
著者
大田 啓一 半田 暢彦
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.25-32, 1985
被引用文献数
8

西部北太平洋上で粒径別に採集したエアロゾル試料の有機炭素, アルカンおよび多環芳香族炭化水素 (PAH) を分析した結果, 次のことが明らかとなった. すなわち, これら有機物の大気中濃度は, 日本あるいはユーラシア大陸からの距離が遠くなるにつれて減少しており, 減少の度合いの大きさは, PAH>>アルカン>有機炭素の順であった. またこれら有機物は, 粒径1μm以下の小粒子に主として含まれていた. アルカンとPAHについての分析結果は, 日本の沿岸海域のエアロゾルに含まれる炭化水素は陸上の人間活動に由来するものであり, その寄与は, 日本から約1,000kmの海域におよんでいることを示した. 一方, 遠洋のエアロゾルについては, 1μm以下の粒子の炭化水素は陸上の自然源起源であり, それより大きい粒子中のそれは海洋起源であることが明らかになった.
著者
秦 克己
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.193-201, 1965-11-30 (Released:2011-06-17)
参考文献数
7
被引用文献数
10

1) 親潮接岸分枝の流量は1~4×106 m3/secで変動し, その年変動は1953~1954年と1960~1961年に極大が, 1956~1957年と1962~1963年に極小があらわれていて, 約7年の周期が見られる。2) 北海道東方および三陸沖における黒潮系水の北上が顕著な年に親潮接岸分枝の南下流量が大, 逆に黒潮系水の北上が弱い年に親潮接岸分枝の南下流量が小となっていて, この現象は黒潮の補償流が親潮であることを示す一例と考えられる。3) 春季では, オホツク水が北得撫水道を通過して太平洋に流出して, 南千島列島に沿い南西流し, その主流は親潮接岸分枝としてさらに南西流している。4) 西部北洋中央水の南限は1963, 64年の夏季に44°N付近で, これより南に達していない。又その南下流量は2×106 m3/sec前後 (1200 db基準でもほぼ等値)で, 平野が算出した値 (6~9×106)よりもかなり小さい。5) 千島近海の親潮について, その流路は春季・夏季とも同じであるが, その水塊は春季にオホツク海水が直接太平洋側に流出しているが, 夏季に宗谷暖流系水の影響を受けてやや高かんとなっている。

1 0 0 0 OA 慶長9年の津波

著者
三好 寿 佐藤 要 都司 嘉宣
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.174-180, 1989-06-25 (Released:2011-06-17)
参考文献数
7
被引用文献数
1

慶長9年 (1605年2月3日) の津波波源が, 2個分離型か, 1個合体型かは, 日本社会の直面する最重要問題のひとつである. 海洋学知識が普及していない時代には, 八丈島 (含・小島) の被害パターンが重要な鍵と考えられた.戦後の動乱期に, その情報が日本に入り, 貿易風による大波と津波の複合という重要考察が読み落され, 1946年のアリューシャン津波が超巨大津波と想定された情況に似る.筆者らは延べ8年間の, 八丈島をめぐる1月, 2月の季節風風向の統計を求め, 八丈島の被害パターンは, 非常に高い確率で, 季節風による大波に若干の津波が重なったものによるとして説明し尽されることを示した.これにより, 静岡県の多数の寺の過去帳が1605年2月3日の人命損失を記録していないことを, 分離型震源との結論の鍵と考えても後顧の心配がないことが示された.