著者
山口 彦之
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.240-253, 1966-09-15 (Released:2010-07-21)
参考文献数
116
被引用文献数
2 1
著者
川浦 稚代 青山 隆彦 小山 修司
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.55-66, 2005-03-15 (Released:2011-03-01)
参考文献数
17
被引用文献数
3 3

蛍光ガラス線量計とフォトダイオード線量計を設置した人体ファントム線量計測システムを用いて, 頭部一般撮影検査及び頭部X線CT検査における患者の臓器及び実効線量評価を行った。5種類の頭部一般撮影検査における脳線量は, 0.46~1.08mGyであった。水晶体線量は, 水晶体に直接X線が当たるような頭部正面 (AP) 及びタウン撮影法において最も高かった。また, 頭部一般撮影検査における実効線量は, 0.03~0.06mSvであった。一方, 頭部X線CT検査 (ルーチン検査) における実効線量は, 1.7mSvであり, 頭部正面 (AP) 検査よりも50倍以上高いことがわかった。急性脳梗塞の診断に用いられるPerfusion検査においては, 最大皮膚線量が712.0mGyとなった。しかしながら, その値は, ICRP Publ.59で提唱されている一時脱毛のしきい値3Gyよりも低かった。また, 頭部X線CT検査における水晶体線量 (ルーチン検査: 55.0mGy, Perfusion検査: 39.6mGy) は, ICRP Publ.60で提唱されている検知可能な水晶体白濁のしきい値0.5~2.0Gyよりも低い値を示した。
著者
髙田 和子
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.475-488, 2015-07-15 (Released:2015-07-28)
参考文献数
32

体内での栄養素の動態や利用についての研究において,安定同位体を利用する価値は高い。本稿では,二重標識水(Doubly labeled Water:DLW)法と,指標アミノ酸酸化(Indicator Amino Acid Oxidation:IAAO)法を紹介する。DLW法は,H218Oと2H2Oを使用し,自由に生活している状況でのエネルギー消費量を最も正確に評価する方法とされている。IAAO法は,多くの場合,13Cで標識したL-フェニルアラニンを指標として,体内でのアミノ酸の利用を評価する。安定同位体の活用により,従来の方法より対象者への負担が少なく,栄養素の利用を評価でき,幅広い対象における研究が可能である。

1 0 0 0 OA 体内の鉄交替

著者
斎藤 宏
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.283-296, 1971-06-15 (Released:2010-07-21)
参考文献数
112
著者
井上 睦夫 小藤 久毅 小村 和久
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.601-609, 2004-11-15 (Released:2011-03-01)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

海藻 (ホンダワラ) 試料における微量人工放射性核種 (108mAg, 110mAg, 54Mn及び60CO) のバックグラウンドレベルの把握のため, 3通りのγ線測定 (method-1, 尾小屋地下測定室のGe-LEPS使用; method-2, 測定試料からの40K除去+地下測定室のGe-LEPS; method-3, 40K除去+地下測定室の井戸型Ge) を適用した。method-3の測定条件においては, ~8mBq/kg-fresh (108mAg, 110mAg, 60Co) という著しく低い最低検出濃度での測定が可能になった。更に1998年12月から2002年6月にかけ志賀原子力発電所付近で採取されたホンダワラ, 72試料に対して, 低バックグラウンドγ線測定 (40K除去+地下測定室) による環境放射能モニタリングを行った。その結果, ホンダワラにおけるフォールアウト核種, 137Csは, 0.2Bq/kg-fresh以下 (大部分は, 0.1Bq/kg-fresh以下) , 他の人工放射性核種は, 検出限界以下 (108mAg, 110mAg, <15mBq/kg-fresh; 54Mn, <20mBq/kg-fresh; 60Co, <25mBq/kg-fresh) であるなど, 志賀原子力発電所あるいは旧ソ連の放射性物質の海洋投棄などによる汚染の形跡はみられなかった。
著者
狐塚 寛
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.117-125, 1974-02-15 (Released:2010-07-21)
参考文献数
62
被引用文献数
2 2
著者
吉田 栄充 三宅 定明 浦辺 研一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
Radioisotopes (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.831-836, 2009-12-15
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

γ線スペクトロメトリーを用いて,埼玉県内に流通しているハーブティーの放射能調査(<SUP>134</SUP>Cs,<SUP>137</SUP>Cs及び<SUP>40</SUP>K)を行った。<SUP>134</SUP>Csは49検体全て不検出であったが,<SUP>137</SUP>Csは10検体から検出され(2.1~240Bq/kg乾),それらは全てヨーロッパ産であった。また,<SUP>40</SUP>Kは全検体から99.9~1400Bq/kg乾検出された。<BR><SUP>137</SUP>Csについては,アイブライトでポーランド産とブルガリア産で大きく濃度が異なり,明らかな地域差が見られた。また今回の調査により,成人が1年間ハーブティーを1日1杯ずつ飲み続けたときの<SUP>137</SUP>Csの預託実効線量を求めると約1.0×10<SUP>-3</SUP>mSvとなり,通常のハーブティーの摂取においては,<SUP>137</SUP>Csの被ばく線量の寄与は非常に少ないものと考えられた。
著者
高瀬 冴子 坂田 脩 長島 典夫 吉田 栄充 三宅 定明 石井 里枝
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.301-306, 2017-08-15 (Released:2017-08-15)
参考文献数
15

福島第一原発事故以降,食品の放射能汚染が懸念されていることから,γ線スペクトロメトリーを用いて,日本に流通する梅加工食品100検体(2015年から2016年に購入)の放射能調査(134Cs及び137Cs)を実施した。134Csは6検体から検出され(0.82~12 Bq/kg),137Csは40検体から検出された(0.65~69 Bq/kg)。最も放射能濃度が高かった検体は梅エキスであり,134Csと137Csの和は81 Bq/kgであった。この濃度は一般食品の規格基準値の5分の4程度であった。放射性セシウムが検出された梅加工食品を1年間摂取した場合の成人の預託実効線量は最大で約1.7 μSvであった。
著者
山本 久夫 法村 俊之 片瀬 彬
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.514-521, 1999-08-15 (Released:2011-03-10)
参考文献数
16

テレビジョンのCRT (cathode ray tube) 前面ガラス中に含まれている40K, トリウムおよびウランの放射能濃度を, γ線スペクトロメトリにより定量した。トリウムおよびウランについては, CRT製造者により約2倍も放射能濃度に差があることが示された。一方, 40Kについては, いずれのCRTガラスについても濃度差はほとんどなかった。また, 得られたγ線スペクトルからCRT前面における線量を算定した結果, トリウムおよびウラン濃度が最も高いガラスでも表面から20cm以上離れれば自然放射線線量の1/10以下となり, 無視できるものであることがわかった。
著者
西村 義一 魏 仁善 金 絖崙 渡利 一夫 今井 靖子 稲葉 次郎 松坂 尚典
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.244-247, 1991-06-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
14
被引用文献数
4 5

Chitosan derived from chitin which is a cellulose-like biopolymer distributed widely in nature, especially in shellfish, insects, fungi and yeast, is known to be one of the natural chelating agents. The purpose of the present study is to investigate whether chitosan can be applied to the animal and human body in order to reduce the bioavailability of radiostrontium in foods.Chitosan solution was orally given and immediately after then 85SrCl2 was administered to rats using a stomach tube. The whole-body retention of 85Sr determined by in vivo counting was lower than that of control rats which were not given chitosan. The activity ratio in urine and f eces f or chitosan-treated rats was higher than control rats.Ten percent of alginate food was given to rats during 10 days and 85Sr was administered orally. The whole-body retention of 85Sr alginatetreated rats was decreased sharply compared with control rats.These results suggested that chitosan and alginate can be used as a drug to reduce bioavailability from gastrointestine of ingested radio strontium.
著者
鈴木 良一 大口 裕之
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.67, no.9, pp.447-452, 2018-09-15 (Released:2018-09-15)
参考文献数
5
被引用文献数
1

東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所での事故に対応して,一般の住民が生活の中での放射線量を計測するための放射線線量計“D-シャトル”を開発した。この線量計は,小型軽量で,各個人が携帯して必要に応じて表示器で記録を見ることができ,1年以上動作し,ユーザーの電池交換が不要である。本稿では,“D-シャトル”線量計の開発の経緯と機能について紹介するとともに,リアルタイムモニタリングへの応用についても紹介する。
著者
島 邦博 見原 猛 梅谷 啓二 三雲 昂
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.363-367, 1980-08-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
5

鉛を遮蔽材としてγ線バックグラウンドを測定する場合, 種々の放射性同位元素によるγ線, X線が観測される。このうち, 最も強く観測される鉛のKX線の発生要因について検討した。バックグラウンドスペクトルに表れる210Pbの47keVγ線計数をもとにして, 210Pbと放射平衡にある210Biのβ線の制動放射によって鉛のK殻光電効果の起こる割合を, 簡単なモデルを使って計算した結果, 観測される全Pb-KX線に, 上記過程が相当部分寄与していることがわかった。