著者
小野 譲司
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.93-100, 1997-01-10 (Released:2023-11-23)
参考文献数
44
被引用文献数
1
著者
高嶋 克義
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.40-51, 1997-01-10 (Released:2023-11-23)
参考文献数
15
被引用文献数
4
著者
栗木 契 佐々木 一郎 吉田 満梨
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.111-119, 2023-09-29 (Released:2023-09-29)
参考文献数
19

2019年に設立された株式会社KINTO(以下,KINTO)は,トヨタ車およびレクサス車をサブスクリプションで提供するサービスを展開している。2022年12月には累積申込者数が55,000人に達し,その約4割を20~30代の若年層が占める。若者の車離れが指摘される国内の自動車市場において,KINTOは,人とクルマのどのような新しい関係を生み出しているのか。本稿では,トヨタ自動車がKINTOを設立した経緯,KINTOのサービスの特徴を確認した上で,それが若年層の自動車需要に対して,どのような便益を提供しているか。既存の代理店であるディーラーや,自動車保険を提供する企業,そしてトヨタ自動車などとも連携をしながら,どのように新たな価値を創出しているか,を議論する。
著者
米満 良平 西川 英彦
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.101-110, 2023-09-29 (Released:2023-09-29)
参考文献数
11

近年,顧客との共創を製品開発に活用する企業が増えている。しかし,製品化やプロジェクト運営の手間などから,一過性の取り組みに終わってしまうケースも多い。こうした中で,共創をブランドの提供価値の中心に掲げ,事業としても成長を続けているのがサッポロビール初のクラフトビールブランド「HOPPIN’ GARAGE」である。本ケースは,事業として共創に取り組んでいるだけでなく,顧客との共創に挑戦しながらも一度は自社コミュニティを終了し,再度新たに立ち上げるなど,試行錯誤の上に共創を続けてきた先進的なケースでもある。本稿では,どのような課題があり,ビジネスモデルを変更させてきたか,そのHOPPIN’ GARAGEの変遷を,1)自社顧客との共創,2)外部コミュニティとの共創,3)外部イノベーターとの共創,4)外部企業との共創,といった共創形態の変化に合わせて確認する。そこには,事業の状況や課題に合わせて,顧客との共創だけにとらわれず柔軟に共創相手を変えてく,HOPPIN’ GARAGEの巧みなマネジメントが見られる。その成長要因として,1)内部マネジメントの重要性,2)共創手法の最適化,3)共創体制の最適化という3点を提示する。
著者
王 珏
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.63-69, 2023-09-29 (Released:2023-09-29)
参考文献数
30

制御感とは,個人が望ましい結果を得る能力や望ましくない結果を避ける能力を持っていると自覚している心理的状態を指す。この概念は社会学者によって研究されてきたが,近年,消費者の制御感の影響に着目した研究が注目を集めている。しかし,当該領域全体を俯瞰するレビュー論文は未だ存在しない。そこで,本稿では,消費者制御感に関する既存研究を(1)制御感と補償的行動,(2)制御感と感情対処,(3)制御感と慈善行動,(4)消費者の制御欲という4つの研究潮流に分けて,概観する。そして,今後の研究課題として,(a)制御感の先行要因の探求,(b)制御感の低下による補償的行動の背後にある心理メカニズムの探求,(c)制御欲の調整効果の探究の3つの課題を提示する。
著者
芳賀 悠基
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.54-62, 2023-09-29 (Released:2023-09-29)
参考文献数
23

本稿は,マーケティング及び消費者行動の分野で注目を集める価格公平感(price fairness)ないし価格公平性知覚(price fairness perceptions)に着目したレビュー研究である。マーケティング分野の主要誌をターゲットとし,価格公平感の先行要因を中心にレビューを行った。このレビューは,Xia, Monroe, and Cox(2004)のフレームワークをベースとして実施することで,研究の傾向を掴むとともに,不足している分野を明らかにしている。また,消費者が価格公平感を知覚する状況を想定したゲームモデルなどを用いて,企業が実行する価格戦略の帰結(均衡,利益)を明らかにした研究についても簡単にまとめた。これらのレビューにより,価格公平感の先行要因には特定カテゴリの研究が多くを占める傾向があることや,その傾向には,時勢に合わせた変遷が見られることが明らかになった。この研究は,近年広がりを見せる消費者の個人情報を利用した価格差別や,パーソナライズド・プライシングに対する消費者の反応とそれらが企業にもたらす利益について貢献することを目的としている。
著者
水野 学 中川 充 石田 大典
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.18-29, 2023-09-29 (Released:2023-09-29)
参考文献数
24

本研究の目的は,ハードウエア・スタートアップ企業(以下,HWSU)が創業前後に直面する「あいまいな問題」とその「解決行動」,ならびにその背景にある「支援」のあり方について,事例分析を通じて検討することである。HWSUは,開発しようとする製品やサービスの大まかな方向性を決める「機能デザイン」と,それを具現化させるための「技術デザイン」という2つの側面において,多くの「あいまいな問題」を抱えている。しかし,十分な経営資源や専門知識を有しないHWSUがそれに単独で対処することは難しく,適切な支援が必要となる。そこで本研究では,DMM.make AkibaというHWSU支援組織に焦点を当てる。この組織が提供する2つの支援は,HWSUの成長に貢献している。すなわちテックスタッフは,開発目標とロードマップの重要性を示唆することで,技術デザインに関する本質的な問題の発見に,そしてコミュニティマネージャーは会員と支援企業を1つのコミュニティとして活性化することで,機能デザインに関する重要な問題の再認識に寄与している。
著者
近藤 公彦
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.6-17, 2023-09-29 (Released:2023-09-29)
参考文献数
21

この論文は,北海道を代表する土産菓子メーカーである石屋製菓株式会社のケース研究である。同社の製品ブランド「白い恋人」は土産菓子ランキングで首位にあげられるほどの知名度を有し,そのブランド名を冠した「白い恋人パーク」をはじめ,種々のコラボ商品も展開されている。「面白い恋人」をめぐる吉本興業等との商標権侵害やコロナ禍での観光客の激減に伴う売上高の低下といった逆境を乗り越えて,2022年には中東ドバイへの進出を果たした。一方,石屋製菓は東京GINZA SIXへの出店に際して,白い恋人を扱わず,「ISHIYA」という企業ブランドを前面に掲げた。そして,白い恋人にせよ,ISHIYAにせよ,いずれも「北海道」という圧倒的な地域ブランドを背景にしている。本研究は,製品ブランドの白い恋人を中心に同社の歴史を記述し,その過程においてISHIYAという企業ブランド,そして北海道という地域ブランドがどのように相互作用しているのかをブランドの構成要素,ブランド・エクイティ,および経験価値のフレームワークの観点から多面的に検討し,ブランド研究への新たな理論的示唆を提示する。
著者
臼井 浩子
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.158-169, 2014-06-30 (Released:2020-06-16)
参考文献数
42

デジタル革命とソーシャルメディアの隆盛によって,消費者自身が消費経験に関する情報(クチコミ)を自発的に広める担い手となってきた。そのため,クチコミに対する関心が近年,高まってきており,クチコミをマーケティング活動に効果的に取り入れる手法が模索されている。しかし,このような試みを成功させるためには,まず,「人はなぜクチコミを行うのか」というクチコミ発生の要因を明確に捉える必要がある。本稿はこうした問題意識を受け,クチコミを促進する要因に着目した先行研究を,1)クチコミ動機の包括的研究(対面のクチコミ,オンライン上のクチコミ)2)クチコミを促進する個別要因の研究,の2つの視点から紹介すると同時に,今後の研究課題を提示する。
著者
須田 孝徳
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.73-80, 2022-06-30 (Released:2022-06-30)
参考文献数
38

本研究では,過去10年においてマーケティング研究で行われた混雑感知覚(Perceived Crowding)に関する研究をレビューする。混雑感知覚の研究を,混雑感が消費者の認知・感情に及ぼす影響,消費者の功利的・価値表出的行動に及ぼす影響,推論の手がかりとしての混雑感の3つの視点に分けて整理した。レビューの結果として,混雑感知覚の研究は店舗内購買行動研究から消費者の情報処理や意思決定を対象とした研究に,領域が拡張されていることを確認した。また今後の課題として,推論の手がかりとしての混雑のより詳細な議論の必要性,今日的な店舗研究と混雑感知覚を取り上げた研究が少ない,混雑感知覚の研究が購買意思決定の段階に沿って進められて議論がなされていない,の3点を指摘した。本研究の結果は,マーケティングにおける混雑感知覚の概念を説明し,この分野の実証研究を網羅的にレビューすることで,混雑した小売店環境や消費者行動の理解に役立つ知見を整理している。
著者
比留川 ありさ 西川 英彦 米満 良平
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.83-91, 2023-06-30 (Released:2023-06-30)
参考文献数
15

ユーザーからアイデアを集め,製品開発に活用するクラウドソーシングが注目されている。しかし,クラウドソーシングを活用する企業の多くが,アイデア募集に苦労している。たとえユーザーからアイデアを集められたとしても,そのアイデアを上手く活用できず失敗する企業や,継続できていない企業も多い。その困難克服の好例が格安スマホのmineoである。mineoはこれまでに約9,100件のアイデアをユーザーから集め,約1,100件ものアイデアを実現している。本稿では,まずmineoのコミュニティサイト「マイネ王」にて,ユーザーからアイデアを集める場として中心的に機能している「アイデアファーム」について紹介する。次に,ユーザーのアイデアをもとにサービスの創造やアップデートが行われていることを確認する。最後に,ユーザーのアイデアを数多く実現し,魅力的なサービスへと進化しているmineoの優れている点,すなわち1.アイデアの量の確保2.アイデアの質の向上3.役職者による全アイデアの検討と実現化の促進について述べる。