著者
佐藤 正惠
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.12, pp.537-539, 2021-12-01 (Released:2021-12-01)

2020年からのCOVID-19流行により,学会・研究会や会議はZoom等のWeb配信またはハイブリッド形式が主流になった。筆者は東京のJSTとWeb配信のハイブリッドで開催されたINFOPRO2021に参加し,2021年7月2日に口頭発表を行った。プレゼンテーション・ツールとして初めてMorressier(モレシエ)を使用したので,その体験を述べる。Morressierは会場参加に即したイメージで作られており,発表者は事前に登録したMorreierのシステム上で,直前までUpdateが可能である。また,研究者情報のORCIDのIDと連動しているのも研究者にとって利便性が高い。課題として,運営側で使用するにはまだ日本語でのサポートが十分でないため,事前のレクチャーや説明を十分に行う必要がある。
著者
INFOPRO2021実行委員会
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.12, pp.530-536, 2021-12-01 (Released:2021-12-01)

2021年の情報プロフェッショナルシンポジウム(INFOPRO2021)は,新型コロナ感染症の蔓延が収まらない中,INFOSTA史上初の正式なオンラインによる開催となった。テーマは,「インフォプロにとってのニューノーマルとは何か」である。開催のためのツールは,学術会議用のバーチャル会議プラットフォームMorressierを使った。オンライン開催決定の経緯と,日本ではまだ利用実績のないMorressierをプラットフォームに選択した経緯,本番に向けた準備の舞台裏,Morresierの使用感,特別講演のテーマと講演者決定の裏話,シンポジウム後のオンライン情報交流会の様子など,インフォプロにとってのニューノーマルを体現すべく挑戦した様子を,シンポジウム実行委員会メンバーがオムニバス形式で振り返った。
著者
林 和弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.12, pp.513, 2021-12-01 (Released:2021-12-01)

INFOPRO2021にご参加,ご登壇いただいた皆様,誠にありがとうございました。また,おつかれさまでした。さらに,ご協力,ご協賛いただいた皆様にも厚く御礼申し上げます。ご存知の通り,COVID-19の影響は昨年のINFOPRO開催に大きな影響を与え,結果として,INFOPRO2020自体は誌上開催としつつ,Plusとして希望者によるオンライン発表の機会を作り,電子ポスターやプロダクトレビューも加えた紙とオンラインのハイブリッド開催となりました。運用においては,zoomを導入し,手探りながらも幸い大きなトラブルもなく開催することができました。さて,今年はどうするか。依然COVID-19の影響が続く中,昨年のオンライン試行を踏まえてどのように拡張するかが課題となりました。今年も様々に検討を重ね,オンライン開催を中心とした上で,いくつかの英断もあり,欧米で実績のある統合バーチャル集会プラットフォームMorressierを積極的に活用することとしました。zoomをあくまでオンライン発表“ツール”として扱うのと,Morressierのような演題登録や資料共有,発表後のコミュニケーション,アーカイブまでを含めた様々なサービスを擁する“バーチャル集会プラットフォーム”を扱うのでは,運用上大きな違いがありました。今年はこの違いをどのように吸収するかを学んだこととなりました。また,運営,登壇,参加それぞれの立場で慣れていただいたことにもなります。この慣れが確実に将来を変えていくと信じております。その他,本年も,より詳しい,開催までの経緯や当日の裏話等については,本号の他の記事をご覧いただきたいと思います。本年も無事に開催できたのは,一重に山﨑会長を筆頭とするINFOSTA三役,理事のご英断をはじめとする,実行委員,そして事務局のみなさまのご尽力とチームワークがあってのものでした。特に今年はプラットフォーム運用に関して増田理事に多大なるご尽力をいただきました。この場を借りて関係の皆様に厚く御礼申し上げます。何事も物事は3度目,3年目,あるいは3作目が大事とも言われます。INFOPRO2022に向けて,過去2回のオンライン開催から,さまざまな課題も浮き彫りになってきました。INFOSTAの今後も含めて,この2回の経験,知見を生かしてINFOPROを改善し,インフォプロのあり方を確実かつ魅力的なものにできるようみなさまのご賛同とご協力を改めてお願いする次第です。COVID-19は学協会の変容をこれからも押し進め,また,依然その変容は緒に就いたばかりともいえます。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。(INFOPRO2021 実行委員会委員長 林 和弘)INFOPRO2021 実行委員会 委員長:林 和弘(科学技術・学術政策研究所),副委員長:川越康司(ジー・サーチ),委員:矢口 学(科学技術振興機構),長谷川幸代(跡見学園女子大学),小山信弥(関東学院大学),鷹野芳樹(クラリベイト),寺脇一寿(医学中央雑誌),木村光宏(㈱アドスリー),担当理事(正):増田 豊,担当理事(副):棚橋佳子
著者
岡田 英孝
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.589-593, 2006-12-01 (Released:2017-05-19)
参考文献数
16

MEDLINEでは1980年代より訂正記事情報に対する取り組みがされているが,その現状について東京医科大学図書館分館で受け入れた2003年出版の冊子体の訂正記事データを用いて調査した。調査対象は114タイトル901件で,これらのデータとPubMedのデータを比較した。訂正記事の収録率は約80%で,著者名など書誌データに関わる訂正では書誌データ自体訂正されている例も見られた。収録率は過去の研究と比べても上がっており,また訂正記事情報に容易に到達できるように様々な工夫もされているが,未収録の訂正記事の存在や書誌データ自体の表記のゆれといった問題も見られたため,利用の際は注意が必要である。
著者
庄司 昌彦
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.496-502, 2015

近年,公共財としてのデータを増やして幅広い活用を促す「オープンデータ」に関する政策と運動が世界的に広がり続けている。本稿ではまず,オープンデータとは何かという定義やそれを裏付けるための利用規約をめぐる議論を紹介する。そして,オープンデータに関する国際組織の動向や国内外の政府・自治体の政策動向,企業・市民社会組織における利活用の具体的事例を紹介する。最後に,インターネットの普及とともに広がってきた「オープンな文化」の社会的・文化的な意味などを述べ,オープンデータをめぐる議論をもっと社会的な文脈で捉えていく必要性があると指摘する。
著者
石倉 亮治
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.642-649, 1992
被引用文献数
1

千葉県では,平成4年度から8ヵ所の博物館相当施設(美術館を含む)をISDN回線で接続したコンピュータシステムの運用を開始する。名称は「千葉県立博物館情報システム」である。単独の施設ではこれまでにも全国各地の美術館や博物館においてコンピュータが導入されさまざまな機会にそれらのシステムの概要が報じられている。遠隔地にある他の施設とネットワークを組み,その運用についても博物館自身が直接携わるシステムとしては全国的にも初めての試みとなる。運用後しばらくの期間を経なければ,システムそのものの評価はむずかしいが,博物館の学芸職員が初期の段階からプロジェクトの中心となったということではきわめて希な開発例でもあり,この機会をおかりして今回のシステム構築の過程について紹介しておきたい。今回の情報システムは,「千葉県立博物館情報システム」の第1期システムとして位置づけられている。昭和63年度の基本計画,平成元年度の基本設計,2年度の詳細設計,3年度プログラム設計・製造の各工程を経て,本稿執筆の時点では4年度の運用開始に向けシステムの最終調整の段階にある。次章では,これらの各段階ごとに開発の内容と問題点の整理を行い,3章ではこうした各段階において博物館側で行ったシステム化のための準備作業についてふれ,4章では博物館における情報システムの一実践例として今回のシステムの概略を紹介したい。
著者
笹沼 崇
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.50-55, 2004

公共図書館は,蔵書を中心とした情報提供を行うことにとどまらず,様々な情報発信拠点としても施設を活用することにより,市民の情報活動を活性化させ,それを市の活性化にも繋げることができる。こうした考えに基づいた,茨城県結城市の図書館情報サービス計画と,図書館システムの概要を紹介する。
著者
増田 幸子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.396-401, 1998-07-01 (Released:2017-05-25)
参考文献数
4

カナダにおいてメディア・リテラシーが学校教育にどのように導入・展開され, 実践されているのかを, オンタリオ州の例を中心に紹介する。始めに, 市民組織によるメディア・リテラシーの取り組みと公教育への働きかけを歴史的に概観し, 次に, オンタリオ州の小学・中学校のカリキュラムの例や, 教師用指導書・教科書の中の学習活動例に触れ, その実践について述べる。