著者
長谷川 誠 和田 信昭 井上 孝志 安原 洋 仲 秀司 黒田 敏彦 野尻 亨 新川 弘樹 藤田 尚久 古谷 嘉隆
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.852-857, 2000-04-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
28
被引用文献数
5 13

1986年5月から1999年6月までの14年1ヵ月間に,当院に来院した経肛門的直腸内異物症9例と,本邦報告例55例について臨床的検討を加えた. 患者年齢は最小年齢15歳から最高年齢43歳で,平均年齢は29.6歳,性別では男性が7人,女性が2人であった.主訴では異物が7人,腹痛が2人で,来院する患者の中には異物挿入の事実を隠している場合もしばしば認められた.原因としては性的行為に関係している症例が8例と最も多かった.そのため患者は羞恥心から夜間当直帯に来院することが多かった.また繰り返し経肛門的直腸内異物で来院する症例も2例認められた.摘出は穿孔性腹膜炎を発生していた1例を除き経肛門的に摘出された.異物の種類ではスプレー缶2例,ハンガー・針金2例,試験管1例,瓶1例,バイブレーター1例,キセル1例,鉛筆1例,お菓子の容器1例となっていた.
著者
井上 孝夫
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.223-227, 2005-02-28

東北地方を中心に行なわれている民俗芸能・鹿踊り(ないしは,獅子踊り)の起源については,これまでいくつかの説が唱えられてきた。そのなかで,マタギ起源説はマタギ集落と伝承地が一致しないため,説得力に乏しい。世上流布しているのは人間による鹿の模倣説で,宮沢賢治の「鹿踊りのはじまり」に依拠して語られることが多い。これに対して,本稿は鹿踊りは製鉄の民俗の一種であることを主張する。そして畠山重忠と日蓮の関連性から,宮沢賢治説の表層性(あるいは,非土俗性)と限界性を指摘する。
著者
高寺 恒慈 三宅 義明 平光 正典 井上 孝司 片桐 孝夫
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成22年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.176, 2010 (Released:2010-08-27)

【目的】レモン果汁に豊富に含まれる有機酸は、ミネラル類をキレート化して、生体内での吸収を促進することが知られている。そこで、本研究では、レモン果汁が、高硬度ミネラルウォーター中に含まれるカルシウム及びマグネシウムの吸収に及ぼす影響について検討した。 【方法】試料として、カルシウム464ppm及びマグネシウム87ppmをそれぞれ含む市販のミネラルウォーターと、クエン酸を7%含む市販のレモン果汁製品を用いた。試験管試験では、人工腸液(80mMリン酸緩衝液、pH6.8)とレモン果汁を3%(v/v)添加したミネラルウォーターを混合したときのカルシウム及びマグネシウムの可溶化率を測定した。動物試験では、9週齢の雄性wistarラットを8時間絶食させ、レモン果汁を3%(v/v)添加したミネラルウォーターを25ml/kg体重で経口投与した後、16時間採尿して、尿中のカルシウム及びマグネシウム濃度を測定した。 【結果】試験管試験において、レモン果汁添加ミネラルウォーター中のカルシウム及びマグネシウムの可溶化率は、レモン果汁無添加の場合と比較して、共に有意に高値を示した。また、動物試験においても、レモン果汁添加ミネラルウォーターの投与は、レモン果汁無添加投与と比較して、クレアチニン補正した尿中カルシウム及びマグネシウム濃度を共に有意に増加させた。以上のことより、レモン果汁は高硬度ミネラルウォーター中のミネラル吸収を促進させることが示唆された。
著者
藤田 節子 平田 泰子 戸塚 隆哉 井上 孝 山﨑 久道
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.108-114, 2022-03-01 (Released:2022-03-01)

書籍の巻末索引は,重要であるにもかかわらず,「本の飾り」くらいにしか思われていない傾向がある。INFOSTA分類/シソーラス/Indexing部会では,この巻末索引についての研究の一環として,一般向け書籍3冊を選び,メンバーで分担して索引作業を実施し,その結果を共有して議論した。2冊については,語による索引を付与し,1冊については,段落ごとにUDC(国際十進分類法)の分類番号を振ることにした。その結果,索引における索引語の選択基準や索引語と本文中の語との関係などの多岐にわたる問題について,検討することとなり,一定の知見が得られた。この知見は,書籍の索引を作成する場合はもとより,論文などの索引付けや文献データベースの索引部分の設計にあたっても,参考にできる。
著者
井上 孝 長田 孝治 石崎 俊
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.666-672, 2015-12-01 (Released:2015-12-01)
参考文献数
4

国際標準化機構(ISO)では用語や言語資源の標準化を担当するTC 37において翻訳・通訳関連規格の制定作業を行っており,その一環として翻訳サービスの品質保証に関するISO 17100規格が最近制定された。この規格は翻訳サービスの品質を確保するために翻訳サービス提供者が満たすべき要件を規定するもので,翻訳案件を1つのプロジェクトと見なし,仕様書に従って適切なプロジェクト管理のもとで遂行することを基本としている。本稿では同規格の内容を紹介するとともに,規格制定を主導したヨーロッパと日本との事情の相違など,今後の普及・発展に必要と考えられる問題点についても触れる。
著者
後藤 仁敏 井上 孝二
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.667-688, 1979 (Released:2011-08-10)
参考文献数
46
被引用文献数
1 1

西アフリカのマリ共和国において, 新生代第三紀始新世の地層から発見された, 化石全骨魚類のピクノドゥス類に属する魚の鋤骨一口蓋骨歯について, 歯の形態と配列状態に関する肉眼的観察, 研磨標本の光学顕微鏡的観察, マイクロラジオグラフィー, 走査電子顕微鏡的観察, および粉末試料のX線回折などの方法により, 歯を構成する硬組織の性質を検索した。鋤骨一口蓋骨の下面に歯はトウモロコシ状に, かなり不規則ではあるが11の歯列をなして配列している。歯の硬組織は, おもにリン灰石からなる鉱物質によって構成され, 厚い外層 (エナメル質) とその下の薄い内層 (象牙質) からなり, 内層は歯の辺縁部で下方に細長く突出しており, 本来の歯髄腔は骨組織によってみたされている。歯の外層は, X線透過度の低い高度に石灰化した硬組織で, 内層から連続する細管によって貫かれ, 深層部では叢状に密に交錯する結晶の束からなるが, 表層部では結晶が歯表に直角方向に平行に配列する状態に移行している。酸で脱灰すると外層の硬組織は溶解消失するが, 細管構造は残存してヘマトキシリンに染色される。歯の内層は, X線透過度の比較的高い層で, 脱灰標本ではヘマトキシリンに染色され, 象牙細管の存在する領域と, その周囲をとりまく線維骨様組織から構成されており, 前者の直下には分断された小さな歯髄腔が存在しているが, 後者は本来の歯髄腔をみたす骨組織に移行している。歯の外層と内層との境界は明瞭であるが, 歯の内層と周囲の骨組織とは移行的で, 歯は骨組織と骨性結合により固く支持されている。このような歯の配列状態, 組織構造, 支持様式は, この魚がピクノドゥス類のなかでも, 有殻軟体動物食に著しく適応した仲間であったことを, 示すものである。
著者
井上 孝 森本 健弘
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.479-492, 1991

This study examined how population density and agricultural land productivity in a metropolitan area varied spatially by discussing the case of the Kanto district. A mathematical model was presented for describing the relationship of these two values. Population density values were calculated from grid-cell data of the population census of 1980. Values of agricultural land productivity were represented by agricultural income per hectare estimated from grid-cell data of the agricultural census of 1980. Figure 3 shows distribution of these values.We attempted to find the complicated spatial patterns of these values by analyzing the covariation of them in two aspects: the covariation with distance from the city center (Fig. 4) and with azimuth angle in distance belts (Fig. 5).The facts that we found are summarized as follows:The covariation with distance showed a tendency to correlate positively in the inside range of 35km and showed a tendency to correlate negatively in the outside range of 35km, except the non-agricultural city core and the mountainous area beyond 95km.The variation with azimuth angle, both of density and of productivity, consisted of long waves and short waves. The long waves of density and productivity showed similar curves. By contrast, the short waves of them showed inverse curves. This inverse relationship was weaker in the outside range of 35km than the inside.A mathematical model was then presented on the basis of these facts. This model consists of the following two parts:1) The covariation with distanceThe following formulation describes the covariation of population density fP and agricultural land productivity fA with distance. Equation (1) shows the productivity fA (r, p) at a place where distance from the edge of the city center is r and deviation of density is p. Variables fA (r, p), gA (r), and hA (p) in (1) correspond to curves FA, G, and H in Figure 6 respectively. The variable gA (r) is a component declining exponentially with distance r; gA (r)>0 and (d/dr) gA (r)<0 for r>0. The variable hA (r) is a component increasing with decreasing deviation p; (d/dp) hA (p)<0; hA (p)≈0 at p=0. Let fP(r) be the population density at distance r and fP be the mean value of fP(r) with respect to overall r, we get p=fP(r)-fP and (d/dr)fP(r)<0. Thus hA (p) becomes a function of r and (d/dr)hA(p(r)) becomes positive. Let r0 be a constant distance, the relationship between gA (r) and hA (p) is given by inequalities (2) and (3).2) The covariation with azimuth angleThe following formulation describes the covariation of population density up and agricultural land productivity uA, with azimuth angle in a specific distance belt Both uP and uA are standardized values with respect to overall angle in the distance belt. The density uP(θ) at angle θ can be written in equation (4). Variables uP(θ) and vP(θ) in (4) correspond to curves UP and VP in Figure 7 respectively. The variable vP(θ) is a component representing long periodic variation; vP(θ+λ1)=vP(θ) for a constant λ1(>0)
著者
井上 孝夫
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.171-178, 2004-02-28

「壬申の乱に敗れたのち,大友皇子は房総の地に逃げ延びた」という房総・弘文天皇伝説は,房総の伝説のなかでも傑出したものの一つである。このような伝説が成立した背景には,この地域が古代の製鉄民族,多(オオ)氏の支配地域だったことと関連していて,大友皇子のゆかりの人々がオオ氏を頼りに房総に移住したと考えるのが最も理にかなっている。それはまた,「田原」地名の分布にはっきりと刻印されている。田原とはタタラであり,製鉄が行なわれていたことを示しているのである。だが古代の末期から中世にかけて熊野修験道が流入し,その結果,オオ氏の祀っていた田原神は白山神へと姿を変えた。これが,現在の白山神社(君津市俵田)に物理姫と弘文天皇が祀られている理由である。
著者
井上 孝夫
出版者
千葉大学大学院社会文化科学研究科
雑誌
千葉大学社会文化科学研究 (ISSN:13428403)
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-9, 2006-03

山口県山陽小野田市厚狭に伝わる「三年寝太郎」伝説の深層には何があるのか。文献や寺社由来などを溯ってその始原の姿を検討していくと、そこからみえてきたものは、「寝る」こととは全く無関係な、妙見(北極星)信仰とのかかわりであった。寝太郎とはすなわち、子(ね)太郎であって、子の星(妙見)を意味する。そして妙見信仰はタタラと結びつく。寝太郎とは、妙見を信仰する製鉄民だったのである。
著者
井上 孝
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.87-100, 2018 (Released:2018-04-13)
参考文献数
44
被引用文献数
5

筆者は,2015年6月に「全国小地域別将来人口推計システム」の試用版を公開した.このシステムは,小地域(町丁・字)別の長期(2015~2060年)にわたる日本全国の推計人口(男女5歳階級別)を,初めてウェブ上に公開したものである.システム構築にあたっては,小地域の人口統計指標を平滑化する新たな手法を提案した.その後,本システムにはさまざまな改良が加えられ,2016年7月に正規版が公開されるに至った.本稿では,まずこのシステム開発の経緯に言及したあと,システムの理論面の根幹である,新しい平滑化法の概要を述べる.つづいて,推計方法と推計精度を中心に本システムの概要を述べたあと,その操作方法について解説し,最後にむすびに代えて今後の展望を示す.
著者
新川 弘樹 井上 孝志 藤田 尚久 野尻 亨 古谷 嘉隆 黒田 敏彦 仲 秀司 安原 洋 和田 信昭
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.59-63, 2001 (Released:2011-06-08)
参考文献数
18
被引用文献数
3 3

V-P (脳室・腹腔) しゃんとの腹腔側ちゅーぶが直腸に穿通し, 肛門より脱出した稀有な1例を経験したので報告する. 症例は74歳の男性. 他院で脳内出血後の正常圧水頭症に対し, V-Pしゃんとを施行された. 10か月後, 髄膜炎で当院脳外科に入院, 抗生物質投与により軽快していた. 入院3か月後, 肛門よりしゃんとちゅーぶが脱出しているのを発見され, 当科紹介となった. 腹部には圧痛, 腹膜刺激症状を認めず, 白血球数6,400/mm3, CRP1.9mg/dlと炎症反応は軽度で, がすとろぐらふぃん ®による注腸造影X線検査で造影剤の漏出は認めなかった. 大腸内視鏡検査ではちゅーぶは肛門縁から10cmの直腸右側壁を穿通していた. 腹膜炎所見がないことから, 経肛門的にちゅーぶを抜去した. 1週間後の注腸検査で造影剤の漏出がないことを確認し, 経口摂取を再開した. V-Pしゃんとちゅーぶの消化管穿通はまれであるが, 注意すべき合併症の1つと考えられた.
著者
井上 孝祐 上原 進 小紫 公也 荒川 義博
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.54, no.627, pp.168-174, 2006 (Released:2006-05-19)
参考文献数
20
被引用文献数
1 4

An experimental study on the energy conversion process of a continuous wave (CW) laser thruster is presented. The effect of the flow parameters on two dominant loss mechanisms of a CW laser thruster was investigated by using a CW CO2 laser with output power of 700W. The laser transmission and radiation from the laser sustained-plasma (LSP) were measured for several flow velocities and pressures, which were independently controlled. CCD camera was employed in order to observe the shape and position of the LSPs. We found that the energy conversion process is optimized when the LSP is in the vicinity of the focal point of the condensing laser beam.
著者
井上 孝司
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.907, pp.92-99, 2019-09
著者
井上 孝司
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.778, pp.64-67, 2019-07

2件の事故は経緯がよく似ている。「ボーイング(Boeing)737」旅客機の最新シリーズ「737MAX」で導入されたMCAS(Maneuvering Characteristics Augmentation System、操縦性補正システム)が事故原因に関係するのでは、と1件目の墜落事故の直後から取り沙汰されていた(表)。…
著者
新川 弘樹 井上 孝志 藤田 尚久 野尻 亨 古谷 嘉隆 黒田 敏彦 仲 秀司 安原 洋 和田 信昭
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.59-63, 2001
被引用文献数
3

V-P (脳室・腹腔) しゃんとの腹腔側ちゅーぶが直腸に穿通し, 肛門より脱出した稀有な1例を経験したので報告する. 症例は74歳の男性. 他院で脳内出血後の正常圧水頭症に対し, V-Pしゃんとを施行された. 10か月後, 髄膜炎で当院脳外科に入院, 抗生物質投与により軽快していた. 入院3か月後, 肛門よりしゃんとちゅーぶが脱出しているのを発見され, 当科紹介となった. 腹部には圧痛, 腹膜刺激症状を認めず, 白血球数6,400/mm<SUP>3</SUP>, CRP1.9mg/dlと炎症反応は軽度で, がすとろぐらふぃん <SUP>&reg;</SUP>による注腸造影X線検査で造影剤の漏出は認めなかった. 大腸内視鏡検査ではちゅーぶは肛門縁から10cmの直腸右側壁を穿通していた. 腹膜炎所見がないことから, 経肛門的にちゅーぶを抜去した. 1週間後の注腸検査で造影剤の漏出がないことを確認し, 経口摂取を再開した. V-Pしゃんとちゅーぶの消化管穿通はまれであるが, 注意すべき合併症の1つと考えられた.
著者
井上 孝司
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.891, pp.138-141, 2019-01