著者
永嶋 千夏子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.464-471, 1999
参考文献数
24

日本の労働に関する主な統計について, 慨要, 事例, 統計中の用語, 公表資料等を紹介し, 比較評価することを目的とした。現在の変化する経済動向を背景とし, それに深く関連する雇用関連指標として「毎月勤労統計調査」, 「労働力調査」, 「就業構造基本調査」, 「職業安定業務統計」, 賃金に関しては[賃金構造基本統計調査」, 労働時間統計として「賃金労働時間制度等総合調査」, 労使・労災統計として「労働災害動向調査」, 「労使関係総合調査」を挙げた。現在は, 労働省などでホームページから主な統計をダウンロード出来ることから, 直近の調査結果の入手方法として有効な手段である。ただし時系列でのデ一夕はまだ数少ない。
著者
佐藤 貢司 青木 文男 芝﨑 克一 土田 哲平
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.43-46, 2019-01-01 (Released:2019-01-01)

高齢化社会を迎えた日本においては,就労人口の減少や都市部と地方における地域格差など「人」を中心とした多くの課題がある。食料自給率の低い日本では一次産業は重要な産業であり従事する人の確保のために効率化や高収益化が求められている。近年の漁業においてはマグロなど養殖技術が検討され,高収益化を目指した新たな取り組みもされている。本稿では特許分析を中心とした情報分析を用いて今後の養殖において必要となる技術の推定を試みた。個体判別のための誘導や個体に傷をつけない捕獲技術なども必要であると推定された。
著者
橋間 渉
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.10-15, 2019-01-01 (Released:2019-01-01)

独立系調査会社のサーチャーとして求められる能力は,基本となる特許の情報検索能力のみならず,ヒアリング力や提案力など多岐に渡る。サーチャー育成にあたっては,段階的に経験を積んでもらい,周囲のサーチャーとディスカッションを行い,互いの考えの共有を図っていく。サーチャーのキャリアパスは一義的に決まるものではないと著者は考える。キャリアパスはサーチャー自身の強みを活かせるものが好ましい。クライアントや業界に求められるものが何であるかを捉え,鍛錬し,サーチャー自身がどの様なサーチャーになるのかを思い描く事が,サーチャーのキャリアとなり,組織の総合力に繋がって行く。
著者
南山 泰之
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.1, 2019-01-01 (Released:2019-01-01)

2019年初の特集は「インフォプロのキャリアパス」です。インフォプロの「働き方」や「人材育成」というテーマは,弊誌でも度々特集を組んできており,近年では2016年12月号に「インフォプロの仕事術」,2017年8月号には「図書館の人材育成」について取り上げました。INFOSTA界隈では日常的に使われる言葉であり,インフォプロとはどういう人か,何らかのイメージをお持ちの方も多いと思います。しかしながら,インフォプロは「情報専門家:Information Specialist」とどう違うのでしょうか。また,客観的には何をもって「インフォプロになった」と言えるのでしょうか。INFOSTAでも度々シンポジウム等で議論を重ねておりますが,未だに統一的な見解は生まれていない,と言わざるを得ないようです。しかしながら,Googleの登場,AI技術の進展などを背景に,従来までの検索技術者や図書館員などの役割が変容せざるを得ない中,「インフォプロ」を再定義しその専門性をもって情報を発信することは,今後もインフォプロであり続けるために急務と言えるのではないでしょうか。このような問題意識のもと,今回の特集では従来の「インフォプロのような人」の枠組みだけではなく,より広範な「様々な情報専門職のキャリアパス」という視点から現在の「インフォプロ」の全体像を外延的に素描することを試みています。具体的には,背景の異なる5名の方々:1)サーチャー(アズテック株式会社 橋間渉氏),2)アナリスト(旭化成株式会社 和田玲子氏),3)システムベンダー(あるいはシステム・ライブラリアン)(株式会社ブレインテック 関乃里子氏),4)サブジェクト・ライブラリアン(ミシガン大学 横田カーター啓子氏),5)アーキビスト(アーカイブズ工房 松崎裕子氏),にご執筆をお願いし,ご自身や有識者,あるいは職場でのバラエティに富んだ経験を寄せていただいております。さらに,本特集に合わせた特別企画として,INFOSTA三役による特別座談会の記録を掲載しています。「インフォプロ」について自由に思うことを述べていただいた本座談会は,INFOSTAが推し進めてきた「インフォプロ」の歴史を振り返り,現在を見つめるための一つの材料を提供するものと考えています。本特集が,情報を取り扱う専門職の方々の相互理解や交流を促進し,ポジティブな未来を描くための議論の一助となることを期待します。(会誌編集担当委員:南山泰之(主査),長屋俊,寺島久美子,光森奈美子,稲垣理美)
著者
堀 渡
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.9, pp.397-403, 2015-09-01 (Released:2017-04-13)

公共図書館で資料請求に応える予約サービスは,各館の蔵書蓄積と円滑な図書館間相互貸借がそれを支えている。現在,全国の県立図書館には県内蔵書を一括検索できる横断検索サイトが整備され,他館の所蔵調査が容易になっている。書庫の有限性からどの館でも除籍を日常化していかざるを得ない。除籍か保存かの判断に,他館蔵書を調べ,地域内の希少資料は互いに残し,提供のためタイトル維持を図る考えがある。県内の希少タイトルを集約し残そうとする幾つかの県立図書館の実践に注目したい。東京都多摩地域には市町村立図書館の中にそれをすすめる提案があり,支援するNPO法人の活動がある。NPO法人が研究してきた共同保存図書館の意義と可能性について。
著者
吉本 龍司
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.452-456, 2016

<p>筆者が参加する「ディープライブラリー・プロジェクト」は,専門図書館の横断検索サービス実現に向けて活動してきた。このプロジェクトのコンセプトについて,主に技術的な視点からまとめるとともに,今後の可能性についても提案する。また,近年,専門図書館のアウトリーチの必要性が高まっているが,ウェブサービスを活用したアウトリーチの手法についても,図書館蔵書検索サイト「カーリル」を運営する立場から考察する。</p>
著者
佐藤 翔
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.115-121, 2016

近代の学術コミュニケーションを最も特徴づけているのは査読制度の存在である。しかし増大し続ける研究者数とその生産論文数に,査読制度は対応できておらず,限界を迎えつつある。その結果,従来から存在した,査読者による不正や査読者のバイアス等の問題に加え,近年では査読者の不足,詐称査読,投稿者による不正等の新たな問題が起きている。これらの問題に対応するため,Publons やポータブル査読,オープン査読,査読の質保障等の新たな取り組みが現れている。しかしこれらの延命措置によって査読制度を維持し続けることができるのか否かは現状,未知数である。
著者
青野 正太 余野 桃子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.495-500, 2011-12-01 (Released:2017-04-20)
参考文献数
16

都立中央図書館で行っている,オンラインデータベースやインターネットを活用した利用者へのサポート事業として,1)オンラインデータベースの提供と検索講習会による利用者サービス,2)Eメールを活用したレファレンス事例,3)都・区市町村立図書館間協力レファレンス担当者会およびその担当者会でのアンケート集計結果である「都内公立図書館インターネット等サービス状況」を紹介する。さらに,「都内公立図書館インターネット等サービス状況」については,各自治体の導入するオンラインデータベースを中心に現状分析を行う。
著者
藤本 貴之
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.11, pp.450-456, 2015-11-01 (Released:2017-04-13)

情報をわかりやすく編集し,わかりやすく伝達する技術が注目を集めている。情報肥大化社会となっている今日においては,多くの情報がユーザに届くことなく埋没してしまう。そのため,情報それ自身よりも,「わかりやすさ」や「伝わりやすさ」ということが,その価値と有用性を決定する大きな要素になっている。つまり「情報の量」や「情報の質」よりも,むしろ「情報との関係」が大きな価値を生むようになっているのだ。どんな情報も,それがユーザに理解されず,届かなければ意味がないからだ。「情報との関係」に基づき,情報を分かりやすくするデザインである専門領域「情報デザイン」。本稿では「わかりやすさのデザイン」とも言われる情報デザインについて基本的な部分から解説する。
著者
三原 茂 高場 麻理
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.431-437, 2009
参考文献数
3

読み書き同様,いまや一般的な行動様式の地位を獲得しつつある検索。その用途はインターネットサーチからEコマース,企業内検索まで多岐に亘り,求められる要件も本来様々である。一方,キーワードに依存した結果一覧を検索とするステレオタイプ視されている現実もある。エンタープライズサーチをインフォメーション・アクセスと位置付けるFASTは,従来のステレオタイプ検索から解放されることで,検索が本来の機能を発揮し,「人・物・情報」間をつなぐ基盤として幅広く応用されている多様な実例を紹介する。同時に,エンタープライズサーチが収益向上,業務効率の改善に貢献するためのポイントを解説する。