著者
柳 奈津子 小池 弘人 小板橋 喜久代
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO medical journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.29-35, 2003-02-01
被引用文献数
11 6

【背景・目的】本研究の目的は,呼吸法によるリラックス反応について明らかにすることである.【対象と方法】リラクセーション技法の練習が初めての健常女性79名(実験1:35名,実験2:44名)を対象とした.実験1では,被験者全例が呼吸法を行う実験群と安静のみの対照群の両群を実施した.5分間の呼吸法または安静の実施を実施中とし,実施前後の脈拍,血圧を測定した.実験2では,無作為に22名ずつ実験群と対照群の2群に分け,実施前,実施中,実施後に各3分間の脳波を測定した.【結果】実験群では,実施後に脈拍数は有意に減少したが,対照群では変化はなかった.血圧は両群ともに変化はなかった.α波は,実施後に実験群では増加し,対照群では低下し両群間に有意差が認められた.β波は,実施後に実験群では低下し,対照群では増加したが有意差はなかった.【結論】呼吸法は安静に比べて脈拍数を減少させ,α波を増加させることが明らかとなった.呼吸法は初回練習者でも他のリラクセーション技法と同様の反応が得られると考えられた.
著者
近藤 浩子 牛久保 美津子 吉田 亨 豊村 暁 佐光 恵子 神田 清子 常盤 洋子 堀越 政孝 松崎 奈々子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.31-35, 2016-02-01 (Released:2016-04-05)
参考文献数
6
被引用文献数
3

群馬県内病院看護職の「在宅を見据えた看護活動」の実態把握を目的として質問紙調査を行った. 調査内容はA. 退院後の患者の生活をイメージした看護の提供, B. 地域の社会資源の活用, C. 患者・家族の負担軽減のためのケア方法の簡素化, D. 病状変化を予測した対応, E. 多職種との協働に関する25項目であった. 回答は, 県内11病院の看護職から2,136件が得られた. 調査結果によると, 入院前の生活状況の把握, 本人・家族の希望の把握, サマリーの記載に関しては比較的よく実施され, 実施率が5割を超えていた. しかしながら住居環境の把握や社会資源の把握, 障害認定や介護認定の評価・相談, ケア方法の簡素化, 今後を予測した対応, 多職種との連携はあまり実施されておらず, 実施率が4割以下であった. したがって, これらの視点について総合的に育成していく現任教育プログラムの開発が求められていることが示唆された.
著者
新井 明子 小泉 美佐子 齋藤 喜恵子 滝原 典子 高橋 陽子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.53-58, 2007 (Released:2007-06-13)
参考文献数
8

脳梗塞発症後, 切迫性尿失禁および機能性尿失禁を生じた患者のアセスメントとケアについて報告する. 尿失禁ケアプログラムのアセスメントとして, 3日間の排尿モニタリングを行った結果, 1日排尿回数12~20回, 平均1回排尿量76.3~87.5ml, 1日失禁回数12~18回であり, 脳梗塞後遺症による頻尿に伴う切迫性尿失禁, 機能性尿失禁と把握した. ケア介入として, 抗コリン剤による薬物療法, 看護師による行動療法, リハビリテーションスタッフによるトイレ動作訓練を行った. 日常生活動作 (ADL : activities of daily living) の全般的な回復に加え, 医師, 看護師, 理学療法士, 作業療法士によるリハビリテーションのチームアプローチにより, 排泄動作の改善がみられ, 尿失禁が消失した.
著者
常盤 洋子 矢野 恵子 大和田 信夫 今関 節子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.43-52, 2002-01-01 (Released:2009-10-21)
参考文献数
30

【背景と目的】女性にとって出産期は母親になる危機的移行期ととらえることができ, 出産体験は母親の自尊心や産褥早期の母子相互作用にプラスまたはマイナスに影響する可能性があると考えることができる.多胎児の出産はハイリスクな状態におかれるため, 母子ともに生命の危険にさらされる機会が多く, 母親が出産による心的外傷を受ける危険性が高いことが考えられるが, 双胎児を出産した母親の出産体験の自己評価と母親意識の関係についての実証的研究は少ない.そこで, 本研究では, 双胎児を出産した母親の出産体験の自己評価と産褥早期の母親意識との関係について検討することを目的とした.【対象と方法】調査の対象は, 双胎を出産した母親11名, 初産婦7名, 経産婦4名.不妊治療による双胎7名, 自然双胎は4名である.分娩様式は, 経膣分娩2名, 帝王切開11名である.研究期間は平成11年2月~平成12年8月であった.経膣分娩をした母親は産褥3日目に, 帝王切開分娩の場合は一般状態が安定し, 創部痛の訴えがなくなったことを確認してから面接が実施された.面接内容は出産体験の自己評価と母親意識の2項目について半構成的面接が実施された.具体的には, 出産体験については, 「出産はどうでしたか」, 「あなたの出産体験は点数をつけるとしたら何点ですか」, 「その理由は何ですか」の3項目について面接を行った.母親意識の形成・変容については, 母親になった実感として, 「母親になった実感はどのようなときに感じますか?」, 「母親としての充実感」, 「子どもの養育についての気持ち」, 「子どもの成長についての気持ち」の4項目について面接が実施された.面接の内容はテープに録音し, 逐語録を作成した後, 出産体験の自己評価と母親意識について内容分析を行った.【結果】100点を満点とする母親の自己採点による出産体験の満足度は出産様式による違いは認められず, 個々の理由によるものであることが示された.出産体験の自己評価に影響を及ぼす要因は単胎を出産した母親を対象にした常盤ら (2001) の先行研究の結果と違いはなかった.具体的には妊娠期の健康管理, 分娩方針に関するインフォームドコンセント, 出産に対する満足感, 新生児の健康状態, 出産直後の児への接触, 分娩時・分娩直後の産科医療スタッフの関わりがあげられた.【考察】産褥早期に出産体験を肯定的に評価した母親は双子の育児に積極的に関わる態度が確認された.一方, 出産体験を否定的に受け止めている母親は産褥早期に授乳を拒んだり, 子どもを可愛いと思えないなど母親になる心理過程において専門家の心理的援助を必要とすることが示唆された.
著者
川久保 悦子 内田 陽子 小泉 美佐子
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.499-508, 2011
被引用文献数
1

<B>【目 的】</B> 認知症高齢者に対して「絵画療法プラン」を作成, 実践し, (1) 絵画療法が認知症高齢者にもたらす効果, (2) 認知症高齢者の作品の特徴, (3) 肯定的反応および否定的反応を示した絵画療法の画題, (4) 絵画療法を効果的に進めるための介入方法を明らかにした. <B>【対象・方法】</B> 対象者は, 認知症をもつ年齢65歳以上の高齢者で, 認知症グループホームHを利用し, 調査協力を得た5名である. 3か月間に, 週1回, 60分程度の「絵画療法プラン」を計12回介入した. 評価は内田<sup>1</sup>の認知症ケアのアウトカム評価票, BEHAVE-ADを使用し, 各回の絵画作品の評価も行った. また対象者の反応をカテゴリー分類した. <B>【結 果】</B> 対象者5名すべて女性であり, 年齢は86±5.9歳 (平均±SD), 全員がアルツハイマー病であった. (1) 絵画療法が認知症高齢者にもたらす効果は「周辺症状」,「介護ストレス・疲労の様子」,「趣味・生きがいの実現」,「役割発揮の有無」の改善と,「制作への自主性」や「他人の作品を褒める」などの肯定的な行動や言動をもたらした. (2) 作品は色あざやかで抽象度が高く大胆な構図で, 単純化などの特徴がみられた. (3) 認知症高齢者に肯定的な反応であった画題は「色彩が原色で彩度が高く, 工程が単純, 写実ではなく自由表現をいかした画題」「昔使っていた材料を使った画題」「生活の中で役に立ち, 手芸を取り入れた画題」「色や素材を選択できる画題」であった. (4) 絵画療法には肯定的な言動の反面「できない」という, 相反する感情もあった. <B>【結 語】</B> 絵画療法は, 認知症高齢者の精神活動によい効果をもたらすが, ケア提供者が絵画療法プランを取り入れることで, 認知症高齢者のいきいきとした反応や言動を発見することができる. 介入により新たに発見したことをアセスメントし, 認知症高齢者ができることを促すようなケアを行うことが求められる. 落ち着いた環境を整え, 画題と介入方法を考慮する必要がある.
著者
Uchida Yoko
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.23-29, 2012

Objectiye: To validate the Outcome and Assessment Scale for Dementia Care (OASDC) by comparisonwith the Multidimensional Observation Scale for Elderly Subjects (MOSES). Methods: The targetswere 126 Jap anese nurses, together with 126 of their demented patients. The self- administered question-naire asked the nurses about the condition of their patients. The questionnaire consisted of 20 OASDCitems, including the base attributes of the nurses and their patients, and 40 MOSES items. OASDC wassubjected to a factor analysis and the correlations between OASDC and MOSES were explored.Results: The factor analysis revealed that OASDC had 5 factors : Self-care; Tranquility; Social role;Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia (BPSD),; and Caregiver and the cumulativecontribution ratio of all five factors was 63.196. There was a significant correlation between OASDCand MOSES except for the items of care factors (r=O.201 to O.926, p<O.05). Conclusion : The evalua-tion almost completely secured the validity of the construct validity and contemporary validity of theOASDC.
著者
下平 きみ子 伊藤 まゆみ
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.31-40, 2012
被引用文献数
2

<B>【目 的】</B> 一般病院で身体的治療を受ける認知症高齢者のケアを担う看護師への教育研修実施のための教育ニーズの把握と教育プログラム内容の抽出をする. <B>【対象と方法】</B> 急性期治療を行う2病院の整形外科病棟の看護師, 各6名に, フォーカス・グループインタビューを行い, 逐語録からデータを質的帰納的に分析した. <B>【結 果】</B> 「認知症高齢者のケアの困難」から8カテゴリ,「認知症高齢者のケアで心がけていること」から5カテゴリ,「教育研修について希望すること」から4カテゴリが抽出された. <B>【結 語】</B> 教育ニーズとしては, (1)認知症高齢者の状態の理解, (2)BPSD・危険行動の理解, (3)せん妄の理解, (4)認知症高齢者の世界の理解, (5)急性期病棟での具体的事例を用いて認知症高齢者のケア方法の理解, 教育プログラム内容は, (1)認知症の疾患・治療, (2)認知症高齢者の理解とアセスメントツール, (3)BPSD・危険行動の行動分析と介入の実際, (4)せん妄とその対応, (5)認知症患者の言動の意味, (6)認知症高齢者との関わり方, (7)認知症患者とのコミュニケーション, (8)急性期病棟での事例を通した看護過程の展開, が抽出された.
著者
Shinozaki Tetsuya Fukuda Toshio Watanabe Hideomi Takagishi Kenji
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO medical journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.147-151, 2004-05-01
被引用文献数
1 8

A seventeen-year-old boy was referred to our hospital, complaining of continuous pain of his left wrist joint. Plain roentgenogram showed an osteolytic lesion at the distal end of the radius. An operation in which the tumor was curetted was performed suspecting giant cell tumor. Pathological diagnosis was of a giant cell tumor. One month after the operation, radiological findings showed local recurrence with an expanded lysis. Wide resection of this tumor followed by a vascularized fibular graft was performed. Six months after the second operation, soft part swelling suggesting local recurrence was again prominent. Upper arm amputation was performed because of the bad local condition. The pathological diagnosis of these operative specimens was of giant cell tumor similar to that of the initial specimen. Multiple metastases appeared eight months after the third operation. In spite of intensive treatment, the patient died of respiratory failure. Autopsy revealed that pathological features from metastatic specimens were similar to those of osteosarcoma, not giant cell tumor. When we encounter patients presenting with a giant cell tumor, especially when they are younger than the age at which such lesions usually occur, we should bear in mind the possibility of an osteosarcoma and perform intensive chemotherapy and surgery.
著者
吉田 久美子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.119-120, 2009-02-01 (Released:2009-03-13)
参考文献数
10
著者
浅野 美智留 森 淑江 戸塚 規子 横川 裕美子
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.377-384, 2002

【背景と目的】青年海外協力隊経験者の8~9割は再参加を希望するが, 帰国後の還元に関する一連の研究は進んでいない.ゆえに看護職の場合の課題を明らかにすることを目的とした.【対象と方法】協力隊帰国看護職397名に対し, 「再参加の希望」「希望理由」「障害」について郵送式質問紙から得られた回答を意味のある文に区切ってコード化し, 類似するコードごとにカテゴリー化して分析した.【結果】再参加希望者は多いが(289名・72.8%), 障害なしは14名(3.5%)だけであった.再参加希望の理由, 障害は, 1.一番多い理由は自己実現, 2.理由と障害の両方に「専門」と「語学」が挙がる, 3.障害は「家族」「自己」の個人的問題, であった.【結語】他職種と同じく再参加を希望しているが, 再参加者は少なく, 障害に「家族」や「健康」などの個人的問題がある, という女性の多い職種の特徴が浮かび上がった.
著者
武居 明美 伊藤 民代 狩野 太郎 小野関 仁子 前田 三枝子 堤 荘一 浅尾 高行 桑野 博行 神田 清子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.133-139, 2005 (Released:2006-07-07)
参考文献数
31
被引用文献数
5 1 6

【背景と目的】 外来化学療法を施行しているがん患者の不安を把握する目的で調査を行なった. 【対象と方法】 A病院外来点滴センターに通院中で同意の得られた男性33名女性48名, 平均年齢58.6±10.0歳の81名を対象とし, STAI質問紙を用いて調査した. 【結果】 不安得点は男性より女性が高く, 非乳がん患者より乳がん患者が, 60歳以上より60歳未満が有意に高かった. また診断からの年数では, 1年未満より1年以上が, PSが良い者より悪い者が高かった. 【結論】 外来で化学療法を受けているがん患者は正常成人と比較し, 状態不安得点が高かった. 不安得点が高くなる要因として, 5つの項目が明らかになった. 今後は不安内容を特定すること, 不安得点が高くなる要因がある患者への優先的な援助, 実践的援助法をシステム化してスムーズに対応していくことが課題である.
著者
辻村 弘美
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO medical journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.129-136, 2006-05-01

【目的】中国で整体看護普及のために看護過程学習会を開催し,その理解度や関心度などを検討した.【方法】河北省唐山市の病院で働く,臨床経験5年以上の看護師23名を対象に,質問紙調査を行った.【結果】講義内容の項目の中で最も理解度が高かったのは,「看護過程の5段階」で23名中18名(78.3%)であり,「臨床で活用できる」と回答したのは16名(69.6%)であった.「看護診断」と「情報関連図」に関しては最も理解度が低かった.また,「臨床で看護過程を用いることの利点」に関しては16名(69.6%)が良く理解できたと回答しているものの,「臨床で活用できる」と回答したのは5名(21.7%)だけであった.【結語】看護過程の概論的なことは理解できていても,実際に看護過程を事例に展開することは困難である.
著者
常盤 洋子 國清 恭子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.295-302, 2006 (Released:2006-12-26)
参考文献数
54

【目 的】 文献研究により, 出産体験の自己評価に関する研究の現状と課題を明らかにし, 出産体験の自己評価に関する研究に有効な変数を得ることを目的とする. 【研究方法】 1960年~2001年までの論文を対象に, "childbirth experience", "self evaluation", "scale" をキーワードにして, CINAHL, MedLine, 医学中央雑誌を中心に検索した. 【結 果】 131論文が検出され, 出産体験の自己評価について記述がなされ, 学術論文の形式が整っている47論文を選んで概観した. 出産体験の臨床的意義が明らかにされ, 出産体験の自己評価のアセスメントに有効な産科的, 心理・社会的変数が抽出された. 【結 論】 今後の研究の課題と方向性について, 以下, 3つの視点を明らかにした. (1)分娩経過の正常・異常による出産体験のとらえ方の相違を比較できる大きいサンプルによる調査の必要性, (2)出産体験の自己評価と産後の心理的健康 (例えば, 産後うつ傾向, 自尊感情) との関連についての実証的研究の必要性, (3)出産体験の再構築と意味づけに関する実践的研究の必要性が示唆された.
著者
高井 良樹 飯野 佑一 堀口 淳
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.255-258, 2009-08-01 (Released:2009-09-11)
参考文献数
6
被引用文献数
1

Mondor病は乳房およびその周囲の前胸壁に多く認められる浅在性の血栓性静脈炎で, 比較的まれな良性疾患である. 当院で3年10ヶ月の間に経験した41例のMondor病症例について検討した. 男女比は1 : 40. 年齢は26~73歳 (平均43.5歳) であった. 発生部位は右 : 左=14 : 27で左に多く, 上腹部から乳房部を経て腋窩に至る部に分布していた. 原因は35例 (85.4%) が特発性であった. 4例は乳癌手術の既往 (術後2ヶ月~ 2年4ヶ月) があり, 1例は乳腺生検後20日, 1例は授乳中であった. 症状は前胸壁皮膚の有痛性の索状物や皮膚陥凹である. ほとんどの症例は経過観察のみで1 ~ 2ヶ月で自然治癒した. Mondor病の診療で大切なのはこの病気について正しい知識を持ち, 他の乳腺疾患を否定することである.