出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.67-69, 2017-02-01 (Released:2017-04-05)
著者
飯田 智恵
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.395-403, 2011-08-01 (Released:2011-09-13)
参考文献数
26

【目 的】 豪雪地域の居宅高齢者の日常生活における身体活動量の季節変動を明らかにすることを目的とした. 【対象と方法】 2008年からの1年間, 月毎に7日, 豪雪地域に居住する健常高齢者5名に歩数計を装着してもらい, 歩数と活動時間, 対象者が書いた生活日誌の内容を分析した. 研究目的, 方法, 匿名性, 研究協力への自由意思について説明し, 同意を得た. 【結 果】 対象者の内2名は春季から秋季にかけて歩数と活動時間が多く, 冬季は少なかった. 残りの3名にこれらの季節変動はみられなかった. 【結 語】 季節変動がみられた者の日誌には, 歩数目標の設定と自己評価, 目標を達成するための工夫が表現されており, 身体活動量の季節変動には積極的な自己管理態度や行動特性が影響しているものと考えられた. 冬季には活動量の維持が困難であることから, 豪雪地域においては冬季の不利な気象条件による影響が低減されるような活動場所と機会の整備が求められる.
著者
田端 洋太 前田 昇三
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.97-100, 2022-02-01 (Released:2022-03-18)
参考文献数
9

母乳栄養児における難治性湿疹で,食物アレルギーの疑いで紹介されるケースの中に亜鉛欠乏症が存在する.今回我々は亜鉛欠乏症の3兄弟例を経験した.第1子は生後4カ月時に低亜鉛母乳による亜鉛欠乏症と診断治療し,第2子は早期に対応できた.しかし,第3子は家族歴の申告についての指導不足により食物アレルギーの疑いで紹介となった.亜鉛欠乏による皮疹の存在を周知する必要性と兄弟例に対する指導の大切さを痛感させられた.
著者
小池 彩乃 内田 陽子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.91-95, 2022-02-01 (Released:2022-03-18)
参考文献数
12

対象者はA氏,80歳代,女性,要介護1.独居で生活しているが,火の不始末が心配,緊急連絡先への連絡や来訪者の把握が難しいなどの不安を感じていた.そこで,A氏の目に留まりやすくニーズに合わせたデザインのポスターを生活空間に導入した支援を行った結果,安心感をもたらした.その要因として,①A氏の居住空間・動線・目線に合わせたポスターの掲示,②A氏の好むデザインの選択が考えられた.この症例は多くの独居高齢者にも活用できると考えたため報告する.
著者
大嶋 清宏 村田 将人 神戸 将彦 中島 潤 澤田 悠輔 一色 雄太 市川 優美 福島 一憲 荒巻 裕斗 小和瀬 桂子 田村 遵一
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.215-221, 2020-08-01 (Released:2020-09-03)
参考文献数
29

【目 的】 群馬大学医学部附属病院救急科で入院加療を行ったスキー・スノーボード外傷症例の実情を調査すること.【対象及び方法】 2002年1月~2018年12月までに当院救急科へ入院したスキー・スノーボード外傷を対象とし,損傷部位,来院時重症度や入院後経過を検討した.【結 果】 上記期間に当院救急科へ入院した5,448例中,対象症例は23例(0.42%)で,年齢27歳(中央値),男女比18:5,スキー外傷8例(35%),スノーボード外傷15例(65%)だった.受傷部位については,頭部・頸部7例,顔面2例,胸部8例,腹部・骨盤内臓器14例,四肢・骨盤8例(重複あり)で,腹部・骨盤内臓器損傷が最多だった.外傷重症度の指標であるrevised trauma score,injury severity scoreおよび予測生存率の中央値はそれぞれ7.8408,9,および0.9942であった.来院時ショック状態だったのは1例のみで,4例に手術あるいは経カテーテル的動脈塞栓術等の緊急処置が行われた.入院期間は6.0日(中央値)で,全例が軽快退院あるいは転院した.【結 語】 スキー・スノーボード外傷は受傷機転から重症となる場合もあり,必要に応じ適切な医療機関での加療が求められる.
著者
久保田 豊子 前田 三枝子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.11-12, 2003

終末期においては, 患者と家族が苦痛から開放され, 人生の最後の瞬間までその人らしさを維持していくことが大切である.今回, "最後まで患者を支える" ことを看護方針にして関わった終末期の事例から, 看護師が果たすべき役割が示唆されたので報告する.
著者
三枝 里江 戸部 賢 高澤 知規 麻生 知寿 齋藤 繁
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.199-206, 2020-08-01 (Released:2020-09-03)
参考文献数
23

【目 的】 上州,上越地方では古くから山岳信仰が盛んであり,多くの修験者や行者が活動していた.その足跡を山中の遺跡や古文書で解析することは地域住民の医学・保健学的認識を理解することに有効と考えられる.【方 法】 群馬県内の修験者・行者の活動拠点を踏査し,信仰対象とされた山体に設置された石碑や,参道の遺物,山麓修験道寺院の収蔵書を検証した.また貴重な記録物である「伝法十二法」から医学・保健学に関連する記述を抽出し,現代医学の観点から解析した.【成 績】 群馬県内の多くの山頂に山岳信仰に基づく石碑が設置されていた.本山修験宗長見寺収蔵書には医学・薬学に関する古文書も含まれていた.「伝法十二巻」には医学,保健衛生に関する記述が16項目あり,創傷や熱傷治癒,咽喉頭異物除去など治療的観点に立つもの,感染症や身体的不都合を惹起するもの,懐妊・避妊・堕胎など産科的なものなどが含まれていた.【考 察】 北関東地域では山岳信仰が根付いており,地域住民の健康観に影響を与えているものと想定された.
著者
大塚 敏之 高木 均 豊田 満夫 堀口 昇男 市川 武 佐藤 賢 高山 尚 大和田 進 徳峰 雅彦 堤 裕史 須納瀬 豊 新井 弘隆 下田 隆也 森 昌朋
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.517-522, 2000-11-01 (Released:2009-10-15)
参考文献数
11

マイクロ波やラジオ波を用いた凝固療法は肝癌に対する局所療法として広く行われるようになってきた.今回, 我々はマイクロ波やラジオ波による凝固効果を, イヌ及びブタを全身麻酔下に開腹した後肝臓にそれぞれの電極針を穿刺し通電することにより検討した.イヌを用いた実験では, 肉眼的にAZWELL社製マイクロ波, RITA社製ラジオ波及びBOSTON社製ラジオ波で凝固範囲が異なった.組織学的には, いずれも辺縁部に直後では出血を, 5日後では肉芽組織の形成が認められ明らかな差はなかった.ブタを用いた実験では, RITA社製ラジオ波のみの解析であるが, 組織学的に通電直後と6時間後では辺縁部に出血が見られ, 7日後では辺縁部に肉芽組織の形成が認められた.また, 通電時間による凝固範囲内の組織学的所見には差がなかった.したがって, 生体において, マイクロ波とラジオ波ともに良好な凝固効果が得られると考えられた.
著者
白石 卓也 竹島 太郎 小谷 和彦
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO Medical Journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.207-211, 2017

<b>目 的:</b>ミネラルの豊富な温泉水を飲む飲泉は温泉療法のひとつである. 群馬県上野村にあるしおじの湯の温泉水はケイ酸を豊富に含んでいるため, 健康保持・増進に寄与すると思われて地域住民に飲用されている. そこで, この飲泉による健康関連指標に関する調査を行い, その効果について検証した.<br><b>方 法:</b>飲泉習慣のない成人に対して飲泉試験への参加を公募した後, 飲泉群 (80名) と飲泉しない対照群 (31名) で比較検討した. 飲泉群は, しおじの湯の温泉水500 mLを, 4週間に渡って1日3回 (食間) の頻度で飲用した. 飲泉期間前後で自己記入式質問票ならびにGastrointestinal Symptom Rating Scale (日本語版) を用いて健康関連指標の変化について評価した. 対照群にも飲泉群と同様に調査した.<br><b>結 果:</b>飲泉群と対照群を比較したところ, 飲泉群には脱毛および便臭で有意なスコアの改善がみられた.<br><b>結 語:</b>ケイ酸を含む温泉水 (しおじの湯) の飲泉は, 脱毛や便臭のような健康改善に寄与する可能性はあるが, これは予備試験の結果に過ぎず, ランダム化比較試験を行ってさらに検討していきたい.
著者
高田 恵子 森 淑江 辻村 弘美 宮越 幸代 栗原 千絵子 長嶺 めぐみ
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.31-40, 2010-02-01 (Released:2010-03-17)
参考文献数
11

【目 的】 国際看護協力を行う際の問題点の一つとして, 派遣された国における看護に関する考え方や看護技術の日本との違いが挙げられる. 開発途上国に対する効果的な看護協力のために, ラオスで活動した青年海外協力隊看護職隊員の面接調査と活動報告書を分析し, 看護の差異を明らかにすることを目的とする. 【方 法】 看護職隊員14名の活動報告書, 5名の隊員に面接調査を実施し, 作成された逐語録から日本と異なる看護に関する記述を抽出し,「看護技術/助産技術到達目標」(厚生労働省2003) を参考に分類した. 【結 果】 日本と異なる看護の記述は「感染予防の技術」,「症状・生態機能管理技術」,「与薬の技術」に関する内容が多く, 患者の身の回りの世話は家族が行っていた. 助産技術は分娩期, 妊娠期についての記述が多かった. 【結 語】 ラオスと日本の看護の違いが明確化された. それらは, 今後の国際看護協力活動において多大に寄与するものと考える.
著者
佐藤 江奈 菅谷 知明 岩村 佳世 長谷川 信 田澤 昌之 和田 直樹
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.193-198, 2020-08-01 (Released:2020-09-03)
参考文献数
22

【目 的】 変形性股関節症患者の術前後の関節可動域および筋力について明らかにすること.【対象と方法】 後外側進入法により人工股関節全置換術を施行した14名を対象とし,股関節周囲の関節可動域(ROM)および筋力を術前,術後1週,術後2週で測定した.術側と非術側の比較は対応のある差の検定を行い,術前から術後2週の変化については分散分析および多重比較を行った.【結 果】 術前ROMでは股関節内転以外は非術側に対して術側が有意に低かったが,術後2週では有意な差はなかった.術側の股関節外転ROMは,術後有意に改善した.筋力は非術側に対して術側が術前,術後2週ともに低かった.術側の股関節屈曲,伸展筋力は術後1週で有意に低下し,術後2週で有意に改善した.【結 語】 術側ROMは術後2週で非術側程度に改善した.術側筋力は術後2週で術前レベルに回復するが,非術側に比べて有意に低かった.術後1週の筋力は,術前よりも低下していることを考慮し,理学療法介入をするべきである.
著者
柳田 眞有 大野 洋一 山上 徹也
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.141-147, 2015-05-01 (Released:2015-06-24)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

背景・目的:簡便に実施でき, 要介護状態に陥ることの予防に有用な姿勢評価法を検討した.対象と方法:地域在住の健常高齢者42名を対象に, (1)円背指数, (2)occiput-to-wall distance (OWD), (3)観察による姿勢評価の3つの簡易姿勢評価と, 身体・生活状況のアンケートを実施した.結 果:各姿勢評価は相互に軽~中等度の有意な相関を認めた ((1)-(2) : ρ=0.527, p=0.000, (2)-(3) : ρ=0.315, p=0.042, (1)-(3) : ρ=0.416, p=0.006). アンケートの「整形疾患」,「骨粗鬆症」の該当者は非該当者と比較して各姿勢評価で有意に後弯が強いことを示す値であった. 一方「痛み・しびれ・こり」,「転倒不安感」の該当者は非該当者と比較してOWDでのみ有意に後弯が強いことを示す値であった.結 語:OWDは, 簡便で, 痛みや転倒不安感等の生活障害と関係するため, 要介護状態に陥ることの予防に有用な姿勢評価法である可能性が示された.
著者
柳 奈津子 小池 弘人 小板橋 喜久代
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.29-35, 2003-02-01 (Released:2010-04-23)
参考文献数
21
被引用文献数
6 6

【背景・目的】本研究の目的は, 呼吸法によるリラックス反応について明らかにすることである.【対象と方法】リラクセーション技法の練習が初めての健常女性79名 (実験1 : 35名, 実験2 : 44名) を対象とした。実験1では, 被験者全例が呼吸法を行う実験群と安静のみの対照群の両群を実施した.5分間の呼吸法または安静の実施を実施中とし, 実施前後の脈拍, 血圧を測定した.実験2では, 無作為に22名ずつ実験群と対照群の2群に分け, 実施前, 実施中, 実施後に各3分間の脳波を測定した.【結果】実験群では, 実施後に脈拍数は有意に減少したが, 対照群では変化はなかった.血圧は両群ともに変化はなかった.α波は, 実施後に実験群では増加し, 対照群では低下し両群間に有意差が認められた.β波は, 実施後に実験群では低下し, 対照群では増加したが有意差はなかった.【結論】呼吸法は安静に比べて脈拍数を減少させ, α波を増加させることが明らかとなった.呼吸法は初回練習者でも他のリラクセーション技法と同様の反応が得られると考えられた.
著者
村上 博和
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.175-185, 2020
被引用文献数
1

<p>これまで,多発性骨髄腫の予後は極めて不良で治癒は困難とされていた.しかし,近年サリドマイドなどの免疫調整薬,ボルテゾミブなどのプロテアソーム阻害薬,さらにダラツムマブなどの抗体薬を含めた新規薬剤の導入により治療成績は著しく向上し,生存曲線にプラトーが得られるようになってきた.また,微小残存病変の検出法も進歩し,治療効果の判定の精度も向上したため,的確な治療戦略が組めるようになった.今後,CAR-T療法をはじめとした強力な免疫療法の導入も想定され,治癒が望めると言っても過言ではない.</p>
著者
調 憲 播本 憲史 小山 洋
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.235-242, 2020
被引用文献数
2

<p><b>【背景・目的】</b> COVID-19感染症は世界的なパンデミックの状況となった.日本でも2020年1月から5月にかけて大きな感染拡大が見られた.中国では,感染率は地域によって大きな差があり,人口密度の高い地域ほど高いことが報告されている.本邦においても都道府県ごとの累積感染者数が大きく異なるものの,詳細な検討はない.</p><p><b>【対象と方法】</b> 日本において初発患者が見られた2020年1月16日から多くの都道府県で流行がほぼ終息し始めた2020年5月3-6日までの約110日間における47都道府県におけるCOVID-19に対するPCR検査陽性者(累積感染者)の数を都道府県人口で除した累積感染者の割合(累積感染割合)と人口集中度,人口密度,公共交通機関を用いて通勤・通学する人の割合,人口当たりの乗用車保有台数の指標との相関を単・多変量解析を用いて検討した.さらにCOVID-19感染者のうち,感染経路が不明な者,調査中など明らかな感染経路不明な感染者を感染経路不明割合としてそれぞれの因子との関連を単・多変量にて解析した.さらに回帰直線の95%信頼区間を超えて高い感染率を示す都道府県について検討をした.</p><p><b>【結 果】</b> 単変量解析では都道府県別の累積感染割合とすべての因子は有意な相関を示した.多変量解析では累積感染割合では人口密度が独立した因子として選択された.さらに感染経路不明割合とすべての因子は単変量解析で相関した.同様に多変量解析では人口密度と公共交通機関を用いて通勤・通学する人の割合が独立した因子として選択された.回帰直線の95%信頼区間を超えて感染率の高い都道府県には石川,富山,福井県,高知県,東京都,北海道などが挙げられた.</p><p><b>【結 論】</b> COVID-19累積感染割合は人口密度などの因子と強い相関を認め,ポストコロナの時代に向けて「密集」,「密接」を回避するライフスタイルの導入が重要と考えられた.95%信頼区間を超えて感染割合の高い都道府県においては観光や夜の繁華街など人口密集の要因以外が関与している可能性があり,地域別の詳細な解析が今後の感染対策に有用と考えられた.</p>
著者
高玉 真光 渡辺 孝
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.247-254, 1999-07-01 (Released:2009-10-15)
参考文献数
13

都道府県別の自殺率には地域差がみられ, 群馬県内でも市町村別の自殺率は地区によって違いがある.年齢階級別に調査した厚生省の報告では, 男女ともに高齢に至るほど自殺率も高くなるが, 70歳以上を一括した群馬県女性の年齢調整自殺率は全国1位の秋田県とほぼ同率の2位にある.ここでは, 地域によって自殺率に違いがある背景に潜む要因を明らかにする目的で, 地区の自殺率と県勢あるいは市町村勢との相関を検討した.その結果, 都道府県の自殺率については, 男では気象条件と県民所得が, 女では高齢化と気象条件が深く関与している.また群馬県における市町村の自殺率は男女とも高齢化が背景として重要な要因となっている.
著者
川田 智美 藤本 桂子 小和田 美由紀 神田 清子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.175-184, 2012-05-01 (Released:2012-06-22)
参考文献数
27
被引用文献数
2 1

【背景・目的】 本研究は, 患者および家族の "不確かさ" に関連する研究を分析し, 患者や家族が病気に伴って経験する "不確かさ" とはどのような内容であるのか, その表現を明確にし, 言語化する. そして, 不確かさをいかにマネジメントしていくかという適応上の課題に対して看護の示唆を得ることを目的とする. 【対象と方法】 2001年から2011年7月までの原著論文を対象とした. 医学中央雑誌を使用し, "不確かさ" and "看護" をキーワードに検索を行ない, 患者および家族を対象とし, テーマ内容に沿った35論文について内容分析を行った. 【結 果】 "不確かさ" に関する研究内容は, 《身体感覚に確信が得られないことにより生じる不確かさ》《適切な情報が得られず状況を把握できないことによる不確かさ》《将来の見通しが立たないことに関する不確かさ》《病状や治療効果を予測できないことに対する不確かさ》《迫りくる死への不安から生きる意味が見いだせず感じる不確かさ》の5カテゴリから形成された. 最も大きなウエイトを占めたカテゴリは, 《適切な情報が得られず状況を把握できないことによる不確かさ》であった. 【結 語】 患者および家族が不確かさを受け入れ, 適応に向けて生活していけるよう, 適切な情報提供と不確かさを傾聴することが重要な課題であると示唆された.
著者
神野 恵治 茂木 健司 笹岡 邦典 根岸 明秀
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.1-7, 2008-02-01 (Released:2008-04-09)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

【背景・目的】 先に著者らは口内貯留による各種含嗽剤の薬剤効果を報告した. 今回は含嗽という機械的清掃行為が加えられた場合の一般細菌, カンジダを減少させる効果について検討した. 【対象と方法】 健常成人18名に対し, 水道水, 薬用リステリン®(青色) 原液, 2倍希釈液, 4倍希釈液, 薬用リステリン®(黄色) 原液, 2倍希釈液, 4倍希釈液, ポピドンヨード 30倍希釈液, ハチアズレ®, 3 %過酸化水素水, ネオステリン・グリーン®50倍希釈液おのおの30mlを含嗽後の唾液を検体とし, 一般細菌, カンジダの培養後, 含嗽剤作用前後のコロニー数を比較した. 【結 果】 一般細菌は, 含嗽前では全例から検出されたが, 含嗽後では50.0~100%で減少した. カンジダは, 含嗽前では23.0~38.0%に検出され, 含嗽後では40.0~100%で減少していた. いずれも薬用リステリン®(青色) 原液, ポピドンヨード30倍希釈液の減少率が高かった. 【結 語】 含嗽剤を用いて含嗽することにより, 一般細菌, カンジダを減少させる効果が認められ, 特に薬用リステリン®(青色) 原液, ポピドンヨード30倍希釈液の効果が高かった.