著者
内田 陽子 上山 真美 富沢 順 石川 徹
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.207-212, 2006 (Released:2006-11-17)
参考文献数
8

【背景・目的】 現在, 寝たきり患者などの移動の際にバスタオルを使用している所が多い. 本研究の目的は, バスタオルにかわる患者仰向け体位からの移動兼療養用ウールボアマットを開発し, その評価を行うこととした. 【対象と方法】 10人の健康学生を対象にバスタオルとウールボアマットの強度・耐性と体圧, 主観的評価を行った. 【結 果】 ウールボアのほうがバスタオルよりも長さ・幅方向で高い強度を示し, 伸び率も高かった. また, 何も敷かない場合とウールボアマットを敷いた場合では, 右踵部と左肘関節部において後者の方が体圧は低かった (p<0.05~0.01). また, バスタオルとウールボアマットの比較でも後者のほうが左肘関節で低い値が得られた (p<0.05). 被験者はウールボアのほうが肌さわり, 寝心地, 暖かさの面でよいと評価し, 首の安定感, 身体の痛み等もよいという者が多かった. また, 看護者側も持ちやすいという評価をしていた. 反面, ウールボアのほうが滑りやすいという意見もあった. 【結 語】 移動用兼療養においてはバスタオルよりウールボアマットのほうが適している.
著者
門脇 晋 尾形 敏郎 五十嵐 清美 野田 大地 井上 昭彦 池田 憲政 佐藤 尚文
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.183-191, 2014-05-01 (Released:2014-06-27)
参考文献数
1

現在わが国は高齢化が急激に進むと同時に, 高齢患者が増加している. 高齢者を若年者と同様に検査・治療することで思わぬ合併症に見舞われる可能性がある. 当科では罹患前のADL, 認知症の有無, 疾患の重症度, 家族背景などを総合的に考慮した上で, 症状緩和を中心とした医療を提供し, 場合によっては看取りまで支援しており, このような概念をシルバーケアと呼称している. シルバーケアを実践した症例を通して当科の医療哲学を提示し, 超高齢化社会を迎えるにあたり, 今後のわが国の高齢者医療のあり方について提言したい.
著者
桑原 拓也 饗場 和美 豊岡 浩介 山路 雄彦 渡辺 秀臣
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.159-166, 2008-05-01 (Released:2008-06-13)
参考文献数
18
被引用文献数
1

【背景・目的】 他動的なスタティック・ストレッチングは運動器の維持・向上に大きな役割を果たしている. 伸張時間と頻度において有効な活用法の確立と温熱療法の相加的効果について検討した. 【対象と方法】 健常大学生22名を対象とし, ストレッチング10秒間を5回施行する群と50秒間を1回施行する群に分け, これに温熱療法を併用しストレッチング前と直後, 10分後の3回, 下肢伸展挙上 (straight-leg raising, SLR) 角度と手掌にかかった圧を測定し伸張強度を求めた. 【結 果】 10× 5群ではスタティック・ストレッチングによりSLR有意な角度の改善が認められたが, 50×1群では有意な改善が得られなかった. 温熱の相加的効果は確認されなかった. 10× 5群ではスタティック・ストレッチングにより有意な伸張強度の増加が確認された. SLR角度と伸張強度の変化率には10× 5群のみ有意な相関が確認された. 【結 語】 ストレッチングによるSLR角度の増加は10秒を5回繰り返す方法が有効であり, この短期の改善効果は神経生理学的要因が関与し, 長期持続には組織構造の変化を導くストレッチングの継続が必要と考えられる.
著者
今井 忠則
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.85-86, 2015-02-01 (Released:2015-03-31)
参考文献数
6
著者
細貝 真弓
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.71-72, 2019-02-01 (Released:2019-03-29)
参考文献数
7
著者
小針 靖子 高橋 舞 高野 洋子 前田 昇三 牧野 武朗 悦永 徹 齊藤 佳隆 竹澤 豊 小林 幹男
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.353-357, 2017-11-01 (Released:2018-01-17)
参考文献数
16

急激な身長の増加と陰茎肥大を主訴に受診し, Leydig細胞腫と診断された5歳男児例を報告する. 初診時, 身長 128.0 cm (+4.95 SD), 体重 26.7 kg (+3.60 SD), 骨年齢9歳7ヵ月, 精巣容量右6 ml, 左4 ml, 陰茎長 9 cm, 血中testosterone 3.40 ng/mL, LH<0.10 IU/mL, FSH<0.20 IU/mLであり, ゴナドトロピン非依存性思春期早発症と診断した. エコーおよびMRIにて右精巣に腫瘤を認めた. 右高位精巣摘出術を施行し, 組織学的にLeydig 細胞腫と診断した. 摘出術後, 成長率は正常化し, testosterone値は測定感度以下に低下した.
著者
大山 ちあき 藤野 文代
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.301-305, 2001
被引用文献数
1

【目的】患者及び家族の希望で訪問看護を受けながらターミナル期から死亡までを在宅で過ごし, 死亡したがん患者についての訪問看護の内容を明らかにし, 在宅療養を可能にする条件を探求することである.【研究方法】訪問看護記録・外来カルテ・入院カルテの分析と訪問看護者との討議内容を分析する方法とした.これらのデータを基に文献との比較を行い, 考察した.【結果】5事例のうち患者自身が在宅ケアを選択し意思決定した人は2名であり, 他の3名は娘や息子夫婦が在宅ケアを決定した.ターミナルの期間は, 最も短い人で2ヶ月, 長い人で7ヶ月であった.訪問期間は9日から5ヶ月半であった.死亡場所は, 在宅2名, 病院3名であった.病院で死を迎えた人の理由は, 本人の苦痛が強くなったため本人が入院希望をした人が2名, 家人が患者を看ていることに耐えかねて入院希望した人が1名であった.<BR>訪問看護の内容としては, 医療処置・清潔ケア・介護方法の助言・家族の健康管理・連絡調整であった.訪問看護婦は, 患者及び家族の希望に沿いながら, 看取りのための準備を実施していた.また, 訪問看護婦は患者や家族にとって頼れる存在であり, 病院とつながっている安心感を与える存在であった.【結論】本研究から, 在宅ターミナルケアを可能にする患者・家族・看護者のそれぞれの条件は, 以下のような内容であることが明らかになった.<BR>1. 患者の身体的条件においては, 疼痛コントロールができていることと, 精神的な条件においては, 死を受容しながら生きる希望を持っていること.<BR>2. 患者にとって強力なキーパーソンが存在すること.<BR>3. 家族が患者の死を受容して, 家族の介護の意思が他者から支えられていること.<BR>4. 家族がケアの学習意欲を持っていることと, 看護者がケアの指導技術を持っていること.<BR>5. 病院と地域の連携のシステムがあること.
著者
十枝 はるか
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.125-126, 2018-05-01 (Released:2018-07-05)
著者
野田 大地 佐藤 尚文 尾形 敏郎 五十嵐 清美 井上 昭彦 良永 康雄 茜部 久美 飯島 広和 前原 康延
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO medical journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.221-227, 2008-05-01
被引用文献数
1 1

子宮広間膜異常裂孔ヘルニア2例を経験した.【症例1】51歳女性.14歳時,虫垂切除.上腹部痛,嘔気出現し近医受診.症状改善せず,第3病日に当院紹介受診.腹部膨満し腹部全体に圧痛を認めたが反跳痛や筋性防御なし.CT,USで拡張した小腸を認めたが腹水なし.イレウス管を挿入し第4病日に造形した.右骨盤内で小腸の完全閉塞を認め手術適応と判断した.右の子宮広間膜に約1.5cmの裂孔があり,回腸が約20cm陥入,壊死していた.小腸切除と裂孔閉鎖を行い,術後15日目に退院.【症例2】53歳女性.開腹歴なし.朝から腹部違和感,気分不快あり.症状改善せず夕方当院受診.腹部全体の膨隆を認めたが自発痛,圧痛,嘔気なし.CTで拡張した小腸と軽度の腹水を認めた.保存的に経過をみたが嘔吐を繰り返したため第2病日にCT再検.小腸拡張の悪化,腹水増加を認めたため緊急手術を行った.左の子宮広間膜に約2cmの裂孔を認めそこへ回腸が約5cm陥入していた.用手的に整復し,裂孔閉鎖した.術後9日目に退院.
著者
白石 卓也 竹島 太郎 小谷 和彦
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.207-211, 2017-08-01 (Released:2017-10-16)
参考文献数
11

目 的:ミネラルの豊富な温泉水を飲む飲泉は温泉療法のひとつである. 群馬県上野村にあるしおじの湯の温泉水はケイ酸を豊富に含んでいるため, 健康保持・増進に寄与すると思われて地域住民に飲用されている. そこで, この飲泉による健康関連指標に関する調査を行い, その効果について検証した.方 法:飲泉習慣のない成人に対して飲泉試験への参加を公募した後, 飲泉群 (80名) と飲泉しない対照群 (31名) で比較検討した. 飲泉群は, しおじの湯の温泉水500 mLを, 4週間に渡って1日3回 (食間) の頻度で飲用した. 飲泉期間前後で自己記入式質問票ならびにGastrointestinal Symptom Rating Scale (日本語版) を用いて健康関連指標の変化について評価した. 対照群にも飲泉群と同様に調査した.結 果:飲泉群と対照群を比較したところ, 飲泉群には脱毛および便臭で有意なスコアの改善がみられた.結 語:ケイ酸を含む温泉水 (しおじの湯) の飲泉は, 脱毛や便臭のような健康改善に寄与する可能性はあるが, これは予備試験の結果に過ぎず, ランダム化比較試験を行ってさらに検討していきたい.
著者
伴野 祥一 塩原 雄二郎 田島 郁文 長谷川 昭 小野 光弘 笠原 浩一郎
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.33-38, 1978

A 52-year-old male was found to have fever and complained of myalgia and joint pain.<BR>On physical examination by admission, his blood pressure was 128/68 mmHg, pulse 66 per minute, regular, temperature 38.5&deg;C. The patient was pale and appeared chronically ill. Bilateral temporal arteries were extended and moderately tender by percussion. Cardiac dulness was normal and heart sound was clear. Liver and spleen were not palpable. Muscles of extremities were slightly atrophic. Raynaud's phenomen negative. Purpuras on backs of feet were noticed. ECG showed normal sinus rhythm, no axis deviation, ST, T waves normal. X-ray of chest normal.<BR>At 2 weeks after admission, he had been noticed his blood pressure was elevated (BP 210/100 mmHg) and abdominal bruit audible. Following comfirming of polyarteritis nodosa by muscle biopsy of right quadriceps, steroid therapy bigan. On the 26th hospital day, suddenly he experienced severe pain in left hypochondrium which radiated into the back. He was explored surgically because the pain was persistent and anemia revealed progressively.<BR>Retroperitoneal hematoma was found along abdominal aorta and left kidney with subcapular bleeding enlarged as child's head sized but could not be removed because his general condition got worse. Peripheral plasma renin activity (PRA) on restricted salt intake (5g/day) while the patient kept in supine position was 11.9 ng/ml/h, renal vein renin analysis was as follows; r-renal vein 12.1 ng/ml/h, 1-renal vein 14.2 ng/ml/h, upper IVC 12.1 ng/ml/h, lower IVC 8.3 ng/ml/h. Angiotensin II analogue test was carried out using in-fusion of 1-Sarcosine 8-Isoleucine Angiotensin II. Blood pressure before test was 180/130 mmHg and reduced to 130/100 mmHg at 20 minutes after the biginning of infusion at the rate 300 ng/kg/min.. The blood pressure rose gradually to control level over subsequent one hour after the cessation of angiotensin II analogue. PRA level was 8.4 ng/ml/h before administration of angiotensin II analogue and similar value during infusion, then 8.7 ng/ml/h at 110 minutes after cessation of the infusion.
著者
岡村 典子 青木 洋子 渡辺 礼子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.221-228, 2017-08-01 (Released:2017-10-16)
参考文献数
21
被引用文献数
2

目 的:本研究の目的は, 副看護師長が新規着任時に抱いた思いと, 自身の役割認識を明らかにすること. 方 法:新任副看護師長37名を対象に, 「任に就いての思い」「今時点で認識している副看護師長の役割」「現在の課題」について自記式質問紙にて調査を行った. 結 果:着任時の思いとして,【担うことへの煩悶】【自身に必要とされる力への思案】【自身の評価に対する心配】【着任への抵抗】【昇格への意気込み】の5カテゴリーが, 着任した時点で認識している役割についても,【師長との連携】【スタッフへの働きかけ】【環境作り】【モデルとして存在】【業務調整】の5カテゴリーが抽出された. 結 語:副看護師長は,【担うことへの煩悶】といった立場の転換に戸惑いつつも, 職場内の改善といった【環境作り】に着目するなど, いちスタッフであったからこそ感じている役割を認識していることが推測された.
著者
國清 恭子 水野 治久 渡辺 尚 常盤 洋子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.303-312, 2006 (Released:2006-12-26)
参考文献数
23

【目 的】 中絶を受ける女性の援助不安の実態を明らかにし, 中絶を受ける女性の心のケアのあり方を検討する資料を得ることを目的として調査を行った. 【対象と方法】 調査期間は平成15年9月~平成16年1月. 15施設において中絶を受ける女性に無記名式自記式質問紙調査を実施し, 中絶前後で同一対象者によって回答が得られた100例を分析対象とした. 調査内容は, 援助不安, 被援助志向性, もらったソーシャルサポート, 自尊感情であった. 【結 果】 医師, 看護師への呼応性, 汚名への心配が強い場合, もらったソーシャルサポートの量が少ないことが明らかになった. また, 「呼応性への心配」, 「汚名への心配」, 「被援助志向性」がもらったソーシャルサポートを規定する要因として抽出された. 【結 論】 中絶を受ける女性が医師や看護師からのサポートを受け易い状況を作り出すためには, 呼応性および汚名への心配の軽減を図るとともに, 被援助志向性を高めることが必要である.
著者
岡野 孝雄 大和田 進 清水 公裕 須納田 豊 川手 進 浜田 邦弘 岩波 弘太郎 菅野 雅之 佐藤 啓宏 高木 均 小山 佳成 青木 純 森下 靖雄
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO medical journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.113-118, 2004-05-01

【背景と目的】肝細胞癌に対する経皮的なラジオ波焼灼術(以下RFA)は,局所療法として有効な治療法の一つである.しかし,横隔膜直下の肝細胞癌は,経皮的に超音波での描出や経皮的な穿刺が困難な場合がある.そこで我々は,胸腔鏡下に超音波プローブを用いてRFAを行い,その有効院と安全性を検討した.【対象と方法】2001年3月から2003年12月までに5症例,7回の胸腔鏡下ラジオ波焼灼術(以下TRFA)を行った.方法として,分離肺換気下に,胸壁の2ヵ所にトロカールを挿入し,それぞれ胸腔鏡と超音波プローブを挿入し,経横隔膜的に腫瘍を描出する.超音波プローブにほぼ垂直になるようにPTCD外套針を経皮的に挿入し,これをガイドとして,RF針を経横隔膜的に腫瘍内に穿刺し焼灼する.【結果】全例がHCV(+)の肝硬変であった.Child-Pughスコアは5〜7点であった.平均腫瘍径は2.4(2.0〜3.0)cm,セッション数は症例1の初回TRFA時に6回施行した他は,各3回であった.平均手術時間は180(90〜280)分,出血量は18(0〜50)mlで,平均術後在院日数は10.4(4〜22)日であった.合併症として,ポート部の熱傷を1例に認めた. RFA術後のダイナミックCTでは,全例で低吸収域となり,治療は有効であると判定した.5症例の平均観察期間は21(7〜33)ケ月であった.1例で術後の局所再発が疑われ,同部に2回同様の手技で治療した.1例に,異所性の再発を認め,動脈塞栓療法(以下TAE)を行った.脳梗塞で24ヶ月目に死亡した1例の他は,全例が無病生存中である.【結語】TRFAは,2つのportで行うことが出来,低侵襲で,繰り返し安全に施行可能であった.経皮的なRFAが困難な症例に対して,新しい治療法になりえる.
著者
内田 陽子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.231-238, 2007-08-01 (Released:2007-09-11)
参考文献数
12
被引用文献数
3 1

【目 的】 認知症ケアのアウトカム項目を明らかにし, アウトカム評価票原案を開発することを目的とした. 【方 法】 文献検討, 質問紙調査, 専門家による検討により進められた. 【結 果】 既存の文献では認知症症状, 生活行動, 幸福感, QOL, 介護負担の領域にアウトカムがまとめられた. 認知症ケア経験者対象239人からは, 精神的安定, 生活行動, 認知症症状, 在宅療養継続などのアウトカムが明確になった. また, 在宅で認知症ケア経験者25人からは「笑顔, 不安なく安心して暮らせる, 楽しく喜ぶ」に重要度が高かった. 【結 語】 専門家の検討により, 最終的に以下の特徴をもった認知症ケアのアウトカム評価票を作成できた. (1)アウトカムの主項目は「認知症症状・精神的安定」,「生活・セルフケア行動」,「その人らしい生活」,「介護者の負担」で構成された. (2)2時点の状態をアセスメントし, 該当する番号を書き, 両者を比較して最高値持続, 改善, 維持, 悪化, 最低値持続と判定する. (3)アウトカムを高めるためのケア項目を設定した.
著者
江本 正志
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.321-322, 2004-11-01 (Released:2009-10-21)
著者
門脇 晋
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.153-157, 2014-05-01 (Released:2014-06-27)
参考文献数
14

39歳男性. 20歳代で糖尿病を指摘され近医通院していた. 胆石発作のため入院. 入院時は身長175cm, 体重97kg (BMI 31.6), HbA1c 8.5% (JDS), 空腹時血糖値210mg/dlと肥満及びコントロール不良の糖尿病を認めた. 胆嚢摘出術を予定し, 江部らが提唱する糖質制限食を自宅で実践した. インスリンや経口血糖降下薬は一切使用しなかった. 2か月半後に体重88kg (BMI 28.7), HbA1c 5.6% (JDS), 空腹時血糖値108mg/dlまで改善し, 胆嚢摘出術を安全に施行できた. 本稿は外科周術期に糖質制限という概念を応用した初めての報告であり, 糖質制限は術後合併症の低下をもたらし, 医療経済的にも大きなメリットがあると考えられた.