- 著者
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渋谷 明子
- 出版者
- NPO法人 日本シミュレーション&ゲーミング学会
- 雑誌
- シミュレーション&ゲーミング (ISSN:13451499)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.1, pp.85-98, 2012-06-25 (Released:2020-06-19)
- 参考文献数
- 107
本稿では,メディア表現が及ぼす影響についての実証的な研究と,これまで問題になってきたメディア表現の特徴を整理した.青少年への影響については,暴力表現,性表現,反杜会的表現.言葉・思想関連表現のすべての領域で,青少年が影響を受ける場合があると考えられる.年齢別にみると,暴カシーンの影響に代表されるように,幼児や小学生など,低年齢の子どもたちのほうがメディアの影響を強く受けやすいことから,青少年保護のための配慮をする根拠はある.また,残虐な暴力表現,暴力的な性表現,飲酒,喫婢などの衣現,少数派集団に対する差別的表現,実在する人物,団体,病気などの名前が使われた場合に,杜会的な批判を浴びやすい.大人でも影響がみられる場合もあるので,表現にあたっては大人を対象としたメディアでも配慮が必要だろう.一方で,多様な人々を描くことは推奨される傾向もあり,配慮しながら,描いていく必要があると思われる.