著者
大澤 博隆 宮本 道人 長谷 敏司 西條 玲奈 福地 健太郎 三宅 陽一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.2Q5OS13b02, 2020 (Released:2020-06-19)

人工知能の様々な可能性とリスクが、現在現実の応用のための迅速なAI開発の緊急課題として議論されている。メディアや研究者でさえ、未来のビジョンを示すものとしてSFを引き合いに出すことがある。しかし、エンターテイメントに対する技術的不正確さのため、SFにおけるこれらのAIを将来の真剣な議論に持ち込むことは必ずしも適切ではない。一方で、SFのテーマの中には、人々に新たなビジョンを思い起こさせるような積極的な役割を果たすものもある。AI分野におけるSFの混合した影響を解明するために、著者らはSF評論家や作家とともにSFにおけるAIの記述方法を分析した。まず、SFにおける115のAIストーリーを、知能の多様性、社会的側面、および人間の知能の拡張という三つの方針の基準に基づいて選択した。AI特性を表す11つの要素をクラスタ分析と主成分分析を用いて分析した。その結果、SFには4つの特徴的なAIクラスタが存在することが示唆された。それらは人間、機械、ヘルパー、インフラストラクチャであり、2次元空間にマッピングされている。それらは知能と人間性である。
著者
Masanori HIRANO Hiroyasu MATSUSHIMA Kiyoshi IZUMI Hiroki SAKAJI
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.1K4ES204, 2020 (Released:2020-06-19)

In this study, we propose a stochastic model for predicting the behavior of financial market traders. First, using real ordering data that includes masked traders' IDs, we cluster the traders and select a recognizable cluster that appears to employ a high-frequency traders' market-making (HFT-MM) strategy. Then, we use an LSTM-based stochastic prediction model to predict the traders' behavior. This model takes the market order book state and a trader's ordering state as input and probabilistically predicts the trader's actions over the next one minute. The results show that our model can outperform both a model that randomly takes action and a conventional deterministic model. Herein, we only analyze limited trader type but, if our model is implemented to all trader types, this will increase the accuracy of predictions for the entire market.
著者
田村 光太郎 角田 充弘 外園 康智
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.1O4GS402, 2020 (Released:2020-06-19)

ナレッジグラフ推論チャレンジは、解釈性の良いAI技術を開発するために、推理小説を題材とした、推論を行うAIのコンテストである。我々は、小説文を知識表現するために述語論理式に直し、その述語論理式を仮説推論と充足可能問題により、犯行状況を表す解を導いた。具体的に、まず、人物とその行為から網羅的に生成した文と、小説文をBERTモデルにより比較し、知識処理すべき文を抽出する方法を提唱した。この生成文は述語論理式に直すことが可能である。次に、この小説内の事実を表す述語論理式と一般知識から、仮説推論を行い、犯行状況の仮説を導いた。さらに、人物の発言の真偽を考慮した充足可能問題の解として、犯行状況の可能性を列挙した。発言の真偽や情報不足による解の分岐が起きるが、その分岐条件を特定することで、解を一意にするために必要となる、小説内で言及されていない事実を導いた。
著者
小林 茂 桑久保 亮太 松井 茂 大谷 芳之 張 心祈 仁泉 大輔
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.1G3ES504, 2020 (Released:2020-06-19)

本研究では、美術作品の鑑賞に対する積極的な評価と機械学習技術の発展に対する関心の高まりを背景に、機械学習を活用した美術作品の新しい鑑賞方法を提案する。20世紀前半に活躍し、独特の構図と色合いで知られるイタリアの画家Giorgio Morandiをテーマに選び、画家のモチーフを再現した物体を鑑賞者が自由に配置して構図を決め、機械学習(pix2pixおよびCycleGAN)によって画家の色合いを再現した画像を生成して表示する体験型展示を開発した。29人を対象としたアンケート調査の結果より、この作品を体験することにより画家に対する関心が深まったことが確認できた。
著者
前田 巌 松島 裕康 坂地 泰紀 和泉 潔 ディグロー デビッド 加藤 惇雄 北野 道春
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.2L4GS1304, 2020 (Released:2020-06-19)

高度な複雑系として知られる金融市場は,影響を与える要素の膨大さ,内部構造の非定常性,マーケットインパクトの存在といった要因により,予測が非常に難しい.これは近年目覚ましい発展を遂げた機械学習・深層学習手法を用いた場合でも同様で,金融市場予測は必ず不確かさを含んでしまい,不確かな予測に基づく投資判断は大きな損失や市場の不安定化の原因となる.本研究では,人工市場シミュレーションと深層強化学習の組み合わせにより,学習データの不足を補うとともにマーケットインパクトを考慮した学習を可能とし,上記の問題の解決を図った.基本的な単一市場のシミュレーション環境において実験を行い,提案手法の有効性が確認された.
著者
城下 慧人 小森 政嗣
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4F3OS25b04, 2020 (Released:2020-06-19)

毒を持つ生物は,しばしば特徴的な配色を持つことが知られており,これは警告色または危険色と呼ばれる.警告色は,捕食者に対して自らが害を及ぼす存在であることを警告する役割を持っていると言われる.本研究では,2色の配色(6次元のパラメータとなる)とその配色の気持ち悪さ評価の関係を表す心理物理関数を,未知の関数の推定をする大域的逐次最適化手法の1つであるベイズ最適化(Bayesian Optimization)により検討し,人が気持ち悪いと感じる生物の配色の特徴を探索的に検討した.一般的なベイズ最適化の適用事例とは異なり,気持ち悪さ評価をする際,人は離散的な応答しか行えない.そこで,本研究では離散的な応答(リッカート尺度に対する回答)に基づく推定を行うことができるガウス過程順序回帰を用いたベイズ最適化を行った.生物の配色の検討は,クモとキノコを対象とした.20名の実験参加者はモニタに提示された生物画像の気持ち悪さを7件法で回答した.ガウス過程順序回帰の結果をもとに,すべての実験参加者が平均的に気持ち悪いと感じる配色の特徴をピーク検出手法により明らかにした.
著者
本田 良司 小笠原 範光 小玉 亮
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.1N4GS1301, 2020 (Released:2020-06-19)

一変量か多変量かに関わらず時系列予測は応用上重要であり,一変量のARIMAから多変量の自己回帰モデルVARなどが機械学習の技術として古くから使われ,RNNやCNNなどの深層学習も時系列予測に使われている.近年では,それらの複合型モデルであるLSTNetやMemory-Networkを使った時系列予測であるMTNetもあり,多変量時系列予測の精度を向上させる試みがなされている.一方,時系列とは異なる自然言語処理の世界ではTransformerが自然言語の系列予測でstate-of-the-artを達成し,その後転移学習を可能とするBERTなどに発展し,大きな進歩を遂げている.本研究の目的は,自然言語処理の世界の系列予測技術を時系列予測に応用できるかを評価することであり,Transformerをベースにして気温予測モデルを設計した.その結果,気象アンサンブルによるデータ同化予報やメッシュ地点などの説明変数が多変量で目的変数が一変量である時系列予測にはTransformerが良い精度を与えうることがわかった.
著者
真鍋 友則 山城 広周 中川 慧
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4Rin163, 2020 (Released:2020-06-19)

B2B企業ブランドに関する研究は近年注目されているが, その構成要素の特定や測定方法が未解決の課題として挙げられている. 本研究では, 企業の従業員とコンタクトを持つ人たちを対象としたアンケート調査に基づいた, 新たなB2Bブランド指標データを用いて, 上記問題にアプローチした. その調査データに含まれる自由記述文を, ブランド印象のレーティングを応答変数として、 supervised topic models を用いて分類し, ブランド印象を形成する構成要素を抽出した. さらに, その要素の中で「高い技術、魅力的な商品」が, 他の特徴よりも強く, 企業の株式市場価値と関連があることを見出した. これらの結果は, 今まで企業のブランド戦略やステークホルダー・エンゲージメントを考える上で, 経営上重要な知見であり, また, このような指標が, 無形資産価値を対象とした投資指標としても, 有効であることを示唆している.
著者
水田 孝信
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.2L5GS1305, 2020 (Released:2020-06-19)

人工知能が相場操縦を行った場合の責任の所在が議論されている.そこで本研究では,遺伝的アルゴリズムを用いた人工知能が人工市場シミュレーションを用いて学習するモデルを構築し,人工知能の作成者が相場操縦という取引戦略を全く意図していなかったにも関わらず,人工知能が学習を通じて相場操縦という取引戦略を発見するのか調べた.その結果,人工知能は相場操縦に他ならない取引を最適な取引として見つけ出した.この結果は,株式取引を行う人工知能の作成者には,人工知能が相場操縦を行わないようにする義務を負わせるなどの規制の必要性を示唆している.
著者
大島 寛斗 小松 孝徳 山田 誠二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.3J5OS9b02, 2020 (Released:2020-06-19)

年々コンピュータの処理速度が向上しているものの、ユーザはコンピュータの処理を待つという状況からは逃れられない。そこで、待ち状態にあるユーザの負担を軽減する様々な方法が提案されているが、本研究では短い周期のアニメーションが繰り返し提示される「スロバー」に着目し、その構成要素とユーザの主観的待ち時間との関係を分析することを目的とした。具体的には、スロバーの「回転速度」「大きさ」という二つの要因が、ユーザの待ち時間に与える影響について調査を行った。その結果、スロバーの提示時間が5秒の場合,回転速度が遅く、表示サイズが大きいと、その待ち時間が有意に短く感じられることが明らかとなったが、提示時間が長くなるにつれてその効果が薄れることが明らかとなった。この結果より、スロバーの構成要素を微調整することで、ユーザの主観的待ち時間を暗黙的に操作できる可能性が示されたといえよう。
著者
斉藤 勇璃 白石 智誠 太田 和宏 根本 さくら 石川 一稀 宇田 朗子 小川 卓也 友広 純々野 中村 祥吾 山内 拓真 西川 和真 宍戸 建元 長野 恭介 蓬畑 旺周 稲垣 武 村井 源 迎山 和司 田柳 恵美子 平田 圭二 角 薫 松原 仁
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4C2GS1303, 2020 (Released:2020-06-19)

シナリオライターの負担軽減と物語多様性の担保という観点から,ゲーム自動生成システムの開発の必要性が指摘されてきている.これまでに固有名の組みあわせによるシナリオ自動生成やダンジョン自動生成など,いくつかの挑戦は行われてきたが,ゲーム全体において一貫した世界観やストーリー展開を実現するのは困難だった.そこで本研究ではロールプレイングゲームを対象として,シナリオ自動生成,ダンジョン自動生成,BGM自動選択を統合したシステムの開発を行った.シナリオ自動生成においては,既存のゲーム作品のシナリオ分析結果に基づき,クエスト単位でのシナリオ自動生成を行った.次に生成された複数のクエストを統合してストーリーの破綻がない複合的なシナリオの自動生成を実現した.また,ダンジョンは自動生成を実現し,マップやキャラクターは生成されたシナリオに沿ったものを作成した.さらに,シナリオの各場面の機能や登場人物の感情状態に合わせたBGMの自動選択を実現した.これらのゲームの各種要素を自動的に生成して統合することで,ロールプレイングゲーム自動生成システムの構築を行った.
著者
金森 憲太朗 高木 拓也 小林 健 有村 博紀
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.3Rin444, 2020 (Released:2020-06-19)

反事実的説明法(CE: Counterfactual Explanation)は,機械学習モデルの予測結果から説明を抽出する事後的手法の一つで,予測結果を所望のクラスに反転させるような特徴量の摂動方法を,説明としてユーザに提示する.ユーザはその摂動を,自らが望む予測結果を得るための"改善アクション"として直接解釈することができる.しかし,既存の改善アクション抽出法では,特徴量間の相関関係や外れ値リスクなど,元のデータが従う分布が持つ特性が十分に考慮されていないため,ユーザにとって実現可能な改善アクションが得られるとは限らず,改善アクションの実用性や信頼性に問題がある.そこで本研究では,実現可能な改善アクションを抽出するために,特徴量間の相関と外れ値検出スコアに基づく改善アクションの新たな評価関数を導入し,混合整数計画法に基づく解法を提案する.FICOデータセットを含む実データ実験により既存の改善アクション抽出法と比較を行い,提案手法の有効性について確認する.
著者
山尾 元陽 平田 里佳 入部 百合絵 深井 健大郎 桂田 浩一 新田 恒雄
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4L3OS1504, 2020 (Released:2020-06-19)

近年,脳波を用いて機械を操作するBCI(Brain Computer Interface)の研究が盛んに行われている.しかし,音声想起の認識に関する効果的な方法は確立していない.本報告では,利用者への負担が少ない非侵襲的な方法で,頭皮から脳波(Electroencephalogram ; EEG)信号を取得し,脳活動を分析する.また分析結果をもとに,音声想起(speech-imagery) 時の脳波から単語を認識することを目指す.本稿では7名分の脳波を用いた10数字単語想起に対する実験結果を報告する.認識実験ではRandom Forestを使用し,数字を想起した脳波信号から10数字の単語認識を行った.認識に使用する特徴量はゼロ交差率,パワースペクトルエントロピー,二乗平均平方根,尖度,線スペクトル,移動平均である.結果として,パワースペクトルエントロピーと尖度を用いた場合の正解率が高いことが明らかとなった.それらの特徴量を用いた結果,正解率(被験者平均)82.6%を得ることができた.想起時脳波信号を用いた単語認識には,これらの特徴量を用いることが有効であることが示された.
著者
小野 拓也 森 純一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.2K1ES205, 2020 (Released:2020-06-19)

画像に含まれる異常データを認識・検出することはコンピュータビジョンの分野で重要な技術である。近年ディープラーニングにより異常検知を解決する方法が主流となっており、従来の手法よりも精度が高いことで知られる。異常検知問題はその性質上、異常データが極めて少数であり、データセットが著しい不均衡になっているケースが多い。そのため、教師あり学習を適用することは難しく、教師なし・半教師あり学習による解決が期待される。本論文では、画像データに対して半教師あり学習(AnoGAN, 畳み込みオートエンコーダーなど)及びクラスラベルを用いる距離学習(AdaCos, L2 softmaxなど)を用いた深層異常検知手法で最先端の手法の再現実装を行い、その有効性を評価した。結果としては、現状の深層異常検知手法では期待される性能を満たすことは難しく、改善の余地があるとの結論が得られた。最後にこれらの手法の問題点と、現状の研究課題について示した。
著者
島野 拓也 長野 遼太 豊東 柊哉 万代 悠作
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4Rin133, 2020 (Released:2020-06-19)

近年、世界最大のアイスホッケーリーグであるNHLでは、動画解析による戦略分析が盛んに行われている。しかし、高性能で高価なカメラやセンサーを用いたサービスがほとんどで、アマチュアチーム向けは少ないと考えられる。本稿では、アマチュアチーム向けに、動画撮影のみで自動的に戦略分析が可能なフレームワークを提案する。本稿では、(1)Mask-RCNNを用いたプレイヤーやゴールなどのオブジェクト検知、(2)ホモグラフィ変換を用いたオブジェクトの位置関係からプレイヤーのホッケーリンク上の座標の推定、(3)プレイヤーの座標とアクションから確率的分類器を用いた得点期待値の推定、の3点のトピックに焦点をあてる。2019-20年NHLの動画で、各トピックの精度検証を行った。結果は、物体の誤検知や得点期待値の精度などの課題があるものの、動画撮影のみで分析を行うことが十分可能であることを示した。
著者
川村 隆浩 桂樹 哲雄 稲冨 素子 鐘ヶ江 弘美 江口 尚
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.2O4GS1304, 2020 (Released:2020-06-19)

昨今,研究データの有効活用による研究の加速化や新たな知の創造が強く求められている.そのため,各国研,大学では研究データ基盤の整備が進められており,我々,農研機構では農研機構統合DB(以下,統合DB)を構築し,2020年4月より運用を開始した.統合DBでは,農業に関する様々な研究データ(ゲノムや品種,病害虫や環境に関する情報)にFAIR原則に基づく共通メタデータを付けてカタログ化する.一方,自然科学特有の複雑に絡み合ったデータ間の関係をRDF(Resource Description Framework)やProperty Graph,またはRDB形式で記述し,統計分析や機械学習の適用を容易にする仕組みを提供している.特に,農業や環境など研究期間が長期に渡る研究データをより早いサイクルで分野横断的研究に繋げるべく,日常的に利用するファイルサーバーと研究データレポジトリを一体的に運用できる点を特徴としている.本稿では,研究データレポジトリの動向を概観した後,統合DBのシステム構成,農研機構共通メタデータを紹介し,今後の展望を示す.
著者
小柳 隆人 Kotaro YAMAMOTO 鈴木 健太郎 君塚 涼
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4Q2GS901, 2020 (Released:2020-06-19)

Open-Domain Question-Answeringは機械読解と情報検索の複合タスクであり,通常のQuestion Answeringのタスクと異なり,質問の解答を含む文献データがないため,文献候補を発見する必要がある.本論文ではこのタスクの解決のために,1. 機械読解学習データに基づくクエリの拡張,2. 機械読解の出力活性化関数のsigmoid化,3. 機械読解スコアのマージとランキングの3つのアプローチを提案する.評価実験では文献データを取り除いた日本語の質問応答データセットを用い,従来の手法を適用した場合に比べ,提案手法の回答精度が向上したことで提案手法の有効性を示す.
著者
木村 友哉 松村 真宏
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4D3GS1203, 2020 (Released:2020-06-19)

電源が入ると人形が踊りだす屋外式エアー看板の一種「スカイダンサー」が人々の行動を変えるかを定量的に測定した。その結果、スカイダンサーに対し積極的な反応を示した人数は通行量の2.0%から4.9%に増加したほか、視認率は4.6倍になった。この装置を応用し、イベント会場のゴミ箱に併置してポイ捨ての量を減らすことを試みたところ、イベント翌日に拾得されたゴミの量が前年比で約半分になった。
著者
新納 浩幸 白 静 曹 鋭 馬 雯
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.1E3GS902, 2020 (Released:2020-06-19)

本論文では BERT の領域依存の問題を指摘し、Fine-Tuning を利用することで領域に特化した事前学習モデルを構築する。具体的には既存 BERT モデルのパラメータを DistilBERT のパラメータの初期値とし、領域毎のコーパスを利用して DistilBERT モデルの学習を行う。これによって領域に特化した DistilBERT モデルの構築が効率的に行える。実験では、領域毎に空所単語の推定問題を作成し、問題の領域に特化して構築したモデルと既存 BERT モデルを比較することで、構築したモデルの有益性を示す。
著者
松井 孝太 草川 隼也 安藤 圭理 沓掛 健太郎 宇治原 徹 竹内 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.2J1GS201, 2020 (Released:2020-06-19)

所望の構造出力(ここでは各要素が相関を持つ多次元ベクトルを指す)を達成する入力パラメータを見つける逆問題のための能動学習法を提案する. 理論的な貢献として,ブラックボックスなベクトル値の目的関数に対して出力の要素間の相関を明示的にガウス過程モデルに取り込むことにより,少ない観測点数で所望の構造出力とモデルによる予測との間の誤差を最小化するための新たな獲得関数を提案した.また,提案法を人工の形状探索問題,多出力のベンチマーク問題および炭化ケイ素結晶成長モデリングの実データを用いた成長速度分布の探索問題に適用し有効性を検証した.数値実験の結果,提案法は相関を考慮しないモデリングに比べて高速に所望の出力を発見できることを確認した.