著者
加治屋 勝子
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.269-276, 2012-04-01

血管がギューッと縮んで血流を滞らせる「血管の異常収縮」.脳血管で起これば脳梗塞,心臓の血管で起これば心筋梗塞や狭心症などの引き金となる.命に関わる病気だけではなく,頭痛や動悸,不整脈などの日常で見逃しがちな症状となって現われる場合もある.長年の謎である異常収縮の原因を突き止め,治療法を確立すれば,多くの血管病に苦しむ人を救うことができる.現在,様々な食品から血管病の特効薬成分が探索され,すでにいくつかの候補成分が見いだされつつある.ここでは,受賞テーマである治療薬開発の研究成果を中心として,発症メカニズムの最新動向と食品成分による血管病予防の可能性について解説する.
著者
亀井 康富 江原 達弥 高橋 真由美 小川 佳宏
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.839-843, 2010-12-01 (Released:2011-12-01)
参考文献数
32

これまで遺伝素因によるところが大きいと考えられてきた「太りやすい」体質の原因に,栄養環境を含めた環境因子が少なからず影響を与えていることが明らかとなりつつある.胎児期~新生児期は器官が形成される可塑性の高い時期であり,この時期の栄養状態や摂取する食品成分により成人期の肥満や生活習慣病の易感受性が決定される可能性がある.ここでは,代謝疾患である生活習慣病のエピジェネティクス制御に関する最近の研究の動向を概説し,今後を展望する.