著者
岸 誠司 土井 俊夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.5, pp.1289-1295, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

クリオグロブリン血症は主として細動脈レベルに生じる全身性血管炎を生じる疾患で,極めてC型肝炎ウイルスとの関連が強い.皮膚,関節,神経系,腎臓等が主として標的となり,特にC型慢性肝炎患者において皮膚病変を認めた場合には注意が必要である.活動性の高い腎病変や全身性の血管炎を呈する免疫抑制療法や血漿交換療法の必要な重症例も存在する.とくにC型肝炎ウイルス関連クリオグロブリン血症については,B細胞関連リンパ増殖性疾患のひとつとして定義されるようになり,慢性的なC型肝炎ウイルス感染と,Bリンパ球のクローン性増殖との関係も次第に分子レベルで解明されつつあり,抗B細胞療法としてのリツキシマブ投与など治療法も進歩しつつある.
著者
徳重 克年
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.8, pp.1670-1676, 2021-08-10 (Released:2022-08-10)
参考文献数
17

非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)は,本邦に約2千万人以上の患者がおり,生命予後に関わる高度線維化群は今後さらに増加することも危惧されている.この2千万人以上のなかから,肝線維化・肝硬変NAFLDの効率的な拾い上げ,また近年非ウイルス性肝疾患を基盤とする肝細胞癌(hepatocellular carcinoma:HCC)が増加しており,そのスクリーニングの必要性も唱えられている.今回,診療ガイドラインの改訂に伴い,1)肝線維化の重要性,2)線維化群の効率的な拾い上げ,フォローアップ方法,3)肝発癌に関するスクリーニング方法,4)新たな治療方針を中心にNAFLDの最新の情報を概略した.今後,NAFLDの肝線維化の重要性が広く認識され,線維化・HCCのスクリーニングが効率的に行われ,最終的に有効な治療につながることを望む.
著者
松本 哲哉
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.9, pp.2282-2291, 2014-09-10 (Released:2015-09-10)
参考文献数
10
著者
並木 正義 栗原 春仁 藤田 浩也 中西 孝美 新崎 隆一 前沢 貢
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.1206-1212, 1964-01-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
8

北海道日高アイヌにつき胃集団検診を行なうかたわら,血液などにかんしても種々の臨床的検査を行ない,和人との比較において検討してみた.その結果,智については,アイヌにおいて牛角胃,瀑状胃を呈するものの割合が和人にくらべてはるかに多く,胃カメラ所見で変化を有するものは和人に比して著明に少なく,また無酸がほとんどみいだされなかつた.一方,自覚的に胃症状を訴えるものもあまりなく,ともかくアイヌに胃疾患の少ないことをたしかめることが出来た.血液にかんしては,血球数,血色素,ヘマトクリット値,血液像については,和人との間に有意の差なく,血清の鉄,銅の値もまた有意差がなかつたが,血清総コレステロール値の低い傾向,および血清蛋白分画値におげるアルブミンの減少,グロブリンの増加傾向は,和人に比し有意の差がみとめられた.
著者
岡 慎一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.9, pp.1885-1889, 2015-09-10 (Released:2016-09-10)
参考文献数
4
著者
長藤 宏司
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.7, pp.1301-1308, 2018-07-10 (Released:2019-07-10)
参考文献数
13
被引用文献数
2 1

・フィラデルフィア染色体(Philadelphia chromosome:Ph)陽性急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia:ALL)とPh陰性ALLでは大きく治療方針が異なり,ALLの診断後,早期にPhの有無を判定することが必要である.・Ph陰性ALLに対しては,多剤併用化学療法を行う.・思春期・若年成人ALLは,小児プロトコールで治療することが望ましい.・Ph陽性ALLは,60歳以上の高齢者でも,チロシンキナーゼ阻害薬(tyrosine kinase inhibitor:TKI)を使用することにより,高率に完全寛解に導入できる.
著者
岸本 寿男 木田 浩司
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.11, pp.2846-2853, 2013-11-10 (Released:2014-11-10)
参考文献数
11
被引用文献数
4 3

2011年に中国で初めて確認された新たなダニ媒介性感染症である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が2013年1月に我が国でも確認された.死亡率が高く,根本的な治療法やワクチンがないことから大きな問題となっている.疫学や病態,保有マダニの種類や分布など自然界での存在様式についてもまだ不明な点が多いが,ここでは話題のSFTSについての概略ならびに現状とその対処法について述べた.
著者
宇川 義一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.3, pp.439-444, 2016-03-10 (Released:2017-03-10)
参考文献数
5
著者
宇川 義一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.9, pp.2653-2661, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
6
被引用文献数
1
著者
福冨 友馬
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.10, pp.2097-2103, 2018-10-10 (Released:2019-10-10)
参考文献数
10

難治性喘息とは,高容量ステロイド薬,経口ステロイド薬,抗IgE(immunoglobulin E)抗体の投与,その他の喘息治療薬をコントロールに要する喘息,または,これらの治療を行ってもコントロール不良な喘息である.難治性喘息の診断において最も重要なことは,喘息様症状を示す他疾患を適切に鑑別することである.喘息の難治化因子としては,肥満,アスピリン感受性,非アトピー型,真菌感作等が重要である.
著者
絹川 真太郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.2, pp.207-214, 2020-02-10 (Released:2021-02-10)
参考文献数
8

これまでの大規模臨床試験や病態解明研究の結果から,左室駆出率が低下した心不全の病態形成には,神経体液性因子の慢性的な活性化が重要な役割を果たしていることが明らかになった.予後改善及び心筋リモデリング改善目的に,β遮断薬,アンジオテンシン変換酵素(angiotensin-converting enzyme:ACE)阻害薬,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(mineralocorticoid receptor antagonist:MRA)を標準治療として用い,臓器うっ血とそれによる症状の軽減目的に利尿薬を用いる.一方,左室駆出率が保持された心不全に対する確立した治療法がなく,有効な薬物治療の開発が待たれる.
著者
山下 武志
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.11, pp.2245-2250, 2016-11-10 (Released:2017-11-10)
参考文献数
5
被引用文献数
1

ビタミンK拮抗薬のワルファリンは,50年以上唯一の経口抗凝固薬として,心房細動,静脈血栓塞栓症に対して用いられてきた.2011年よりトロンビン阻害薬のダビガトラン,Xa阻害薬のリバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバンという4つの直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants:DOAC)が利用可能となり,その簡便性からこれらの病態に対する抗凝固薬のunderuseが改善されつつある.これらのDOACはいずれも大多数の患者を対象としたグローバル型大規模臨床試験でその有効性,安全性が証明されている.一方で,1)日本におけるワルファリン使用法はこれまでグローバル基準と同一でなかったこと,2)日本ではグローバルと比較して急速に高齢化が進み,大規模臨床試験の登録基準には当てはまらない高齢者が極めて多いことなど,大規模臨床試験の成績だけで日本の医療向上が単純に期待できるわけでなく,今後,様々な新しい課題の解決が必要である.
著者
村田 隆彦 川嶋 雅浩 寺山 靖夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.7, pp.2048-2050, 2012 (Released:2013-07-10)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

症例は61歳,男性.右不全片麻痺で脳梗塞を発症し,クロピドグレルの内服開始に伴い,胃粘膜病変予防のためラフチジンの内服を開始した.内服開始2日後より異常言動などの精神神経症状がみられ,血液検査・頭部MRIで原因と考えられる明らかな変化がなく,ラベプラゾールの内服への変更で精神神経症状は速やかに改善した.ラフチジンは脂溶性の薬物であり,血液脳関門を通過しやすいため精神神経症状の発現に注意する必要がある.
著者
光武 耕太郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.9, pp.1968-1975, 2020-09-10 (Released:2021-09-10)
参考文献数
8