著者
三島 剛 萩原 愛子 伊藤 均 小森 智康 堀川 大輔 川瀬 直也 佐藤 庄衛
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.729-735, 2020 (Released:2020-06-26)
参考文献数
11

放送局では番組制作に必要な構成資料や放送原稿などを作成するため,取材した映像素材の発話を文字に変換する書き起こしを活用している.しかし書き起こしを制作する作業は多くの労力を要し,迅速な番組制作の妨げになっている.そのためわれわれは音声認識技術を用いた書き起こし支援技術の研究を進めている.この中では書き起こしの作業時間短縮に加え,記者会見などのライブ素材の書き起こしや複数人での協調作業など,番組制作のワークフローを考慮することで迅速に番組を制作して視聴者に情報を届けることを目指している.本システムの有効性を検証するため放送現場に試行用のシステムを導入し,改善項目の収集や利用状況の調査を継続して実施した.この試行運用を契機に書き起こしシステムの有用性が放送現場に認められ,現在はNHKの全放送局で本システムが活用されている.
著者
沢井 淳志 山本 隼 都竹 愛一郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.J77-J85, 2018

<p>地上デジタル放送では,誤り訂正復号後のBER(Bit Error Rate)によって視聴の可否が決定する.そのため,受信機の誤り訂正能力を向上させることができれば,視聴可能エリアの拡大や,送信電力の低減が可能となる.地上デジタル放送では,畳み込み符号とリードソロモン(RS: Reed-Solomon)符号を用いることで誤り訂正符号化を行っているため,その復号方法であるビタビ復号とRS復号の誤り訂正能力が重要となる.</p><p>本論文では,受信機内で行うビタビ復号において,RS復号後の情報やキャリア毎のC/N情報を用いることで誤り訂正能力を向上させる方法を提案し,シミュレーションにより本提案手法の有効性を検討した結果について述べる.</p>
著者
宮本 泰敬 奥田 光伸 宮下 英一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.J34-J40, 2014

スーパーハイビジョンなどの超高速・大容量データを非圧縮で記録するには,現状の記録デバイス単体の性能は充分ではなく,複数の記録デバイスを並列動作させる必要があるため,装置の大型化や大消費電力が問題となる.半導体微細加工技術を用いて作製した磁性細線では,その長さ方向に電流を流すことで情報を記録した磁区を高速駆動できることがわかってきた.この磁性細線を複数並列に配置し,それぞれに記録・再生ヘッドを設置して記録デバイスを構成すれば,転送速度の抜本的な性能改善を図ることができ,記録装置の小型化にも寄与できることが期待される.ここでは,磁性細線を用いた超高速記録デバイスの構成および動作原理を概説し,研究開発の状況を紹介する.
著者
沢井 淳志 山本 隼 都竹 愛一郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.J77-J85, 2018 (Released:2018-04-25)
参考文献数
10

地上デジタル放送では,誤り訂正復号後のBER(Bit Error Rate)によって視聴の可否が決定する.そのため,受信機の誤り訂正能力を向上させることができれば,視聴可能エリアの拡大や,送信電力の低減が可能となる.地上デジタル放送では,畳み込み符号とリードソロモン(RS: Reed-Solomon)符号を用いることで誤り訂正符号化を行っているため,その復号方法であるビタビ復号とRS復号の誤り訂正能力が重要となる.本論文では,受信機内で行うビタビ復号において,RS復号後の情報やキャリア毎のC/N情報を用いることで誤り訂正能力を向上させる方法を提案し,シミュレーションにより本提案手法の有効性を検討した結果について述べる.
著者
渡邉 之人 梅田 崇之 島村 潤 嵯峨田 淳
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.588-596, 2020 (Released:2020-04-27)
参考文献数
33

本稿では,低解像度画像を対象とした特定物体認識を考える.遠距離から撮像する場合や,物体が小さい場合など,実用上物体が常に充分な大きさで含まれているとは限らない.解像度が低下し,多くの詳細なテクスチャが失われると,認識精度は大きく劣化してしまう.そこで本研究では,超解像により画像の細部を復元することで,特定物体認識の精度劣化を改善するアプローチを検討する.超解像と特定物体認識の特徴抽出とを行うネットワーク,および,特定物体認識を志向してネットワークをend-to-endで学習する損失関数を提案する.3種類のデータセットを用いた実験を行い,本手法の有効性を明らかにする.
著者
青木 貴則
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.J9-J12, 2018-01-01 (Released:2017-12-21)
被引用文献数
1

ゴルフ番組ではショットに対する視聴者の関心が高く,弾道の描画や測定データを根拠としたショットの解説が求められていた.本システムでは 3Dドップラーレーダを用いてショット時のクラブヘッドやボールの動きを解析し,ショットデータの表示と実空間上にマッチした飛球線のリアルタイム描画を行うシステムを開発した.高精度なカメラキャリブレーションと組合せることによって,任意のカメラ映像に飛球線を描画させることを可能にしただけでなく,選手間や選手自身のデータ比較により,映像だけでは見えてこなかったショットの差,攻め方の違いを視覚的にわかりやすく表現することを実現した.

1 0 0 0 OA 1. 計測手法

著者
福井 一夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.1120-1123, 1997-08-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
4
被引用文献数
2
著者
後藤 富朗 大野 永貴 平野 智 桜井 優
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.1647-1654, 2010-11-01 (Released:2011-02-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1

In accordance with the recent improvement in the quality of image displays, digital image compression artifacts are more visible than ever. Moreover, a lot of studies have been done to remove the artifacts such as blocky noise and mosquito noise. Among them, the total variation (TV) regularization approach proposed by Alter is considered to be one of the most successful. In this approach, the TV is regularized under constrained conditions, making it possible to efficiently remove the artifacts included by quantizing DCT coefficients.In this paper, unlike Alter's approach, an image is decomposed into a structure component and a texture component using the ROF TV regularization, and blocky noise and mosquito noise are moved in the texture component. Then, by filtering it using the deblocking edge filter, blocky noise can be removed. Furthermore, by controlling the selective filters using edge information obtained from the structure component, mosquito noise can be removed. Also, the reconstructed image is obtained to compose a filtered texture component and a structure component. An advantage the proposed method has over Alter's approach is it removes the artifacts without removing small texture signals. The experimental results show that the proposed method produces fine images subjectively and objectively. Also, the proposed method can be applied for not only JPEG-compressed images but also DCT-based compressed images such as MPEG and H.264.