著者
二宮 洸三 古賀 晴成 山岸 米二郎 巽 保夫
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
気象集誌. 第2輯
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.273-295, 1984
被引用文献数
24

1982年7月23日九州西北部(長崎市近傍)で豪雨(~400mm/1日)が発生した。この豪雨の予報実験を13層42km格子プリミティブ&bull;モデルによって行なった。<br>九州北西部に集中した降水,その近傍における小低気圧と循環系の形成は24時間予報でかなり正確にシミュレートされた。しかし実況に比較すると予報雨量(~70mm/6時間)も低気圧の深まりも不充分である。特に22日12時(GMT)を初期値とする予報実験ではspin upに時間がかかり,はじめの12時間の降雨,低気圧発達が不充分であった。これらの問題は残るが,微格子モデルによる豪雨予報の可能性が示されたものと考える。非断熱過程の効果を確かめるためdry modelによる実験を行なうと,小低気圧の発達はなく上昇流も非常に弱い。降雨にともなう非断熱効果がさらに降雨を強めるという作用が推論される。<br>モデルの分解能増加の効果を見るため,11層63km格子,10層127km格子および8層381km格子モデルの予報と比較した。分解能増加によって降雨の集中性が強まるだけでなく,総(面積積算)雨量も増加する。分解能を増すと豪雨域周辺から豪雨域へ流入する水蒸気流束が増大するからである。<br>実験データにもとづき,豪雨域の水蒸気収支,対流不安定の生成,発散方程式および渦度方程式のバランスを解析した。<br>さらに1983年7月22~23日の山陰豪雨の予報実験を行った。東西にのびる豪雨域は予報されたが,予報された豪雨のピーク時と観測されたピークとの間には数時間の差があり,前線上の弱い小低気圧近傍の降雨は実際よりはやく予報され,一方小低気圧通過後の降雨は予報されなかった。小低気圧にともなわない降水が予報されなかった理由は現在不明である。
著者
Eric A. Smith Alberto Mugnai
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.739-755, 1989 (Released:2007-10-19)
参考文献数
20
被引用文献数
9 17

鉛直方向と角度について細かくとったマイクロ波の平行放射伝達モデルを用いて、EHF/SHFスペクトル領域にわたる数個の周波数での宇宙空間へ放射されるマイクロ波の伝達に対して、時間に依存して変わる雲の微物理構造の影響を調べるために、雲モデルのシミュレーションとともに、一連の数値実験を行なった。本研究の全般的な目的は、宇宙プラットホームから多チャンネル受動型マイクロ波を利用して降水を推定する技術に介在する物理を詳細に調べることにある。本論文は、先に発表した感度試験研究(Mugnaiand Smith,1988;Smith and Mugnai,1988)の続きである。発達するモデル雨雲における受動型マイクロ波の輝度温度に対する大きな氷粒子の効果を、EHF/SHFスペクトル域の10個の周波数で調べた。固い氷結モード及び低密度の氷結モードの両方に対して、それぞれ三つの雲モデルを考慮した。結果は、10.7GHz と 231GHz の問の周波域が、様々の雲モデルや氷結モードに異なって応答することを、はっきり示している。個々の雲層や降水層の輝度温度に果たす寄与を鉛直方向に分離するために我々が導入した、周波数に依存して鉛直に分布する一般化射出/散乱加重関数は、大気上端での輝度温度の強さに強く関与している特定の層を同定するのに、どのように利用できるかを示した。その一般化加重関数は、それ自身における散乱項の相対的強さを示す散乱関数め寄与率とも結びついている。このことは、輝度温度が個々の層における降水粒子によっていかに加減されるか、をよく理解する助けになる。この研究のもう一つの顕著な成果は、中間または高周波数(37GHz以上)に対する、混合相の存在の重要性を明らかにしたこと、及び85GHzでの氷結モードの影響を定量的に示したことである。更に、ある一定の全液体水分量に対しては、雲の鉛直スケールが、実際の観測と合う輝度温度を与える上での、主な支配的要因であることが示された。この結果は、北部アラバマでの1986年の COHMEX 実験における、航空機搭載の2チャンネルマイクロ波放射計による激しい雷雲の観測の実例解析に基づいている。
著者
CHEN Yaodeng WANG Jia GAO Yufang CHEN Xiaomeng WANG Hongli HUANG Xiang-Yu
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
pp.2018-048, (Released:2018-06-22)
被引用文献数
3

Background error covariance (BEC) is one of the key components in the data assimilation systems for numerical weather prediction. Recently, a scheme of using an inhomogeneous and anisotropic BEC estimated from historical forecast error samples has been tested by employing the extended alpha control variable approach (BEC-CVA) in the framework of the Variational Data Assimilation system for the Weather Research and Forecasting model (WRFDA). In this paper, the BEC-CVA approach is further examined by conducting single observation assimilation experiments and continuously cycling data assimilation and forecasting experiments covering a 3-weeks period. Moreover, additional benefits of using a blending approach (BEC-BLD), which combines a static, homogeneous BEC with an inhomogeneous and anisotropic BEC, are also assessed. Single observation experiments indicate that the noises in the increments in BEC-CVA can be somehow reduced by using BEC-BLD, while the inhomogeneous and multivariable correlations from the BEC-CVA are still taken into account. The impact of BEC-CVA and BEC-BLD on short-term weather forecasts is compared with three-dimensional variational data assimilation scheme (3DVar), and compared with the hybrid ensemble transform Kalman filter and 3DVar (ETKF-3DVar) in WRFDA also. Results show that the BEC-CVA and BEC-BLD outperform the use of 3DVar. It is shown that BEC-CVA and BEC-BLD underperform ETKF-3DVar as expected, however the computational cost of BEC-CVA and BEC-BLD is considerably less expensive since no ensemble forecasts are required.
著者
松本 誠一
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.53-63, 1967 (Released:2008-05-27)
参考文献数
19
被引用文献数
6 14

北陸地方に設定した細かい観測網による高層観測資料に基ずき,熱および水収支を1963,1964および1965年の3ケ年分の特別観測期間につき比較した。水蒸気の収束量はこの3冬とも殆んど同じ値を示しているが,降水量は年々非常に変っている。海面からの蒸発および対流輸送量の違いはかなりあるけれども,降水の変動には主として凝結した水分の輸送が関係している。6時間間隔の水蒸気輸入量を領域内の6時間降水量と比較すると,風下側の観測点の降水量とよい関係があることが分る。平均流束による発散で計算すると顕熱増加量は潜熱減少量のほぼ2倍になることが示される.この関係は観測網の大きさに関係なく,とくに雲層内でよく成立っている。差引き過剰の熱エネルギーは対流活動により輸送されているものと考えられる。強い降雪が観測されるときには対流活動が盛んで,海面から補給される熱エネルギーよりも多い熱エネルギーを雲層に輸送していることが示唆される。本研究は北陸豪雪特別研究の一環としてなされたものである。
著者
柳井 連雄
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.282-309, 1961-12-28 (Released:2007-10-19)
参考文献数
98
被引用文献数
17 33

台風の発生機構を力学的に説明することを試みた。台風の発生とは,既存の大規模な低緯度擾乱が激しい自由対流に転化することであると考える。第一章で大気中に起る種々の自由対流,強制対流について一般的考察を行なつた。特に堰形渦中の自由子午面須環の発達速度を不安定成層,安定成層の各々の場合につき摂動の水平スケールの関数として論じた。台風のような大きいスケールを持つ擾乱の発達を説明し得るものは安定成層中の傾圧性(すなわちradialな温度差)による力学的不安定であつて,これはFultzやHideによつて行なわれたdishpan実験中にみられ,Kuoによつて理論的に説明されている激しいHadley型対流の機構と本質的に同じである。第二章では実際の台風発生過程を三段階に分け,各々のstageにおいて支配的な機構を説明した。第一は偏東風波に伴う力学的強制上昇流の維持,第二はその強化と,その中での積雲対流の誘発,潜熱放出による中心部の温暖化,第三が形成された水平温度差が臨界値を越したときの激しいHadley型自由対流への転化である。要するに凝結熱は発生期においても台風の一次的垂直循環の直接的原因ではなく,それはwarm coreの形成,維持を通して重要なのである。
著者
KHATRI Pradeep HAYASAKA Tadahiro IWABUCHI Hironobu TAKAMURA Tamio IRIE Hitoshi NAKAJIMA Takashi Y.
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
pp.2018-036, (Released:2018-04-09)
被引用文献数
9

The present study implements long-term surface observed radiation data (pyranometer observed global flux and sky radiometer observed spectral zenith transmittance data) of multiple SKYNET sites to validate water cloud optical properties (cloud optical depth COD and effective radius Re) observed from space by MODIS onboard TERRA and AQUA satellites and AHI onboard Himawari-8 satellite. Despite some degrees of differences in COD and Re between MODIS and AHI, they both showed common features when validated using surface based global flux data as well as cloud properties retrieved from sky radiometer observed zenith transmittance data. In general, CODs from both satellite sensors are found to overestimated when clouds are optically thin. Among a number of factors (spatial and temporal variations of cloud, sensor and solar zenith angles), the solar zenith angle (SZA) is found to have an impact on COD difference between reflectance based satellite sensor and transmittance based sky radiometer. The Re values from the sky radiometer and satellite sensor are generally poorly correlated. The difference in Re between the sky radiometer and satellite sensor is negatively correlated with COD difference between them, which is likely due to the inherent influence of Re retrieval precision on COD retrieval and vice versa in transmittance based sky radiometer.
著者
OKUYAMA Arata TAKAHASHI Masaya DATE Kenji HOSAKA Keita MURATA Hidehiko TABATA Tasuku YOSHINO Ryoko
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
pp.2018-033, (Released:2018-03-30)
被引用文献数
23

The new geostationary meteorological satellite of the Japan Meteorological Agency (JMA), Himawari-8, entered operation on 7 July 2015. Himawari-8 features the new 16-band Advanced Himawari Imager (AHI), whose spatial resolution and observation frequency are improved over those of its predecessor MTSAT-series satellites. These improvements will bring unprecedented levels of performance in nowcasting services and short-range weather forecasting systems. In view of the essential nature of navigation and radiometric calibration in fully leveraging the imager’s potential, this study reports on the current status of calibration for the AHI. Image navigation is accurate to within 1 km, and band-to-band co-registration has also been validated. Infrared-band calibration is accurate to within 0.2 K with no significant diurnal variation, and is being validated using an approach developed under the GSICS framework. Validation approaches are currently being tested for the visible and near-infrared bands. Two such approaches were compared and found to produce largely consistent results.
著者
椎野 純一
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
気象集誌. 第2輯
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.109-134, 1984

積雲の降水形成過程を理解するために,第1部に示した力学過程と微物理学的過程との非線形相互作用を考慮した,暖かい海洋性積雲の軸対称モデルを用いて,雨滴の成長に関する数値シミュレーションを行った.第2部では,特に降水発生の重要な先駆現象の一つと考えられる,雲粒一小雨滴間のバイモーダル粒径分布形成のための微物理学的パラメータの臨界条件が調べられる.その目的に沿って,小規模積雲と背の高い発達した積雲について,雨滴の成長過程が詳しく調べられた.<br>その結果,バイモーダル粒径分布形成の一般的な臨界条件の存在することが強く示唆された.その条件とは,半径60&mu;程度の水滴がある程度の濃度で形成されることであるが,それは水滴の平均半径と分散によって一義的に表わされる.<br>力学的に活発なよく発達した積雲では,水蒸気の凝結率が高いために,雲粒は雲の"発達期"に既にこの臨界条件を満たす.その結果水滴は顕著な併合効果によって急激に成長し,降水物理過程と力学過程との非線形相互作用によって作られる強い下降流に伴って,突然,大粒の雨滴からなる強い降水をもたらす.しかしこの強い降水は継続時間が短く,かつ局地性を示す.一方,力学的に不活発な小規模積雲では,水蒸気の凝結率が小さいため雲粒の成長速度は遅く,臨界値到達直後のバイモーダル粒径分布は,"最盛期"の雲頂付近にようやく現われる.しかし雲の衰弱過程での水滴の平均半径が小さい(数濃度は逆に大きい)ために,雨滴のかなりの部分が蒸発する.その結果,地上の降水強度は弱く,雨滴の粒も小さく,また雲の降水能率(総降水量/総凝結水量)も発達した積雲に比べはるかに小さい.このように両者の降水形成過程には顕著な相異が認められる.<br>積雲モデルについては慎重な考察が加えられている.
著者
グリフィス R.F. レーサム J.
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
気象集誌. 第2輯
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.416-422, 1972
被引用文献数
20

半径R電荷Qをもった球形の水滴が,約4.5m/secの速度で電極間を落下するとき,その水滴からコロナ放電を起こすに要する電場の強さ瓦と気圧との関係を測定した.気圧1,000mbで正の垂直電場では瓦は9.0&plusmn;05kv/cmであり,気圧500 mbではこれが5.5&plusmn;1.0kv/cmに減少した.電場が水平である場合には,気圧1,000,500mbで瓦はそれぞれ6.3&plusmn;0.3,6.9&plusmn;0.3 kv/cmであった.<br>Dawson(1969)とRichards and Dawson(1971)の研究を主な論拠として,これらの結果を説明しうる方程式をたてたが,この式から予想されることは,大粒の雨を含む雷雲中に存在しうる電場の最大値は,気圧には無関係であって,ほぼ12/R0&bull;3e.s.u.あたりであるということである.これは500kV/mに相当する.ここで,もしこのような強さの電場が雷雲の内部に生ずると,分裂しつつある水滴から生ずるコロナ放電が雷放電のトリガーとなるであろうと考えられる.
著者
アバス M.A. レーサム J.
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
気象集誌. 第2輯
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.65-74, 1969
被引用文献数
28

温度が0&deg;Cから-45&deg;Cまでかえられる箱の中に半径0.106cm~0.134cmの過冷却水滴を絶縁してつるし,その凍結状態を調べた.<br>その結果,もし水滴の表面が電気的または力学的な力でふん砕され,こわれた部分から液体のフィラメントが発生する場合には,0&deg;C~-22&deg;Cの温度範囲で,一定の時間間隔の中で水滴が凍結する割合は,かなり大きいことがわかった.<br>たとえば5分間の実験間隔で,水滴の凍結率は,もし水滴が電場でこわされる時には,-50&deg;C,-10&deg;C,-15&deg;C,-20&deg;Cで夫々0.44,0.62,0.75,0.88であり,もし同じ温度で,水滴の表面に絶縁されている糸又は導線をつっこんだ時には,夫々0.25fO.44,0.50,0.58となるが,もし水滴の表面が,この時間中にこおされたり乱されたりされずに,その破壊点以下のところに相当する強電場の下にそっとおかれるか,水滴をつるしたものを強くふるような場合には,夫々0,0.02,0.07,0.18に留まっていた.<br>この観測はPrupPacher(1963 a, b)によってなされた電場内での凍結についての規準(すなわち,三重相の境界の運動といつも関連しているとするもの)と全く一致しない.この観測はむしろ:Loeb(1963)の示嵯するものと-致している.それは電場内での凍結の最も本質的条件は水滴の.__.部分が細いフィラメントに,ひっばられることによるというのであるが,:Loeb et aL(1938)は既にフィラメントはすぐれた凍結核として働く分子凝集物を含むものであると言っている.これらの結果は,凍結が破壊の起った場所からはじまっているということを示す高速度写真によって裏づけされている.破壊の過程の間に,液体より放出される気泡の凍結確率に対する影響は二次的であることが示される.<br>自然の雲の中でなされた観測によると,電場内での凍結については,はっきりした証據がないとはいえ,かなりの量の間接的な研究からしても,過冷却の雲の中の気温の非常に高いところに氷粒が存在しているという事実のうらがきとなる.そして自然の中で観測された凍結粒の特性は電場内での凍結から期待されるものとよく一致している.
著者
Hongli WANG Linjing QIU Xiaoning XIE Zhiyuan WANG Xiaodong LIU
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.96, no.4, pp.391-403, 2018 (Released:2018-08-02)
参考文献数
27
被引用文献数
2

The climate variability in monsoon and arid regions attributable to dynamic vegetation is investigated using NCAR's Community Earth System Model with the Dynamic Global Vegetation Model. Two present climate simulations, one using dynamics and the other using fixed vegetation cover, are carried out. A comparative analysis of the two simulations reveals that the climate in monsoon and arid regions exhibits different responses to dynamic vegetation. On the hemispheric scale, precipitation mainly increases in the Northern Hemisphere and decreases in the Southern Hemisphere in response to dynamic vegetation, while the surface temperature exhibits a consistent decrease. On the regional scale, precipitation decreases caused by dynamic vegetation are the main trend in monsoon regions except for the Asian monsoon region, while precipitation responses to vegetation change are weak in arid regions relative to monsoon regions. The surface temperature increases significantly because of dynamic vegetation only in the boreal winter Asian monsoon region, while the rest of the monsoon and arid regions mainly exhibit reduced surface temperatures. Therefore, the climate variability in the Asian monsoon region is clearly different from the other regions. Further analysis shows that dynamic vegetation can modulate variations in the east–west sea-level pressure gradient and lower-level meridional winds in East Asia, and it can strengthen (weaken) the East Asian summer (winter) monsoon. Mechanistic analysis reveals that the difference in hemispheric and regional climate variations may be due to changes in the dynamic vegetation-induced moisture flux and net surface radiative forcing.
著者
ZHUGE Xiaoyong ZOU Xiaolei
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
pp.2018-041, (Released:2018-04-13)
被引用文献数
19

Convective initiation (CI) nowcasting often has a low probability of detection (POD) and a high false-alarm ratio (FAR) at sub-tropical regions where the warm-rain processes often occur. Using the high spatial- and temporal-resolution and multi-spectral data from the Advanced Himawari Imager (AHI) on board Japanese new-generation geostationary satellite Himawari-8, a stand-alone CI nowcasting algorithm is developed in this study. The AHI-based CI algorithm utilizes the reflectance observations from channels 1 (0.47 μm) and 7 (3.9 μm), brightness temperature observations from infrared window channel 13 (10.4 μm), the dual-spectral differences between channels 10 (7.3 μm) and 13, 13 and 15 (12.4 μm), as well as a tri-spectral combination of channels 11, 15 and 13, as CI predictors without relying on any dynamic ancillary data (e.g., cloud type and atmospheric motion vector products). The proposed AHI-based algorithm is applied to CI cases over Fujian province in the Southeastern China. When validated by S-band radar observations, the CI algorithm produced a POD as high as 93.33 %, and a FAR as low as 33.33 % for a CI case day that occurred on 1 August 2015 over Northern Fujian. For over 216 CI events that occurred in a three-month period from July to September 2015, the CI nowcasting lead time has a mean value of ~64 minutes, with a longest lead time over 120 minutes. It is suggested that false-alarm nowcasts that occur in the presence of capping inversion require further investigation and algorithm enhancements.
著者
播磨屋 敏生
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.272-279, 1968 (Released:2008-05-27)
参考文献数
13
被引用文献数
2 5

かぎ状絹雲をmother-cloudからの降水のtrai1によるものと考えて,その特異な形を決める因子を観測値に基づいた温度,湿度,風速の垂直分布のもとで数値計算により調べた.計算の結果から次の事が結論される.かぎ状絹雲の形は,降水粒子の質量および風の垂直シャーに非常に依存する.また軸比が非常に大きい針状結晶を除いては,降水粒子の形にはあまり依存しない.
著者
Xi CAO Renguang WU
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.96, no.4, pp.317-336, 2018 (Released:2018-07-27)
参考文献数
43
被引用文献数
7

The present study compares contributions of different environmental factors to the tropical cyclone (TC) genesis over the western North Pacific (WNP) during 2015 and 2016. A local instantaneous view of conditions for the TC genesis is adopted in the present study, which is distinct from the previous view of large-scale temporal averaged conditions. The present study also distinguishes the contributions of three time scale variations (synoptic, intraseasonal, and interannual) of a number of factors. Common to 2015 and 2016, the positive contribution of lower-level vorticity and upward motion to the TC genesis is mainly from the intraseasonal and synoptic components; the contribution of the barotropic energy conversion to the development of synoptic disturbances is larger from climatological mean winds and intraseasonal wind variations than from interannual wind variations; all three time scale variations of mid-level specific humidity contribute positively to the TC genesis; the barotropic energy conversion from climatological mean winds is due to the terms in relation to the meridional shear and zonal convergence of zonal wind. In comparison, the positive contribution of lower-level vorticity and mid-level specific humidity is larger in 2015 than in 2016 on all the three time scales; the contribution of the barotropic energy conversion in relation to the meridional shear of interannual variations of zonal wind and the zonal convergence of intraseasonal variations of zonal wind are larger in 2015 than in 2016; the vertical wind shear on all the three time scales and the sea surface temperature on the interannual time scale have a larger positive contribution to the TC genesis in 2016 than in 2015.
著者
Kayo Ide Philippe Courtier Michael Ghil Andrew C. Lorenc
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1B, pp.181-189, 1997-03-25 (Released:2008-01-31)
参考文献数
32
被引用文献数
286 622

The need for unified notation in atmospheric and oceanic data assimilation arises from the field's rapid theoretical expansion and the desire to translate it into practical applications. Self-consistent notation is proposed that bridges sequential and variational methods, on the one hand, and operational usage, on the other. Over various other mottoes for this risky endeavor, the authors selected: "When I use a word, " Humpty Dumpty said, in rather a scornful voice tone, "it means just what I choose it to mean - neither more more less. "Lewis Carroll, 1871.
著者
Yoshimitsu CHIKAMOTO Masahide KIMOTO Masayoshi ISHII Masahiro WATANABE Toru NOZAWA Takashi MOCHIZUKI Hiroaki TATEBE Takashi T. SAKAMOTO Yoshiki KOMURO Hideo SHIOGAMA Masato MORI Sayaka YASUNAKA Yukiko IMADA Hiroshi KOYAMA Masato NOZU Fei-fei JIN
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.90A, pp.1-21, 2012 (Released:2012-06-07)
参考文献数
52
被引用文献数
14 24

Sea surface temperature (SST) predictability in the Pacific on decadal timescales is examined in hindcast experiments using the coupled atmosphere-ocean model MIROC with low, medium, and high resolutions. In these hindcast experiments, initial conditions are obtained from an anomaly assimilation procedure using the observed oceanic temperature and salinity while prescribing natural and anthropogenic forcing based on the IPCC concentration scenarios. Our hindcast experiments show the predictability of SST in the western subtropical Pacific, the Indian Ocean, and the tropics to the North Atlantic. Previous studies have examined the SST predictability in the Indian Ocean and the Atlantic, but SST predictability in the western subtropical Pacific has not been evaluated. In the western Pacific, the observed SST anomalies in the subtropics of both hemispheres increased rapidly from the early 1990s to the early 2000s. While this SST warming in the western subtropical Pacific is partly explained by global warming signals, the predictions of our model initialized in 1995 or 1996 tend to simulate the pattern of the SST increase and the associated precipitation changes. This large climate change around the late 1990s may be related to phenomena such as the recent increase in the typhoon frequency in Taiwan and the weakened East Asian monsoon reported by recent studies.
著者
吉野 正敏
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.27-46, 1960-12-26 (Released:2007-10-19)
参考文献数
31
被引用文献数
4 3

According to official observation, the maximum rainfall recorded in Japan is 55.9mm in 10 minutes, 87.9mm in 30 minutes, 157.0mm in 1 hour, 415.3mm in 6 hours, 844.5mm in 10 hours, 1, 109mm in 24 hours, 3, 462mm in 1 month and 10, 21.6mm in 1 year, Comparing these amounts with the world records reported by Jennings (1950), it is noticed that maximum rainfall in Japan is comparable only to world figures in the 1∼0 to 24 hour duration. This is thought to be because polar fronts or tropical cyclones in Japan and adjacent areas are stronger in that time period, while convectional rain, such as thunderstorms of short duration, or continuous rain, such as orographic rainfall under monsoonal conditions, are weaker than in another parts of the world. In addition, distribution maps of observed maximum rainfall within 10 minutes, 1 hour, 6 hours and 24 hours were drawn, and the distribution patterns were considered in connection with their causes.The constants, k and n, for an experimental equation of the depth-duration curve, R=ktn, where t is time (in minutes) and R, rainfall amount (in mm), were then calculated. As for the rainfall amount, R, the mean values obtained from the 1 st to the 5 th ranking in the official records of the Japan Meteorological Agency from 1941 to 1950, as observed every 10, 20 and 30 minutes and every 1, 3, 6, 18, 24, and 36 hours for each of the 109 stations in Japan, were used. Separating the time periods into those between 10 minutes and 1 hour and those between 6 and 36 hours, it was shown that the k and n values exhibited a wide range according to geographical regions and the above-mentioned time periods. These facts are shown in the accompanying figures and tables.Finally, the constants, b, k, and n, for an experimental equation for the intensityduration curve, i=k/(t+b)n, where t is time (in minutes) and i, the rainfall intensity (in mm per minute) were obtained by calculating the intensity values by the same method as is described above for the mean rainfall values. The distribution of b, k, and n values revealed marked localization as is shown in the figures attached. The values decrease with distance from the sea coast in central Japan, and are generally smaller on mountain tops than at the bottoms.
著者
秋山 孝子
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.304-316, 1975 (Released:2007-10-19)
参考文献数
6
被引用文献数
31 48

豪雨期間を含む1972年6月29日から7月14日に至る16日間について,日本列島近傍の水蒸気流束分布•水蒸気収束の状況を解析した.その結果は下記のごとくに要約される.(1)豪雨域の下層(700mb∼地上)で,強い水蒸気流束の収束がみられる.この収束は,下層の水蒸気sink(負のδq/δt,つまり降水)をもたらすと同時に.上向きのωqを通して,上層でのsinkをひきおこす.(2)稠密な雨量観測点から求めた面積平均雨量と,収支計算から求めた降水量は,よい一致を示している.(3)降水量の多寡によって,解析期間を"light","heavy"および"extremely heavy"rainfall periodに分類すると,その各々について,極めて特徴的な水蒸気流束分布が得られた.(4)heavy rainfall periodでは,南西諸島海域からSW-風によって,日本列島上のcloud zoneに流入する水蒸気流束の収束が特徴的である.またこのSW-水蒸気流束は,南西諸島海域で,太平洋上からの湿潤なSE-風によって強化されたものである.(5)extremely heavy rainfall periodでは, cloud zoneによる水蒸気の輸送量は減少し,日本列島の南方から,直接豪雨帯に向うSE-風による, transversalな水蒸気流束がいちじるしく増大し,その収束が,豪雨域内の主な水蒸気sinkとなる.(6)豪雨期間,降雨の水蒸気sourceは,太平洋高気圧によっておおわれている,雲のない亜熱帯海域であることが結論される.