著者
中山 貴夫 宮下 健輔
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-36, no.39, pp.1-7, 2017-02-24

京都女子大学では,2015 年 9 月のサーバシステム更改において学内に仮想化基盤を構築し,2015 年 10 月から Web ・ DNS ・ ファイルサーバなど学内の主要なサービスを移行した.しかし,メールについては従来の Web メールサービスを廃止して SMTP ,POP ,IMAP サーバの提供にサービス方針を変更した.そこで 2016 年 9 月末までの 1 年間をユーザへの周知及び移行期間として旧システムと新システムを並行稼働し,2016 年 9 月末に旧メールシステムを停止した.本稿では,メールサーバのログからユーザのサービス移行状況や利用状況を分析した結果を報告するとともに,今後のメールサービスのあり方について検討する.
著者
田中 大海 城戸 翔大 長田 智和 谷口 祐治
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-36, no.38, pp.1-4, 2017-02-24

琉球大学工学部情報工学科では,システム管理チームと呼ばれる有志の学生が,教員の指導の下で教育情報システムの設計 ・ 構築を行い,運用している.現在運用しているシステムは平成 27 年 10 月に初期構築されたものである.本システムは運用開始から 1 年が経過し,システム管理チームはさまざまなトラブル対応や運用の改善を行ってきた.本発表では,本学科における学生による教育情報システムの運用管理に関する取り組みを報告する.
著者
佐藤 竜也 長沼 健 根本 潤 福地 開帆 山田 仁志夫
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-36, no.30, pp.1-8, 2017-02-24

ブロックチェーン技術は破壊的イノベーションとして,金融をはじめとした様々な分野で実用可能性が検討されはじめている.ブロックチェーン技術はトランザクションシステムへの適用が期待されているが,その実用化に向けてはトランザクション性能を中心とした現在の実力と残課題の把握が必要である.そこで報告者はブロックチェーン基盤のオープンソースソフトウェアプロジェクトである Hyperledger の基盤実装の一つである Fabric について,モニタリングを含めた検証環境を構築し,性能を中心とした評価を行った.さらに,評価結果に基づいて,実用化に向けた技術課題を抽出した.
著者
藤本 大地 前田 香織 近堂 徹 大石 恭弘 相原 玲二
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-36, no.24, pp.1-6, 2017-02-24

スマートフォンやタブレット等のモバイル端末 (以下,端末) の普及に伴い,端末からのクラウドサーピス利用が拡大している.端末ではリソースの制約から高負荷な処理や大量のデータ保持が難しい場合があり,Mobile Cloud Compming (MCC) により処理の一部をクラウドヘオフロードできることが望ましい.そのためには,端末とクラウドとで連携したアプリケーション動作が必要となるため,ネットワーク接続性とアプリケーション応答性が重要となる.そこで本研究では,MCC の処理モジュールとして仮想マシン (VM) を想定し,ネットワーク遅延情報に基づいた VM の動的マイグレーションを支援するシステムを開発する.プロトタイプシステムでは OpenFlow を用いて VM と端末間の経路遅延情報を収集し,VM のマイグレーション先を選択する.加えて VM と端末の両者に対して移動透過通信機能を提供することで,サービス応答性の低下を抑制しつつ通信継続性を確保したライブマイグレーションが可能であることを示す.
著者
重光 史也 鈴木 貢
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2016-IOT-35, no.9, pp.1-4, 2016-09-16

Raspberry Pi は,2 次記憶やグラフィックディスプレイアダプタ,そして USB ホスト機能を名刺大のサイズに集積した汎用コンピュータである.Raspberry Pi はさらに GPIO (汎用入出力) ピンや I2C や SPI 等のシリアル通信機能を備えており,研究や教育において独自の IoT (Internet of Things) デバイスを構築するのに使われつつある.Raspberry Pi を使って実用的な IoT デバイスを構築する上で障壁となるのは,2 次記憶として使われている SD カードの寿命である.本研究では,SD カードへの書き込みを大きく減らして寿命を延ばすオペレーティングシステムの構築を探求する.
著者
山之上 卓 吉村 圭一郎 小田 謙太郎 下園 幸一
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2015-IOT-28, no.11, pp.1-7, 2015-02-26

Twitter の呟きがその模様に現れる 「着る電光掲示板」 の開発について述べる.この掲示板を着た人は,歩く広告塔となるだけでなく,災害発生時の連絡通知手段となる可能性を持つ.
著者
堀内 晨彦 最所 圭三
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2015-IOT-30, no.1, pp.1-6, 2015-06-26

Sensu とは,Ruby 製の監視フレームワークである.監視対象の自動登録,構成管理を前提とした設定など,クラウドに適したアーキテクチャとなっている.我々の研究室では,分散 Web システムの研究のため数十台の仮想サーバを運用しており,Sensu を用いて監視しようとしたが,監視オーバーヘッドの大きさや,サーバ停止時でも監視を継続しようとする問題が発生した.本稿では,これらの問題を解決するために開発した Go 言語を用いた監視のためのプラグイン,およびサーバ停止時に自動的に監視対象から削除するための手法について報告する.
著者
野呂 良瑛 中村 遼 大崎 博之
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2015-IOT-28, no.16, pp.1-6, 2015-02-26

近年,データを送受信するホストではなく,送受信されるデータを主体としたネットワーク (データセントリックネットワーク) の一つとして CCN(Content-Centric Networking) が注目されている.本稿では,多段キャッシュネットワークにおけるキャッシュのヒット率を解析的に求める近似アルゴリズム MCA (Multi-Cache Approximation) を利用することにより,任意のネットワークトポロジにおける CCN の性能を解析する.複数のルータと,複数のリポジトリから構成される CCN ネットワークを対象とし,エンティティがコンテンツを要求してからコンテンツを取得するまでに要する時間 (コンテンツ配送遅延),コンテンツ取得のスループット,ルータやリポジトリが故障する場合にエンティティがコンテンツを正しく取得できる確率 (可用性) を解析的に求める.さらに,いくつかの数値例により,ネットワークのトポロジが CCN の有効性に与える影響を調査する.その結果,CCN では,リポジトリに近いルータほど,コンテンツのキャッシングによる性能向上の恩恵 (コンテンツ配送遅延の短縮および可用性の向上) を受けることがわかった.
著者
福山 雅深 大岩 美春 山井 成良 北川 直哉
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2015-IOT-28, no.2, pp.1-6, 2015-02-26

近年,金融機関や政府,地方行政団体等に詐称したメールを送信して,不正に金銭を窃取する事例が多く発生しており,メールの差出人や内容の信憑性を確保することが求められている.DKIM は送信ドメイン認証技術の一つであり,送信側が付加した電子署名をメール受信時に検証し,送信されたメールが正当な送信者から改竄なく配送されたかを判断することができる.しかし,DKIM 検証機構は,特に受信サーバ側ではそれほど普及していない.本論文では,通常メールサービス提供者の受信サーバで行う検証処理を,メールサービス利用者が設置した POP プロクシを用いて検証し,その結果を各ユーザに通知するシステムについて報告する.
著者
壺内 将之 岡部 寿男
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.33, pp.1-5, 2014-02-20

近年デジタルコンテンツの不正アップロードが問題となっている。ソフトウェアの不正コピー防止には従来はハードウェアとソフトウェアを結びつけて特定のハードでのみ動作することを許可する方式が採用されてきたが、正規ユーザには不便な仕様である。本研究では、実行形式ファイルへプログラムの実行順序を電子指紋として挿入することにより、ソフトウェアの不正アップロード者を追跡できるようにすることで、正規ユーザの利便性を損ねることなく不正コピーの流通を抑制することを提案する。プログラムを断片化し、それらの実行順序をランダムに入れ替え、その実行順序を指紋とする。また、ダミーの断片を多数入れることにより、プログラムの実行経路の追跡を困難にして、指紋の除去を防止する。
著者
二宮 恵 長 健二朗
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.32, pp.1-6, 2014-02-20

最近の Web トラフイックでは、Web アプリケーションにおける JavaScript のトラフイック量は増加傾向にある。本稿では JavaScript に注目し、JavaScript が Web アプリケーションの描画処理とその応答性能にどのような影響を与えているか明らかにした。さらに複雑化している Web を踏まえ、今後の Web アプリケーションにおける描画順序のあり方について提案を行った。
著者
中山 貴夫
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.31, pp.1-4, 2014-02-20

学会などのイベント会場において参加者にネットワークを提供するのは必須となっている.イベントネットワークの構築には,一般的に会場の既設ネットワークの利用や,臨時の対外線を手配して利用する方法がとられているが,短期間で準備ができる回線として WiMAX を用いることも考えられる.本稿では,2013 年 12 月に開催された国際会議 SITIS において提供した複数の WiMAX 回線を用いたイベントネットワークについて,構築手法や利用状況について報告する.
著者
杉木章義 佐藤聡 和田耕一
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.30, pp.1-7, 2014-02-20

筑波大学では,Microsoft EES ライセンスを 2013 年 3 月より締結し,導入に向けた作業を行った.EES ライセンスは国内の数多くの大学でも既に導入されているが,本学での状況に合わせて運用をカスタマイズし,学内ダウンロードによるソフトウェア配布と KMS ライセンス認証を原則とした運用方針を採用した.本研究では,MS EES ライセンスの導入を行った 2013 年 3 月から 12 月にかけての 9 ヶ月以上にわたる KMS ライセンス認証ログを蓄積し,その分析から,学内での MS EES ライセンスの活用状況やその問題点について報告する.
著者
櫨山寛章 三宅喬 奥田剛 河合栄治 宮地利幸 三輪信介
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.25, pp.1-8, 2014-02-20

テストベッド間連携とは,テストベッド間を相互接続し,より大規模で高度な検証を行うための試験環境を構築する行為である.グローバルブローカーを想定しない,ローカルブローカー型テストベッド間連携モデルは,各テストベッドで独自の資源管理システムや運用管理ポリシを許容しながらテストベッド間連携を行い,単一テストベッドユーザが透過的に提携テストベッドに資源を利用できる連携モデルである.本稿では,ローカルブローカーモデルによるテストベッド連携モデルにおいて,資源予約や資源割り当て,相互接続の設定における調停を補佐,または半自動化を支援するテストベッド間連携を行うためのテストベッド連携フレームワークを提案する.
著者
小川 康一 吉浦 紀晃
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.23, pp.1-6, 2014-02-20

災害時には,人々のネットワーク利用の殺到によって,災害地への重要な通信が優先的にネットワークに転送されにくくなる問題点がある.本論文では,災害地の通信を優先するといった,災害時のネットワークの対応策について提案する.対応策の具体的な方法は,ネットワークを流れるパケット内の IP アドレス情報から災害地の通信であると判断できた場合には,その通信に 「災害 ID」 を付与することである.ネットワーク機器はこの災害 ID を確認し,災害 ID が付いている場合には優先的に配送を行う.また,災害地からの通信,または災害地への通信を優先制御するために,通信が災害地からのものであるかを把握する必要がある.そのためには,IP アドレスと位置情報の対応関係の把握が必要となる.この対応関係の把握のためにデータベースを利用する.この対応策を具体的に実現する方法の 1 つとして OpenFlow を用いる.
著者
信田 圭哉 長谷川 明生
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.17, pp.1-4, 2014-02-20

一般的な PC よも安価な Raspberry Pi を使用し,コンピュータクラスタを構成する.並列計算機環境の構築の一部を自動化するシステムを開発し,コストの面と扱いやすさの点から初学者向きの環境を目指す.
著者
佐藤 慶太 瀬野 瑛 萩原 威志
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.16, pp.1-6, 2014-02-20

各サーバがローカルに保持するアノテーションデータを P2P ネットワークを介して相互に参照する手法が提案されている.本研究では,W3C によるウェブアノテーション規格である Annotea のサーバを,Java およびその P2P 通信ライブラリである JXTA を用いて実現する.JXTA ネットワーク上の各サーバに分散しているアノテーションに対し Annotea が求める検索機能を実現するため,JXTA ネットワーク上にインデックスを作成する仕組みを設計した.また,インデックスデータの複製/同期/マージの手順も設計し,ピアの脱退を想定した耐障害性を備えた.本論文では,これらの設計のもと自律分散型 Annotea サーバ Wasabi を実装し,その評価を行った.
著者
加藤 尚徳 岡田 仁志
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.13, pp.1-6, 2014-02-20

作権法では私的領域への課金として私的録音録画補償金制度がもうけられている。一方で、昨今の技術的な進歩に伴って、技術的保護手段も多様化してきた。このような中、私的録音録画補償金制度と技術的保護手段の関係性が争点となった争いが生じた。加えて、欧州司法裁判所でも同様の構図をもった争いが生じている。本稿では、私的録画補償金と技術的保護手段について著作権法の視点から分析を行い、課題を明らかにする。また、昨今の権利者団体の提案を踏まえつつ、今後の制度のあり方について新しい分析手法を提案する。
著者
片桐 太樹 小田 謙太郎 下園 幸一 山之上 卓 樋高 想士
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.2, pp.1-5, 2014-02-20

タブレット端末等の液晶タッチパネルの上に、薄い紙を載せ、その上で書写の練習を行う書写練習システムを開発している.このシステムは、実際の紙の上で行われる作業を液晶タッチパネルで強化するシステムであり、我々はこのような技術を 「強化現実」 と読んでいる.この書写練習システムを、クラウド技術と組み合わせることにより、コミュニティ全体で書写の練習をおこなったり、処理性能の向上を計ったりする予定である.
著者
高原 尚志
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.10, pp.1-6, 2014-02-20

著者らは,VoIP 通信をセキュアに行うための方式として,信頼できる Web プロキシ (Trusted Web Proxy=TWP) を用いて SRTP のための共有鍵を安全に交換する TWP 方式を提案した.しかし現在の TWP 方式は,一つの TWP を設定することによって,信頼性を保証する方式であるため,インターネットのような大規模ネットワークでは,TWP に過度に負荷が掛かるなどの課題がある.そこで本稿では,TWP 方式を大規模ネットワークに適用するための課題を明らかにし,解決に向けた提案を行う.